【感想・ネタバレ】健全な肉体に狂気は宿る ――生きづらさの正体のレビュー

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Posted by ブクログ 2023年07月29日

『健全な身体に狂気は宿る』

日系大企業から外資系企業に転職し、まず聞かれたことが「あなたのDifferentiatorは何か?」ということだった。そして、海外から来た上司や英語話者によって、Differentiatorと強みは同義ということにも衝撃を受けた。差異がそのまま強みになる。あなたにとって...続きを読む何が人と違うところなのかという問いを突き付けられ、あなたにしかできないことはなんですかと聴かれることは初めてであり、爽快だった。本書でも、自分のミッションを考えるときは、自分が他の人とどう違うかということを考えると言う点があり、先述の考えに非常に近いなと感じた。さらに、もう一歩踏み込んで、自分自身の謎があるからこそ、生きる意味があり、何かを創造する源泉があるということは面白かった。常に自分自身への謎を持つことが良い。

私自身、性別を問わず、好きなタイプの人は一見物静かだが、話始めると熱いという人物だが、そういう人々は、絶えず疑問を持っているケースが多い。あまり疑問を持たないようなところに疑問を持ち、悶々としている。悶々とはしているが、なぜなんだろうと常に謙虚な姿勢で日々過ごしている。だからこそ、物静かに見える。しかし、一見話始めるのは熱いなと感じるのは、彼らにとってその疑問を解消しなければ、動けない、生きていけないような根源的な疑問だからだろう。薄っぺらな仮説とか、ビジネスアイデアとはレベルの違う、この問題を解かなければどうにもこうにも生きていけないという重さで、疑問に立ち向かっている。そう言う人間の熱量が低いわけもないのは当たり前だろう。

時折、仕事のモチベーションについて考えるときがあるが、やはりそれは疑問なのだと思う。人と話せば話すほど謎が深まり、なぜそうなのかと考えるからこそ表現しようとする。わかり切った仕事はいくら稼げてもおもしろくない。自分自身に置き換えれば、自分はリスク認知度が異常に低いように思う。保険の営業をかけられても常に疑ってしまう。人々が保険に入らない理由を常に考えている。未来はよくわからないし、リスクなんで考えたくもない。リスクシェアをする共同体にわざわざ身銭を切ってい入る価値があるのかわからない。だから、この仕事をしているのだと思う。営業には2つのタイプがあって、自社商品やソリューションを盲信して、その熱量で押し切る人もいるが、一方で、常に自社商品に入る必要があるのかと考え続ける人がいる。前者も後者も強い。前者で上手く行っている人は、自分の熱量で押し切れる人を探すのが上手い。当たりはずれが激しいので、数を打ちまくり、感覚を磨いている。一方で、後者は数を打つことはできない。ただ、長期的に多くの人が納得するような解決策を出せると思う。なぜなら、その商品の要否を誰よりも考えた経験や引き出しがあるから、いかなる質問にも答えられるし、いらないときはいらいないと言うので信頼はされる。(営業としては失敗だが)。しかし、頼られる存在になることで、長期的な関係性は築くことができる。
とりとめのない話になってしまったが、いつもそうなのだが、内田老師の本は、脳にドライブをかけ、何かを書きたいと思わせる伝染力がある。


<以下、引用(一部)>
信仰というのは、自分と言うのは自己決定・自己実現によって主体的に構築したものではなくて、超越者によってこの世界に送り出された被造物であると言う意識のことですから。ぼくが生まれてここにいることも、いつか死ぬことも、僕には選ぶことができない。そのことには何かの意味があるはずだ。自分がこの世に送り出されてきたのはどのようなミッションを果たすためなのだろうと発想するのが信仰ですからね。

では、私の使命は何かという風に考える人は、自分が他の人とどう同じかじゃなくてどう違うかということを考えますでしょう。これは私以外の誰にもできないことなんじゃないかとか、ここは私以外には誰も行きそうもないところではないか。

自分自身に対する無知というものがあって、その欠落こそが、いわば創造の泉みたいなものなんですから。
(中略)人間は自分について「知らない」からこそ生きていける。自分自身の核に無知がない人は、ものを作ることができないんですよ。

