今自分が生きている場所と、そこからあまりにも遠い憧れの場所。
何かの主人公として生きていくにはあまりにも平凡な女の子たちが、
憧れとほど遠い現状を打破しようと、時に恋愛や性に走ろうとするものの、
うまく夢中になりきれず、でもその中で
もがいたりしながら生きていく連作短編集です。
彼女たちにとって、ふたつの場所をつなぐ存在が「椎名」というひとりの男。
エピソードによっては半端ないイケメンにも、
ごくごく平凡な、どこにでもいるバカな男子にも見える不思議な魅力が
登場人物、そして読者である私たちを惹きつけます。
時々、それぞれの短編でリンクしているところもあるので、
気づいてちょっと戻ったりするのも楽しいです。
クラスにひとりはいた、やたら輝いていて自信に満ち溢れていた同級生を思い出しながら
読んでみてはいかがでしょうか?
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Posted by ブクログ
映画の予告編で知った原作。地方生活者データのレポートでも紹介されていて、気になって原作を購入。買ってから半年が経ち、ようやく読めた。
手元についてから読まなかったのは、自分も「この作品を読むのが怖かった」(解説より)から。自分は東京から電車で1時間くらいのニュータウンで生まれ育ち、東京で働いていたが、疲れて地方に引っ込んだ身分。それでもやっぱり東京の文化的環境の豊かさには今でも感謝をしていて、たまに東京に帰るたびにその凄さを再確認し、そしてあくまで東京をホームタウンだと思うようにしている。そして、「地方のダレた空気や、ヤンキーとファンシーが幅を利かす郊外文化を忌み嫌って」いる点では、カメラマンの須賀さんと近いのか。
直視したくない自分の感情を見せつけられる感覚はやはり思った通りで、あまり気分の良いものではないなと感じたり、あきらめの中で落ち着くべきところに落ち着いていく出演者たちに哀れみのような気持ちを持ったり、なんとも鬱屈した感覚で読み進んだ。それでも最後まで読み進められたのは、端々に描写される、平成前期のティーンエイジャーたちのファッションやテレビの話題が、まさに自分が通ってきたものだから。自分の思い出のイメージを投影し、まさに映画のように読むことができ、当時の確かに楽しかった思い出も同時に蘇えらせられたことで、不思議と嫌な感覚ではなかった。青春時代の思い出は、布団の中で叫びたくなるような恥ずかしいものも多い。その過去を呼び戻させられるのも、読む前は怖かったんだと思う。
そう言った恥ずかしいもの、思い出したくないことを含めて、今の自分だと思えば、やっぱり退屈なのは田舎だからではなくて、これまでの自分が退屈なだけだ、ということなのかも。
Posted by ブクログ
何回も読んでる。
はじめて読んだとき、わたしも「最悪の田舎」から出てきた人間で、椎名くんは当時の好きだった人によく似ていたから、誰よりわかり合える分身に出会えた気がして救われた本。
自分の考えているモヤモヤが言語化されるというのは、絡まっていた糸が解けるようだと思う。その瞬間を待ちわびて、いつも本を読んでいる。気がする。
あの欲求のことと、純粋さのこと
時々読んで、前の方は忘れてしまったけれど、
ちょっと素敵で、でも平凡な椎名君が
たしか女の子のアドバイスもあって
前より硬い、真面目に取り組める職に就いたな
と思い出す。だんだんセックスの話も多くなって
興味もあった。こんなに簡単にしてしまうのか
と思ったり、性欲とか冷めた気持ちとか
のぞき見してる感じだった。
ピッタリ気持ちが合うというのはなかった
ように思う。
その中で椎名君の妹は
それとは無縁のようだったし、
夢で一番輝いている椎名君を保存している
女の子にとっての椎名君、そういう
汚れてない気持ちも響いた。
文化的に平凡な中で、特にそんなに取り柄がなく
でも普通に輝いて、生きていくために
それなりに取り組んでいたりして
そういう中で、自分も感じるのと同じような
気持ちがいろいろ書いてあって
離れていて、また読み始めるというふうにして
面白く感じながら読み終わりました。
Posted by ブクログ
山内マリコさん作品記録6
椎名くんと女子たちの8つの話。
一言でまとめるとこうなのに、
なんでこんなにも
センチメンタルな気持ちになるのだろうか…。
登場する女子と
同じような経験をした訳でもないし、
椎名くんみたいな男子もいたような気もするし
いなかったような気もするのに
どうしてか分からないけれど
自分の日記を読み返しているような
どこか切ない気持ちになる。
やはり山内マリコさんは無敵。
匿名
面白かった!
