【感想・ネタバレ】正義を疑え!のレビュー

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Posted by ブクログ

 久々の会心の一作。最終章の8「正義を疑え」を読んでから本文を読むと理解が深まります。

 正しさの二義性があり、1つめは「真実・真理などの事実を語る正しさ」と「己が信念としての正しさ。つまり正義」がある。この二つめの正義には立ち位置によって定義が異なり、為政者としての立場なのか、個人としての立場なのかによって変わる。

 多くの平等は為政者の立場からの平等がうたわれているが、それは決して個人の平等ではない。たとえば男性と女性で法律的には平等であるが、これは為政者(=法)から見た平等である。男性と女性はそもそも役割が違うのだから、個人としての立場では平等ではあり得ない。

 正義を疑うとは、為政者の正義を語るのではなく、個人の正義を確立することだ。


 ちなみによく引用されるハムラビ法典の「目には目を。歯には歯を。」のフレーズが新約聖書によって曲解されたものだとわかっただけでも本書を読む価値がありました。ハムラビ法典は身分や動機によって量刑を変える「均等性としての正義」を記述したものだということです。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

そのタイトルから予想される通りの内容ではある。だけど、実際に自分の正義を疑うのって、考えれば考えるほど難しいし、それを実践して生きるのはさらに困難を極める。という思いを新たにしました。常に自分の行動に対して懐疑的な気持ちを忘れずに、とは思ってるつもりだけど、それを実践できているかというと…でもだからといって投げ出さずに、しっかり向き合っていかないと、って気持ちにはなりました。

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2013年02月16日

Posted by ブクログ

正義とは何かを考える。あなたの正義は本当に正しいのか?ということを問う内容である。二律背反という言葉が出てくるがまさにこの言葉に意味するところに尽きると思う。第3の案があってもよいと思うが、それは現実社会での問題であり、学問的にはどちらかに決めなければならないということになるのだろう。現職場(大学)での調査結果などが示されて、とてもユニークである。社会人よりは学生のほうがしっかり考えを持っているのかもしれない。
かぎ括弧がたくさん出てくる。言葉の定義のようだが、引用文か?表示形式には論文のように決まりがあるのか?各章末にまとめとして示してあり、簡潔な言葉で説明されているために、理解の確認をできて、とてもよいと思う。

・正義の反対語は不正だが不義がよいときもある。
不正、正しくない、法が規則
不義、義にならざるもの、信義に反する
・ギリシア神話の正義の女神 ディケー。ローマ神話ではユスティティア⇒justiceの語源。ディケーの母親、不安の女神テミスは、左手に秤、右手に剣を持つ。
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平等という観念には、「その人に応じたものを与えるという比例的な平等」と「無差別的な一律平等」の2つの意味がある。
・平等を論じる際の条件、何の平等か、誰が平等に扱うのか
・善悪の見方
黄金律と他者危害則。
他者危害則=自己決定権。他者に危害を与えない限り、自分で決めた自由な行動が許される。
黄金律=それが欲せざるところ、人に施すことなかれ 孔子。汝が人からしてほしいと望むことを他人にもせよ イエス
動機説と結果説、自律と他律

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2013年01月15日

Posted by ブクログ

平等主義は正義か、そもそも平等とは何か。
フェミニズムなどの権利主張を声高に唱える運動への違和感。
そういったものに納得を与えてくれる。

生命以上の価値があると主張は、同時に主張する人間の死への覚悟を併せて提示しなければ説得力を持ち得ない。
たしかに。

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2012年07月18日

Posted by ブクログ

[ 内容 ]
「正義」とはいったいなんだろう?
「秤」と「剣」に象徴される正義概念は、今日、都合の良い解釈によって混乱をきわめている。
「均等性」の一義的解釈から生じる「悪しき平等主義」や、あるいは「力」で相手をねじ伏せようとする「他者批判の正義」など、巷に溢れる正義概念に対する誤解や曲解を一刀両断し、己の不完全性に目を向ける「まっとうな正義」を説く。
目からウロコの「正義論」入門。

[ 目次 ]
序章 争いと正義
第1章 正義の源流
第2章 平等主義の問題点
第3章 庶民の正義
第4章 愛と正義
第5章 生命と正義
終章 道徳と正義

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2014年10月26日

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