【感想・ネタバレ】ニワトリ 愛を独り占めにした鳥のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

自分の仕事に誇りを持っていらっしゃる
遠藤秀紀さんの著作が好きで、
数年前に集中して読んだ時期がありました。

最近(養鶏をやってみたいな)と思い始めたため、
改めて読み返してみました。

本書の執筆動機は
・読者へのニワトリに対する関心喚起
だと思いますが、私の読書動機が
・養鶏で成功するためのヒントがないかな?
なので、読書中は常に
(知りたい事がなかなか出てこない)
という感じを持っていました。

ただ、養鶏家にならなくても、
(いつかニワトリを飼いたい!)
と読後に私が改めて感じるほどに
筆者の強烈な“ニワトリ愛”が刺さりました。

また読後の今、ニワトリ以外に類似した家禽が
この世に存在しないことが不思議でなりません。

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2017年10月04日

Posted by ブクログ

2010年に感動した本BEST3に入る名著。文体や内容に感動したのではなく、「ニワトリはたった一種類のセキショクヤケイを改良したということ」に感動した。「ニワトリは地域環境社会を選ばないということ」に感動した。「ニワトリは世界中で110億羽いるということ」に感動した。「ニワトリは卵・肉・骨全てが絶対的な『食料』であるということ」に感動した。「ブロイラー(品種名ではない)がいかに効率よく生産されているかということ」に感動した。これらのあらゆる事実は全てタイトル「愛を独り占めにした鳥」に表現されている。
愛するものを食べ(食用)、また愛するものの卵を食べ(食用)、愛するものを戦わせ(闘鶏)、愛するものの姿の美しさを鑑賞する。
人類はなぜ、本来戦闘的である野生種セキショクヤケイを家畜化しようと試みたのか。興味深い内容のオンパレードだ。
ニワトリの食肉化を見ると、安藤百福の世紀の大発明インスタントラーメンの世界進出を髣髴とさせる。そして、インスターラーメンの元祖が「チキンラーメン」というのは決して偶然ではない。
世界とはそういうものだ。

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2011年08月18日

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ニワトリについて、ひたすら書かれた本。日本人は平均、年間300個の卵を消費し、2羽分の鶏肉を胃袋に収めている。全世界では、総人口の約2倍=110億羽のニワトリが存在していると言われており、文句なく世界で最も繁栄している鳥類である。

とはいえ、ニワトリの運命はあくまで家禽として人間による寵愛を受けることで成り立っている。セキショクヤケイ(赤色野鶏)という、東南アジアに住む野鳥を8000年前の祖先が飼おうと思わなければ、今我々が目にしているニワトリの姿はないのだ。

卵もロクに生まず、肉も大して多くないセキショクヤケイをどうして私たちの祖先は保護し、改良を加えていったのだろうか。そこには時間通りに鳴くといった性質だったり、自分の縄張りに入ってくる動く者をすべて攻撃する闘争心だったり、突然変異で秀麗な姿形を見せる愛玩性といった要素が複雑に絡み合い、人間にとって他の鳥類とは一線を画す魅力を発揮してきた歴史が存在する。

これらニワトリの進化論を単なる遺伝子の変化だけで追いかけるのは、無味乾燥かつナンセンスな話である。むしろ文化人類学や民俗学、そして自然環境学や生物学といった学際的な研究を進めながらニワトリの魅力を紐解いていった方が、焼き鳥を食べるにも味わい深くなると思うのだ。

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2014年09月07日

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割と硬派な内容。ニワトリの起原から目的別の畜産の歴史など、そこそこ厚みの本でありながらさらに内容が凝縮している。
人が家畜を作り出す動機に掲げた「心のエネルギー」論が興味深い。最初から卵や肉のみを求めて家畜化したわけではなく、多種多様なニーズによってアジアの小さな飛ばない鳥が世界中に広まりニワトリになる過程の説明が面白い。

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2012年08月29日

Posted by ブクログ

獣医師で東大教授でもある著者の、ニワトリへの愛がほとばしった一冊。なにはともあれ、著者の熱さがヒシヒシと伝わってきて、ニワトリ?そんなに興味ないけど?という私はタジタジとなる。でも、こういう「好きなものについて(特に専門家が)一生懸命語る」本って好きなんだなあ。

これはニワトリ好きな夫が面白がって読んでいたので、貸してもらった。夫はずいぶん前からずっと常に何羽かの鶏を飼っている。チャボ・烏骨鶏・ボリスブラウン・白色レグホン・アローカナ…、まだあったように思うが忘れた。今は岡崎横斑というやつが四羽いる。世話はほとんど夫がしていて、私は卵をいただくだけだが、たまにじっと眺めたりすることもある。特に懐くわけでもなく(そこが気楽)、愛らしいとは言いがたいけど、生き物って見ていると飽きないものだ。

飼ったりしてない大多数の人にとっても、卵や鶏肉の形でいたって身近な存在であるニワトリ。本書には、専門家ならではの「へぇ~そうだったの!」という事がいろいろ書かれていて楽しい。新書にしてはボリュームがあるので、さほど鶏に興味のない私はちょっと飽きちゃったけど、日頃そんなに本を読まない夫が熱心に読破していたから、ニワトリ好きにはかなり面白いようだ。そういう人がどれくらいいるのか知らないが。

この東大のセンセイ、かなりユニークな方のようで、私はそこに興味津々。著者は、「ニワトリとニワトリを愛する人間」について「答えの出ない研究」を続けていると言い、続いてこう書いている。
「二十一世紀初めの日本社会を雇用不安や低賃金や年間三万人の自殺者で味付けした行革狂いの政治家にとって、答えを出さない学問や答えを出さない大学教員など、真っ先に淘汰すべき対象だろう。だが、残念だが、学者も学問も、資本主義を勝ち負けと拝金でしか受容できない為政者ごときに、滅ぼされはしない」
いい啖呵じゃないかと、溜飲が下がる思いであった。

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2017年02月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

鶏肉、とくに唐揚げが好きなので読んでみました。
作者のニワトリに対する思い入れが強く出ていて、新書ぽくないです。
たまごを産む、ニワトリが年をとったら潰して鶏肉になる、と思ってましたが全然違うらしいです。知りませんでした。

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2012年09月25日

Posted by ブクログ

[ 内容 ]
地球上に110億!
食の神話を支える「家畜の最高傑作」の実力と素顔を公開。

[ 目次 ]
第1章 なぜ人はニワトリを愛でるのか(幻の鳥を求めて;「空気化」した食品;食の神話を支える;ブロイラーの真実)
第2章 家畜の最高傑作、ニワトリ(ご先祖様の正体;セキショクヤケイのからだ;家畜化の始まり;心のエネルギー;人の心に応えて)
第3章 ニワトリの栄光と苦悩(スターと脇役;大きさへの執着;愛が行き着く先)
第4章 日本人とニワトリ(記憶のどこかに;培われた関係;心のエネルギー日本版)
第5章 答えのない旅(日本鶏の出自;ニワトリ学のこれから;インフルエンザ、そして永遠の間柄)

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2011年04月11日

Posted by ブクログ

遺伝子だったり動物学的だったり、そういう物はあまり期待してなかった
人と鶏の関わりについてもうちょっと分量割いていて欲しかった

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2010年04月13日

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