女性なら誰しもがどこかで共感できる内容で、特に婚活にあたっての話は、学生時代は結婚なんてしたくないと思っていたのに20後半にさしかかると結婚願望に支配されている、なんて思い当たることが多かったです
結婚したいと焦りつつもこの気持ちはただの生理現象だよと吐き捨てる気持ち、分かるな~
共感を楽しめる一冊でした
Posted by ブクログ
最後のは笑った
こういう感じ、私だけじゃないんかって
無理に焦らなくてもいいかなと一時的にでも思えた
好きでもない男と付き合って虚しくなるのは嫌だ
Posted by ブクログ
地方都市に住む、「ここではないどこか」を夢見る少女たちの短編集。
スクールカースト的に恐らく中か中の下くらいの子たちが出てきて、若さゆえの痛々しさとかが共感性羞恥心働いて辛い笑
そして、本編全部に登場する、スクールカースト上位に君臨するイケてる男、椎名一樹。椎名という名字がもうオシャレ感でてる。
Posted by ブクログ
「ここで楽しくやってたら最初からどこにも行ってねーよバーカ だから俺にラーメン食わせろ!今すぐ俺にラーメン食わせろ!」
リア充はサブカルチャーを必要としないって、極端だけど一理ある。常に今いる場所と環境で居場所を見つけられる椎名のような人には必要のない世界な気がする。自分も地方出身だったら退屈から抜け出させてくれるアイデンティティを求めて東京に行っただろうな
Posted by ブクログ
読み始める前、軽く書評を読み、失礼ながら、あまり期待をせずに読みましたが、想像以上に面白く、スルスル読めました。
田舎育ち若者特有のコンプレックス、話題、不便さ…
あぁ、分かる分かる!と懐かしさを感じました。
男性や都会育ちの方には共感は得られにくいかな。
短編集で各話なんとも言えない終わり方をする。それもまた良かったです。
期待値を上げたり下げたりすると、読んだ時の印象は変わりますが、何も情報を入れず、本を購入する事も勇気がいるので、どうしたものかなぁ…。
Posted by ブクログ
山内マリコさんの小説は『あのこは貴族』で初めて読んだ。山内さんは主人公の心理描写が上手い。主人公と私では境遇がまったく違うのに、私自身も同じ経験をしたことがあるかのような錯覚に陥る。1話では上京し田舎に出戻りした女の子の話で、私にそんな経験はないが、なんとも言えない「わかる」感覚がある。どの話にも登場する「椎名」、私の過去にもそんな人がいた。
そして、ここまで書いたところで解説を読み、ハッとする。ロードサイドの「リア充」と「退屈」、私がこの短編の主人公たちにどこか共感してしまうのは、私自身が後者にカテゴライズされる学生だったからだ。
Posted by ブクログ
田舎特有の閉鎖感がものすごくリアルに書かれてて自分が昔田舎に住んでた頃を思い出し、重ねながら読み進めていました。田舎は比べるものが少ないから他の人と比べて嫉妬したり安心するけど東京は比べるものがありすぎて自分という存在が埋もれて何もなし得ない自己嫌悪に陥ってしまうんだよな〜とか。ついつい自分の生活と比較してしまうような一冊でした。
椎名くんが憎めない人していて個人的に好きでした。
Posted by ブクログ
読書でしか味わえない体験を得られる3章が特に素晴らしい。映画化されているが、3章はどうやって映像化したのか気になる。
地方在住の自分が特別だと思いがちな女の子、何か痛いけど共感できてもぞがゆいきもちになった。
Posted by ブクログ
田舎に住んでくすぶっている感じがリアルだった。
世代的に近いところがあってより身近だったからおもしろかったかな。
ときたまキュンとするところがあって甘酸っぱい気持ちになった。
Posted by ブクログ
自分が育って住んでいる所はこの物語よりももっと田舎だけど、国道沿いの景色も、この街から中々抜け出せないことから強まる都会への憧れも、30歳間近の仕事や結婚に対する焦りも、処女を捨てたかった学生時代も、手に取るように共感できた。未だに自分の中にも「ここではないどこか」へ行きたい気持ちがまだ捨てきれていなかったんだと気付かされた。
そしてやっぱり何処にも「椎名くん」みたいなポジションの人っているんだなぁと思った。
Posted by ブクログ
