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Posted by ブクログ
極端にいえば、酒田に居たとあるボンボンの話。もう少し踏み込んで言えば、「地方文化を維持し育むための手法(昭和版)」。
突き詰めれば「湯水のごとく金を使えば、地方であってもナンバーワンを取れる」という話。映画の話でも、料理の話でも、ましてや経済・経営の話でもない。正直、こんな人が親類にいたら心が安まらない。
ただ…こういうボンボン的な立場の人が、軽薄な夢と希望を語り行動しなければ地方には文化は残らないのも事実で。田舎の現状を見ていると、「ボンボンが夢を見られた昭和時代は、まだまだ幸せな時代だったのかな?」と思うところがある。
地方のボンボンが夢を見ず、夢と引き替えに立てたテナントビルに入った全国ブランドチェーンはそこそこのところで撤退する。残るのは絶望だけで、だからこそ気持ちよく人は立ち去れる。それが今の現実なのかな?と。
いや…いまでも田舎で夢を見てる人はいるんだろうけど…それを発掘し現金化するのは、炭鉱を掘り当てるより難しいんだろうな、とそんなことを思ったりしてました。
「寂れる地方都市」の現状を、ノスタルジー込みで客観的に見たい、と思う人にはなかなか面白い一冊。