【感想・ネタバレ】「読む」技術~速読・精読・味読の力をつける~のレビュー

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Posted by ブクログ

第二言語(いわゆる外国語)の習得は、母語である第一言語の習得のさいに構築した言語世界を転移させる形で起こります。
ですから、第一言語でしっかりした土台をつくっておかないと、せっかく、第二言語を学んでも高度な運用能力は身につきません。
その日本語の運用能力を高めること、本書で焦点を当てるのは、「読む」という行為です。言語の学習には、「読む」「書く」「聞く」「話す」という四つの技能があるといわれています。
「読む」ということは、文章に多様な意味を見いだす行為であり、人間の創造力の基盤となる行為である。

■読むというプロセス
 ①画像取得活動 文字列を脳内に取り込む活動
 ②文字認識活動 画像として脳内に取り込まれた文字を、文字として認識する活動
 ③意味変換活動 文字列を意味に変換する活動
 ④内容構成活動 脳内の辞書と文法によって意味に変換した文字列を、すでに私たちの頭のなかにある知識やその場の状況と結びつけ、実感をともなうイメージに構成する活動

■5つの読む
 ①スキャニング(超速読)表現検索のための読み キーワードを探す
 ②スキミング(速読) 大意把握のための読み
 ③味読(平読)楽しみのための読み
 ④熟読(精読)概念取得のための読み
 ⑤記憶(超精読)内容再生のための読み

■速読

話題ストラテジー:文章を貫く話題が何かを早い段階で見抜き、その話題にかんする知識を利用していこうの理解を迅速かつ適切にする
   内容スキーマー:話題によって活性化するスキーマー
   形式スキーマー:言語形式に関わるスキーマー
 ・あるスキーマ―を「わかった」ら、分かった瞬間から、別のスキーマーを呼び出すことができなくなるので、わからなくなるというジレンマに陥る
 ・速く読みたいから、タイトルや冒頭の文を目に留めて何の話題がどのように展開されるかを簡単にても想像してみる

取捨選択ストラテジー:速くよむためには、手っ取り早い方法は、読む分量をへらすこと。重要そうなところだけを選んで読む
 ・漢字だけを拾っていけば、文章の内容がだいたいわかる
 ・段落の最初の文に言いたいことがかかれている。
 ・各文の冒頭にある、指示詞や接続詞を重視して、それを軸に文章を読んでいく
 ・文末の「~のだ」「~のである」に注目する

■味読

視覚化ストラテジー:文章を視覚化する、視覚化できない文章もある
視点のメカニズム
 視座
 注視点
 視野
 視点

1人称と3人称

予測ストラテジー:後続文脈の候補を縛ることで理解の侵攻を効率的かつ効果的にする
 関係の予測 深める予測と進める予測
 内容の予測  
・文章理解とは、文章を介した書き手と読み手の対話

文脈ストラテジー:文脈とは文章を理解するさいに使われる書き手と読み手の共有知識
 現場文脈、記憶文脈、言語文脈
 結束性の把握、つながりを理解する
 一貫性の把握、推論や連想によってつながり、まとまりを理解する

■精読

行間ストラテジー
・行間をよむとは、書かれていることをヒントにしてかかれてないことを読み手が推論すること
・文と文の間に意味のスキマがある場合、橋をかけるような推論を行うこと
・精緻化:書かれている情報だけでは十分な理解ができないとき、読み手の頭の中にもっている背景知識を用いて情報を加えることで足りない情報を補填したり、抽象的な内容を具体化したりする推論を行うこと
 理由を考える精緻化と、例を上げる精緻化がある

解釈ストラテジー:読み手によって異なる内容に到達するのが解釈です。解釈は読み手一人一人の個性によって、文章に新しい価値を付与する創造的な行為です
 比喩、寓話を使う 直喩と隠喩
 自己の専門性、個人的経験、思想的背景を加えてみる
 暗黙の前提を疑う
 抽象的なことばが使われている場合、具体的な言葉を当てはめてみる

