【感想・ネタバレ】ネジ式ザゼツキーのレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

17年ぶりの再読。
面白い。作中の『タンジール蜜柑共和国への帰還』という小説はそれだけでファンタジー小説として読んでも面白い。
そのファンタジーとしか思えない小説が現実に起きたことを綴ったものだと解き明かしするくだりは読んでいて感心してしまった。
今回は石岡のポジションが研究者のハインリッヒだが、彼とのやり取りも微笑ましかった。
海外での御手洗さんのほうが日本でいるより感情の吐露が素直な気がする。海外の水が合うんだなぁと思う。
やっぱり御手洗さん、好きだなぁ。

0
2023年10月30日

Posted by ブクログ

初めて読んだミステリー小説でした
高校生のとき、文庫本で1,000ページくらいあって分厚いのに、大学受験が終わって時間があったので選びました。

こういう発想がすごい好き。
眩暈も読みましたが、やっぱりザゼツキーの方が好き。

0
2019年07月24日

Posted by ブクログ

久しぶりに再読。「タンジール蜜柑共和国への帰還」と、事件の関連が素晴らしいです。そして最後の推理で驚く。こういうことなのか!と驚くけれども筋が通っていてうむむってなるこの感じがいいです。

0
2016年02月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ミステリーのようなファンタジーのようなSFのような作品。

この非現実感を世界に結び付けていく感覚がとても好きだ。ただ、人によっては好きになれないのかもしれない。

記憶を失った男が見たネジが埋め込まれた死体。あり得ないはずのものが存在してしまった理由は何か。

まさか、そんなことあるはずがない。と考えてしまう読者の遥か上を超すアイディアに脱帽させられるのみである。

もう、文句をつけるとしたら、御手洗の超人ぶりにのみであろうか。そんな話であった。

0
2015年01月24日

Posted by ブクログ

凄惨な殺人に度肝を抜かれる。
しかし、驚くのはそれだけじゃない。
そんな殺し方をしたのにはわけがある。
感情を揺さぶり、思考を麻痺させる。
最後に論理的思考の痛快さを思い知らされる。

0
2013年10月11日

Posted by ブクログ

よく練られたプロット!
いきなりの難題があのような形で着地するとは。
島田作品の特徴としてあげられる冒頭のありえない謎を
解決するというスタイルの中でも私はこの作品が一番のお気に入り。
人間の脳みそって不思議。

0
2013年02月09日

Posted by ブクログ

解説にあるとおり、当時50代であった著者が書いたとは思えないくらい、緻密かつ斬新。後半の事件だけでも1冊の本として成り立つくらいですが、その事件の伏線となる100ページの物語が恐ろしいほど丁寧に作られています。

0
2012年06月07日

Posted by ブクログ

このシリーズは好き。中でもこの本は麻薬中毒者のような世界観、例えるなら江戸川乱歩が好きそうで夢野久作が足をバタバタさせそうな世界観。そんなのを含みながら完全にチェアーディテクティブ。キヨシがウプサラに居るってのもなんかいい。

0
2010年12月05日

Posted by ブクログ

めずらしく御手洗視点で話が始まったので
「これホントに御手洗さんなの!?」となかなか信じられなかった。
だってかなり普通の人っぽかったんだもん…。
それにしてもカフェ・ラテって。解禁?
脅威の島田ワールド炸裂ですよ。

0
2009年10月04日

Posted by ブクログ

 途中までは、「なんなんだこりゃぁホラーなのか?」と思いつつ読んでましたが、後半を読んで「はわー! すげぇ!」となりました。すごく面白いです。

0
2009年10月07日

Posted by ブクログ

途絶していた島田作品を再び読み始めて二作目にこれにぶち当たった。すげえ!と唸った作品。ちまちま読み返しては浸った。メルヘン部分も無理なく読める…とゆーより、楽しかった。

0
2009年10月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

御手洗はストックホルム大の教授になっているが、非常に島田荘司らしい作品。
現実とは思えない内容の物語を、血なまぐさい現実に落とし込む。解説では最大のカタルシスは「ビートルズの代表曲がベースになっている」と判明するところだと言っていたが、自分はやはりスペースコロニーの中だというところだと思う。
スキップする大人たち、三メートル近いひまわり、南北方向にはなぜ直線道路がないのか、といった謎が一気に一つにつながる。まさしく"奇想"だ。
そしてここまでが第一部といった感じだろうか。
第二部は、切られた首にネジを組み込まれた死体。
仰角45度で接射され、二つの穴を開けた三発の弾丸に関する推理が面白く、想像もつかないネジの理由に関してもこれしかないと思わされる。

