【感想・ネタバレ】カツラ美容室別室のレビュー

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震災でだいぶ気が滅入ってしばらく読書から遠ざかっていた。
軽く読める本と思って、探していたら呼ばれるように手に取った。

何気ない日常のちょっとスパイスのきいた個性的で魅力的な人たちとの交流、花見での情景。
楽しそう。
そうそう友情って実はドロリとしているよね。

カツラさんのお母さんについての件からどんどん涙がとまらず。

熊本城でお花見またできますように。

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2016年05月09日

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よい。ナオコーラの中でとびぬけていいわけじゃなくて、相変わらずよい感じ。
仲良くなっても距離がある、分かり合えない感じがいい。
長嶋有の解説がこれまたいい。

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2015年11月16日

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ネタバレ

エリ、やばい人じゃん…
そりゃ、店長任せられないよ…
カツラさんがみんなを引っ掻き回す話だと思って読み始めたら全然違った
めっちゃまともな人だった

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2022年03月02日

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カツラをかぶった店長 桂孝蔵の美容室を舞台に、淳之介とエリ、梅田の交流を描く

私はつくづく平坦な話が好きだ
この本も洩れなく平坦でゆらゆらしてる
何かが始まりそうな、始まらなさそうな

友情って熱いワードを口に出すようなものじゃないけど
読ませる書き方の作家さんだ

エリ、正直だけど不器用で好きだった

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2021年08月10日

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 男女の友情とも恋愛ともつかない曖昧な関係を描いた小説。本筋に関わらない風景や他人同士のやりとりまでもがさりげなく書かれているのでその光景が立体で立ち上がってくるようであり、解説にあったように「ちゃんと彼らと長い期間つきあった気」がする。私は男女の友情は成立しないと思っている方だけど、そんな人は「友情をきれいなものだと思い過ぎている」とあってグサリ。確かに淳之介とエリの関係はいつも順調なわけではなく面倒そうに感じられることも多々あったけど、これも悪くないなと思わせる心地の良さがあった。

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2017年12月18日

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引っ越し当日、主人公は友人の梅田さんに誘われて商店街にある「カツラ美容室別室」で髪を切ることになった。
そこでカツラを被った店長に、同い年のエリ、年下の桃井さんと出会う。
エリと友達以上、恋人未満になりながら、主人公は気儘で孤独な生活を続けていく。


言葉にできないもやもやとして感覚的なことを、上手に文章にするなーと思った。

特に
「しかし、会社を辞めて、上司や同僚と飯食うのを止め、友人とべたべた会うのを止めたら、どうなるか。オレは他人によってなんとか自分の形を保てている。他人と会わないでいたら、オレはゲル状になるだろう。」っていう部分が好き。

主人公は自分のことが好きなくせに他人の軸で行動しようとしてうまくいかなくて、結局傍観者にしかならない。
人に必要とされたいけども、自分は人を必要とはしない。
結局、わがままな寂しがりやのまま。
だから、逆に人が大好きで自分の軸で行動している梅田さんがまぶしく見えて、自分が大好きで自分の軸で行動しているエリが時々めんどくさく見えてしまうんじゃないかなー。

世の中は得てしてどろどろとねっとりしてるもの。
それを書くのがとても上手でおもしろかった。

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2013年12月05日

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物語に面白みはないかもしれないが、近年人気のあるアニメにはこの手の波風も立たないような人の交流が描かれているではないでしょうか。

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2013年10月28日

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「友情というのは、親密感とやきもちとエロと依存心をミキサーにかけて作るものだ。ドロリとしていて当然だ。」

なんだってこんな文章が書けるんだろう。
なんでこんな小説が書けるんだろう。

学生の頃、お弁当を一緒に食べる子は「友達」だった。
同世代の間にはどうやら「友達」と「親友」と「幼なじみ」がいて、それぞれ違うものと認識されていたように記憶している。

では会社帰りに一緒に呑む人がいつまで経っても「友達」にならないのは何故なんだろう?
そう思っているのは私だけで、相手は私を「友達」だと思っていたりするのだろうか。
‥いや、それはないな。

この物語の中でフワフワと形成される友情のようなものが不思議でならない。
カツラさんとエリちゃんが「友だち」と言語化したことで失敗したのは、2人が本当は「友だち」じゃなかったからなのか。それともお互いの「友だち」のイメージに齟齬があったからなのか分からない。

だけど、ひとつだけぼんやりと想像出来ることがある。
私はこれから先、誰かに対して「友だちになろう」とか、「友だちだと思っている」とか、そういう言葉を口にしないだろうということ。
淳之介と梅田さんのような、はたまた淳之介とエリちゃんのような、輪郭の定まらないフワフワした関係をたくさん作るだろうということ。

そしてたぶん、それが自然なことのはず。
「友だち」や「友情」などと言語化してしまうと、フワフワ揺れ動く気持ちや膨らんだり萎んだりする自意識が言葉の囲いにぶつかって痛いんじゃないか。
いつでも同じ態度を求められることは厳しくて不自由なのではないか。
人の気持ちってそんなに一定じゃないし安定していない。
この小説を読んでそんなことを思った。