記憶ストラテジー
 読みやすい文章はすっと頭から消えていきます。記憶するために、自動化された理解活動を、非自動化、複線化し、能動的なものにすること。
 理解の速度を落として、脳内に情報を留めやすくすること

 反復読み 構造を組み替えながら試行錯誤しながら読む
 音読 音が理解を深める効果がある、音読すれば、わからないところが、どこだかがわかる
 換言と要約 わからないと、言い換えができない。わからないと要約ができない アウトラインを覚えていれば、その内容を再現できる
 
目次

序章 なぜ「読む」技術を鍛えるのか
第1部 読みの理論
 第1章 「読む」ということ
 第2章 「読む」技術の多様性
第2部 速読―速く効率的に読む技術
 第3章 話題ストラテジー 知識で理解を加速する力
 第4章 取捨選択ストラテジー 要点を的確に見ぬく力
第3部 味読―文章世界に自然に入りこむ技術
 第5章 視覚化ストラテジー 映像を鮮明に思い描く力
 第6章 予測ストラテジー 次の展開にドキドキする力
 第7章 文脈ストラテジー 表現を滑らかに紡いで読む力
第4部 精読―深く多面的に読む技術
 第8章 行間ストラテジー 隠れた意味を読み解く力
 第9章 解釈ストラテジー 文に新たな価値を付与する力
 第10章 記憶ストラテジー 情報を脳内に定着させる力
主要参考文献
おわりに

ISBN:9784334035563
出版社:光文社
判型:新書
ページ数:264ページ
定価:780円(本体)
発売日:2010年03月20日第1刷

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2023年07月31日

Posted by ブクログ

"すばらし国語の授業を受けたような気分になった。備忘録として、抜粋しておく。
速読-話題ストラテジー(文章を正確に読むために意識すること2点
            ・その文章が何について書かれているか考え、頭の中の知識、経験と引きつけて理解する
            ・文章を読み始めるときタイトルや書き出しに目をとめ、何の話題がどのように展開されるか想像する)
  -取捨選択ストラテジー(文章の要点を的確に抽出して読むために意識すること4点
              ・漢字で書かれた重要情報を拾い出す
              ・段落の冒頭文を大意の理解に役立てる
              ・文頭の指示詞と接続詞から、文章の話題とネットワークを把握する
              ・「~のだ」に代表される文末表現から、書き手の主張のネットワークを把握する)

味読-視覚化ストラテジー(文章中に描かれている場面を鮮明に映像化して読むために意識すること3点
             ・視覚的イメージを喚起する表現に着目し、そうした表現を手がかりに映像を再現する
             ・視覚に関わる描写を、視座・注視点・視野・視線の四つの組み合わせとして、分析的に理解する
             ・一人称視点か三人称視点かを峻別し、それを軸に一貫した視点を構成する)
  -予測ストラテジー(文章を話の流れに乗って深く読むために意識すること3点
            ・文章を読む過程で、疑問に思ったことや深く知りたいことを問いとして発する
            ・次がどんな展開になるのか、先のストーリーに注意を向ける
            ・次にどんな内容がくるのか、その具体像を絞り込み、実際の文章の内容と照合する)
  -文脈ストラテジー(文章を誤解なく円滑に読むために意識すること3点
            ・違和感のある表現に出会ったら、その表現とつじつまが合うように文脈を再調整する
            ・指示詞と接続詞がある場合、そうした手がかりを頼りに、文章で展開される書き手の思考の筋を追跡する
            ・文を超える意味の連鎖が形に表れない場合でも、文章の全体像を意識し、内容の一貫性が保たれるように読み進める)

