【感想・ネタバレ】グラミン銀行を知っていますか―貧困女性の開発と自立支援のレビュー

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Posted by ブクログ

大学生協で衝動買い。講義中にずっと読んでいました。グラミン銀行はマイクロ・クレジット(貧しい人に少額融資を行い、彼らの生活が成り立つように促す仕組み)を行ってバングラディッシュ貧困を緩和し、総裁のムハマド・ユヌス氏はノーベル平和賞を受賞しています。「クレジットは、基本的な人権である。」「貧困は外部から規定され、人工的・社会的につくり出されたものである。」「貧しい人々が信用に値しないのではなく、既存の銀行が人々に値しないのである。」というグラミン銀行の哲学に感動しました。バングラディッシュには「娘を育てることは隣の家の木に水をやるようなもの」ということわざがあるくらい、女性の教育水準が極端に低いそうです。そのためグラミン銀行の行員が教育指導までして経済的独立を支援していきます。「『自分の名前が書ける』ということは、女性にとって大きな喜びとなり、それが自信につながる。他の誰でもない『私』を自覚するのである。」という記述には複雑な心境にさせられました。

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2009年10月04日

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ネタバレ

1974年にバングラデシュで誕生した、貧困層向けに小額融資(マイクロクレジット)を行うグラミン銀行に関して書かれた一冊。

マイクロクレジットとは、貧しい人々を対象に、フォーマルな小額融資を行う仕組みのこと。貧しい人しか借りられず、たいていはグループを作って連帯責任で返済をする。
この仕組みは途上国で始まったが、先進国にも普及して、アメリカやイギリス、カナダ、ノルウェー、フランスでも利用されている。

バングラデシュのグラミン銀行はマイクロクレジット機関の中で先駆け的な存在として有名になった。
本書は、グラミン銀行の会員の農村女性たちにインタビューをしたフィールド調査結果がまとめられている。

バングラデシュには、「娘を育てることは隣の家の木に水をやるようなもの」という古いことわざがある。
都会の中間層・富裕層は別として、バングラデシュの女性の多くは外出をしない。買物は食料品・日用品・女性用品(下着も!)等々、全て男性(夫)が行う。

貧しくて小さい頃から働かなければいけなかったので教育を受けられず、字が読めないため職につけず、収入がないため家庭内での発言権もない、という女性は非常に多く、そのような女性たちは父親が決めた相手と10代のうちに結婚させられ、その後は夫に捨てられないようにと、ただただ夫に依存した生活を送らざるを得ない状況に置かれている。
そんな女性の自立を助けたのがグラミン銀行。

グラミン銀行の会員として融資を受けるようになったことで、経済的なことももちろん、「知識が増えた」「自信がついた」「友だちができた」といった重要な変化が起こる。

バングラデシュの女性をめぐる環境にはまだまだ課題があるが、マイクロクレジットを利用したことで貧困から抜け出し自立していくバングラデシュの農村女性が増えていくことはとても喜ばしいこと。

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2019年03月04日

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バングラデシュにある
グラミン銀行に関する一冊。

貧困層の人たちに対して、
無担保の融資を貸し付けるマイクロクレジット。
中でも、女性の利用者が多い。

マイクロクレジットの仕組み自体もよいと
思ったけども、それをフルに活用するバングラデシュの女性には活力を感じた。

グラミン銀行のことを知るためには、
良書。

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2014年08月09日

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博士論文を一般書籍化したとのことだが、長年に亘る細やかなフィールドワークをとても読みやすいかたちでまとめてあって、実用的だった。が、それだけではなく、バングラデシュの女性たちの世界の変化が感じられて感動した。情報とものがたりを併せ持つ魅力的な一冊だと思う。こんどはこちらの話をしようと思う、という結びの言葉にも共感とともに胸を打たれた。

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2011年07月08日

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グラミン銀行・ムハマドユヌスその名前は多くの人は聞いたことがあるはずです。しかし、なぜグラミン銀行が多くの貧困者を救うことができたかについては多くの人は知らないはずです。この本を読めばなぜグラミン銀行がいかにして貧困者を救ったかがわかります。そして、ムハマドユヌス氏がノーベル平和賞を受賞した理由が。