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2013年04月30日

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ネタバレ

「段ボールの断面に出来ている穴の、ひとつひとつに寂しさが詰まっているのが見える。夜中に、細長い虫のような寂しさが、その穴からニョロリと出てきそうだ。」

「オレは他人によってなんとか自分の形を保てている。他人と会わないでいたら、オレはゲル状になるだろう。」

「男女の間にも友情は湧く。湧かないと思っている人は友情をきれいなものだと思い過ぎている。友情というのは、親密感とやきもちとエロと依存心をミキサーにかけて作るものだ。ドロリとしていて当然だ。恋愛っぽさや、面倒さを乗り越えて、友情は続く。走り出した友情は止まらない。」

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2012年08月20日

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好みがあると思います。
だけど、
私は好きです。

短いので、
数十分で読みきれてしまうかも。



カツラをかぶった桂さんが営む、美容室。

そこに通う、友人の梅田さん。
そこで働く、桃井さんとエリ。

5人を描いた作品です。


ナオコーラさんて
こんな文章なのかあと。

ちぐはぐな会話と
ちぐはぐな感情と
雰囲気を楽しめます。

男同士の友情と
男と女の友情と
ナオコーラさんの考えや感じ方が
ポロポロっと落っこちています。

静かな日常に起こる
波風を描いています。

言いまわしとか
表現とか、
すごく小さいことだけど、
結局こーゆーことなんだよなあと
なんとなーく思わせてくれる作品でした。

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2012年08月16日

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ナオコーラさんの文章はとても好きです。そこに感情があるんだかないんだかっていう感じ。さっくり読めてしまうところが好み。

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2012年08月13日

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カツラをつけた桂さんが営むステキな美容室が舞台。
桂さんのTPOに合わせたカツラのチョイスがツボだ。ドレッドや7:3、茶髪などバリエーションは豊富だ。
「人のセックスを笑うな」に似た、友達以上恋人未満的、あやふやだけど心地よい人間関係の見事な描写は、ナオコーラの真骨頂なのだろうか。

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2012年07月10日

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作品はもとより、長嶋有さんの解説が最高だった。

"私はこの文庫の解説者であるが、それ以前に「山崎ナオコーラ=ロボット説」を提唱しつづけいている者である。"
こんな感じで始まる。

直訳でしゃべる人。
ナオコーラは小説を書くロボット。
しかし文章はむしろ、人間以上に人間的。
「トライアンドエラー」の旺盛なところも、やはりロボットの律儀な学習にみえてくる。

散々なことを言っている。
だけど、作者の作品をいくつか読んできたからこそ共感できるし、そして長嶋さんはナオコーラさんが大好きなんだと、ものすごく伝わってきた。
だって私も大好きだから。
とくにトライアンドエラー…のところ。本当に人間らしくて大好きだと思う。

無意味な物語で、最高でした。

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2022年12月25日

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ゆるい感じだけど、時々ハッとするような洞察がピリッと差し込まれていてドキッとする。
ああ、こんな闇鍋みたいな心持ちのこと、あるよねえ、なんでバレたんだろう、みたいな。

その鋭さが、江國香織さんの小説ほどあからさまでないから、かえってお腹に応える。
それでも、つるりと読んでどこかに残る。衝撃的なところがないだけに気持ちのいい読後感。

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2021年06月20日

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根っから楽しいような、みんな闇があるような、曖昧な感じ そのまま結論を出さないでいる感じも
高円寺という街そのもの

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2021年02月23日

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舞台はカツラの店主が営む、高円寺の美容室。店員や常連たちの少しだけドロっとした日常を描いた作品。

近辺に住んだことがあるからか、とても鮮明に情景が浮かんだ。

派手さはないが、読後感の心地いい作品。
春の日の休日にサラッと読みたいかな。

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2020年01月28日

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何か起こりそうで何も起こらない。
もどかしいような気もするけれどそれがやけにリアルで面白かった。
話がというより状況が面白い。

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2019年10月08日

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恋愛に発展しそうな二人が、でも実際は発展しないっていうの、実生活では当たり前にあって、なんかそういう飾らない日常のお話なのがよかった。お花見で始まってお花見で終わるのもいい感じ。

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2016年04月25日

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人間の物語。
男女の友情を描いてもいるし、師弟の関係も描いているし。
これ読んで、誰かを好きになろうって努力するのは違うよなぁって思った。

ゆったりしていて読みやすい。
でも妙にリアルだから読んでいてどっと疲れたりもする。優しいだけではないんです。だから、人間の物語。

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2015年07月26日

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【本の内容】
こんな感じは、恋の始まりに似ている。

しかし、きっと、実際は違う。

カツラをかぶる店長・桂孝蔵の美容院を舞台に淳之介とエリ、梅田さんたちの交流を描く各紙絶賛の最新作。

[ 目次 ]