精読-行間ストラテジー(文章中の隠れた意味を読み解くために意識すること6点
            ・あくまでも書かれた材料をヒントにして、書かれていないことを推論する
            ・あるべき内容が描かれず、展開に飛躍がある場合、そこで立ち止まって深く考える
            ・書いてある情報だけでは不充分に感じられる場合、理由や具体例を自分なりに補填する
            ・わかりにくい文章を読む場合、その背後にある筆者の表現意図を見抜くように努める
            ・登場人物に感情移入する場合、事実の描写の背後にある感情を汲み取るようにする
            ・事実を伝えることを目的とした文章を読む場合、文章の内容を批判的に吟味し、事実の描写の背後に隠された意図を見抜くように心がける)
  -解釈ストラテジー(文章を創造的に読むために意識すること6点
            ・含蓄ある文章に、自己の専門性や個人的経験、思想的背景を投影し、寓話化してみる
            ・暗黙の前提を疑い、自分と異なる社会・文化的立場に立った理解を試みる
            ・文章を整合的に理解するときに生じるほころびを繕うような新たな理解を想定する
            ・抽象的な文脈に置かれた抽象的な言葉を、自分に身近な具体的な言葉に置き換えてみる
            ・無理な解釈を保留し、文章がそこまでしか書いていない理由を考える
            ・多様な解釈をもとの文章に還元し、その整合性を検討する)
  -記憶ストラテジー(文章に書かれた情報を頭にしっかりと定着させるために意識すること5点
            ・繰り返し読んで文章の構造を徐々に把握し、そこからトップダウン処理で内容を整理する
            ・音読によって、文と意味のつながりだけでなく、音と意味のつながりにも注意を払う
            ・表面的な言い回しに引きずられず、原文の内容を自分の言葉に置き換えて理解する
            ・要約によって、書き手の言いたいことと文章のアウトラインを押さえる
            ・文章との対話を心がけ、多様なストラテジーを用いて文章を能動的に理解する)

これらは、読む技術と同時に文章を書くときにも心がけるべきものともいえる。"

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2018年10月21日

Posted by ブクログ

著者の本って外れがないなあ。
いろいろ知りたかったことが極めて簡潔にわかりやすく書かれていて、たぶん今後何回も開くであろう予感。

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2018年04月30日

Posted by ブクログ

本を読む行為に個性が存在することを知っていましたか?
本を読む行為に技術が存在することを知っていましたか?
知りませんでした。
最近読書術なる本ばかり読み漁っていましたが、それもそろそろ終焉ですかね。
ほぼこの本で僕の求めている答えは網羅された気がします。
読む行為が頭の中でどのように思考され、処理し、理解するのか。
見慣れない言葉、分からない語彙、辞書を片手に時間とない頭使って精読しました。
速読、精読、味読の3つの読み方を8つのストラテジーに分割して読んでいく。
スキーマの発動。
目から鱗でした。
もう少し著者の本読んでみよう。

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2015年06月05日

Posted by ブクログ

凄く読みやすかった。
読む技術を三つの分類していて、人間の脳の動きを精確に分かりやすく記述してくれていたと思う。
学生の時にこの本があったら、国語の点数、もっとよくなったかもしれない。

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2011年10月28日

Posted by ブクログ

内容(「BOOK」データベースより)
書いたものに現れる個性は「文体」と呼ばれ、よく知られていますが、読むときにも「読体」というそれぞれの人の個性があります。「文体」と違って目に見える形にならないので気づかれにくいのですが、それぞれの人の性格や背景におうじた読みの偏りは確実に存在します。「読む」技術を向上させるには、無意識のうちに身についた自分自身の読み方の癖の姿を知らなければなりません。本書は、自分なりの読み方、「読体」を対象化し改善する目的を持っています。



