【感想・ネタバレ】昆虫はすごいのレビュー

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Posted by ブクログ

 本当に面白い本だった。とにかく昆虫はすごいんだから、聞いてくれよという、著者の純真な喜びが伝わってきて、読んでいるこちらもうれしくなってきた。
 見つからないよう周囲に見事に同化する、恋の歌を奏でたりする、昆虫のこうした行動は何となく知っていたが、昆虫の世界ではそんなものはまだまだ序の口であった。例えば、アメイロケアリという蟻の雌は、トビイロケアリを殺してその匂いを自らの体になすりつけ、更にその死体をくわえて変装し、トビイロケアリの巣に忍び込む。首尾よく侵入に成功すると、トビイロケアリの女王を殺して女王に成り代わる。
 オドリバエの雄は、獲物の昆虫を前脚から出る糸で丁寧に「包装」して雌に贈答し、交尾させてもらうが、中には風船状の包装だけで中身を入れずに差し出す種もいて、婚姻が形骸化、儀式化している場合があるという。何か、人間の結納を想起させる。
 その他、昆虫の世界には「奴隷制「貞操帯」「農業」「牧畜」「ゾンビ」「なりすまし」「結婚詐欺」、「同性愛」まで存在し、人間は結局昆虫の真似をしているだけではないかと思ってしまう、と言うより、実際にその通りなのだろう。遺伝子が生き残る方策が、昆虫は昆虫、人間は人間の生物的特徴を反映して、見かけ上は違った形で発現しているに過ぎないということだ。
 こう考えると、昆虫はすごい!というのは、人間はすごくない!ということでもある。政治家、権力者、大金持ち、スター、誰であれ要するにみんな根本的には昆虫と同じことをしていることがわかり、えらそうにしている人が滑稽に見え、何やら楽しい気分にになってくる。
 「虫?きも~い!」などと言って、即座に手軽で手近な娯楽に向かい、何時間も無為にスマホをいじっているような人よりも、確実に数倍豊かな人生を送っている著者が、読んでいて羨ましくさえなった。とにかく興味深い話題が満載の、素敵な本である。

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2016年11月29日

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ウミアメンボの仲間は、流木などの漂流物に産卵し、遠くの海や海中にも適応している【大航海】

ガガンボモドキは、オスがメスに獲物を与える婚姻贈呈を行うが、その贈り物の量や質によって配偶相手が決まるという【贈り物作戦】

トコジラミのオスは、メスの腹部の適当なところに陰茎を突き刺して精子を送り込む【異常な交尾】


狩猟採集、農業、牧畜、建築。
そのほかにも恋愛やコスプレ、カースト制や奴隷制、寄生や戦争や子育てに関する亜社会性…。

まさに人間界の縮図のようです。昆虫界。

「私たちのやっていることのほとんどは
昆虫に先にやられてしまっている」

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2018年02月18日

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昆虫はすごい。
わずか4つの塩基の配列で、これだけ多様で複雑な見た目、行動を実現できるという事実には目を見張るものがある。
アリ達の社会性の複雑さにはびっくりした。よくそんなで生き延びてるな…と思うばかり。きっとそんなニッチで多様な生態が、地球を支えているのだろう。感服するばかりだ。

身近な昆虫について調べるのはとても楽しい。目の前の虫の名前が分かるだけでも楽しい。ゴキブリだって、調べてみると面白いことが分かって少し好きになれる。
本当は、身近なところに面白い事は転がっている。まさに「足元にある未踏の調査地」。
そんなことを教えてくれる書籍だった。