コミュニケーションとは分かり合うこととは次元が違うことなんですよ。コミュニケーションというのは、深まれば深まるほどわからなくなっていく。わからないから「もっと知りたい」と思う。わからない人だからこそ、経緯やイフの気持ちが深まっていく。自分自身についてだってそうなんだから。自分自身と五十何年つきあってきて、ますますわからなくなってきた。(中略)自分が何を考えているかわからないから、本を書いたり、こうやって人と話したりして、自分の考えを知ろうとしているわけでしょ。自分の考えていることを知っていたら、本なんか書きませんよ。退屈で書けません。

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Posted by ブクログ 2011年12月21日

内田樹と春日武彦の健全な肉体に狂気は宿るを読みました。
生きづらさの正体、という副題のついた、生き方についての対談集でした。

章毎のテーマは、世代論に逃げ込むな、「自分探し」はもうやめよう、人間はわかりあえっこない、個性とこだわり幻想、健全な肉体に狂気は宿る、まずは身体に聞け、と現在喧伝されている...続きを読む生き方の解説やコミュニケーションについての解説に真っ向から対立する主張が述べられています。

春日武彦の精神病の臨床医療の現場からの意見と内田樹の身体の発する信号を聞いて行動しようという主張とがかみ合って面白い読み物になっています。

アメリカの契約社会で育ったコミュニケーションの方法は、日本の以心伝心の文化には合わない、という意見は納得します。

キャリアとは自分で形成するものではなく、他の人が必要とするものを提供し続けていくものだ。
自分だけの秘密を持つことが出来るということが大人の条件だ。
未来が予測可能だと考える人は、取り越し苦労をしてしまう。
精神科に来る人はこだわりとプライドと被害者意識の3点セットが多い。
自分探しは自殺行為である。
などなど、奥深い警句が書かれています。

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Posted by ブクログ 2010年06月22日

すっかり内田樹にハマッています。

内田氏の著書は、(勝間氏などの書く)ビジネス書及び自己啓発書と比較しながら読むととても面白い。結構正反対の事を言っていたりする。それなのに、双方に説得力があったりするのが不思議に感じる。

けれど、総じて感じるのは「内田氏のほうがより大人だ」ということ。なんだか懐...続きを読むが深い感じがする。勝間氏らの書くビジネス書が、分かりやすく明確に伝えるために切り捨てている(一見どうでも良さそうに見える)部分を、丁寧に掬ってあげているのが、内田氏の書なのではないか。

だから僕のように「若さをエネルギーにいろいろな自己啓発本を読んだけれど、大体同じことを言っているしもうそろそろ飽きたなあ」と感じ出した人は、是非内田樹を手にとって欲しい。「人生って深いんだなあ。」と思うこと請け合いですから。

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Posted by ブクログ 2010年11月10日

内田樹先生×春日武彦先生という夢コラボですね!!

特に第2章「自分探しはもうやめよう」がオススメです。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

「自分探し」禁止!!の文字に惹かれて購入。日本の若い女の子がAV女優になるのは「JJ」のせいだという話が笑えた。この人、対談も面白いな。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

私にとって絶好のタイミングで出合った本。
タイトルは、硬いイメージがあるかもしれないけど、内容はたくさんの経験を積んできたお二人の対談で、目からウロコな言葉も多かった。
人生観が変わった気がする。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