色々考えながら読む。
というのは面白いかもしれませんね。
そして、大事だと思います。
個人的に大事だと思うのは楽しむことかもしれません。
何事も。。。

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2010年10月07日

Posted by ブクログ

速読・・・大枠把握のための読み
→話題ストラテジー、取捨選択ストラテジー

精読・・・概念習得のための読み
→行間ストラテジー、解釈ストラテジー、記憶ストラテジー

味読・・・楽しみのための読み
→視覚化ストラテジー、文脈ストラテジー、予測ストラテジー

状況や読書の目的に応じて、上記を使い分けることが大事。速読と精読の両立を目指したくなるが、基本無理なので読み方を意識する。

◯予測ストラテジー
次の展開を予測しながら読むことで、話の論点や言いたいことを読み取りやすくなる。予測が外れることは決してマイナスなことではなく、むしろいい意味で裏切られた気分にさせてくれることもある。

◯行間ストラテジー
直接書かれていないこと、すなわち行間に隠されていることを読み取る。同じようなファクトが並べられていても、ときにバイアスがかかった書き方によって、全く違った印象を与えれることもあるので要注意(cf.メディアリテラシー)

◯視覚化ストラテジー
作品に没頭するために文章をビジュアル化する。どこまで具体化するか、意味づけするかどうかは読者の裁量に委ねられる。小説読解の醍醐味。

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2021年09月18日

Posted by ブクログ

活字中毒の私としては、これまで読書術に関する本は、ショーペンハウアーからフォトリーディングまで色々と読んできましたが、今の自分にとってとても肚に落ちる内容でした。

著者は文学博士で、文章論が専門ということで、エビデンスもしっかりした読書術に関する本です。

読解ストラテジーとして、速読、精読、味読のカテゴリ別に、8種類のストラテジーを提示しています。

速読に関する技術ではなく、精読や小説等をどう味わって読むかという味読についても、理論的に言及しているのが特徴です。

おすすめです。

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2017年05月13日

Posted by ブクログ

小説の読むのに必要な「視点」を意識したことがなかった。今まで何となく読んでたことを痛感させられた本だ。どこで(視座)、だれが(視点)、なにを見ているか(注視点)。「小説で登場人物が目にしたものをどう感じたか」を意識するだけで、自分の知らない感情や価値観を追体験できる。この面白さを味わうことが「味読」なんだろうなー。

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2015年02月24日

Posted by ブクログ

「読む」とはどういうプロセスなのか,どう読めば文章が楽しく読めるのか,などを筋道立てて真面目に述べている.本の読み方を速読,味読,精読と3つに分けて網羅的に説いている.なかでも,速読ではどこを注目して読むべきかを,理由とともに論理的に説明している.速読について結構具体的で面白い切り口.味読では,ただ文章をゆっくり味わえばいいというような話で終わらせず,着眼点を明示している.最後の精読だけは当たり前のような話が冗長に続いていて退屈だった.

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2014年10月11日

Posted by ブクログ

正統派「読む技術」が学べる本。
学生時代の国語の読解授業を思い出し、「なるほど、そういう意図があったのが」と改めて勉強になった。
「接続詞と指示詞をたどっていけば、思考が見えてくる」「理由を考える」「例をあげる」といったあたりは、まさにそうだ。
学生時代には”なんでこんな問題にこたえなければいけないのか?”と”読まされて”いた感があったが、こうして今、読解について考えてからは能動的に”読もう”という気持ちになる。さらに、「原文の内容を記憶に留めようとするとき、要約はよいトレーニングになる」ということから、要約の訓練の大切さにも気づかされた。
読書に対する姿勢が変わる一冊だと思う。

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2014年08月18日

Posted by ブクログ

 言語の四技能と言えば「読む」「書く」「聞く」「話す」。本書はその中の「読む」に注目をした一冊。ちなみに、名著『文章は接続詞で決まる』の続編ということになっています。