アズミ・ハルコは行方不明に次いで2冊目の山内マリコ作品。ある郊外の街、というかその街で生まれ育った「憧れの椎名君」の周りの人物が主人公の話。「あーあ、なんでこんなことになっちゃったんだろうな」っていう登場人物たちが現状を肯定できるようになるまでの話が多い。椎名は『桐島、部活やめるってよ』の桐島のような周りに影響を与えてキラキラさせてくれる存在なんだけど、桐島が神様のような概念に近い存在なのに対して、普通に歳とって郊外の街に順応してる。でも登場人物たちは椎名の神様だった部分に縋って生きてるから、それを認めると自分がつまらない存在と認めてしまうようでつらい葛藤がある。それでも背中を押す何かを自分で見つけて一歩踏み出す。後半の話になるにつれてとっつきづらくなるけど、どんどん面白くなる。最後の2篇がとてもよい。知る由もなかった世界を見せてくれる。
Posted by ブクログ
山内マリコさん2冊目。
ここに出てくる女の子達と、環境は違うんだけど懐かしい様な、妙に共感出来ちゃう様な、短編集。
椎名くんがあっちにもこっちにも出てくるから、うちの学校で言ったらあの人な感じだなとか思いながら楽しめた。
結局どこに住んでてもみんな同じ様な悩みを抱えてるんじゃないかな。
Posted by ブクログ
生まれながら田舎に住んでいて、狭い世界で窮屈で退屈な人生を送っている女性の短編集。自分はどちらかというと都会に住んでいるので、田舎の車事情や就職するタイミングでの上京等を、全く経験してこなかった。読む中で自分と全く異なる人生を体験している感覚があっておもしろかった。
Posted by ブクログ
やがて哀しい女の子が1番好きだった。少女から大人になるまでの2人の女性の心の機微が表現されていて、少し切ないけどそれが自然な形なんだな、と感じた。
Posted by ブクログ
富山県出身で地元では有名な作家の方。
5年ほど前は、いろんなところで姿を見たような気もするが、一時期よりは少し落ち着いたかな。
この本が出たのが10年前なので、ずいぶん経ってから読んだことになる。
最近、山内マリコさんの文章を見ることがあって、ジェンダーに関する意見も多い。
そんなこともあり、この本をこの前、古本市で見つけたので読んでみた。
8つの話が組み合わさった短編集。
どの話も基本的には主人公が地方都市で暮らす女性だ。
で、読み進めるとある人物が共通で出てくることに気づく。
そして、最後まで読んでやっと気付いたが、時間軸としては、過去に戻っていく流れになっている。
私が気付いたのは二つだが、同じエピソードが別の話で出てくる。
もっとちゃんと読めばさらに出てくるかもしれない。
内容は、完全に富山をモデルにしたと思える描写がいくつも出てくる。
雪の降る感じ、ロシア人が歩いているとか、明らかに当時の時代背景を表している。
よくこの本の解説で地方の閉塞感みたいなことが書かれているが、そういうことは自分が住んでいるからか、そこまでは思わなかった。
ただ刺激が少ない、知った顔が周りに多い、と言ったところで、皆都会に憧れるのだという現実がひたすら描かれている。
終わりに行くにつれて、より性的な話題が濃くなってくるが、最初に世間の注目を集めたのは一番最後の短編のようだ。
それがあって、実際にはそこから時を進めたのではないかとも思える。
他の作品も読んでみたくなった。
Posted by ブクログ
山内マリコさんのエッセイは読んだことあったけど、小説は初めて。
地方に住む女の子たち(男子も時々)が、なんにもない地元の田舎で、つまんなそうに生きている、というか、どこかに向かいたくて、自分の意思で歩きたくてしょうがないのに、どうしたらいいのかわからん!とイライラ、モンモンしてる様子が描かれている。一見退屈そうな話なのに、私も地元のビミョーに田舎に住んでるので、光景が目に浮かんでくるし、著者の山内マリコさんと同世代でもあるので、登場人物たちの時代をまさに生きてきた!こともあり、過去との邂逅では?(そんな大層なことはないけど)と思うくらい懐かしく感じた。
話が現代?から過去にさかのぼっていく展開も面白くて、同じ田舎の町に住む主人公たち(短編の集まりだけど)がそれぞれの視点から見ている様子がより本の中に存在する田舎町をリアルに立体的に浮かび上がらせる。
なんやろ、退屈なんやけど、読んでて楽しかった。
ちなみに、地方の田舎町というと、家の周りは田んぼや山ばっかりを想像されるけど、道路沿いには、マクドナルドもケンタッキーもモスバーガーもあるし、ニトリやゲオやユニクロもあるし、洋服の青山もあれば、ヤマダ電機やジョーシンがあって、、、生活するには困らないくらいお店はある。ただし車がないと不便なことこの上ない!
