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Posted by ブクログ
日本では数少ない暗号小説の傑作。一冊の小説の中にブリッジの用語辞典がまるまる入っているという型破りなスタイルは、すれっからしのミステリ・ファンを心地よく挑発してくる。そして魅力的な謎が見事に解き明かされた後で、なお残る深い余韻。
「匣の中の失楽」でデビューした竹本健治という特異な作家にとって、本作を含む「ゲーム三部作」とは「ウロボロスの偽書」へ到る過程の作品なのか、それとも本格ミステリとメタ・ミステリが奇跡的にバランスした一つの到達点なのか。
いずれにしろミステリ・ファンにとっては、最高の悦楽を与えてくれる必読の作品であることは疑いない。
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再読です。高校時代に読み「竹本健治天才!!」と絶叫したこの本は心からのオススメです。推理小説でこんなドキドキするんだと感動しました。この方の作品は難解らしく好みも有ると思いますが。智久君は永遠のアイドルです。
Posted by ブクログ
「私たちが無力感に苛まれ続ける限り、彼らは既に彼らではなく、私たちを含めた存在であるのです。なぜなら、分裂症とは、人間と人間とのあいだにおいてのみ存在する病気だから。彼らを理解し得ないならば、私自身も彼らと同じ場所に立っているに過ぎない。少なくとも病院という空間のなかでは、私は一人の患者でしかないのです。」面白かった。でも、彼のウロボロス三部作や『匣の中の失楽』といった名作には到底及ばない。