 さて、相変わらず惚れ惚れするような書籍でございます。もちろん、日本語学が文章論を軽視したとおり、ややもすると主観的だと捉えることもできる。そういった意味では科学的ではないかもしれない。しかし、本書は確実に「読む」という行為を体系づけているのは間違いない。たとえば、本書の内容を確実に理解し、自分のものとできるならば、受験国語の現代文で合格点を取ることは間違いないだろう。そういった意味では、本書は素晴らしい国語科の参考書とも言える。
 そのため、本書の内容から「国語の授業」では何をしていたのかを理解することもできよう。「国語の授業」について、様々な良くはない評判を目にすることがある。曰く、国語の授業は意味がなかっただの、ただ文章を読んでいくだけだっただの、学校の国語と受験の国語は全くの別物だのと。「国語の授業」は文章の読み方を、すなわち、本書にあるようなことを解説していたのだ。本書に価値があるのと同様、「国語の授業」にだって価値があった。また、その意味で、本書はかつて習ったはずのことを復習するものでもあるし、特別目新しい内容ではないと言えるわけだ。だが、「国語の授業」がどうしても帰納的にならざるを得ないのに対し、本書は演繹的に「読む」ことを述べてくれる。だからこそ、貴重さを孕んだ書籍ということになるのだが。


【目次】
序章 なぜ「読む」技術を鍛えるのか
第一部 読みの理論
 第一章 「読む」ということ
 第二章 「読む」技術の多様性
第二部 速読―速く効率的に読む技術
 第三章 話題ストラテジー 知識で理解を加速する力
 第四章 取捨選択ストラテジー 要点を的確に見ぬく力
第三部 味読―文章世界に自然に入りこむ技術
 第五章 視覚化ストラテジー 映像を鮮明に思い描く力
 第六章 予測ストラテジー 次の展開にドキドキする力
 第七章 文脈ストラテジー 表現を滑らかに紡いで読む力
第四部 精読―深く多面的に読む技術
 第八章 行間ストラテジー 隠れた意味を読み解く力
 第九章 解釈ストラテジー 文に新たな価値を付与する力
 第十章 記憶ストラテジー 情報を脳内に定着させる力
主要参考文献
おわりに

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2012年08月26日

Posted by ブクログ

 「『読む』技術」について述べているだけあって、読み手を非常に意識して書いている著作だな、と感じた。
 適切に項目を立てて、速読から精読まであらゆる読み方に対応した書き方をしているので読みやすい。

 著者は、あくまでも読み方の提言として述べているが、私たちが文学から専門書に至るまであらゆる読書をするとき、役立つ情報が満載だ。

 分野を問わず、日ごろから活字と接する機会のある人に薦めたい一冊だ。

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2011年11月11日

Posted by ブクログ

文章の読み方を、速読、味読、精読に大別し、それぞれにおいて発揮されるべき力を下記のような「ストラテジー」として解説した本。無意識のうちにやっていることだけれど、それを適切な例を引きながら示してくれるので得心がいく。日本語もすごく読みやすい。

スキャニング(超速読)…表現検索のための読み
スキミング(速読)…大意把握のための読み
話題ストラテジー…知識で理解を加速する力
取捨選択ストラテジー…要点を的確に見抜く力
味読(平読)…楽しみのための読み
視覚化ストラテジー…映像を鮮明に思い描く力
予測ストラテジー…次の展開にドキドキする力
文脈ストラテジー…表現を滑らかに紡いで読む力
熟読(精読)…概念習得のための読み
記憶(超精読)…内容再生のための読み
行間ストラテジー…隠れた意味を読み解く力
解釈ストラテジー…文に新たな価値を付与する力
記憶ストラテジー…情報を脳内に定着させる力

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2011年06月18日

Posted by ブクログ

書くことのノウハウ本はたくさんあるが、読むことの知恵を伝えてくれる本は少ない。
学術論文、新聞、小説などの読み方のヒントが分かる。
まず読むこと、が表現を介したキャッチボールコミュニケーションの基本。結局小学校からの国語の読解が基本と思った。

