感情タグBEST3
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とても良かった。現実離れした内容かと思えば、その表現の仕方は嫌になる程リアルで生々しく、自分が体験したかのような錯覚に陥るとともに、自分が過去に経験した事と結びつき、その時の光景や匂いと共に滑らかな読後感を与えてくれました。
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まず驚いたのが大江健三郎が20代前半の時に書いた作品が多かったこと。
難しかったし、これだけの物を書いていたのに驚異的なものを感じた。
主に青年だけど女性も色んな性質の人が出てきたのが強く印象に残っている。
殆どの人たちは倒錯した性生活と自己欺瞞に苦しみ、苦い生活を送っている。
人間性、人間とはという所を鋭利な目で見つめて抉るように表現されている。
これが20代前半!?
凄すぎる。
難しかったのでなんとも言い難いけど、とても良い本だと思う。
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見る前に飛んだ人も何人もいたかもしれない。
自分では、見てからしか飛ぶことはできないかもしれないと思った。
大江健三郎の小説は沢山読んだ気がするが、タイトルを覚えているのは、これを含めて数冊かもしれません。ごめんなさい。
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「上機嫌」だけは読むのが苦痛だったけど、他の短編はどれも素晴らしかった。特に「動物倉庫」なんかまで行くともはやコミカルと言っても良いくらいで、その上大江健三郎の典型というような内容を同時に保っている。作品の内容について今更語るのも馬鹿馬鹿しいのでやめておくが、大江健三郎の入門書としてオススメしたい。
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大学時代、かなり影響を受けました。
乱暴な言い方をすると、
太宰や安部公房、カフカなんかと違って、
どこか文章に救いがある。
そこが好きです。
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もう夢中です。大江健三郎に夢中。
私の中で村上春樹と太宰治を超える作家は出てこないと思ってましたが、もうなんか一番かも知れん。三人とも一番だわ。
ただ「上機嫌」がちゃんと消化できなかった。気合を入れ直してもう一回読もう。
大江健三郎を読むと、サドが読みたくなってくるー!
09.05.25
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10編もの小説を収録する短編集なのに、ハズレが1つもないのは本当に凄い。『死者の奢り』を読んだ時も感じたが、この作家は何と言うか…抜きん出ていて、他とは違う所にいると思う。1994年ノーベル文学賞。
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大江健三郎さんの作品は亡くなってから、読み始めたくちだけど、もっと若いうちに読んどきたかったなと思う。
難しいイメージだけど良く噛み砕いて読めば、ユーモアや皮肉を込めたメッセージ性のある大衆的な作家だと思った。性的な話も文学的になってしまうから凄い。10編の短編集。面白い。自分的には最後の話が一番好き。
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初期短編集。
「奇妙な仕事」「動物倉庫」「見るまえに跳べ」など特に面白く読んだ。
反面、読みづらく感じたものもいくつかあった。
『死者の奢り』に比べて色々試している実験的な作品がピックアップされた短編集という印象がある。若かりし大江健三郎が思想を物語に定着させようとして試行錯誤しているように読み取れた。その工夫が成功していると感じるものもあれば、よくわからないものもあった。
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大江好きの友達が「奇妙な仕事」を薦めてくれたから読んでみた。
「奇妙な仕事」ももちろん面白かったけど、僕的には「下降生活者」が一番面白かった。今回『見るまえに跳べ』を読んで、なんとなく自分の好きな作品の傾向が見えてきた気がする。
そして、大江の作品はやっぱり読む分には抜群に面白いけど、論じるとなると途端に魅力が失われそうだと改めて思った。
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前に読んだ「死者の奢り・飼育」は主に監禁状態を主題とする作品群だったが、今回は政治的人間と性的人間を主題とした作品群だった。
大江さんの初期作品の新潮文庫版は主題で分けられているので、1冊の本として読みやすかった。
三島、川端、大江という戦後の文豪の素晴らしい作品を今後も折に触れて読んでいきたい。
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この作品集中に頻出するイメージ、徒労感、屈服感、行動に対する焦燥のようなものは、やはり時代精神を書き取ったものなのだと、あらためて思う。
今読むと(現在にそんなものがあるか怪しいが)時代精神は大きく異なるため、奇異な感触を受ける。であるが青年期特有の焦燥や徒労感に対する敏感さが特異的に強調された、イカレた物語として、十二分に命脈を保っている。いわゆる「一周回って」あたらしい、というべき世界。
世代が大きく違えども、現役作家である大江健三郎と、同じ時代を生きる読者としては、上記のイメージが、再生につながっていき、Rejoyce!に至る道筋に興味を持たざるを得ない。
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世界の大江だ〜と思って読んだら何かBL?(違)大江さんの書く青少年はギラギラしていて好きです。「下降生活者」が何だか度肝抜かれました。そんな呼びかけられても!
