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何度読み返しても胸を打たれる。料理家でもあった台湾女性の著者が、子供時代に享受した、大家族の愛と美味、大らかな台南の人情と自然を描くエッセイ。知らないのに懐かしく感じる。大好き。
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ソーシャルランチで知り合った方が、著者の辛さんの息子さんで、最近文庫になったんですよ、といって戴いた本です。
戦争の前後、台南の広大な邸宅「安閑園」に暮らした娘時代の思い出とレシピの本。読んでいてこんなに幸せになる本はめったにないです。
そして、辛さんの台湾人でありながらも、美しい日本語の文章にハッとさせられます。
家長を頂点とした過剰なまでの大家族とたくさんの使用人、広大なお庭や畑や果樹園、様々な家畜、家族の行事、ベランダのお茶、入れ替わり立ち代わりのお客様、20畳程もある台所には6つの炉、それからもちろん、美味しい食卓!賑やかで、豊かで、心安らかな生活・・・それが安閑園。
私もパーティーに紛れ込みたい!
台湾の暮らしというのも、実は全然知らなかったけど、沖縄によく似ているように思いました。
「こんにちわ、ご飯は食べた?」と挨拶するそうです。なんという食いしん坊の国!
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古き佳き時代の台南の外省人家庭の食を中心とした暮らし。著者が料理研究家のため食べ物の描写が緻密。この年代の日本語を学んだ外国人特有の美しい日本語。使用人と雇い主の関係が日本や西洋と較べるとフラットだったのね。一夫多妻制度の名残か正妻と妾が同じ家に住んでるとは時代劇みたい。名家すぎて実家に戻れなくなるあたり中国の家制度も強力だ。豊かな家に生まれたことと、なにもさせないお姫様に育てるのは全くべつのことだ。という言葉がいい。
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Dean&delucaで平松洋子さんがオススメしてたので読む。
食についてのエッセイなんだけれど、
著者の人柄に魅力を感じる本。
品があり、知的で寛容な人という印象。
台湾のびっくりな習慣もあるけれど、あたたかい著者の心を随所に感じられて、安心する。
特に後半、お墓の話でじーんときて、きっとこの本は著者の父親に宛てたんだろうな、と思うのだった。