【感想・ネタバレ】路地裏の資本主義のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

社会に関心が出始めたころにはもうこんなふうな社会になっていた。でも、平川さんみたいに、一貫していまの社会が進んでいる方向に「やさしく」疑問を呈してくれるひとがいるのは、ほんとうに心強い。過激じゃないところも、また好きやねんな。
字が小さくて中身はたっぷりあるように見えるけど、それでも読むのがぜんぜん苦ではない。
「自分が何を断念できたのか」、これはいつも心にとどめておきたい、まさに箴言でした。

0
2015年01月19日

Posted by ブクログ

大量生産、大量消費社会についてはすでに多くの人が疑問をもっている。自分もそう感じている1人ではあるが、そうしたものを生み出していた。
人は欲をもっていて、それは好奇心であり、尽きることはない。
競争戦略、経済成長、集団的自衛権など、これからもそうした成長戦略のために前に突き進むのだろう。
その一方で、シェアハウスやNPOなど共生していく生活が広がりつつある。
リアリティのない成長戦略より生き延びるために。著書にはそうした若者が増えていると分析した上でこう語っている。
「やむなく始めた生き延びる戦略の中に、定常経済への萌芽的な形態が生まれるように思います。」
これからも目の前のことに疑問を持ちつつも、未来は明るいと信じて、正しい決断をしていきたい。

0
2014年10月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

資本主義生産様式では、日本に起きている問題の拡大が収束することはありません。

 資本主義生産様式では、日本に起きている問題の拡大が加速することはあっても、収束することはありません。もはや、各国単位の問題ではないので、政策で抑え込むことは不可能なのではないかと思われるのです。

>『路地裏の資本主義』は、わたしたちが今生きている、資本主義生産様式の世界を、肌身に感じるやり方で理解したいという思いから名付けられたもの……成熟した資本主義国家の常として、市場が飽和し、人口が減少し、自然過程としての経済成長が望めなくなった今……経済が停滞してから生まれてきた若い人たちの中から、生き延びるための共生へと向かう人たちが現れてきています。シェアハウスという共有空間で暮らす、NPOを働き場所として選ぶ、あるいは地方で生きるという選択も志向され始めています。足下に定常経済は見出せるはずです……。

以上は、この本の「はじめに」から終章にかけての大まかな流れを捉えるために、抽出した言葉です。「マルクスは、資本主義生産様式というものは歴史の必然によって内部矛盾を拡大し続け、ついには自然崩壊するだろうという予見をしたのです。」とのことですが、著者の平川克美さんは、マルクスの予言通りになりつつあると感じているようです。それは、なぜなのか考えてみましょう。

「この十年間の間(第一刷発行2014年9月)の日本に起きているのは、雇用の不安定化であり、格差の確実な拡大であり、中小企業の倒産であり、地方の過疎化であり、高齢者の急激な増加など、数え上げればきりがありません。」資本主義生産様式では、このような問題の拡大が加速することはあっても、収束することはありません。もはや、各国単位の問題ではないので、政策で抑え込むことは不可能なのではないかと思われるのです。

0
2020年05月07日

Posted by ブクログ

☆☆☆2019年8月☆☆☆


資本主義、株式会社というのが成長を前提としており
永続的な存在ではないと筆者は述べる。もろ手を挙げて同意したい。

0
2019年08月18日

Posted by ブクログ

家制度と経済システムの合致はとても面白かった。エマニュエル・トッドも名前は知っていても中身まではなかなか、、
1960年頃の日本はそれはそれは面白い時代だったのだろう。なぜなら現システムのまさに理想型だったのだから。あの時代を経験してきた人々が、あの輝きをもう一度!と泥沼に嵌まっているのがいるのが今なんだろう。リーダーが悪いのではなくそもそもシステムの限界なのである、ということ。
ノマド志向、高等遊民、シェアハウス
スローワーク、非正規雇用の拡大、、、これらのことからも個としての感覚と全体=国としての感覚がずれていて、そのずれが積み上がっているのが今なんだろう。