ページの端を折りまくった一冊。対談ものなので読み進めやすい。『自己探しは自殺行為』『服装は恥部』など、私にとっての名言がいっぱいつまってます。

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Posted by ブクログ 2022年05月12日

2022/05/12
個人的にモヤモヤしてたことがそうか…って腑に落ちたりした。対談だから読みやすい。
読んでよかったー。

・「常識は原理にならない」っていう文章が特にそうかぁと思ったしすごくよかった

p.138 『規制力はあるけど攻撃力は小さいし、権力的になれない。これは人間を動かすときに非常...続きを読む
有効な手段なんですね。言いたいことは言えるけれど、相手の立場もちゃんと確保してある。
常識的な人間というのは、だからすごくいいんですよ。人を徹底批判することがないし、罵倒したり愚弄したりすることもない。だって、そんなの「常識的じゃない」から。「そんなに人を責めるなんて、非常識じゃないか」と言えば常識人は絶対黙りますから。
春日 たしかに、わたしが思者と話していても、結局のところ、常識なんだからうまくやりなよ、という話にいくわけですもんね。ただ、常識というのを「思考停止」だとか、「長い物には巻かれろ」的ないい加減な発想だというふうに取りたがりますから、そうじゃないんだということをいかに伝えるかという問題なんですね。
内田 あらゆるものが原理主義になる可能性がある中で、唯一常識だけが原理主義にならないということが常識の強みなんです。マルクス主義にしても、フェミニズムにしても、キリスト教にしても、間違えると原理主義になってしまう。でも、常識だけはならない。「常識の名において断罪する」ということができないんですから。「何かの名において人を断罪する」というのは常識的に考えていかがなものか……というふうに考えちゃうのが常識人なんですから。』
 

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Posted by ブクログ 2014年09月29日

内田樹を活字で読んだのは初めてかもしれない。精神科医の春日武彦との対談(というか、春日のあとがきに書かれているように「話に花を咲かせた」、あるいは内田という独特の思想を持った患者を春日が医療面接している、というのが適切か)。話のテーマは色々と移り変わるが、普段から自分がぼんやりと抱いていた思いが言語...続きを読む化されていて「あーそういうことか」と納得する場面が多かった。特によかった節を挙げると、『中腰で待ってみよう』『自ら「変人」の不シールドを張る』『ことばの力は身体感覚を変える』『身体は賢い』、そしてタイトルにもなっている『健全な肉体に狂気は宿る』。
今はどうやっても結論が出ない問題を、明日死ぬかもしれない自分が、今すぐになんとかする必要はなくて、出来る範囲のことをやりつつ変化に対応できる状態で待と、意外となんとかなる。そして、こうなってほしい、と思うことは、具体的にイメージすれば必ず実現の方向に近づく、というあたりは、そのとおりだなぁ、と思った。
もっと読んでみたいお二方である。

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Posted by ブクログ 2013年06月24日

僕の苦手な対談集だから、いくら好きな内田樹作品とはいえ、一度は読みかけてやめてしまってた。でも春日武彦もちょっと気にはなるし…って感じで再挑戦し、結果、やっぱり味わい深かった。こういう対談みたいな場面でも、やっぱり内田樹の存在感ってでかいな、って思ったり、根底に流れる部分がぶれないから心地いいんだな...続きを読む、って思ってみたり。そんな感じでした。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年02月22日

だいたいおんなじいつものあの話。
まーでも飽きない。

賢いリスクヘッジをしたと思っている人は、
無意識的にリスクの多い選択をしてしまうという例えに、
中古車の話をしている。

「ぶつけても大丈夫なように中古車を買ったら必ずぶつける、
だってそうしないと中古車を買った意味がないんだもの。...続きを読む
これ至言。

また、
人間が「個人」になるプロセスの話が面白い。

これはラカンの鏡像段階とか、
先ごろ読んだ「ミラーニューロン」にも近いものがあって、
産まれた時、
人は世界全体と溶け合っていて、
自分とそれ以外という分節をしていない状態にある。

だから、
「個人」としての「自分」がまずあるのではなく、
「全体」としての「自分」が先立ってあるのである。

それを家族という共同体に置き換えると、
「私」という個人がまずあるのではなく、
「○○家の次男(例えばです)」という役割がまずあって、
そこから徐々に「自己」を立ち上げていくというプロセスを経ているのである。

釈迦牟尼の「縁起」と「空」という考えも、
こういった自己生成過程に沿った考えのような気がするなぁ。

また、
核家族の閉塞性という話も興味深かった。

「父」「母」「子」の三項だと、
関係性や価値観が膠着してしてよくないから、
「おじさん」乃至は「おばさん」(子と対になる性)を入れて、
四項にしておくと開放性が保たれて上手くいくらしい。
これは、あきらかにレヴィ・ストロースだった。