[ POP ]
高円寺に越してきたサラリーマンの淳之介は、商店街の美容院の常連となり、美容師のエリとは2人で遊びに行く仲に。

「理解は不可能で、誤解だけが可能。知らないということを深めたくて、心を覗くのだ」。

微細に動く他者との距離感を丁寧にすくい上げる。

[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2014年09月12日

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やっぱいい。山崎ナオコーラ。
この人の書く、「男性キャラが女性キャラを見る視点」が面白い。

この作品は男女の恋愛と友情のどっちにも明確には転ばないあいまいな関係、みたいなのがテーマになってて、それ自体面白いんだけど、
描写とか会話とか、この人が作品を作るパーツが好きな気がする。

あと、この作品は特にキャラの灰汁が強い。
カツラさんとか梅田さんとか主人公たちの周りの人たちも。

灰汁が強いから会話も人間関係もバチバチしてるんだけど、
この人たち、自分の周りにも居るなと。うん、良い意味で。

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2014年03月26日

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ひさびさにナオコーラさんの小説をヨムヨム。
・女と男の友情は存在するのか?
・友情と恋愛の境界線はどのへんなのか?
そして、
・カツラをかぶった店長がいるカツラ美容室とは?
・そして別室の謎

などなど。
淡々と日常は進んでいくのですが、この絶妙な空気感。
解説でも触れられていましたが、著者の技の賜物です。

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2013年12月15日

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日常。起こる事も、感情も、とっても日常的で、あ、わかるわー、あるよねー、の連続。
でも、時々、キラッとしてハッとさせられる文がある。
読み終わったあとも、なんだったんかなーってかんじでした。

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2013年07月02日

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ナオコーラ作品、続けて2冊読んだ。読みやすくてサックサクなのは、何故でしょう?
すんごい一目惚れでもなく、普通な感じの男の子と女の子がいて、ここで一歩踏み出せば俺たち付き合っちゃうのかな…みたいな感じがスゴくわかる。

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2013年06月19日

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楽しいです きっと社会人って、会社にいる私と、私生活でホッとすごす私ときっと二種類もってそう だけど、シーソーに乗ると、会社にいる私って重い 会社にいると、メールも人と会うことも多いけれど、もしも私生活で困ったときに来てくれる人ってどれくらいいるだろう

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2013年03月07日

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20代後半の若者の1年間を写真アルバムに収めたような作品。

主人公・オレと美容師のエリ。
「この二人、いつ恋人になるんだろう?」と思って読んでいたらちょっと肩透かしを食らった気分。
20代後半にもなると、気軽に何でも楽しめた学生の頃のように簡単に恋愛はできなくなるのかもしれない。
(だから、より合コンなどの出会いの場が必要なのかもしれない)
男女の関係はいくつになっても微妙なんだな…

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2013年02月12日

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ネタバレ

出会いからすぐ、「こんな感じは、恋の始まりに似ている」と始まり、ここからありがちな恋愛ものに発展していくのかな、と思ったら、くっつきそうなイベントが起こりつつもくっつきそうもない現実もあり、そんな予想はさらりと裏切られました。

恋と友情をテーマにしてそうな印象を持ったけれど、かといってねばっこい恋愛論を語るのではなく、あくまで作者らしくさらりと書き上げています。

個人的なことを言えば、ヒロイン(?)のエリは友人としてはとても魅力的だけれど、恋人になったらとてもめんどくさそうな女の典型に見えたなぁ。

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2013年01月20日

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カツラを被った店主カツラさんは脇役で、主役はカツラ美容室別室の常連客 淳之介だったりする。

――男女の間にも友情は湧く。湧かないと思っている人は友情をきれいなものだと思い過ぎている。友情というのは、親密感とやきもちとエロと依存心をミキサーにかけて作るものだ。ドロリとしていて当然だ。恋愛っぽさや、面倒さを乗り越えて、友情は続く。走り出した友情は止まらない。――

…なるほど!!

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2012年06月28日

Posted by ブクログ

何も始まらず。何も完結せず。

ナオコーラさんの作品は2冊目ですが、そういう感じがとても好き。


逆に言えばそれは、登場人物のその後が非常に気になるということ。

こんなにも続きが読みたいと思わせる本もめずらしいのでは。


しかし、カツラをかぶった桂さんが経営する美容室っていう設定が、シュールだなぁw

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2012年05月18日

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さて困りました。
小説の中には「読後感」の作品と「読中感」の作品があるようです。読中感の作品は“読んでいる時に、その世界に嵌り込み、その雰囲気を楽む”もので、読み終えた後は何も残らない。
この話もそうですね。読後感が無い。
読後感というのは、大抵、物語に大きな局面があって、それが生み出すもののようです。この話のように、淡々とした日常が描かれたものだと、どうも読後感というものは出ないようです。
では「読中感」が優れていたかというとそうもない。なんだかフラフラしていて、よく判らなかったというのが本音です。まあ、現実の世界なんて、フラフラしているものなのですが。

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2016年07月31日

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