感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
短編集だが、非常にレベルの高い作品の集まりだった。
ジョナサンがいない が1番好き。こういうミスリードは上手く騙されると気持ちいい。確かに読み返してみると、これから会う男と恋愛するとは一言も書いてなかった。ニッケルバックのsaving meを思い出した。
他では サービス料として も好き。
後半になるにつれ、パターンが読めてきた部分はあるが、それでもどれも楽しめた。
精神障害の真贋
一部ご紹介します。
・精神障害とみなされることが、ある人の有利に働くことがある。責任能力を問われずに済むということで。
例えば戦うことを厭う兵士。保険金詐欺犯。罪を犯した者。もしくは罪を犯そうとする者。
・幽霊というのは、正気の人間が他人に対し、狂気を偽ろうというときに使用する古典的な幻覚だ。
幽霊や霊魂とはいかにも妄想の産物だ。しかし、正気を失った者には理解できるものではない。
本当の精神病患者というのは、実在する人間が自分に話しかけていると思い込む。
幽霊の声が聞こえるのではない。実在する人間の声がじかに聞こえるのである。
本物の精神病患者は、頭の中で声がする、などとは決して言わない。自分は絶対に正気だと言い張るのだ。
・真正の精神障害の場合、化粧がまず最初におかしくなる。患者はただ塗りたくるのだ。
これは自分の正体を隠そうとする行動と関係してくる。
・精神医学において、ユーモアは日常体験に基づく概念の皮肉な並置と定義される。
精神障害のある者の思考プロセスとは真逆だ。頭のおかしい人間は冗談を言わないのである。
Posted by ブクログ
ジェフリー・ディーヴァーのショートミステリ集。表題となっているクリスマス・プレゼントや、ウィークエンダーなど、どんでん返しを楽しめる。ニューヨークの街が出てくるので、ふとした風景は想像できるのだけど、ショートショート的にそのあたりは端折られているので、やや一気に結論(逆転)まで走っていく。
スーパーモデルが、ストーカーに追いかけられ続け、最後にとった整形で普通の女になるという方法、など通常は取らない方策を用いて読者を欺く手法をとってくる。一つ一つの短編を、味わいながらゆっくり進んで、一冊を終えられる幸せ。