【感想・ネタバレ】右であれ左であれ、わが祖国日本のレビュー

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Posted by ブクログ

本の著者はタイトルにあるよう、左右の派で考えるのではなく3つのモデルとして考えれるということを提唱している。この3つのモデルは日本の過去の歴史からも当てはまる。その流れからこれからの日本はその3つのモデルに当てはめながらどう動いていくかを学ぶことができる。断定的な口調でもなく、歴史の知識がたくさんなくても読める本であると感じた。

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2023年09月13日

Posted by ブクログ

序、第一章が議論の意義および下地となる基礎的な条件の確認。

第二、三章が肝となるモデルの解説で、第二章で「国際日本」「大日本」「小日本」という三つの日本国家モデル、第三章で地政学的位置にある日本にとっての三つの主要勢力が扱われる。

第四、五章は第二次大戦後から第一次イラク戦争までの日本の歩みを、国家モデル(の指向)と三勢力との関わりから読み解く。

第六章では三勢力の一つであり、戦後、特別な関係にあり続けてきたアメリカとの関係をとくに憲法第九条と集団的自衛権に焦点化して論じる。

第七章は、三つの国家モデルいずれをも主軸としない、しかしながらいずれをも使い回し補完しあいながら体制を定めるという「中庸国家日本」としての戦略を示す。

歴史的にも、日本は三つの国家モデルのいずれかのみを選択し他を一切排除してきたわけではなく、ときに戦略的に相対する主要勢力によって使い分け、ときに意図せずあるモデルをとってきた。
著者自身があとがきで書いている通り、右翼や左翼、保守や革新といったレッテルが意味を成さないばかりか、そうしたレッテル貼りこそが議論を混乱させる主要因と思えるなかで、三つの国家モデルは分析のための装置として(少なくとも旧来のレッテルより)有効に機能するのではないだろうか。

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2013年01月29日

Posted by ブクログ

憲法論議を考える当たって、片っ端から関連する本を読んでいるが、この本は文化人類学が専門の著者だけあって、見せ方が新鮮だ。とにかくイデオロギー色は一切なく、歴史を通して、日本が生き残りうる現実的な戦略をかいま見せてくれる。
中でも、愛国心をタブー視することの危険性、戦後、日本は二国間以上の複数のプレイヤーが競う場面ではほとんど仕事をしてこなかった、という指摘、第一次イラク戦争で日本は左も右も国民皆が傷ついたという事件性の顕現化、そして、それらをふまえて書き下ろされた第六章「戦争をしない方法、勝つ方法」は知的に面白かった。

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2012年03月12日

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ネタバレ

[ 内容 ]
改憲か護憲か、親米か反米か、愛国心は是か非か―。
左右イデオロギーの対立軸だけで国家を論じるのは思考停止だ。
著者は、過去五百年の歴史をふまえ、「国際日本」「大日本」「小日本」という三つのモデルで考える国家論を披瀝。
さらに、三つの主勢力(中国・ロシア・西洋)との距離のとり方が、日本の命運を握ってきた、と考察する。
そして、この「三つのモデル」と「三つの主勢力」という枠組みから、憲法第九条、集団的自衛権、核武装論、六カ国協議への対応策を導き出す。
地政学的発想から描いた独創的な日本国家論。

[ 目次 ]
序 なぜ、いま「国家論」なのか
第1章 右であれ左であれ、あなたの日本
第2章 国際日本・大日本・小日本―室町から戦前までの日本の国家モデル
第3章 中国・ロシア・西洋という脅威―三つの主勢力による東アジアの地政学的環境
第4章 戦後日本の夢と現実―敗戦から第一次イラク戦争まで
第5章 右も左も傷ついた「戦後・後」の日本―冷戦終結・バブル崩壊・第一次イラク戦争
第6章 戦争をしない方法、勝つ方法―集団的自衛権・憲法第九条の問題
第7章 「中庸国家」という日本の針路―世界とどう向き合うか

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

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☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
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読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2011年04月20日

Posted by ブクログ

日本という国が国際的にどのような場所に置かれていたのか。右翼左翼などというくくりではなく、「小日本」「大日本」「国際日本」という観点で論じている。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

2月?
[内容]
イデオロギーにとらわれることなく国を論じるという試みがなされている本。筆者が冒頭で指摘しているのは「国家を論じることの必要性と危うさ」である。しかし、一方で、現在日本が、内外で直面している問題―少子化、アジア外交、エネルギー、憲法改正―を考えたとき、それらの問題の根本は、今後の「国のあるべき姿の共通理解」の形成という一点に行き着かざるを得ないということも事実であると指摘する。そこで、筆者はイデオロギーにとらわれることなく、この国かたちをどのように描いていくべきかと言うことを、「国際日本」「大日本」「小日本」そして、日本の地政学的な位置づけを踏まえつつ提言をしていく。[感想]イデオロギー(右や左)にとらわれると、物事が見えにくくなるということはあると思う。そういった意味で、イデオロギーにとらわれることなく国のかたちを論じようとすることは必要なことだと思った。しかし、筆者の提言である「中庸国家」がなんだか、かって議論された第三の道政策とダブってしまい、新たな機軸を打ち出すといった点ではいいのかもしれないが、「中庸」といのは得てしてそのバランス感覚が極めて難しいもののではないだろうかと感じてしまった。

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2009年10月04日

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日本の外交史を著者独自の視点からたどり、今後の日本の進むべき道を示そうとする試みです。

日本の外交モデルは、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の3人によって原型が作られたと著者は言います。西洋伝来の新技術を積極的に取り入れ、キリスト教の受け入れにも積極的な立場を取った信長のやり方は、「国際日本」モデルと呼ばれます。一方、西洋の影響力を排除し、自身のイニシアティヴのもとで東アジアへの進出を図って中国に代わる盟主の地位をめざした秀吉のやり方は、「大日本」モデルと呼ばれます。そして、鎖国政策によって内向きの外交政策を採用した徳川家のやり方は、「小日本」モデルです。

著者は、明治維新以降の近代日本の歴史や、アメリカの庇護のもとでめざましい経済成長を遂げた戦後の歩みも、この3つのモデルによって説明しようとしています。

その上で、アメリカ、中国、ロシアなどの国々と、日本が今後どのように付き合っていくべきなのかを論じています。

リアリスティックな観点からの護憲論という著者の主張には、目を開かされました。単なる理想主義を越えた護憲の議論というのも、もっと活発におこなわれていいような気がします。

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2018年02月04日

Posted by ブクログ

「国際日本」「大日本」「小日本」という考え方はおもしろかった.
ただ,無理やりその枠に押し込めようとするあまり,他国の体質や民族性を見誤っているように感じた.

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2011年11月12日

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