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カラマゾフ下巻をよみすすめながらの見る前に跳べとはなにか。全体にながれる、カラマゾフほどに直接的ではないゆがんだ印象、混乱だとか迷走であるとか、どのお話もハッピーなものとはいえない。暗くどんよりした陰湿なムードが好きな人は好みなのかも。中上健次以前の日本近代文学のひとつの傾向なのだろうか。
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高校生の頃読んだものを思い立ち再読。収録されている10編の短編のうち5編を読む。「奇妙な仕事」大江健三郎の処女作。実験用の犬の処分を大学から引き受けた男に雇われた犬殺しとアルバイトの3人の学生。何かに熱中するには若すぎるか年を取りすぎてしまった「僕」と笑い方を忘れそうな女子学生と負けず嫌いな私大生。3日間で150匹の犬を殺し皮を剥ぎその処理をする。淡々と仕事をこなしながらも犬殺しは犬に愛情を持っていると感じる。その卑怯な殺し方にも殺されようとしている犬たちにも死んだ犬の血やその匂いにもすぐに慣れてしまう「僕」反対に嫌悪感を募らせていく私大生。処分を引き受けた男の不正が露見し男が不明になってしまう。犬殺しの犬に対する愛情、それは養豚家や肉牛農家が愛情を持って豚や牛を育てるようにそして丹精こめ育てた動物を自慢げに食肉にするように、同じ種類の愛情を持って犬を殺していく。それに対し私大生が感じる嫌悪感は自己憐憫と欺瞞に満ちている。そんな彼らが最後に陥る境遇、何と言うのかすべてが徒労に終わっただけでなく彼らのそんな皮肉な状況、何と言えばいいんだろう。「鳩」少年院の少年たちが熱中した小さな遊び、それは外で暮らす院長の養子にも伝染し、ある夜「僕」はその院長の息子が鳩を盗み殺すのを見る。そして悲劇が起こり院長の息子は不具になる。しかし院長の息子は罪を糾弾するでなく弛緩する。ここにいる少年は平均年齢14歳だが少年でありながら少年ではない。その幼い遊びのとおり危うい少年たちの世界。この世界はもう50年近く前に書かれたものであるにもかかわらずどこにも昔のものと感じさせない。「見るまえに跳べ」跳ぼうとしても跳べない青年の苦悩。理想と現実に悩む青年たちがいた頃の話。読み終わると酷く疲れている自分に気がつく。青年の苦悩は疲れる。「鳥」鳥に取り囲まれていると感じ至福と感じていたはずなのに精神病院に入れられようとした時彼は取りなどいないことに気がつく。結局彼は甘えていただけなのだ。だからと言って今の引きこもりと比べることは出来ないかもしれないが。「ここより他の場所」この若い男は結局情人の意図する罠に落ちてしまったのだ。読み終わり姫野カオルコの「ああ正妻」を思い出す。小早川が雪穂のベタな罠にいとも簡単にはまったように、この若い男もそこにある罠に気づきながら逃れることが出来なかった。表現の違いでここまで精神的に追い詰められる青年の苦悩に書かれているが、恋人とやりたいけど彼女が妊娠するのを心配をするならしないわといったのでもうやる気もなくなっちゃったんだけど、ただやりたくて付き合っていたと思われるのが嫌で優しいこと言ったら押し倒されてやっちゃったら、もう妊娠したかもしれないと婚約させられちゃって、すでに両親と合うセッティングもしてあって、彼は罠に落ちたと言う話。それがまるで違う。うまく表現できなくてもどかしいがまるきり別な話に感じる。これを読んだ頃のことが思い出され辛いような懐かしいような気分がよみがえる。大江健三郎は新鮮だった。何かがひきつけて離さない魅力を持っていた。それは今も感じる。ただ、私はもう16,7ではない。その頃はわからなかった男と女のことも少しはわかる。状況も思い浮かべることも出来る。「ここより他の場所」でどこにもいけなかった青年が結婚後妊娠を心配する妻とどんなシリアスなやり取りをするのだろうと考えたりもする。少し、疲れた。