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冬から始まって、春、初夏、夏と、京都の祭をと共に、移り変わる季節。一巡りしたら、終わるのだろうか?
茜の正体が明かされた!こんな大物を、持ってくるか!って感じだった(笑)
Posted by ブクログ
京都の夏は暑い。
そして、祭りのために人がたくさん訪れ、人々も熱くなる。
本文中に、夏は生きる力がみなぎり、道なしと呼ばれるこの世のものではないものを見る人も増えるとある。
最近は暑すぎて、生きる力も削がれてしまうこともあるかもしれないが、それでも移ろう季節の中で人は生きている。
今回の物語は京都の祭りが舞台になっている。
からくり人形の仕掛けがどうなっていたのか、修繕とはどういうことなのか。
感心したのは修繕とは何か、ということについて述べた部分。
元の通りにすることが修繕ではない。
その、物自体が過ごしてきた時をも大事にすることが修繕であって、決して時を巻き戻すものではないのだ。
美術品などで、当時の姿が蘇る!なんて宣伝されているけれど、そこだけが修繕の意味ではないのだ。
時を重ねることは悪ではない。
ついつい、日々の中でアンチエイジング(最近はこの言葉が魅力的に聞こえるのだ)だなんだという言葉に触れているせいか、出来立てホヤホヤこそ至上のものと思いがちだが、それは思い込みだということに気づかされる。
さて、もう一つ気になったのが、茜が私はいい母親ではなかったかもしれない、と呟くシーンだ。
高みから見下ろして、誰かの子を、夫を死地へ向かわせたことを悔いているのだ。
人の在り方はその時々で変わる。
今正しいと思っていても、そうではないと気づく日が来るかもしれない。
それが苦しみなのか、喜びなのかは今は、わからないが。
日差しの強さもまたすぐに秋の風に吹かれゆっくり消えていくように、そしてそれが決して寂しいばかりではなく、実りをもたらすように。
日々は巡る。
人の心も巡る。
変化は恐れるものではない。
明日は明日の風が吹く。
Posted by ブクログ
今回もしっかりと京都の行事に触れつつ面白かった。でもちょっと各話の終わりが中途半端な気がしないでもない。
とはいえ、安定の面白さ。
篁が良いなー。
Posted by ブクログ
シリーズ4作目。
茜の正体がとうとう明かされます。
前作で有名な和歌が出てきたのでわかってはいたけど、はっきりします。
登場人物たちは、基本的に生前有名だった人たち。
少しずつ、篁と時子の関係が変化していくのが面白い。
通常の人間が惹かれていくのは少し違い、人間の世界に慣れて色々知っていく上で、関係が変わっていくのが面白い。
Posted by ブクログ
【収録作品】第十四話 からくり山鉾 前編/第十五話 からくり山鉾 後編/第十六話 猫と睡蓮/第十七話 湖北に眠る 前編/第十八話 湖北に眠る 後編