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2023年09月06日

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ネタバレ

 仕事をやめて、野菜作りや花木の栽培など土いじりを楽しんでます。同時に鳥や虫たちの世界も垣間見ています。昆虫も間近で眺める機会が増えました。この本を読んで、昆虫は本当にすごいなと改めて感じました。丸山宗利「昆虫はすごい」、2014.8発行。どうしてこんなに多様なのか、たくみな暮らし、社会生活、ヒトとの関わり の4つの章立てです。三対・六本の脚、二対の翅(はね)、腹部は十節。クモ(脚が8本)、ムカデ、ヤスデ、ダニ、サソリ、ダンゴムシ以外は昆虫。世界に百万種。地球は昆虫の惑星ですねw。なお、ナメクジ、蝸牛は貝。ヒトとの関わりでは昆虫を介した感染症、そして嫌われる虫と愛される虫がいますね。
 地球の生き物はシダ類と昆虫からと聞いています。昆虫に食べられないようにシダ類が背を高くすると、昆虫は飛ぶようになり、花を咲かせてある程度の共存が可能になったと。現在も地球上に生活する生活種の大部分を占めているのは昆虫。地球は昆虫の惑星と言えるのでしょう! 丸山宗利「昆虫はすごい」、2014.8発行。ダンゴムシ、ムカデ、ヤツデ、クモ、ダニ、サソリ以外はだいたい昆虫。ナメクジ、カタツムリは貝の仲間。昆虫の特徴は飛翔と変態。99%は飛翔、80%以上は完全変態(変身)。昆虫の多様性、巧みな暮らし、社会生活など。

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2021年12月23日

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先日レビューを上げた「昆虫戯画」の種本だろう。「昆虫戯画」は雑学ぽいと言っていいが、こちらの本はさらに詳しく、同じ項目についてはたくさん例を挙げて解説している。中学生ぐらいから読めるかな。昆虫に関心のある子どもにはぜひ読ませたい本である。昆虫たちの驚くべき生態が次から次へと繰り広げられる。昆虫が生き残っていくための戦略は数限りなくあって、昆虫の多様性を実感する。特に記憶に残るのは、擬態、寄生、生態系への寄与、アリの世界の驚異の実態、媒介する病気などだろう。ミツバチやスズメバチは特殊で、ほとんどのハチは寄生によって生きているということには驚いた。0.13ミリなんていう寄生バチもいるのだ。
昆虫の生態と人間の生活を無理に結び付けて考えようとしているが、どうなんだろう。同じ生物には間違いないが、いちがいに言い切れないところがあると思う。西洋流の人間と他の生物を厳然と分ける考え方というわけではないが。
この本で昆虫に関心を持った子たちはさらに詳しい本に進んでいけばいいだろうし、いや実際に昆虫を観察するのが肝要かな。

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2021年07月27日

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昆虫の凄さ不思議さ面白さがわかりやすく書かれている。
昆虫に対してよくわからない自分でもこれから詳しく知ろうというきっかけの本となった。

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2021年05月08日

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昆虫は凄い!!というか多様すぎて驚く。そんなことしてるの!?って奴ばっかり。ツノゼミまじオモロイ形してるし、アメンボなんで海にもいるねん、、?って感じだし寄生蜂怖い気持ち悪いし笑

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2020年08月01日

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新書の持つ軽い教養の持つ魅力は素晴らしい。費用対効果最高の知的好奇心大満足の一冊。

地球上で最も種類の多いという昆虫。その多様性を「収穫する」「狩る」「着飾る」「まねる」「恋する」「まぐまう」「子だくさん・一人っ子」「旅をする」「家に棲む」などに分けて紹介する。

さらに別に章立てされているが昆虫の社会性。集団での戦争から奴隷もあれば農業や牧畜も。脊椎動物が行う制度はたいていは昆虫が行っている。

ポッケットに入るサイズの教養。新書の持つ手軽さはIT時代が来ようと変わらないだろう。そんな新書の魅力を十二分に堪能できるのが本書です。読んで間違いないです。

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2020年03月15日

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昆虫こわいに触発され、こちらも読んでみた。冒険譚ではないけれど、昆虫の凄さが怒涛のラッシュという感じ。昆虫も色々あるのだなぁ。頭の中で、昆虫の世界に彩りが与えられ、世界にもっと興味が出た。昆虫はすごい。タイトル通り!

