海辺の町のお弁当屋さんで働く「ちひろさん」。
元風俗嬢という過去を隠さず、あっけらかんと生きる彼女の生き様と
彼女に惹かれる人々の姿を淡々と、しかし優しく描いています。
自分の過去を知って近づいてくる人、遠ざかる人、それぞれの気持ちを見抜きつつ、
達観しすぎず適度な距離を保ち、
楽しんで生きているちひろさんがとっても素敵です。
性格がキツい同僚の永井さんを評して、
彼女が作る梅干しと漬物が美味しいから許せてしまう、
という視点、うらやましいなあ。
合コンにふらっと出てさりげなく無双したり、
町内の事件を解決したり、いきなり釣りを始めたり。
とにかく自由で人生を謳歌している彼女を、毎日なかなか元気が出ない人、
でも喝を入れられたり強めに励まされるのは苦手、という人に
ぜひ読んで知っていただきたいです。
感情タグBEST3
後付を読むこと
サッと読むだけでもこの漫画の世界観には引き込まれるが、本当に理解するには、この巻に限らず後付を読むといい。作者の世界観がわかってはじめてこの漫画の奥深さがわかる気がする。
Posted by ブクログ
おにぎり作って花見して、釣りをして、好きなものに囲まれて。元風俗嬢・ちひろさん、今日も豊かに、ひとりで生きる。4巻。
ユニークなちひろさん流の花見、一度は食いたい気まぐれおにぎり、マコトと谷口の2人釣り、勝ち組負け組の不毛なレースから降りたちひろさんと降りられないすずちゃんの好対照、ちひろさんを中心に世界が広がり読む人の心に涼やかな風を吹かす4巻。
リア充って何だろう
いつもこの人の漫画ははっとさせられ、こんな生き方いいなと思わせる。人間のキビがわかる人は、強く自立している。
Posted by ブクログ
安田先生の名作の4巻目。
「ショムニ」は確かに面白かったんですが、ドラマのヒットで先生のお話と絵柄とは違った評価を世間がしたような気がします。
こういってはナンですが「イケイケメジャー系」ではなくて一部の「漫画を愛する人たちに物凄く好まれる系」だと私は思っています。
そんな先生の傑作「ちひろ」から更に深みの増した「ちひろさん」。
今、楽しみで仕方がない作品のひとつです。
(「海街」や「ヴィンランド」、「3月のライオン」「スピリットサークル」に並ぶ楽しみ度です)