【感想・ネタバレ】ネジ式ザゼツキーのレビュー

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Posted by ブクログ

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ミステリーのようなファンタジーのようなSFのような作品。

この非現実感を世界に結び付けていく感覚がとても好きだ。ただ、人によっては好きになれないのかもしれない。

記憶を失った男が見たネジが埋め込まれた死体。あり得ないはずのものが存在してしまった理由は何か。

まさか、そんなことあるはずがない。と考えてしまう読者の遥か上を超すアイディアに脱帽させられるのみである。

もう、文句をつけるとしたら、御手洗の超人ぶりにのみであろうか。そんな話であった。

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2015年01月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

御手洗はストックホルム大の教授になっているが、非常に島田荘司らしい作品。
現実とは思えない内容の物語を、血なまぐさい現実に落とし込む。解説では最大のカタルシスは「ビートルズの代表曲がベースになっている」と判明するところだと言っていたが、自分はやはりスペースコロニーの中だというところだと思う。
スキップする大人たち、三メートル近いひまわり、南北方向にはなぜ直線道路がないのか、といった謎が一気に一つにつながる。まさしく"奇想"だ。
そしてここまでが第一部といった感じだろうか。
第二部は、切られた首にネジを組み込まれた死体。
仰角45度で接射され、二つの穴を開けた三発の弾丸に関する推理が面白く、想像もつかないネジの理由に関してもこれしかないと思わされる。

魅力的な謎に、グイグイ読ませる物語、そして謎を一つ残らず解明する大胆な解決。
この頃の島田荘司の作品の中では一つ抜きん出ている。これは大満足。

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2022年02月06日

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再読。
記憶を失ったエゴン・マーカットが書いたファンタジー「タンジール蜜柑共和国への帰還」。LucyInTheSkyの世界。スウェーデンにて御手洗くんは記憶を失った時期と場所を推理する。記憶を失うのだから、そうとうなショックな出来事なはず。
スウェーデン部分は横書き。ちょっと斬新よね。
フィリピンで行われた殺人。ゴウレムを作り出そうと、人を人とも思わない所業。犯人として留置されているのはルネス。そして、ザゼツキーの死体の首にネジが埋められていた理由。
最後はちょっぴりハッピーエンド。丸く収まるけど、長い年月がかかった。

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2021年04月08日

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内容が内容だけに、評価は右へ左へと大きく分かれてしまう作品だと思います。この世界にハマるかハマれないかという感じ。
私個人としては、最後にいたるまでいったいこの世界はどうなってるの?とワクワクしながら読んでいました。
久々の御手洗潔の存在も嬉しかったです。
でも人を選ぶ作品であることは…間違いないです。

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2012年02月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

久々の御手洗物らしい小説を読んだという感じだ。
『タンジール蜜柑共和国の帰還』という奇妙な内容の童話について解析をする趣向は過去の作品『眩暈』を想起させ、この作品が好きな私にとってなんともたまらないワクワク感があった。特にビートルズの歌が絡んでいるという件には驚かされた。これはビートルズ・フリークである島田氏にとって積年の願望をようやく果たしたのではないだろうか。

他にも旧作を想起させる箇所があり、人の五体を解体してネジ式の関節をもつ義手・義足をつけ、ゴウレムを作り上げるというのが今回の作品世界を彩るもう1つのモチーフなのだが、これなんかはデビュー作『占星術殺人事件』のアゾートがすぐに浮かんだ。

とまあ、ある種、永い眠りから覚めた御手洗シリーズの復活を宣言するような内容である本書。特に前半の『タンジール~』の解析の辺りはどんどん判明していく驚愕の事実にページを捲る手がもどかしいほどの面白さを感じたのだが、肝心の殺人事件の解明のあたりになるとどうも食指が鈍った。
疲れから来る睡魔もあったのは事実だが、なんだか事件が複雑すぎるのだ。明かされた真相もものすごく作られた感じがして、心の底から同意できなかった。
殺された遺体の首がネジのように回り、外れ、転がっていく、なんとも唖然とする事件ではないか。しかし、それを論理的に解明しようとするために、無理を生じているような感じがした。

そして、やはり語り手が石岡以外では違和感があるのは否めない。御手洗がなんだか別人のように思えるのだ。エキセントリックさに欠け、すごく常識的な人物として立ち振る舞うその姿は消化不良感がどうしても残ってしまう。

しかし、もっとも驚いたのは『タンジール~』の舞台がフィリピンだったという事。あと約1週間後に彼の地へ赴任する我が身(当時)にとってなんか因縁めいた物を感じた。
こんなところにも出てきたのか、この国。ふぅ~・・・・。

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2023年03月07日

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