魅力的な謎に、グイグイ読ませる物語、そして謎を一つ残らず解明する大胆な解決。
この頃の島田荘司の作品の中では一つ抜きん出ている。これは大満足。

0
2022年02月06日

Posted by ブクログ

記憶喪失の男、奇妙な童話、怪奇の事件、全部を合わせて解決に導く。分厚い本でもサクッとあっという間に読めました。御手洗シリーズをほぼ読んだことがなくても繋がりなく読める。
トリックよりも、雲を掴むような童話から、特定の人と事件を結びつけた鮮やかさと、その事件の奇怪さの衝撃が強い作品。30年の年月とヨーロッパとアフリカとアジアを簡単に飛び越える発想のすごさで、読んでて面白かった。ネジ式ザゼツキーという題名がおどろおどろしくていいなぁー

0
2021年12月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

再読。
記憶を失ったエゴン・マーカットが書いたファンタジー「タンジール蜜柑共和国への帰還」。LucyInTheSkyの世界。スウェーデンにて御手洗くんは記憶を失った時期と場所を推理する。記憶を失うのだから、そうとうなショックな出来事なはず。
スウェーデン部分は横書き。ちょっと斬新よね。
フィリピンで行われた殺人。ゴウレムを作り出そうと、人を人とも思わない所業。犯人として留置されているのはルネス。そして、ザゼツキーの死体の首にネジが埋められていた理由。
最後はちょっぴりハッピーエンド。丸く収まるけど、長い年月がかかった。

0
2021年04月08日

Posted by ブクログ

分厚い推理小説は、複雑な筋立てや登場人物の多さに途中で投げ出すことが多いんだが、本書はほとんど息継ぎなしで読み切れた。首にネジが埋め込まれた死体という異様きわまりない状況が、まさかああいう解決になるとは。島田荘司、さすがの名人芸。

0
2015年06月20日

Posted by ブクログ

無数の驚異と疑問を抱いて、真実へ近づくと悲しくなった。こんな心境は「奇想、天を動かす」以来かなぁ。。。

0
2012年08月28日

Posted by ブクログ

突飛な物語が見事説明されていく、さすがの島田作品。御手洗のスウェーデンでの生活ももう少し描いてくれると尚よかったかな。
ですが、散在する日本下げのくだり必要かなあ?尊敬する作家の1人ですが、たまにこういうところがどうかな、と感じる時があります。アメリカに移住するくらいなので、母国に複雑な感情を持っているのでしょうけど。

0
2012年07月18日

Posted by ブクログ

好き嫌いは分かれる種類の小説だと思うが、島田荘司ならではの作風と思う。ストーリーの謎の部分が二重構造になっており、登場人物が最後に言うとおり、思いもよらない解答がすがたを現す。
初期作に近い荒唐無稽っぷり。そこが好みの分かれ目か。

0
2012年05月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

内容が内容だけに、評価は右へ左へと大きく分かれてしまう作品だと思います。この世界にハマるかハマれないかという感じ。
私個人としては、最後にいたるまでいったいこの世界はどうなってるの?とワクワクしながら読んでいました。
久々の御手洗潔の存在も嬉しかったです。
でも人を選ぶ作品であることは…間違いないです。

0
2012年02月16日

Posted by ブクログ

私には久々にきた当たりだったけど、好き嫌いも評価もかなりわかれる本だと思う。もちろん主人公は御手洗潔で、彼が北欧に移ってからの話。
記憶も籍ももたない男が自分自身の謎を知りたいと御手洗のもとにやってくる。同席した同僚は、ただの精神的疾患として扱うが、御手洗は(いつも通り)一瞬にして彼の過去も病の原因も見抜き、それらの鍵は全て、彼がかつて著した"意味不明なお話"の中に隠されているとして、物語の解読を始める。

単純にこんな話よく考えつくな、と感心した。オレンジの木がそびえ立ち動物たちが闊歩するファンタジーの世界に、ビートルズが潜み、凄惨な殺人の秘密が隠蔽されているとは夢にも思いもよらなかったー。

ラストスパートをかける本は多いけど、ほぼ序盤から終わりまでここまでのスピードで読者をひっぱっていくのは、このシリーズでも随一だと思う。ひっきりなしに謎が現れ、それを解き続ける手をゆるめさせないのがすごい。

「眩暈」も設定はかなり似てるけど面白さはこっちが上かと。無茶がすぎないところも。ただやっぱりワトソン役は石岡くんにしてほしかったな。コンビ再結成を深く祈ります。それにしても「ネジ式ザゼツキー」って最高に魅力的な単語!珍しくタイトルセンスありすぎ。
2011年06月09日 16:08