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2011年03月14日

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いや、普通にスラスラ読めた

日本の5000円と海外の5000円では価値が違うんですね
日本じゃ飲み行ってパーッってやったら5000円くらい飛ぶけども
貧しい国では5000円を資本に商売始めれるんです

そんな感じかな

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2009年10月04日

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女性5人グループの連帯責任で融資を受ける

人は銀行の奴隷ではない
グラミン銀行は貧しさから抜け出したい人に奉仕する

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2009年10月07日

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以前、英語の授業で習ったことがあるのと創設者の方がノーベル平和賞を受賞されたということもあり、読んでみました。

マイクロクレジットが丸わかりというのもありますが、クレジットを基本的な人間の権利としているところもこのグラミン銀行のすごさが現れていると思います。
できれば、グラミンフォンのことをもう少し書いてほしかったという点が残念。

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2009年10月04日

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「グラミン銀行を知っていますか?」
聞いたことはある。バングラデシュにある対貧困層への画期的なシステムだと何かで目にしたけれど、正直なところよくわからない。
気になって手に取って、貧困の解消が人の尊厳にこんなにも結びつくものかと、感動しました。

融資をきっかけに、自分で何かを選び取ることができるようになる、未来に向けて考えることができるようになる、ということは非常に大きなことですね。
そのために毎週集会があり視野を広げ、物事を考える機会を持つことだったり、グループを作って信用力を高める仕組みが確立されていることだったり、つくづく画期的なシステムですね。
施しは命を繋ぐけれど、自尊心を高める役には立たないですものね。

シンプルなグラミン銀行の哲学というのも必見です。
・クレジットは、基本的な人権である。
・人はだれでも、機会さえ与えられれば、よりよい生活をしようとする能力と意欲をもって。いる。
・貧困は外から規定され、人工的・社会的につくり出されたものである。
・貧しい人びとが信用に値しないのではなく、既存の銀行が人びとに値しないのである。
以下、略。

加えて、バングラデシュは男性の権力が著しく高い文化があるようです。貧困層への融資という1点だけでも高いハードルだろうに、女性が外出や買い物をするのすら支障があるような文化圏でよくもこれだけの事業を進めてこれたものだと、容易に「不可能」だと決めつけてしまってはいけないと自戒の念を抱きました。

もちろん、ここには書かれていない課題もあるでしょうし、何より本書自体執筆されたのが10年近く前なのです。状況は当時とは違うかもしれません。
それでも、貧困というレッテルを跳ね除け、いきいきと暮らす女性が世界にいることを知れて、非常に勇気づけられました。

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2016年12月29日

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バングラデシュにある銀行で、通常の銀行では相手にされないような、貧困層や生活困難者に少額から無担保で融資するマイクロクレジットを行う、グラミン銀行を紹介した一冊。

税所篤快さんの『前へ!前へ!前へ!』を拝読して興味をもったので、読んでみた。

グラミン銀行では、貧困層の支援という大きな目的に加えて、女性が一人の人間らしく生活し、社会生活を自分の意思で送れるように支援するという目的ももっている。

バングラデシュでは、古くからの習慣で、お金を稼ぐのも使うのも使い道を決めるのも、女性用品を買うことも男性の役目で、女性はといえば、外出することもなく、親戚が住む家に囲まれた庭?の中で家事をし、子どもを産み育てることが仕事、何をするにも家長である夫の許可が必要な生活を送っている。

グラミン銀行では、土地をもっていない人を対象に融資されることから、ほとんどが女性に対する融資となっており、山羊や鶏のような家畜を飼って乳や卵を売る資金にしたり、ミシンを買って仕立てをしたりと、事業を始める資金を融資し、定期的に貯蓄をする習慣を根付かせている。

無担保であることから、融資を受ける女性は5人のグループを作り、連帯保証ではないが、お互いに助け合い相談できる関係をつくらせている。

また、週に一度の銀行主催の集会を開き、女性が外出できる場面をつくり、時間に遅れず出席する大切さや、親族以外に友人をつくる場として、銀行員も身なりを整えて参加することから、進学すると選べる職業の幅が増えることを示し、子どもへの教育の大切さを教え、清潔にすることで疫病を防ぐ必要性や、みんなで助け合うことで家族を繁栄させることに繋げることなど、貧困層の人々が生活することに追われて、今まで意識していなかったようなことを含めて改革してきた。