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2011年01月30日

Posted by ブクログ

先ずは読書量を増やすことを目的として、本書も読んだ。下記のような新たなテクニックも学ぶことができた。

速読の技術
①実質語は漢字、機能語はひらがなにするという原則は速読をする読者にとっては読みやすくなる。
②文頭の指示詞や接続詞がついている文を重視し、それを軸に文章を読んでいく。
③「〜のだ」に代表される文末表現から、書き手の主張のネットワークを把握する。

しかしながら、この本は速読よりも本当の読み方にこだわって書かれた「精読」「味読」に多く紙面をさいている。味読については下記の通り。

味読の技術
①視覚に関わる描写を、視座、注視点、視野、視点の4つの組み合わせとして、分析的に理解する。
批判的談話分析(Critical Discourse Analysis :CDA)
権力を持つ側が世論を如何に操作しているか、そのからくりを言語分析を通してあぶり出すのが批判的談話の目的
筆者の隠れた意図を敏感に察知できるようになると事実を曲解して伝える、貴社の主観を忍ばせた文章のウソを見抜けるようになる。

精読についての面白い技術は、難解な文章での、抽象的な言葉はより具体的なもの、ことに置き換えて読むことであった。

最後には読書は作者との対話でる。書かれてあるものを自分のものにするためには、能動的に疑問を持ちながらすべきである。

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2010年09月30日

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ネタバレ

◆速読
 ・話題ストラテジー 「スキーマ」
 ・取捨選択ストラテジー
◆味読
 ・視覚化ストラテジー 「視座,注視点,視野,視線」
 ・予測ストラテジー
 ・文脈ストラテジー 「結束性,一貫性」
◆精読
 ・行間ストラテジー 「橋渡し推論,精緻化推論」
 ・解釈ストラテジー
 ・記憶ストラテジー 「反復読み,音読,換言,要約,文章との対話」
 

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2024年04月20日

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普段何気なく読んでいる際に無意識に頭の中で考えていることを上手く言語化して説明していた。当たり前の事から、盲点であったことまである。この本で言うところの速読で読み進めれば良いと思う。

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2023年09月20日

Posted by ブクログ

文章の読みかたを、目的におうじて「速読」「精読」「味読」の三つに分類し、それぞれの読みかたを実践するさいのスキルについて解説している本です。

文章の内容を推測しながら読み進めていくときの「スキーマ」の役割や、とくに小説における視点と文脈の重要性、さらに文章からあらたな意義を読者自身が創発するさいにおこなわれる解釈のありかたなどがとりあげられています。

日ごろから読書に親しんでいる読者にとっては、本書で紹介されている「技術」の多くは、ふだんから無意識のうちに実践しているものが多いのではないかと思いますが、本書を読むことでそれらの「技術」を読者の一人ひとりが明確に自覚し、読書の目的におうじて実行することで、読書の実を上げることができるのではないかと期待されます。

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2023年03月24日

Posted by ブクログ

読む行為について、「速読」「味読」「精読」の視点から各々の読み方の考え方を紹介されています。
読むものの分野に合わせ、それぞれ使い分けする事により効果的な取り込みができる事を説明されています。

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2021年11月13日

Posted by ブクログ

読むことにスキルが必要と思ったことはなかったが、どんな文章も一緒くたに読んでしまってる現状に気づいて、読み方を変えるという方法があるということが自分にはない考え方だった。

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2021年07月17日

Posted by ブクログ

文章の読み方について論じた本。

文章の読み方を、「速読」「精読」「味読」に分け、それぞれに適した読み方を提示している。
個人的には、「なるほどそうすれば良いのか」という腹落ち感には乏しかったが、読書が能動的な営みであることを教えてくれた点では、学びの多い本だった。
本書自体が、主体的な読みを要求する印象で、一筋縄では行かなかったけど、きちんと咀嚼できれば役立つ本だと思う。

