【感想・ネタバレ】晩年のレビュー

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Posted by ブクログ

今さら説明しなくても誰もが知っている太宰治の第一創作集。「葉」、「思い出」、「魚服記」、「列車」、「地球図」、「猿ヶ島」、「雀こ」、「道化の華」、「猿面冠者」、「逆行」、「彼は昔の彼ならず」、「ロマネスク」、「玩具」、「陰火」、「めくら草紙」の短編15編から成っており、大半は太宰が23〜24歳の頃に書かれた作品です。

多彩な実験的手法のオンパレードで、デビュー作にして、その後の太宰作品のエッセンシャルがつまりまくっています。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

実はこれいちばん読みにくくて時間かかりました。本当にこの人しかかけない小説をこの人はかくんだなぁと腹の底から感動しました。しにそうなくらさのなかに、見え隠れする明るさがだいすき。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

太宰治なら『人間失格』と『斜陽』だね、という太宰ファンを見つけたらそいつはモグリである。太宰の小説はかなり、笑っちゃうことばかり書いてある。彼は本物の道化なのだ。シリアスに太宰を読む人間はどうかしている。太宰という作家は、お笑芸人系の作家なのだ。どれもこれも一級品の道化心が散りばめられていて、彼の人生同様いい加減でもったりした話しぶりとドライヴ感により読者たちを引き込んでいく。すなわち、三島由紀夫ほどに、固定観念を押し付けてこない、優しい場所に読者を誘い込み隔離し幽閉するのが太宰流なのである。太宰にかぶれた憐れな少年少女たちは、太宰と自分をダブらせ、なんて人生は儚いんだろうねえ、なんて前髪をはらっとさせつつ、咳のひとつでもしてみせて、その場限りの憂鬱を楽しむ。実際の太宰はかなり健康であった。新宿から三鷹など簡単に歩いていたらしいし、玉の井での女遊びも相当ハードに通ったらしい。これが、二言目にはキリストと言っていた男のすることだろうか。太宰は、いつまでも読者をナブリモノものにして遊ぶ。読者は否応無く玉の井の遊女たち以下に格下げされ、太宰さああんなんて言っちゃ、桃の花の散るのをみて悶絶する。嗚呼、莫迦らしいったらない。太宰の最高傑作は、実はデヴュー作である『晩年』であることはあまり有名ではない。この渇き切った文体、遺書として書かれた割にはあまりに意欲的な文章の羅列の裏に、太宰の悪魔的な野心が隠れきらずに、炎を噴き上げるのを見つけて、ついつい私は太宰さん、ワザ、ワザ、と言ってハニカンデしまうのである。道化師に一番してはいけないこととは知りつつも。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

初期短編集。作家の津島佑子は次女。衆議院議員津島雄二(旧姓上野)は、太宰の長女津島園子の夫。作家の太田治子は愛人太田静子との間にできた子。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

太宰治の処女作。
処女作なのに『晩年』・・彼はこの本を出版したあと自殺するつもりだったのだ(死ななかったけど)

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

『「晩年」お読みになりますか?』
 これは私が持っている角川文庫の裏表紙に書かれている文の一部です。普通はこの部分にはあらすじなどが書かれているのですが、作者本人の言葉が書かれているものは珍しいのではないでしょうか。私はこの言葉に惹かれて、この本を買いました。
『晩年』というタイトル通り彼は遺著のつもりでこの作品集を発表しましたが、処女作品集が遺著という衝撃的な結末を迎える事はありませんでした。
 私もそうでしたが、彼の最初の本として『人間失格』を選ぶ人は多いと思いますが短編集で読みやすく一番好きな本なので手付けとしてはこの本がオススメです。ちなみに私が一番好きな作品は『猿面冠者』
 遺著にするつもりだった作品集だという事もあり、低空飛行で相変わらずテンションの低い作品ばかりなのですが、死に向かっている反面どこか ある部分での前向きさを部分を感じるのは私だけなのでしょうか。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

「美しさは人から指定されて感じるものではなくて、自分で、自分ひとりでふっと発見するものです。」(太宰治)
遺著の思いで書いた作品集。随所に作者の苦悩が書かれています。

「人間失格」よりは読みにくい。「晩年」中の「彼は昔の彼ならず」、「思い出」などがおすすめです。

高校1、2年で何だか無駄に本を読み漁ってたころに読んだ作品の一つです。
有名な本読めばえらいなんて思ってたのかなぁ。

文学も芸術の一つですが、太宰治は「小説家」というよりは「芸術家」っていったほうがあってるような気がします。

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2009年10月04日

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