【感想・ネタバレ】薔薇王の葬列 17のレビュー

「私の名を残せ 王の名だ」
1450年代のイギリスでは、ランカスター家とヨーク家が王位継承をめぐる「薔薇戦争」を繰り広げていた。ヨーク公爵リチャードの息子として生まれたリチャードは、実の母に「悪魔の子」と呼ばれながらも、父や兄たちと王冠をヨークのものにするため戦っていた。一方ランカスター朝ヘンリー6世は、戦いで血が流れることに苦しみ精神を病んでいた。そんな2人がただのリチャードとヘンリーとして出会い、友情とも愛情とも言えるものが育っていく。互いの運命を知ったとき、2人は何を思うのか。30年に渡る戦いの中を生きる2人から、一時たりとも目が離せない…!
「他の人と違う」リチャードにとって「父の名をもらった」ということが、心の支えになっていたのは間違いありません。しかしそれと同時に枷にもなっていたのだと思います。父を自分の光であり、生きる意味だと考える彼が、その父の亡骸に対面し口づけたシーンには鳥肌が立ちました。王の名を継いだ者は、必ずしも王冠を求めなければいけないのか、一人の人間としてただ生きていくことはできないのか、リチャードの幸せは何なのか、多くのことを考えさせられる作品です。

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完結おめでとうございます

リチャードがずっとようやく自分にかかった呪いに気が付くも、やっぱり幸せにはなれないのかな…と思ったら救いのあるエンディング?
読者の想像にお任せする感じのラストでしたが、その分リチャードが幸せになれた想像の余地があります。そういうのが嫌いな人もいるかもしれませんが、このどっちつかずのラストがリチャードっぽくて好きです。
せっかくヘンリーと友達になれたのに、そこは切なかったな。

#感動する #泣ける #切ない

3
2022年06月16日

ネタバレ 購入済み

まさか

最後にヘンリーが出てくるとは思っていたけれど、まさかのラストに驚きでした。
薔薇戦争がこんなにも楽しく切なく面白いものになるとは思いもしなかったです。とっても楽しく時にハラハラしながら読ませていただきました。

この作者様はどの作品ものめり込ませてくださる、技術者様だといつも思っております。
漫画家さんという単語ではうまく伝わらない…芸術家の作品。

2
2022年07月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

綺麗な終わり方でよかった。
ボズワースの戦いで敗れた後史実では丸裸で晒されたみたいなことが書いてあるのを読んでしまい心配で仕方なかったので…。バッキンガムの反乱をはじめ、原作をうまく少女漫画に落とし込んでると感心してましたが、これ以上ない切なく美しい最後でした。
先生も幸せになってほしいと思いながら泣きながら描いたというようなことをおっしゃってたので、史実を大きく変えずにするにはこれが精いっぱいの先生のこの作品への愛なのかなと思った。

ヘンリー、ケイツビー、バッキンガムと3人とも性格、立場、愛し方、関わり方もそれぞれでこの三人に限らず作品全体緻密に組まれた設定で、この巻で色々ほどかれていくなかでもヘンリーには驚かせられたというか感動しました。ティレルになり最後は影武者で指輪もここで活きてくるのかぁ…こんなの想像もつかなった。
最後はケイツビーだけなんですね。白いのまでいなくなるなんて。
この時代、生き残るにはこうするしかなかった、薔薇の時代を懸命に生きてきた駆け抜けた、リチャードをはじめそれぞれの登場人物も憎めなくて、時代さえ違ったら殺し合いなどせず政略結婚もなく好きな人と平和に暮らせたのになどと詮無いことを考えてしまう。

最後のケイツビーに抱かれ薔薇に囲まれ美しい夢に眠るリチャード、表紙の穏やかな表情のリチャード、最後に穏やかで美しいリチャードを見れてよかった。
表紙の花冠は戦いの前にケイツビーの腕の中で寝た時に夢で見た、もういないけど大切な人たちからもらった薔薇で作られたのでしょうか。

ハマりはじめたときに、題名からしてハッピーエンドのわけないのになんで観ようと思ったんだろう…とちょこっとだけ後悔したこともあったし、胸が張り裂けんばかりにつらい展開も多々ありましたが、この作品に出会えてよかった。ずっと私の中に残る作品です。

2
2022年06月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 祝完結。

 シェークスピアの戯曲のイメージで悪役の代表のようになっていますが、実際の彼は違ったようですね。

 その原点であるリチャード3世を上手に形を変えて、素晴らしい物語になっていますね。

1
2022年06月22日

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素晴らしい作品でした!

