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1796年、ナポレオンのイタリア進行に従軍した著者が、動乱の中で徐々にナポリの文化に平常心を見出して行くストーリー。
ヨーロッパという地続きの感覚がザラザラと、世界史で習ったフレームに色合いを与えてくれるような一冊。
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主人公のファブリス・ヴァルセラ・デル・ドンゴは北イタリア・パルム公国、デル・ドンゴ侯爵の二男にして、出生の秘密あり。
時はナポレオンの遠征時代、フランス軍はミラノに入城、疲労困憊している軍中尉ロベールはデル・ドンゴ侯爵夫人の館に宿泊したというところから始まる。
ミラノの郊外コモ湖のほとりグリアンタのデル・ドンゴ侯爵城で、ファブリスは16歳になった。吝嗇な侯爵の父親に冷たくされるのは事情があるからで、ずばりフランスはスタンダールだね。
ともかく夢見がちな少年はナポレオンが再び遠征したと聞くと、イタリアの生家をとび出してワーテルローへはせ参じるのである。戦いの場で世間知らずのおぼっちゃん、どうなる?
優しいばかりの母デル・ドンゴ侯爵夫人、盲愛の叔母(父の妹)に囲まれて、ファブリスは幸福の追求=冒険談と恋愛遍歴。とどのつまり、やんちゃをやってはしりぬぐいをしてもらい「可愛がられる人生」をゆく。
叔母ジーナ(アンジェリーナ=コルネリア=イゾダ・ヴァルセラ・デル・ドンゴ・サンセヴェリーナ公爵夫人)の愛がすごい。だって、そのために金持ちのサンセヴェリーナ公爵と形式的結婚(?)、パルム公国の大臣モスカ伯爵を恋人にしてファブリスを助けるのだよ。
また当時のイタリアロンバルジア公国、パルム公国の貴族の生態やら、地勢的事情を書き連ねたストーリーは、ロマンチックに尽きるけれど、ヨーロッパは地続きなんだなあと今さら思わされた。
ま、そんな風に上巻は終わる。
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正直、前半は退屈だった。以前に読んだ赤と黒がよかったので我慢して読んでいると、後半から急に面白くなってきた。
会いたくても会えない苦しさが伝わってくる。
しかし、無神論の自分としては盲信による無駄な苦しみとしか感じられず、いかにキリスト教というものが、人を不幸にしてきたかをもあらためて感じてしまった。
しかし、終わり方が急展開過ぎ…
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ファブリスーー!!この幸せ者そして馬鹿やろう(´;ω;`)恋愛を馬鹿にしているようで至極真面目に身体を張る彼が好きだぁ。そんな彼にちょっぴり共感出来るのがまたなんともいえず悔しかったり嬉しかったり‥。続き楽しみ。
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池澤夏樹著「世界文学を読み解く」でテキストとして選ばれた10篇を読みながら、講義を受けていくつもりでの読書。さて、はじめて読むスタンダールはいかに。歴史小説にして恋愛小説というジャンル自体になじみがなく、興味もあまりないので苦戦。なかなか進まない。面白さがよく分からぬままなんとか読み続ける。主人公は純粋で情熱的な若者だがなんとも薄っぺらい。年上の女性の寵愛を受けてその庇護の元で生きている。ナポレオン主義に傾倒した貴族の末裔という立場を捨てきれないところがその時代のリアルさなのだろう。もどかしいまま下巻へ。