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2017年09月14日

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 虫取り網を持って、走り回っている子どもの姿をほとんど見かけない。いや、全く見かけない。
 雑木林には蝉やカブトムシやタマムシたちが、野にはトンボやアゲハ蝶が、土の道にはハンミョウ、アリ、シデムシたちが、川にはさまざまな魚たちや水生昆虫たちが、今を盛りに生きているというのに…。
 私たちはどれほど、彼らたちから生きることの意味を教えてもらったことやら…

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2017年08月08日

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今年最大のヒット。生物がなぜ生きるか。永遠のテーマだが、その理由をその子孫を残すためだとする。数億年もの長い間環境は変わるもので、長い年月をかけて昆虫もそれぞれを変化に合わせてきた。わかりやすいもので言えば擬態(敵から身を隠す)、異臭を放つ(敵を遠ざける)など。そんなものでは終わらないほど多様性に飛んでいる。違う種のアリの臭いをつけて巣に入り込み女王アリを殺すアリ。雌のエサとなり自分が食べられている間に生殖活動をする雄カマキリ..etc。とにもかくにも驚きのオンパレード。生きるということについて、昆虫から教わるとは思いもしなかった。

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2017年01月09日

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丸山宗利(1974年~)氏は、東邦大学理学部卒、北大大学院農学研究科博士課程修了、日本学術振興会特別研究員・海外特別研究員等を経て、九大総合研究所博物館准教授。アリやシロアリと共生する昆虫が専門分野だが、昆虫全般を研究対象としている。昆虫に関する一般書の執筆多数。
本書は、2014年に出版され、ベストセラーになった。最近は、香川照之のTV番組「昆虫すごいぜ!」が話題となっているが、振り返ってみると、近年の昆虫ブームの走りは本書だったような気もする。
本書は、昆虫の多様性及びその様々な形・生態を紹介してくれており、その不思議さ、というか、ある意味見事さには驚くばかりである。例えば、カギバラバチは植物の葉の上に卵を産み、イモムシがその卵付きの葉を食べ、その卵はイモムシの体内で孵化し、スズメバチがそのイモムシを捕まえて幼虫に与え、スズメバチの幼虫の体内に入ったカギバラバチの幼虫はスズメバチの体内を食べて成長するのである。どうしてそんな巧妙な生態なのか。。。また、有名なところでは、コノハムシやシャクトリムシの「擬態」(真似ること)や、アリとアブラムシの「共生」があるが、いすれも見事なものとしか言いようがない。
しかし、それに輪をかけて驚くべきことは、それらの形・生態は「進化」の結果だということである。即ち、あらゆる昆虫の(というか、生物の)形・生態は、その昆虫個体が意図したわけではなく、偶々生じた(突然)変異において、生存に有利な形・生態が自然選択され、その膨大な積み重ねによってそうなったものなのだ。我々は、昆虫たちのあまりにも精巧な形・巧妙な生態を、思わず「(何らかの意図に基づく)戦略」と言ってしまうが、当の昆虫たちはそんな「戦略」を立てていたわけではないのである。
『利己的な遺伝子』の著者で、存命の進化生物学者では最も著名な一人であるリチャード・ドーキンスは、『進化とは何か』の中で、自然界に存在する「デザイノイド」物体(意図してデザインしたように見える生物)も、全ては「自然選択」の結果であり、それは一見「不可能な山」に登ることのように思えるが、実際にはそれを可能にするに十分な、我々の想像を遥かに超える地質学的な長い時間があったのだ、と語っているのだが、本書を読みながら、何度もそのことが思い出された。
昆虫の面白さがわかると同時に、「進化とは何か」を改めて考えさせてくれる一冊である。
(2022年5月了)