次々と大切な人を失って行くリチャードが切なくて哀しいですが、表情のひとつひとつや伏線回収、最終巻の全てのページが見事でした。

とても切ないストーリーですが、最後までリチャードを想う2人が居てくれましたし、安らかな最期に見えたので、リチャードを応援して来た読者としては、救われた気持ちになれました
素晴らしい作品を有難うございました!

#泣ける #切ない #感動する

1
2022年06月17日

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気になる終わり

完結したのですがとても続きが気になるラストでした。

史実での主人公の最後がかなり悲惨なため心配だったのですが酷い展開にならず、どのキャラにも比較的救いのある内容で安心しました。それと話の着想が比較的最近発見された内容からきていたので驚きました。

今後外伝も掲載されるということなのであるかわかりませんが、本編後の主人公以外のキャラの話も期待したいです。

#ドキドキハラハラ #ダーク #泣ける

1
2022年06月17日

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ハッピーエンドのはずがないと覚悟して読んでいましたがこういうラストなんですね。素晴らしい作品に出会えたことを感謝します。

0
2024年01月22日

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原作を知るからこそ…!

いかにあの有名なシェイクスピアのリチャード3世を描くのかなと思いながら手に取った作品でしたが、正直言って原作のイメージを塗り替えるほどの素晴らしい作品でした。
前巻でリッチモンドが次なるテューダーの王としてリチャード=悪役としてのイメージの変革を行っていましたが、あの場面は重要で、あれがあったからこそ、絶望して死ね!や、リチャードはリチャードを愛している、などの名セリフが本作で新しい形で生かされていたと思います。
薔薇戦争の全容を知っていてもなお、本作を最後まで楽しむことができました。

#感動する #深い

0
2022年09月28日

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泣ける

頼むから、頼むから、安らかで幸せであるように。祈らずにはいられない結末。ほんの少しだけど希望があるラスト。史実とは違おうがどーでもいい。この作品の、このリチャードが、幸せであって欲しい。なんか久々に、面白かった~‼️

0
2022年06月25日

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リチャードぉ〰️!ヘンリ〰️!

こういう終わり方、好きです!希望のない戦いの果てに、小さな光を読者に期待させる。この先のストーリーは読者がそれぞれ想像して楽しむのでしょうか。

0
2022年06月17日

Posted by ブクログ

好きなキャラも含めて登場人物のほぼ全てが死んでしまったわけだが読後感はとても良かった。
史実がモチーフだからこその展開の容赦なさは逆に気持ちがいい。

ドラマ的には身も蓋もない言い方をすると「メンヘラ」っぽくて共感しきれない部分も多かった。結局、自分で自分を愛せなかったからこそリチャードはずっと苦しかったということでしょうか。

2
2023年05月09日

Posted by ブクログ

誰もが孤独で。報われることもなく。
それでも光を求める、そのことが生きる意味、ということだったんだろうか。

最初と最後は良かったけど、中盤は登場人物が多い上に同じ名前の人も多く、読み込むのに難儀した作品でした。

1
2022年06月28日

Posted by ブクログ

ラストはハッピーエンドなわけがないとわかっていても、読みたかったコミック。
切なさ満載のこの作品、ダークな血色でいっぱいでしたが、読んでよかったなあと。
作者さん、すごいや。
あのごちゃごちゃした時代をしっかり理解し、よくぞ、これだけの設定にまとめたものだわ。で、放り出すことなくきっちり完結。
すばらしい作品でした。

1
2022年06月27日

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