0
2011年11月13日

Posted by ブクログ

まずタイトル見て、「なんていう内容なんだろう?」と始まった本書。読んでいると童話と記憶喪失が出てくるのだけど、このタイトルがこうなってしまうとは思わなかった。流石島田さんだ。しかしこの殺害は実際には出来ないだろうなー。

0
2011年01月10日

Posted by ブクログ

島田は相変わらずサイドストーリーが上手い。
いや本当。
上手い事読者を引っ張り込むなーと思う。
世界観を作り出す力がハンパないね。
なんか御手洗のキャラが変わった気もするけど。
何よりあとがきが本編とまったく関係ないマンハッタンの話だった事に尊敬した。

ただ、「ミステリー(推理物)」として人に薦めにくいかなー。

0
2010年01月11日

Posted by ブクログ

★あらすじ★重度の記憶障害を持つ男が書いた「タンジール蜜柑共和国への帰還」。蜜柑の樹の上にある村には、ネジ式の関節を持つ妖精達が住んでいた…という奇妙なファンタジーを書いた男は、このタンジール共和国へ帰りたいと言う。御手洗潔は、この小説の中に真実が隠されているというが…
★感想★島田作品は何年も前にハマってましたが、本人の思考の迷走ぶりについていけずに冷めてしまってたので、読むのは久々です。まあ、相変わらず理屈っぽいんですけど(笑)「眩暈」「占星術殺人事件」のような最初に提示された謎が解明されていくミステリは大好きなので、作品世界は堪能させてもらいました。本人に興味がなくなったとはいえ、作品まで偏見を持つのはよくないと反省。 

0
2010年02月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

久々の御手洗物らしい小説を読んだという感じだ。
『タンジール蜜柑共和国の帰還』という奇妙な内容の童話について解析をする趣向は過去の作品『眩暈』を想起させ、この作品が好きな私にとってなんともたまらないワクワク感があった。特にビートルズの歌が絡んでいるという件には驚かされた。これはビートルズ・フリークである島田氏にとって積年の願望をようやく果たしたのではないだろうか。

他にも旧作を想起させる箇所があり、人の五体を解体してネジ式の関節をもつ義手・義足をつけ、ゴウレムを作り上げるというのが今回の作品世界を彩るもう1つのモチーフなのだが、これなんかはデビュー作『占星術殺人事件』のアゾートがすぐに浮かんだ。

とまあ、ある種、永い眠りから覚めた御手洗シリーズの復活を宣言するような内容である本書。特に前半の『タンジール~』の解析の辺りはどんどん判明していく驚愕の事実にページを捲る手がもどかしいほどの面白さを感じたのだが、肝心の殺人事件の解明のあたりになるとどうも食指が鈍った。
疲れから来る睡魔もあったのは事実だが、なんだか事件が複雑すぎるのだ。明かされた真相もものすごく作られた感じがして、心の底から同意できなかった。
殺された遺体の首がネジのように回り、外れ、転がっていく、なんとも唖然とする事件ではないか。しかし、それを論理的に解明しようとするために、無理を生じているような感じがした。

そして、やはり語り手が石岡以外では違和感があるのは否めない。御手洗がなんだか別人のように思えるのだ。エキセントリックさに欠け、すごく常識的な人物として立ち振る舞うその姿は消化不良感がどうしても残ってしまう。

しかし、もっとも驚いたのは『タンジール~』の舞台がフィリピンだったという事。あと約1週間後に彼の地へ赴任する我が身(当時)にとってなんか因縁めいた物を感じた。
こんなところにも出てきたのか、この国。ふぅ~・・・・。

0
2023年03月07日

Posted by ブクログ

冒頭、横書きに面食らい、作中作に目を回し、語り手の分散に振り回されながら、それでも最後まで一息で読みきらす手腕は豪快。肉体損傷の描写は得意ではないので、薄目で読んだ。作中で言及している音楽を聴きたくなる作品は良作と相場が決まっている。

0
2020年12月30日

Posted by ブクログ

御手洗。
私は、眩暈にちょっと似てると思った。

記憶障害の人物が書いた物語から、真実を推理する話。
ネジ式の死体とか、いったいどうなるんだと思っていたけど
はあー、なるほどー‼︎と思った。
すごい。さすが島田さん。