豊かな日本に生まれ育ち、人間らしく生活することが当たり前であることへの感謝も生まれたし、海外の貧困層と呼ばれる人たちの生活や意識、習慣は想像を越えていると感じた。

私たちの孫やひ孫の生きる時代、『貧困』という言葉が過去の言葉となるような世界であってほしいが、そこに至るには、貧困層と呼ばれる人たちの意識だけでなく、富裕層と呼ばれる人たち、先進国に住む人たちの意識を変えていく必要があると思う。

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2015年08月21日

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現地に乗り込んで調査した様子がよく伺える内容。5人で毎週集まってお互いに支えあうことが重要なポイントのように感じる。

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2013年07月18日

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元々は論文を改編した本なのでデータに基づいている。そしてたんたんとしていて躍動感はない。
グラミン銀行そしてバングラデシュの貧困問題についての客観的データが知りたいという方におすすめです。

グラミン銀行が、所得向上のためだけでなく毎週の集会により女性の地位、知識、自信などの向上にも役に立っていることがわかった。

2002年からグラミン銀行2となる。返済方法を決めれたり、5人グループができるまで既存の5人グループに6人目として入れたりと、柔軟性が高まった。

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2013年07月07日

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すこし、出版された時期が古いのだけれども、
気になって読んだ本です。
グラミンバンクは何となく、知っていたが、
詳しくは知らなかったので、入門書として読めた。
文中に、
“今まで、人生で幸せになったことがない”と話す、女性がいたという
一文には目を見開かせてしまった。

日課とかで、
一日一個、幸せな出来事を考える(つくる)こと っていう習慣づけしてる人がいるけど。
一日一個 幸せを探すことができる人生って 最高に幸せなのだな。

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2012年10月17日

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マイクロファイナンスを取り扱った本は内容に大差なし。→日本におけるMF研究の地位を表しているのでは?

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2011年10月29日

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ネタバレ

極度に貧乏な人はお金を返す能力がない。

あたり前のこの既成概念に真っ向からぶつかっていき、覆してしまったムハマド・ユヌスをほんとに尊敬します。

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2011年10月03日

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貧困層向けに無担保・低利子で貸し付けをおこなうマイクロ・ファイナンスで成功を収めた、グラミン銀行について紹介している。短い文章でグラミン銀行の概要がつかめるので良いのだが、批判的な考察は皆無であり、その点を割り引いて読まなければならない。

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2010年06月06日

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グラミン銀行の概要ではなく,人々への影響についてのまとめ.

・彼女たちは加増や地域社会の中で,妻や母として,ときには娘としての役割を担っているが,それ以外の体験はとても乏しい.「公的」行動は男性がするものだと考えられている.「公的」な活動は,女性に自信を与えている.
・バングラディシュの貧しい女性は,簡単に離婚を言い渡されたり,夫から捨てられたり,殴られたりと,不安定な立場におかれる場合が多い.さらに,成人した子供が責任を持って親を扶養するということがあいまいなため,女性は夫に先立たれたら,完全に子供に頼ることはできない.このような女性にとって,住む場所は深刻な問題である.グラミン銀行は住宅ローンを始めた.このローンを利用した女性は,ほとんどが夫から宅地を譲り受けている.相続放棄をすることが美徳だと考えられているバングラディシュで,なぜ女性は夫から宅地を譲り受けたのか?夫は,一般の金融機関が要求する担保を持っていない.土地に執着心はあるが,グラミン銀行のローンを使って家を建てるために妻に土地を譲るのだ.

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2010年01月11日

Posted by ブクログ

グラミン銀行について、概要紹介として無駄がなくまとまっている。1,2時間で読めてよい感じ。

細かいことを言うと、論文の匂いが色濃く残っているにもかかわらず、噛み砕いて書いてあったり、主観的な面もあったり、と本のコンセプトが揺らいでいる感じがしたので星3つ(偉そうに語ってみたwww)

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

富める国の女性が興味本位に何回か訪問し調査した結果ということしか伝わってこない。レポートでもなし、ノンフィクションでもなし、当然フィクションでもなし。これから先は自分で考えなさい、ということかもしれない。グラミン銀行創設者の「ムハマド・ユヌス自伝」を読んでみたい。

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2009年10月04日

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