わたしもよいおじさんとしての地位をなんとか気付きたいものです。

それにしても内田先生は相変わらずおしゃべりな「男おばさん」である(褒めてます)。

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Posted by ブクログ 2011年09月20日

対談本であるが、内田先生の独壇場?圧倒的に内田先生の話が長い。しかし、だんだん春日先生も本音?を話すようになっていき、おもしろい。

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Posted by ブクログ 2011年05月03日

私の好きなお二人が、肩に力を入れずに語り合っている雰囲気が伝わってきていい感じ。
話題もどんどん変化していってライブ感たっぷり。
しかし内田先生はよくしゃべるな。春日先生が微笑み(あるいは苦笑?)を浮かべながら、聞き役となっている場面が多かったのではないか?
人と話していると、自分の意見を見直したり...続きを読む、新しいアイデアを思いついたりすることがある。この対談でも内田先生にそのような現象が見られた。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年03月26日

内田樹は好きですが、たまに難しい言い回しで分からないところがありますw 
自己実現っていう言葉を私語にしてほしいというのは同感。(よく使っちゃうけど☆)もう自己責任とか、自己実現とか、その言葉が一人歩きしてるような気がして。

キャリアは自分で形成するものではなく、向こうから扉が開かれないと、積んで...続きを読むいけないんだよっていうのはメモしとこ。資格をとってとか、こういうキャリアを積んでとか、そういうのは大事だけど、何より求められているのは、経験やその場で何ができるか、把握する力だから。

こういう対談って、その空間で観客として聞いてるような感覚が、とても好きで、やはり専門家同士の知識と考え方の交換というのは、大変楽しいものだと再確認どす。

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Posted by ブクログ 2011年03月09日

 最初から最後まで、面白すぎる。
 慎重な聞き役の春日Dr.と、ひたすらおしゃべりおじさん内田樹との対談形式。

 「世の当たり前」の異常さがよくわかる。
 例えば、ココロの、治らない病について。
 治らないのではなく、治りたくないのかもしれない。
 ココロの病はどこか、ひきこもりの世界観と似かよる...続きを読む。じぶんで責任のとれる範囲内に、世界を小さくする。
病も同様、治ると、責任をとらねばならぬ世界がひろがることになるので、なかなか治りたくないってこと、あるだろう。
 しかし、それほどいまの世の中、手に負えないこと多すぎるのか。

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Posted by ブクログ 2010年08月02日

なぜついつい内田樹の本を手に取りたくなるのかが、読み始めて5年目(くらい)にして初めて気が付いたような気がする。単純に話題が豊富で話が面白いというのもあるけど、何より読んでいて「気持ちよく」なるからなのだと思う。内田樹自身も、自分が気持ちよくなるような仕方で文章を書いている(あるいは話している)のは...続きを読む間違いない。その気持ちよさが読者にもよくよく共振するのだと思う。まあ文章に限らず、氏は人生においても自身の気持ちよくなるようなそれを希求しているのだろう。だから氏は疲れる対談は絶対にしない。その姿勢は見事に濁りのないもので、ある種の清清しさすら感じられる。またそうした生き方は、一つ間違えれば非常に”態度の悪い”ものになるはずなのだが、そこにはきちんと一歩線を引いていて、そこはかとなく”ディセント”である。これらはこの本を読んだだけでは感じにくいことかもしれないけれど、このバランス感覚が他の単純に"態度の悪い"作家とは一線を画していると個人的には感じる。
ということで、この対談は、基本的には、内田樹がいつものように話しまくって終わりました、という感じのものです(そうとう加筆したんだろう。今回に限ったことではないけど、会話のバランスが不自然だ)。対談相手も内田樹的に態度の悪い人(養老孟司とか)であれば「対談」になり得るんだけど・・・。

春日武彦は一人で書いた文章の方が絶対に面白いと思う。巻末こそが氏の特色がよく出ていて、読み応えがあった。

以下メモ

人間が精神的に健康である条件について(p224)
・自分を客観的に眺められる能力
・物事を保留(ペンディング)しておける能力
→自分も前からこの能力の重要性についてしばしば考えていた
・秘密を持てる能力
→「自分の世界を持てる能力」と置き換えたい
・物事には別解があり得ると考える柔軟性

非常に納得のいく4点でした。

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Posted by ブクログ 2010年06月03日

著者二人の意見にはかなりの部分まで同意できるので、読んでいて楽しかった。

内田さんは女子大教授という職業柄もあってか、母と子ども(特に娘)の例えで語ることが多く、面白い。弱い子どもに群れからはぐれないでほしいと思っているとか、自分が傷つけられた言葉が最強のウエポンになる、など。