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2020年02月23日

Posted by ブクログ

書かれてある内容は至って当たり前のことばかりなのだが、本書を読んで何故外国語の文章を読むのが母国語に比べて遅いのかがよくわかった。
1)脳内辞書が貧弱で、情報が歯抜けになって理解が妨げられる。また記憶から呼び出すのに時間がかかるため、読みが遅くなる。
2)文化的スキーマが乏しいため書き手の意図を理解できない。
3)文法知識やコロケーションなどの言語スキーマが乏しいため、文法によるチェックが働かず後続の予測ができない。

そうなると外国語を母国語のように読むには、膨大な量の表現を脳内にインプットして辞書とスキーマを充実させるしかなさそうだ。まあ当たり前か。

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2020年01月31日

Posted by ブクログ

「読む技術」として速読:2つ・味読:3つ・精読:3つの合計8つのストラテジーを紹介している本。

紹介されている8つのストラテジーについては、「なるほど参考になる」というものであった。

ただ、以下について不満であった。
①具体的説明が長すぎる
8つのストラテジーを説明するために、当然に具体的例文などの具体例が書かれていたりするのだが、具体例が長すぎる。
読者に理解してもらおうという配慮なのだろうが、この本の中身に対して全体ボリュームが多くなり、読んでいて疲れを感じてしまう。

②あくまでストラテジーを「紹介」しているのみ
この本のサブタイトルは「速読・精読・味読の力をつける」となっているが、「力がつくストラテジーの紹介」にどとまり、「ストラテジーの身につけ方」までは内容が及んでいないと感じた。

★3にしようか迷ったが、紹介されている8つのストラテジー自体はなかなか参考となるものであったので、甘めの評価で★4にした。

この著者の他の本を1冊読んだことがあるが、取得できる情報はなかなかためになるのだが、取得できる情報量に対して本自体のボリュームが多すぎる傾向を感じる。
もう少しコンパクトにまとめる書き方にしてくれることを著者に望む

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2019年06月15日

Posted by ブクログ

思っていたより難しい内容で、国語の授業のよう。難解な文章を読めるようになりたいのに、斜め読みしてしまってなんだか本末転倒のような感じになってしまった。もう少しやさしいものを読んでからこの本を読むべきだったかも。

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2019年04月11日

Posted by ブクログ

タイトルにちゃんと精読・味読って買いてあるのに、速読だけの話かと思いこんでた。精読・味読の部分は、そらそーだろって感じであまりピンと来なかった

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2017年12月25日

Posted by ブクログ

速読、味読、精読。
トップダウン型とボトムアップ型。その中間型。

速読のためには、漢字で書かれた重要情報を拾う。段落の冒頭を読む。指示語、接続詞から展開を把握する。文末の断定表現(~のだ)を読む。

行間を読む。

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2016年07月19日

Posted by ブクログ

読むのが遅いのうえに物わかりも悪いつうのは昔からの課題で読んでみる。
速読・味読・精読それぞれに使うテクニックというか考え方を"ストラテジー"として紹介。より目的に合った効果的効率的な読書のしかたを提案。紹介されているストラテジーは、多かれ少なかれみんな無意識に実践していることで、まあ、そうだよね、という感じではある。その点で目新しさはないのだけど、それをあらためて整理してみること、そして意識的に実践することはたしかに良いかもしれない。
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2016年03月28日

Posted by ブクログ

部分的には納得できるところも多くあるのだが・・・
なかなか昔から身についているスタイルを変えるというのは難しいということなのだろうか.
帯に書かれている様に,「読む」は「書く」より難しい.

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2014年11月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

速読、精読、味読に書かれた本。普段、新聞を読む時に役に立つ読み方がないかと思って手にしました。どちらかと言うと速読目的でしょうか。新聞を読んだりするときには、キーワードとなる言葉だけを読んだり、自分の中の知識と照らし合わせて読む事で、理解を速めるとありましたが、それでも修練は必要なんでしょうね。

読書を型にはめると言うのが苦手な人には私も含めて、向かないかも。

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2013年01月27日

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