【感想・ネタバレ】聖夜-榎田尤利作品集-のレビュー

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作家買い

榎田先生らしい 優しいけど、一筋縄ではいかないストーリー。悲しみを知ってる人はやっぱり優しくて 引くことが癖になってる。アマチの過ごした子供時代がそうさせたのは、間違いない。大人になりゲイという孤独に似たような感情も怖かったろう。
でもみんなアマチを愛す。
探すシマもかっこよかった。
みんな娘がいるのが、アマチ目線からみると切ない アマチには作れないから。

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2019年12月28日

Posted by ブクログ

初期作品の出し直し。

「名前のない色」
編集部で働く藤野渉は、夏場には使い物にならないというイラストレーター・水窪あきらになんとか新刊に絵を付けて欲しいと頼みに行き…。

ヘタレわんこ系の攻めなんだけど実は傷を持っていて…。
受けは受けで見るからに傷を抱えていて…。その二人の切なさがとても細かい心理描写で描かれていて早く二人に幸せになって欲しいと思いながら読み進めました。過去を消化して生きていくのは難しい…。でもそれを乗り越えたら一つ成長するのよね。


「聖夜」
高校の同級生で少しだけ二人でさわりあったこともある気になる親友・アマチが親の離婚で東京に行って10年。都内で婚約者とマンションを見に行ってばったり再会することに。10年経って10年前の気持ちに気付いたシマ。しかしアマチにも付き合っている男が居たし、自分には婚約者もいる。そして…。


10年愛ならぬ20年愛。書き下ろしが加わることで30年愛となった作品。そんなに長く誰かに執着出来るのがBLらしい。いろいろあって一瞬だけ交差した関係があえなく離れていくのだけど20年目にしてやっとお互いが並行に歩いていける。切なくて良かったです。これから幸せになってねとエールを送りたくなる、そんな二人。
それにしても。
元奥さんもその再婚相手も子供も、みんな理解ある…。
静かなエチがこんなにエロさを感じるものだとは思いませんでした。気持ちが入っていて身体も開かれた感じよね。

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2013年03月07日

Posted by ブクログ

10年、20年更には書き下ろしを含めれば30年という長い年月で綴られる壮大な愛の物語。
決して恵まれない青春時代を過ごしたアマチにとってキラキラした初恋の思い出であり唯一の希望であったシマ。愛を自覚するにはまだ幼過ぎた青春時代の別れを経て10年後社会人になって最初の再会。互いに思い合っているのに、好きだという感情をぶつけるだけでは成り立たない関係だと分かってしまう歳月の残酷さが切ない。
榎田さんの文章は相変わらず美しく滑らかで、長いスパンの話なのにテンポよくすらすら読めます。二人の気持ちはもちろんですが、それぞれの家庭環境やパートナーとの関係、アマチの両親との確執、更には第三者からの目線で綴られる事によって二人の愛情が更に確固したものになっています。
北海道育ちの二人がたわいも無く話していたあり得ない夢のシーン、理想の家は沖縄の雨端のある平屋。そしてラストの沖縄での再会の奇蹟に泣きました…(T_T)もう一編も切ない色の作品。今読んでも全く色褪せない名作です。

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2013年03月02日

Posted by ブクログ

この方はいくつかの書き方を持っているかな、と思う。展開も、得意ないくつかのパターンがある。

初期はまったく読んでないので初読でした。表紙がヨネダコウさんというのもまた、よく合っています。
表題の聖夜から続く物語の方が良かったです。この、切ない感じ。
好き、だけでは生きていけない世界。20年かかって、やっと二人はお互いの前に立つことができた。

なんもかっこいいとこもなく、二人がおじさんに差し掛かってから、色んな失敗をしまくったあげくにくっつくという、そこがリアル。

そう、この方の作品は、美しいだけじゃないところが好きです。

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2013年02月14日

Posted by ブクログ

山田ユギセンセの挿絵からヨネダコウセンセにお色直しして、書下ろしも収録された新装版です。
表題作は、世間が盛り上がっているイベントとは裏腹に、別離を余儀なくされるシマとアマチの20年愛で、かなり重いストーリーです。
20年という長い歳月の間、ずっと想いあっている同士のシマとアマチ。その想いの大きさや形は違って見えますが、忘れられなかったというのは一緒なのです。
人生ドラマですね。
二人の10年後、20年後、そして書き下ろしでは30年後の関係が描かれています。