このタイトルは、...続きを読むちょっと考えると当たり前だ。衣食足りて初めて内面について悩めるわけだから。

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Posted by ブクログ 2010年04月08日

今までモヤモヤしていた思考をスッキリ解決してくれた、ありがたい一冊。
だけど、コレを理解出来たら出来たらで、ますます生きにくくなってしまった気がします(笑)
ずっと受身の人生で良いなら、読まないことをオススメします。

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Posted by ブクログ 2009年10月07日

僕は基本的に親子関係は希薄な方がいいという考え方。取り越し苦労はやめよう。なにが起こるのかわからないのだから、全方位的にリラックスして構えていないと対応できないよということ。取り越し苦労するひとは、その最悪の事態の到来を願うようになる。  育児というのは待つことなしにはあり得ない事業。子供相手にすぐ...続きを読む結論をだせっていったって無理なんだから。大切なことは時間に委ねるしかない。育児を経験すると、即断即決なんてできないことの方が世の中には多いことがよくわかる。  結婚生活のトラブルはその八割が双方の親族が原因でおこる。   宣言というのは幽王。人間て、自分がいったん口に出した言葉には本当に呪縛されちゃう。愛しているという言葉も言っているうちにその気になってくる。  いま家族がうまくゆかなくなっている原因の一つは、全部がショートスパンになってきて、本来ロングスパンで成否をみるはずの相手や親子のあり方を、はやく決断しろ、はやく結果をだせというビジネス的な時間感覚がゆがめているせいじゃないかな。  アントニオ猪木 ピンチというのは無数のファクターの総合的な効果である。  部屋の片付き度と頭のなかの整理度はパラレル。  アメリカ 自己決定したという事実だけでアチーブメントが獲得できる。この治療法を決定したのは私だという心理的効果でぐいぐい治ることがあり得る。 日本では無理。  がん告知にしてもインフォームドコンセントにしても、制度みたいなものが先行して、まだ患者側の人間的な成熟が追いついていない。  とりあえずまるごと承認してきいてくれるのは弁護士と精神科医だけ。 人間が精神的に健康的である条件 1。自分を客観的に眺められる能力 2。物事を保留しておける能力 3。秘密をもてる能力 4。物事には別解がありえると考える柔軟性

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

内田樹と春日武彦(精神科医)との対談本。対談していた内容は幸福論や人生に対するスタンス、社会システム、身体論や医療の話、精神病患者を基にした話など。会話の中で両者が得意としている(テッパンの)話をぶつけ合っているので、理解しやすいかたちで伝わってくる。おもしろかった。

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Posted by ブクログ 2017年12月23日

内田樹と春日武彦の対談です。おおむね内田のほうが春日の専門領域にアクセスを図りつつみずからの思想を語っているという印象です。

精神の病に逃げ込むことで「低値安定」してしまう人びとが増えていることへの危惧が語られ、身体に基づく知の衰えを嘆くなど、かなり思いきった発言が飛び交っていて、刺激的な議論でし...続きを読むた。

春日の著書にはかなり「とんがった」言葉が散見されるのですが、本書ではむしろ内田のラディカルさがストレートに出ている印象です。内田にしてはややバランスを欠いているような気もするのですが、こういう思いきった言葉が聞けるのも、対談本の醍醐味かもしれません。

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Posted by ブクログ 2014年01月25日

仏文の先生と精神科医の先生の対談集

とくに選んでよんだ本ではないが、それなりには面白かった。

タイトルはなるほどねえって納得。

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Posted by ブクログ 2013年11月29日

内田先生の話は例によって基本的に同じです。
そして、それを求めて今日もまた読んでしまったのです。
対談本はそのテイストが相手によって変わるところが良い点ですね。

春日先生は精神科医なのに患者さんの悪口をばんばん言います。
精神科疾患という診断名をつけて、分け隔てるのとは対極的な立場とも言えますかね...続きを読む
内田先生と対照的な点も多々あり面白かったですが、もうちょっとしゃべってもらいたかったです。

タイトルの「健全な肉体に狂気は宿る」という一節はおもしろいですね。
ユウェナレスが言いたかったのは「健全な精神は健全な肉体に宿れかし」だったかな。
ほんとにそうなんですよね。