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2022年05月23日

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昆虫の生態の多様性に驚かされる。例えばゾンビを操るという項では、カマドウマやカマキリに寄生するハリガネ虫は水中で繁殖を行うため、生きた寄主を操り水辺まで移動させ、腹部を破って出てくるとか、まぐわうでは、アゲハチョウの一種は、交尾がすむと雄が雌の生殖器に粘液をかけて蓋して貞操帯にするなど興味ある話が満載されていて飽きさせない。

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2021年09月19日

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様々な昆虫について、良質な浅く広い知識を多く得られる一冊。
アリの世界にも奴隷制がある。
非常に遠回しな方法で違う種類の昆虫に寄生し、その昆虫の体内で成長して最終的には内側から食い破って出てくる虫がいる。
アリの巣の中が暗い事を利用し、アリの出す化学物質と似たようなものを出しアリからエサを貰いアリの巣の中で成長する、アリとは全く異なる昆虫がいる。
などなど、本書を読まなければ決して出会うことのなかった知識と出会うことができる。
また、読み進めていくうちに進化について知りたいという欲求が高まったが、「おわりに」の部分では進化についての本もしっかりと紹介されており感動した。
昆虫に少しでも興味がある方は本書を手に取るべきだ。

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2020年10月29日

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進化の過程で偶然できたとは思えないほどの、高度な生存戦略を持った昆虫たちの生態に驚かされた。沢山の具体例が載っていて、知らないことばかりでワクワクして読み進められた。

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2020年04月07日

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昆虫は本当に凄い。
全脊椎動物と蟻の量を比べると蟻の方が遥かに多い。
昆虫は蟻だけでないのでいかに多いかが推察できる。

生きる為に無駄のない進化。
小さな体に多彩な才能。
種を残す為に生殖、子育て、捕食、農業、寄生、共生、奴隷、戦争あらゆる事が人間より進んでいる。
擬態の素晴らしさは知っていたが、昆虫は視力はそれほど良くなく、匂い(化学物質)を真似る事で同じ仲間だと認識させることが多い。

セミやアメンボがカメムシの仲間とか。
ダンゴムシ、ムカデ、ヤスデ、クモ、ダニサソリは昆虫ではない。ダンゴムシが虫じゃない…足の数が違うもんな。

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2019年11月24日

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かなりマニアックな内容。種の保存のための奇想天外な生態、なぜそんな回りくどい方法で卵を産むのか、という、変わった昆虫をが紹介されている。後半はアリの話がおおくなるが、著者はアリが専門らしい。アリの巣に寄生する昆虫がかなり多いことも興味深い。

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2019年06月27日

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文字通り昆虫の生態について解き明かす一冊。

多種多様すぎて覚えきれないが、とても勉強になった。

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2019年06月26日

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マクロ系生物学をやっていると、時に博物学的な知識に圧倒される方に出会うのだけど、本書の丸山さんもきっとそんな方に違いない。

大学院時代の自分の研究テーマだった擬態、そして社会性昆虫の箇所はどうしても興味があって気になってしまうなー。楽しめた。

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2019年01月20日

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昆虫って面白い!

人間が生まれるはるか昔から存在しながら、環境に適応するために進化をし続け、奇妙な形、風変わりな生き方になってしまった連中がわんさか。それはまるで人間社会にも通じるようなパーソナリティが垣間見える。

例えば、奴隷にされたアリ。その奴隷に頼りすぎて自らの力では生きていけなくなってしまった種。蜜を提供する事で、食い殺されぬよう上手く捕食者と付き合う種。詐欺を働く昆虫。周りに擬態しながら、こっそり相手の卵をムシャムシャ食べる輩。自らの卵を托卵するやつ。生き様も性格も様々。知れば知るほどのめり込む、虫好きの一冊。

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2019年01月12日

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暮らし方、繁殖、社会生活、ヒトとのかかわりなどの切り口から、特色のある虫たちの生態が次々と紹介される。

植物が食害を防ぐために出す防御物質。
これが出ないように、先に葉っぱにある管を切ってしまってからその内側を食べる羽虫。
植物の生存戦略もさることながら、それとの攻防を繰り広げる虫の面白いこと。

