作品一覧 2014/08/22更新 正義を疑え! 試し読み フォロー 反「道徳」教育論 「キレイゴト」が子供と教師をダメにする! 試し読み フォロー 1~2件目 / 2件<<<1・・・・・・・・・>>> 山口意友の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 反「道徳」教育論 「キレイゴト」が子供と教師をダメにする! 山口意友 最近,世の歯の浮くような「きれいごと」を聞くたびに虫唾の走るような思いがしていたので,久々にすっきりする主張を呼んだ気がする。 ただ,著者はいくつかの社会問題に対する主張を例に取りつつ世の「きれいごと」を切り捨てていくのであるが,道徳教育における現実的なスタンスの必要性を,社会問題に対する自己の主...続きを読む張と絡めて書く書き方に少し疑問を感じた。 わたしはそのそれぞれの意義を認めるが,一緒に語ることによって,本人のその社会問題に対する主張を述べているのか,道徳教育のあり方に対して投じた一石であるのか,かえって混乱するのではないかと感じた。 むしろ「きいれごと」という名の過剰な平等主義に偏ることがおかしいように,過剰な現実主義や格差肯定に偏ることも本来おかしいわけで(現実には後者への傾斜が,前者方向への傾斜に較べて少ないので筆者の気持ちはわからなくなはないが。),これがもしも末尾にあるように本来教育者向けの主張であるならば,むしろ反論を提示しつつ,最終的には偏らないことへの価値,ないしは両価値をきちんと提示することの価値ということについて記載すべきではないかとおもう。 「美学」という名で主張されている「信念」「信条」みたいな「思い」に対する見解も基本的に同意するが,繰り返しになるが,「美学」の必要性ということと,筆者自身が持つ美学の正当性の主張とは,別に主張されることが望ましいと感じた。 Posted by ブクログ 反「道徳」教育論 「キレイゴト」が子供と教師をダメにする! 山口意友 現代に蔓延る「キレイゴト」を批判し、「己の美学」を持つことの重要性を語った書。 これを読んで、いかに自分の考えが浅いか分かった。それにしても鋭い語り口で、今話題の「夫婦別姓」や「死刑廃止」問題では、筆者は立場を鮮明にして肯定派を切り捨てている。 自分自身の「美学」=行動の規範を持つということはき...続きを読むわめて重要なことであると考えるし、現在の学校教育の場での「道徳」は形骸化したものになっているということも、事実であると思う(教育実習などの拙い経験ではあるが)。 自分としては、本書では大いに揺さぶられるものがあった。子供に「己の美学」(この表現は不適当かと思うが、本書中の表現であるから使用する)を持たせるには、より実践的な価値判断を求める授業というものを考えていかなければならないと思った。 Posted by ブクログ 反「道徳」教育論 「キレイゴト」が子供と教師をダメにする! 山口意友 かなり意見は偏って書かれています。 道徳のレベル「美学」の考え方はとても納得いきました。 他にも,道徳を論理的に説明しているので,とても納得できました。 Posted by ブクログ 反「道徳」教育論 「キレイゴト」が子供と教師をダメにする! 山口意友 タイトルからは想像つかないが、一言で言えば「美学」をもっと大事にしないとと。 「法律」を犯さないのは当たり前。そのうえに「道徳」的規範があって、社会生活が成り立つ。でもそれだけではなく、人として「美学」をもった行動をとることで、秩序ある社会が成立すると論じている。資本市場主義を土台にして『美しい国』...続きを読むなどと表現している政治家や財界人にはぜひ読んでもらいらい。 Posted by ブクログ 正義を疑え! 山口意友 久々の会心の一作。最終章の8「正義を疑え」を読んでから本文を読むと理解が深まります。 正しさの二義性があり、1つめは「真実・真理などの事実を語る正しさ」と「己が信念としての正しさ。つまり正義」がある。この二つめの正義には立ち位置によって定義が異なり、為政者としての立場なのか、個人としての立場な...続きを読むのかによって変わる。 多くの平等は為政者の立場からの平等がうたわれているが、それは決して個人の平等ではない。たとえば男性と女性で法律的には平等であるが、これは為政者(=法)から見た平等である。男性と女性はそもそも役割が違うのだから、個人としての立場では平等ではあり得ない。 正義を疑うとは、為政者の正義を語るのではなく、個人の正義を確立することだ。 ちなみによく引用されるハムラビ法典の「目には目を。歯には歯を。」のフレーズが新約聖書によって曲解されたものだとわかっただけでも本書を読む価値がありました。ハムラビ法典は身分や動機によって量刑を変える「均等性としての正義」を記述したものだということです。 Posted by ブクログ 山口意友のレビューをもっと見る