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Posted by ブクログ 2013年05月05日

今の僕からしたら、うんうん頷くしかないかなーって感じ。対談だから確固とした主張はないけど、面白い話は多い。「自分探し」に主体が存在しないって話は面白い。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年12月21日

この二人って本当に気が合っているのかなあ、という疑問が。
まあ終始穏やかで大人の対談なんだけど。

内田樹はあくまでフィジカルで、
且つ文学者、しかもフランス文学だから、
感覚的なものを信じている。
一方で春日武彦は闇を抱え、
冷静にロジカルに物事を捉えている、
といった印象。
全体的に推す内田樹に...続きを読む対し、
春日武彦は少し引いている。
職業柄そういう話の仕方が癖なのかもしれないけど。

『健全な肉体に狂気は宿る』というタイトルは実にアイキャッチで
私もタイトル買いをしたクチなのだが、
これには私が感じたような文学的意図はなく、
本当に読んだ字のままでした。
なので期待が裏切られたがっかり感も。
でも、体が弱っていくと精神は健常になっていく、というのは面白い。
狂気というのはある種動物的には余剰の現象という事実。
若干タイトル負けしている感はなくはないが、
引用するのも理解できる行(くだり)。

でもね、内田樹は嫌いではないけれど、
フランス文学を読んでいるのでそれなりの機微はわかるんだろうけれど、
基本太陽の下で肉体を鍛えている人には、
現代に生きづらさを感じている人たちの病みはわからないんじゃないかなあ。
まあ昨今はただの甘えも多いようなので、
そういう時には内田樹論のような考え方も必要なのは絶対だけど。
春日武彦は、まあ自身が病んでいる(た)人なので。
やっぱりそういう人が精神科とか神経科医を目指すのかも。

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Posted by ブクログ 2012年11月21日

内田さんの考え方は好きだが、この本の内容(特に医学的な部分)に関しては根拠に乏しいもしくは経験則のみが根拠になっている説が多く、ちょっと気分良くなかった。いや面白いんだけども。
「死にかけてたらうつ病にならない」はおもしろい。
レビュー登録日 : 2010年09月28日

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年02月12日

感想
「カテゴライズはやめましょう」と言っていながらたびたび「若者は」とか「明治時代の人の方は」とか言っているのが非常に気にはなったが、全体としては「確かに」と思うことが多かった。
病の状態の人を「優先順位が明らかに異常な人」と定義していたのには納得できたし、著者の言葉の使い方がさすがに文学部教授と...続きを読むいうだけはあるなと思った。

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Posted by ブクログ 2010年06月30日

[ 内容 ]
生きづらさを、晴れやかに解き放つヒント。
「閉じられた心の世界」を打ち破る精神科医と、「身体からの信号」に耳を澄ます仏文学者の説教ライブ。

[ 目次 ]
第1章 世代論に逃げこむな
第2章 「自分探し」はもうやめよう
第3章 人間は、わかり合えっこない
第4章 個性とこだわり幻想
...続きを読む5章 健全な肉体に狂気は宿る
第6章 まずは身体に訊け

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

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☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
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[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

未来が予測不可能であることに対して自覚的であること

内田さんは「中腰」の重要性を説いていたけど、
要はその上での「準備学」が個々人で必要なのかなと思った。

疫病利得って、そのまんま俺じゃないか!!Excuse!!!!

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

●フランス哲学者の内田樹氏と精神科医の春日武彦氏の対談。
タイトルは春日氏の発言から。喋っている分量は、内田氏60%春日氏40%と言うところか。 ●発言から察するに、内田氏は自己肯定推奨派・自己肯定人生を送れる人のようだ。
一方の春日氏は、自己否定とまでは言わないまでも、常に世界と自分に違和感を持っ...続きを読むているタイプ。
そんな二人が語り合うからこそ面白い、と言ってしまえばそうなのだろうが、私は、内田氏にはあまり説得されたくない。
大変説得力のある言葉も散見できるのだが、相手にいちいち共感や同意を求めるあたりに疲れをもよおす。ま、話す機会は一生ないと思うけどね。 ●タイトルほど春日氏色は強くない。タイトル負け。

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