交尾の仕方のバリエーションにもびっくりした。
通常、陰茎を膣に差し込む。
が、中にはメスの腹に陰茎を刺して、血液に精子を送り込むものがいたり。
それどころか、ほかのオスの腹に刺して精子を注入することまである(詳細は未詳とのことだが、刺されたオスがメスと交尾するときに、メスの体内に刺したオスの精子も送り込まれる可能性があるらしい。)

共生のしかたも、さまざま。
対等な共生は少ないとの由。

アリのこともたくさん書いてあった。
本書では生態が描かれているのだが、巣の中の様子などはどうやって観察するのだろう。
そんなことが妙に気になってしまった。

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2018年07月04日

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丸山氏の「昆虫こわい」は観察旅日記で、文中に登場する虫のすべての写真があった。
一方こちらの本は文中に出てきても写真がないものが多々あったので、少し残念でした。

が、様々な虫の特徴的な生態が書かれていて興味深かった。
虫好きではないですが、刺しも噛みもしない虫を叩いたり潰したりするのはやめようと思いました。反省。

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2018年01月30日

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ネタバレ

「利己的な遺伝子」

というのが、本当にそのまま形になったような生存機械といしての昆虫の凄さ。

驚くしかない。

この仕組みは見えにくくなっているけど、人間も延長線上にあると思わざるを得ない。

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2017年12月20日

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読みやすかった。広く浅く。

昆虫学は根底に化学があると感じた。

一番驚いたのは、人間の着衣に応じて、進化したノミ。人間は進化していない一方でノミは進化していた。寿命のサイクルの短さ故か。

他書で言われていたアリが最強の昆虫の意味は、本書でよく分かった。

昆虫の多様性の要因は、飛翔と変態。

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2017年06月24日

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半年ほどかけて漸く読み終えた。
昆虫についての研究の面白いところだけを誰にでも分かるようにまとめているんだからそりゃあ面白くなるわ。
共生関連の話がとりわけ面白かった。
昆虫はすごいぞ。

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2017年02月27日

Posted by ブクログ

広く浅く、しかし新しい研究成果も盛り込まれた虫尽くしの一冊。アリ社会の奴隷制度に、交尾するのに様々な策略を行うオスたち。人間に置き換えると中々にえげつない行為ばかりだが、それほどに生きる事、子孫を残すことに必死なのだろうと思う。とても不思議な世界だぁ!

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2017年01月30日

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いつもの光文社新書にまして、なんだか紙の手触りがよい気がします。気のせいかな? でも、気分がいいです。



生き物本の醍醐味は、その生き物そのものよりも、生き物に魅せられた著者のぶっちぎりぶりであると思う、と度々書いていますが、この本には、そのぶっちぎりは見られません。

では魅力が無いかと言えばさにあらず。昆虫はすごい、というそのシステムを次々に紹介してくれるのです。人間もいいが、やっぱり昆虫もすごい。



ただ、昆虫がすごいのは、僕もまあまあ知ってはいるので、これをただ凄いと読むのではなくて、人間が、どれだけ凄さを失っているか、あるいは残っているかをちょっと考えてみたくなった。コオイムシのところで紹介されている「愛」。愛にも生物的な意味が含まれている。いろいろな愛は思い込みかもしれないし、システムかもしれない。



人は個々としてはかなり「すごい」部分を失った生き物だけど、種全体で見ればどの虫よりもやっぱりすごい。そういう意味では、虫の凄さをみて自信を持った。けれど僕個人はちっともすごくない。自信を失った。



ところで、貞操帯の項を読んだら、むかし松本零士がイラストを書いている昆虫の本で、あの松本零士的女性型昆虫が貞操帯をつけている、という挿絵があった。

読んだのは小学生のときだったか。なんとも艶かしくて刺激が強かったことを思い出した。調べてみると、どうも再販されているらしい。多分、「昆虫おもしろブック」がそれ。40年前の本だった。昆虫のすごさは、その後も解き明かされているだろうから、今の「昆虫はすごい」に比べたら内容はどうなのか、とは思うけれど、トラウマというか原体験というか、そういうのもあって…買っちゃおうかなあ…。



