【感想・ネタバレ】草の花 俳風三麗花のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

三浦しをんの書評本(「本屋で待ち合わせ」)で紹介されていて読んでみた。が、しまった続編のほうだった!(汗)どうも書評の内容より硬派で、かなり時代に翻弄されダイナミックな筋立てで、「暮愁先生、かっこいい!」とか「句会で言い寄るエロオヤジをとっちめる」といった軽い乗りではないので???と思っていたが、この読書メモを残すにあたり検索してみて初めて気づいた。。。でも、こちらは歴史小説っぽく仕上がっていたので、男性としては、こちらのほうが楽しめたかもしれない。

 昭和初期の日本が舞台。句会に集う人々が主人公ということもあるかもしれないが、言葉遣いが丁寧、風流、旧き良き日本の姿があって気持ち良い。作者の文章もとても流麗、優雅。”お目もじが叶いませんが” ”お言伝を” ”鹿島立ち” etc. etc. 随所に、もう何年も実際には聞いていない言葉が登場してきて、思わず背筋を正して読もうかと思ってしまう。

 もともと句会に出てくる三人の女性が主人公(ゆえに三麗花)なんだけど、この「草の花」は、登場する誰にも、それぞれにストーリーがあり、またそれぞれが切なく美してくて、なんともイタタマレナクなる。そして、各エピソードを際立だせるように要所要所で差し挟まれる、俳句、季語の数々。日本人に生まれてよかったなと、思わされる一冊だった。

思わず仕舞い込んでいた「歳時記」(合本俳句歳時記-角川書店編)を取り出して、手の届くところに置いてしまった。俳句を詠むまではいかないだろうけど、せめて季節感の乏しい異国の地にいるのだから、季語をみて遠く日本の四季に思いを馳せようと思う。

良書でした。1巻目も読んでみるかな。。。。

0
2014年07月28日

「小説」ランキング