ただ、変わるには一度壊れなきゃいけない。壊れる前に変わるのは現実問題として難しい。壊れるときに少くとも自分の手の届く範囲は守れるように備えておきたい

0
2015年01月02日

Posted by ブクログ

一貫してグローバリズムと新自由主義経済の問題点を暴き続ける平川克美さんの新書。そもそも資本主義とは?株式会社とは?貨幣とは?といった経済の基本に立ち戻ってその問題点を探っていくと、その歪みが現代に至って大きく現出してきたことが分かる。アベノミクスという怪しげな造語に踊る日本はいったいどこへ向かうのか。小さな路地裏経済の再生を通じて新しい資本主義のあり方を提案する。

0
2014年11月03日

Posted by ブクログ

著者単独の書籍は2冊目。資本主義と株式会社の
終焉を唱えて、今後の成長しない世界にどのように
経済を考えるか。グローバリズムではなく半径1キロ
以内の経済。収奪システム・貨幣経済ではなく
贈与経済にというテーマ性。
少し夢見がちなテーマかと思っていましたが。
もしかしたら本当にこういうことを目指すことに
なるかも知れないと思うこのごろです。

0
2014年10月29日

Posted by ブクログ

路地裏の喫茶店から見つめる独特の視点からの世間への考察。安倍さんのつぶやきを聞いてしまったというくだりが面白かった。会社もそうだが、偉い、偉くないというのはなくて、役割と認識すべきなのだろうなと改めて思った。そうでないと、民主主義とは呼べないだろう。

0
2018年11月12日

Posted by ブクログ

【由来】
・おっかさん用に借りたものだが、面白そうだったので。

【期待したもの】


【要約】


【ノート】
・サラリと読んでみたが、行き詰った資本主義、身体性を失った貨幣、モースの贈与論なんかをポイントに配置しながら、日本的な経済の営みなんかも振り返りつつ、考えながら語る、という感じの内容

・ギリギリで自分には嫌味ではない。内田樹センセーの仲間らしいが、ところどころ、センセー的な表現も。読ませる感は少し弱いのだが、この人の方が、立て板に水じゃない分、信頼できるって言うか(笑)。

・ただ、モースもそうだけど、マルクスは当然として、E.トッドだとかB.アンダーソンだとかへの目配せの仕方が軽くて、ファッションっぽい印象を受けてしまった。

・小田嶋隆っぽさも感じると思ったら、共著を出してるみたい。類は友を呼ぶのか、交流しているうちに似てくるのか?でも文筆家だったら、それはマズいよな。

【目次】

0
2018年10月28日

Posted by ブクログ

人間の欲望というものは、強弱や濃淡はあっても、誰にでも同じように潜んでいるものです。人間が社会生活を、営むことができるのは、この欲望を騙し騙し使うということを覚えたからではないでしょうか。規矩とは、己の内部の正義や倫理の名前ではなく、己の欲望に対して自らその使用を禁じるということに他なりません。
ぜ、それを禁じるのか。おそらくは、自分で自分をリスペクトしたいという、次元の異なる欲望があるからです。自分が何を得たかということよりは、自分が何を断念できたかということの中に自分へのリスペクトは生まれます。断念によってしか獲得できない境地、というものがあるということです。

0
2016年11月23日

Posted by ブクログ

自分が幹だと思っているものは、実は枝でしかないのかもしれない。

エマニュエル・トッドの著作は是非読んでみたいと思う。

0
2015年12月16日

Posted by ブクログ

貨幣への憧れ、という話が面白い。
価値をまず、利用価値と交換価値で二分すると、人間は利用価値の極、交換価値はない。一方、貨幣は交換価値の極であり、利用価値はない。このように、価値という点で全く逆の機能を持つ貨幣に人間はどうしても魅せられてしまう。というもの。
あとは、エマニュエル・トッドの家族と制度の相関も面白かった。

0
2015年05月23日

Posted by ブクログ

経済に関する本だと思うだろう普通。
冒頭はそうなんだけれど、どんどん広がっていってしまって、フリートークの感じに…。
本筋と全然関係無いけど、著者のお母さんの話が出てきて、それを読んで、亡くなった祖母の想いを垣間見た気が。
全く関係ない本で、全然関係ないことに思い至る。これも本読みの奥深さかも知れない。
それがあったから、星一ツプラス。

0
2015年01月09日

Posted by ブクログ

20141023 定常経済という考え方には共感できた。便利をどこまで追うかなのだと思うがそろそろ必要最低限がのぞまれる時代なのではないだろうか。

0
2014年10月23日

「社会・政治」ランキング