0
2013年12月13日

Posted by ブクログ

なんかなぁ…。
御手洗潔シリーズはわりと好きなのだけど、今回のは…ん〜…。
あたしはいまいち…。
なんていうか、途中の(「エゴン・マーカット」の第二部で言うところのS層の)スケールが大きすぎて、実際の事件の方が色褪せてる感じがする…。
とくに、最後の章では謎解きをするのが御手洗ではなく、事件の当事者たちが事実を語っていくせいで、よけい、ミステリー風味がそがれて、「…ふ〜ん」って感じ。

といっても、事件自体の謎がすごくないわけではないのだけれど。
あたしが、ミステリー小説においては、探偵が犯人や事件について、ズバズバ言い当てていく…という展開を好むせいだと思うのだけど。

それから、個人的には、謎が謎のままで残るものや、専門知識がないと解けない謎、というのも好みません。
S層の謎は、専門知識がなきゃわかるわけないじゃん! って感じで、そこが好きくない。
あたしは科学について詳しくなりたいわけじゃないのになぁ…と思う。

それから、T層に分類できたことが事実とは食い違ったところ(死体の正体)があったのに、結局、それがなぜ入れ替わったのかは説明なかった、よね…?
推測ならいくらでもできるけど、脳科学とか言うなら、そこらへんについてもちゃんと合理的な説明がほしかった…。

…とまぁ、学会間近で時間がないなか、息抜きに読んだ本なのに逆にフラストレーションがたまる…という個人的な理由のせいで、今日はいつもより辛口で。。。

0
2013年10月16日

Posted by ブクログ

さくっと読める島田荘司。
彼方此方移動して手がかりを集めて事件を解決するタイプじゃない処がのめり込むきっかけになった感じで、スーッと読み終えてしまいました。
でも面白かった!心地よい夢で終わるラストも印象的でした。流石!

0
2013年06月19日

Posted by ブクログ

御手洗シリーズはあまり読み込んでないんだけど、御手洗の一人称ってかなり珍しい?
いつもは嫌みな名探偵も、今回は衒学披露も控えめで、突飛な推理展開以外は別人のような大人しさでした^^


横書きと縦書きで童話世界と現実世界を差別化した点、最後の解決章だけは童話世界と書き方を統一した点が構成の妙…何でしょうか。←
解決章がこうなる意図が良く分からなかったのは、やっぱりいつものように読み込みが足りないからなのか…(pд・。)ウウ…

不可解すぎる謎の割に、ネタはかなりシンプル。容疑者もほとんどいないし、フーダニットと言うよりはワイダニットが主眼です。

「何故、殺人犯は被害者の首を切断し、そこにネジを装着したのか」

これを一編の童話から推測していくんだから…(呆然)。
泥酔した目撃者の証言内容にどれくらい信憑性があるのかしら〜とか、推測の上に展開される推測の上に推測を重ねて更に推測を〜〜が延々続く推理って、どれくらい信頼性があるのかしら〜、てな疑問は浮かんでは消えますが、最終的には読み応えもあって大満足なミステリィです(笑)。

この手のミステリィって、相当の筆力と構成力が無いと忽ち破綻するよなあ…と考えると、島田荘司恐るべし…!と改めて巨人の才能にひれ伏す凡人なのでした^^


記憶に障害を持つ男エゴン・マッカートが書いた物語。そこには、蜜柑の樹の上の国、ネジ式の関節を持つ妖精、人工筋肉で羽ばたく飛行機などが描かれていた。御手洗潔がそのファンタジーを読んだ時、エゴンの過去と物語に隠された驚愕の真実が浮かびあがる!圧倒的スケールと複合的な謎の傑作長編ミステリー。

0
2011年06月04日

Posted by ブクログ

読んだのはこれで二度目。
研究室から一歩も出ずに、一冊の本と一人の記憶とネットのつながったパソコンと、それらをもとにした推理だけで三十年も昔の事件を解決する。御手洗潔は安楽椅子探偵もできるんだな。

結構厚い本だけど、それのほぼ全編が解決編のように思われた。
実際には、過去に殺人事件が起こったと判明するまででページの半分を使っているんだけど、でもそこまでも推理でたどり着いているから。

それから、うんちくが正直長く感じられた。うんちくは嫌いじゃないけど、あれだけこまごまいろいろ挟まっていると、「いいから核心を早く言ってくれ!」っていう気分になる。
そのうんちくも推理には必要なんだけれども…

それと、真犯人の彼はルネスがつかまったのを知ってからも長く放っておき過ぎではないか…?
「何度も自白してルネスを助けようとしたけどどうしても怖かったんだ」みたいな一言でもあればよかったんだけど。
あれじゃあ、この人もしかしたら御手洗潔が真相を見破らなければ自白しなかったかも、と思えてしまう…

0
2019年01月16日

「小説」ランキング