20年あれば、恋愛も結婚も子供も、仕事も、いろいろあって、「愛しているから」だけではどうにもならない大人の事情が、常識を超えられなくさせられるんだなと思いました。
シマの10年前への後悔が、切なくさせられます。でも、その悔やむ気持ちがあったからこそ、20年後にどこまでもアマチを捜し求める決意ができたのかと感じさせられました。
アマチの想いには、胸が苦しくて掻き乱されました…すごく、シマのことを想っているのが、どのシーンからも伝わってきます。

時代背景が30年にわたっているだけあって、昭和から平成の激動の変遷が甦ってきたり、二人の出会いの場所も北海道から東京、沖縄と移動していくので、その奥行きと幅広さに圧倒されます。BL的大河ドラマで読み応えあり。
重くて苦しい恋愛が延々と描かれているのに、その先にきっと何かがありそうな予感があるので、ものすごく引き込まれてしまいました。
二人が愛し合うシーンも仔細には描写されていないけど、とても萌え上がります。上手いです。

同時収録の「名前のない色」は、ようやく担当作家を持つようになった編集者と、過去の恋に縛られたままの挿絵画家の話。
失恋や家族との確執で、投げやりになっていたミサに誘われて寝てしまった藤野。藤野は以前からミサの作品に惚れこんでいて、体の関係ができたことでいっそう彼に溺れていきます。でも、ミサは藤野を愛してはいないようで…
同じ色、同じ景色を見ていても、本当にそれが同一なのか?愛し合っている、心が通じ合っていると思い込んでいても、相手は違うかもしれない。
そんな根本的な感情に、心を揺さぶられます。
愛していれば、例え同じ色や同じ景色の見え方が違っていても、気持ちはひとつになれるということなんですよね。
考えさせられました。

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2012年12月25日

購入済み

ね、やっぱり

榎田さん作品ハズレなし。2作入りの両作とも都合良く綺麗にハピエンといかない当たりがやたら現実的でだからこそ「好きな設定じゃな〜い」と口を開く前に色々考えさせられたし人を好きになる生きていくことの重さを感じる。単純なエンタメ作好きですが榎田さんのお話は更に一歩踏み込んでて読むことに価値があると思う。特に2作目の30年愛はイラっときたり焦れったい反面、私が知らない愛の世界なだけにとんだ純愛だわ〜と大感動です。

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2014年09月24日

Posted by ブクログ

2作目の余韻を残す終わり方が良かった。
最初シマとアマチ以外は悪役のように見えたキャラクターも
本当は色んな苦悩があり、最後にはその苦悩も人間らしさとして消化されていた。
沖縄に行きたくなってしまった…。
梨音ちゃん視点の短編も見れたらいいなと思いました。

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2019年03月25日

Posted by ブクログ

重い話だったけど、ちゃんと最後は前を向いて歩いていくストーリー。
「聖夜」も「名前のない色」も、丁寧に描かれていて好き。
書き下ろしは意外な人物視点で斬新だと思う。

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2013年04月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2002年初出の復刻版とのこと。さらに内容は書き下ろし含めて30年という長いスパンで描かれた作品。時事ネタもあり手紙→公衆電話、ポケベル→携帯電話だけとってみても時代の背景にもこだわっているように思える。そもそも今のように誰とでもSNSで繋がっている時代には、ここまで10年ターンでの再会とはならなかったような。

はっきり甘くはない。受けはモブにもやられるし恋人にも手荒なHされてるし心臓に悪い…。攻めはこずるい考え方していてリアルで(誠実ではないけどバカにもなれない)、BLとしては落第点かもしれない、だけどそんな男が20年かけて出した答えは夢見がちな愛ではなく本物だと実感できた。
運命という言葉は安っぽいけど、攻めの婚約者・桃子がいなければ受けとは再会しなかったかもしれないし、娘を授からなかったら今の幸せはなかったかもしれない。受けは不幸に続く不幸だけど、どんな目に合っても純潔なイメージがあるのは、初恋をずっと心に持ち続けてきたからかもしれない。

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2017年10月16日

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