若い頃は、「こんな田舎~」と思っていたけど、今はこの田舎でのびのび生きることができている、それが幸せだ。
Posted by ブクログ
『あのこは貴族』でひりついた気持ちを引きずって、手に取った一冊。ロードサイドのまちの中で生きる少女や、かつての少女たち。やっぱり、どことなく身に覚えのある感傷にいたたまれなくなってしまった。
あてもなく都会に期待する気持ち、自分のことかと思った。椎名と、多分私は世代も近しい。当時のリアルが手にとるように分かる。どこにも行けないけど、連れ出してほしい。それぞれ違うキャラクターなはずなのに、彼女たちひとりひとりの思考に感情移入できてしまった。
全編を通して共通の存在である椎名、こういう人いたなあと思いを馳せる。輝かしい10代のきらめきと、くすぶって、普通の人に落ち着いてしまった現在と。色々な角度で切り取られ表現されていて、この作品群の偶像であったような気がした。
一人称だったり、三人称だったりと視点が変わるのも楽しい。でも、どんな角度で映し出したとしても、「ロードサイドの少女のアンニュイ」は共通していて。やはり分かる、と大きく頷いてしまう、そんな一冊だった。
ほどよい
恋愛ものの短編集ということで購入しましたが、よくあるような恋愛ものではなく全て一捻りあるようなお話でした。
次はどんな展開なのかが気になりぐんぐん読んでしまいました。
Posted by ブクログ
山内マリコさんらしい本だなと感じた。
モラトリアムな時期にある?(と思われる)様々な女性の繊細な心の揺れ動きの描写が絶妙。皆多かれ少なかれ共感出来るところはあるのではないかな?
Posted by ブクログ
途中で、
あれ、これってもしかしてとんでもないクズ男の話?
と思ったり、
山下南っていったい全体どんなステキな女性なんだ?
と思ったり、
最終的には、
中学高校時代、どんなに憧れていた人も
年を取れば普通のおじさんになっちゃうってことだな〜と
女の子の夢は夢でしかないんだなぁなんて思ったり、、
おもしろい
連作小説ってこーいうこと?!
2節目から止まらなくなって、どんどんシーナに興味が湧いて
読み進めました
ひとりの人を、別々の時期に別々の視点から切り取ったお話
いろんな女の子に読んでもらって、感想を言い合いたい!