と、だいぶアウトコースに膨らみましたが、ともあれこの本は、あちこちに思考を飛ばしてくれながらも、一つ一つの項までみんな充実なので、虫嫌いの人も構わず読むべし。

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2022年06月01日

Posted by ブクログ

世界には変わった生き物はたくさんいるけれど、昆虫はなんと言っても種類が多い。どこかで読んだことのあるものから聞いたこともないものまで、見事な生活ぶりを見せる昆虫の世界は、ほとんど識別できない自然観察者にも楽しめた

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2021年03月21日

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虫って面白いし、恐いし、可愛いし、キモい
子供の時にあれだけ触って捕まえてたのに大人になり好奇心より 知識がつくと触れなくなってくる

しかし体の仕組みも良くできてるし
本当に感心する

実際に野生動物や虫は、凄く過酷な自然で当たり前に命をかけて生きている

その動物や虫の知識、仕組み、構造を利用し人間はもの作りに応用する
新幹線の形は鳥から?
防弾チョッキには強靭な糸で巣を作る蜘蛛から?
人工衛星のアンテナを収納や広げたりするのは羽化する蝉の羽から?
などなどかなり助けられている

出来れば平和にするために使ってほしい
そんな奴らを気にせず人間はそいつらの世界を跨いで歩き生活
なんなら気付きもしない

動物や虫の観察は面白い
●「性」の意味
●子孫を大量に残すか、少なく育て教育に力入れるか
●恋の仕方
●プロポーズの仕方
などなど そんなに人間と変わらない生活をしている

足元には別世界がある

生き物の世界でもあるから、戦争などくだらない事はしないでくれと言いたいが…
虫で言うなら
アリが【軍事国家】になるのかな?
戦争もテロも自爆テロも何でもある

この別世界から
何か人間が学べる事は あるんじゃないんだろうか?

そして身の回りの人間を昆虫に置き換えて見ると、結構滑稽で面白くなりますよ(笑)

※だから結局話が変わるけど 俺が何を言いたいかって言うと…
【置き配ドロボウ増えてるよ…出来れば宅配ロッカーで受け取った方が良いし…置き配の責任って結局消費者になっちゃうのかな?】って事!!

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2023年04月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

確かにすごい。「すごい昆虫(紹介編)」なので、それで良しとするか、物足りないと思うか微妙なところ。
いろいろな昆虫のいろいろなすごさを網羅しているので、ちょっとした雑学として仕入れるにもいいし、大人になったら研究者になって○○の研究をしたいという出発点にもなりうるような書き方をしています。
例えば、これこれの分野はほとんど研究が進んでいないとか、ほとんど知られていないとか……未開拓(?)の研究テーマが紹介されてる部分もあるので。
個人的には、進化についての捉え方というか説明の語彙がちょっと特殊というか専門的なので、「何度も独立に進化している」という説明が上手く把握できませんでした。あと、文法的に「独立に」という形容動詞はないので、これは「独立した」とか「独立的に」とか「独自に」みたいな意味なのかなーと適当に判断してしまったので、その辺りはちょっと隔靴掻痒なところがありました。
もしかすると昆虫研究とか生物学的には普通な語彙なのかもしれませんけども。
他には、紹介が多岐にわたりすぎてて、ひとつひとつはサラッと触れて終わりなことが多くて物足りなく思ったところもありました。また、何かというと「人間」そのものや社会、現象に喩えることが多く、ちょっとこじつけとしか思えないようなまとめ方になった記事も幾つかあったので、そこは主旨とは違うと思いますが残念に思いました。
……自爆して巣の仲間を守る(または利する)アリの行為を自爆テロに喩えるのはさすがにどうかと思うの……

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2017年05月24日

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