大人になって家族もできたシーナの、目を逸らさなきゃいけないほど胸を締め付けられるような切ない姿ってなんだったんだろう
Posted by ブクログ
都会、外国、片思い、、、今ここにない理想に憧れを抱く若者が、それぞれの理想と現実のギャップに折り合いをつけていく群像劇。
登場人物の心情が丁寧に描かれていて、細かいところまで共感して、世界に入り込むことができた。入り込むことができる分、都会で現実を思い知るような話も多いので、田舎から都会に出てきた身としては気分が引っ張られてしまう。「がんばるぞ!」という気分よりも、少し都会での生活に疲れているときに読む方が心に染みます。
Posted by ブクログ
これ、読む人によってきっと思い浮かべる"椎名"がいるよなあ。特別優しいとかじゃなく、同性から告白された日には俺ホモじゃないからなんて言っちゃう彼だけど、そんな素直さが仕方ないなあって愛されちゃう、憎めないキャラクター。その椎名を当時ちょっと離れてみていた側の視点で話が展開されてくのが面白かった。というか椎名と特別仲が良かったわけじゃないからこそ、生々しいエピソードがなしに、理想化された青春時代の象徴みたいな椎名が出来上がるんだよね。多分、迎えにきて欲しいのは今の椎名じゃなく、当時の椎名だ。そしてそれは無理なことももちろんわかっているわけで。当時思い描いていた未来とは程遠い今に、なんとなくここではないどこかへ行きたいと願う彼女等だけど、多分本当に彼が迎えにきてくれたとしても、彼女等は結局その手を取らないんじゃないかと思った。
Posted by ブクログ
ファスト風土化した地方で退屈をもてあます女たちのありふれた日常が描かれている。全8編。
派手な事件も悲劇も起こらないけれど、それが地方の退屈さをよりリアルにしている。
どの話にも椎名という1人の男子がちょこちょこ絡んでくるのだけど、これは田舎特有の世界の狭さを象徴しているのかもしれない。
✏若い女だけが持つ、恋愛に向けるべき豊富なエネルギーが空焚きされ、時間だけが無為に過ぎていく。
Posted by ブクログ
30歳、26歳、23歳…それぞれの歳の、ファミレスで通り過ぎた人は知り合いか確かめる視線、ゲーセンや教習所やスタバくらいしかなく実家で暮らす田舎の閉塞感と孤独。一見バラバラだけど「椎名」という中学生くらいはちょっと人気者だった(でも今はおじさん)男の子が各短編を結んでいることで、だんだん時代が遡ってることがわかります。でも同じ田舎の閉塞感でも、18歳の女子高生よりも30歳の(都内から)出戻りの女性の方が、「ここは退屈迎えに来て」の息がつまりそうなぬるま湯の閉塞感が強くて読んでて辛い。結局白馬の王子様は来ないから、ずっとこのままなんだろうなと思いました。
「成就しなかった過去の片想いを引っ張り出し、昔のときめきをちびちび舐めて命をつないでいる。若い女の子だけが持つ、恋愛に向けるべき豊富なエネルギーが空焚きされ、時間だけが無為に過ぎていく。」
Posted by ブクログ
すらすらと一気に読むことができました。
ファスト風土という言葉、初めて知った。
完全な共感ではなかったですが、作中での田舎のリアリティを身近に感じました。
私自身、生まれも育ちも田舎ですが、あまり似た感情を抱いた覚えがない、、。東京にも地元にも全然執着がない笑
東京へは通えるから、地元に戻ってきたところで都落ちしたという感覚はないし、実家から都内通ってる人が多いからかもしれない
地元で大学や就職先を選ぶのは作中の椎名くん的存在の人(地元に満足している人)でもしないと思う。どちらかというと大学や、仕事内容を見て東京に出ているような感じ。
作品からはずれてるけど、自分軸があるかないか、だけで都会にしろ田舎にしろ見え方は全然違うと思った。
でも、そういった選択肢や価値観がが狭まってしまうのが田舎なのかな
そういえば
田舎の高校に通ってた時は、なんでこの学校にしたの?(笑)って同じ学校を選んだ子の中でよく話題が出てたけど
都内の大学いった時はその大学を選んだことを誰も疑わなかったなあ、、
あれなんだったんだろう
メモ
・やりたくない仕事を続けてると、自分がなりたくなかったような人間に本当になっちゃうよ
人間なんてあっという間に環境に染まるから(p.101)
・いくらでも遠藤につっかかって、痴話喧嘩みたいな言い合いをすることもできる。
ーーー
もしこれが椎名だったら、些細な誤解やすれ違いを、必死になって埋めようと言葉を尽くす。けど、遠藤にはそんな気もおきない。どうだっていい人に、分かってもらおうとは思わない。