【感想・ネタバレ】ワセダ三畳青春記のレビュー

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Posted by ブクログ 2023年10月22日

'語学の天才まで1億光年'を読んで、すっかり、この著者の作風や破天荒な内容に魅了された。
本作は、この著者の原点とも言うべき、早稲田で過ごした11年間の驚きの生活や、そこに下宿している奇妙な人々の記録である。探検部の後輩からの紹介で、実家からこの下宿に転がり込む。
三畳一間で鍵は...続きを読むない。誰でも自由に出入りする。太っ腹な下宿のおかみさん、司法試験浪人という不動の地位の住人、ドケチも超がつく非日常的な動きをする住人など、世間離れした人物が集う異空間。エピソード形式で綴られていく世界が、ウソ?と思える連続で、読むほどに味わいがでてくる。最後に下宿を出る話になるが、何だかほんのりとしてくるのも、この作者の話法の魔法かも。

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Posted by ブクログ 2022年11月22日

辺境作家、高野氏の青春記。ワセダのたった三畳の部屋に住んだ11年間で起こった日々を綴った一冊である。
高野氏の著書は普段我々が行かないような辺境の地や未開の地などのテーマに気を引かれるが、文章にしたときの面白さが尋常ではない。今回のエッセイではそれ特に際立つ。場面の切り取り方やテンポ、言葉のチョイス...続きを読む…高野氏の著書を支えているのはやはり文章力だ!と感じる一冊であった。

特に最終章の、野々村荘からの旅立ちは懐かしさ、寂しさ、面白さ、なんとも言えない哀愁が美しく感じられて何度も読み直した。人を好きになる複雑な心境をこんなに上手く書ける人がいるのか、と嬉しくなった。

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Posted by ブクログ 2022年07月07日

私も大学時代同環境で生活していたので、最初はタイトルに惹かれて何となく手にした本。でも、読んでみると単なる共感というレベルを超えて話が面白すぎる! 登場人物のキャラ設定と数々の事件を面白可笑しく表現する作者の才能に感服しました。

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Posted by ブクログ 2022年06月06日

高野秀行の『ワセダ三畳半青春期』は何度も読み返したくなる。
今回はプールに行く話が読みたくなって、再読した。
日常を面白く書ける高野秀行は天才だと思う。
探検しなくても面白い話を書けるのではないか?

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Posted by ブクログ 2022年02月08日

高野さんの文章は「粋」である。

その時の情景や人の感情をメタで捉えてるから一人称でも客観的で分かりやすいし読者の心の声を先にツッコんでくれるのでクスってしてしまう。そして無駄な重複表現はなく端的でスマートである。

なので野々村荘の中のトンチキな出来事をまるで天井から眺めているような気分になりワク...続きを読むワクして目が離せない。

しかし最後の6章だけはテイストが異なる。今までさんざん野々村荘をシニカルに面白おかしく書いていたのに急に「私小説」っぽくなる。もっというと「独白」、いや完全に奥様への「ラブレター」である。

このラブレターが沁みる。これまでの放蕩生活の代償として世代や世間から取り残されてしまったせいで、友人の結婚式スピーチで親戚友人をドン引きさせたり平日から公園で三味線弾いてたら地元のヤンキーに憐れに思われたり、資本主義戦争の敗戦兵となった高野さんが最後の生命エネルギーのようなものを搾り出して奮闘する姿を我が事のように応援してしまう。

高野さんの心の中を中心に描くこの章はこれまでのフリが効いていて最後の章に相応しい「粋」な展開でまるで落語の人情話だ。

たまに人生に行き詰まる時に本棚から出して読む本としてまた仕舞い込もうと思う。

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Posted by ブクログ 2021年11月17日

著者高野秀行が作家としての地位を確立する以前のアパート暮らしを振り返る。早稲田大学探検部時代の後輩、登山ライター森山憲一も本書に登場する。
ろくに就職もせず生産性のない、破格のくだらなさが逆に面白い。

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Posted by ブクログ 2021年08月08日

高野氏の早稲田大学近くのアパートにおける青春記で、藤子不二雄のトキワ荘物語にも通じるノスタルジーを感じる作品。
最後の今の妻君との恋愛がジンと来る。それに対して5つ星。

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Posted by ブクログ 2019年09月30日

探検家の高野秀行さんの若かりし頃をベースに描かれた作品。
ばかばかしいエピソードが散りばめられていて本当に楽しい。自分の通った大学もなかなか独特だなぁと思っていたけれど、早稲田大学周辺の(とくに本書に出てくる)人たちもかなり変わっていて、何だか親近感を覚える。
髙野さんは若い頃から海外のいろいろなと...続きを読むころに飛び出して思いもよらないことをやっているというイメージだけれど、日本にいるときもそれはそれで(むしろ逆に?)ぶっとんでいてすごい。
こんな青春時代が今の高野さんにつながっているんだなぁということが強く感じられる作品でした。終わり方もとても良かった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2017年08月31日

11年も暮らした木造アパート、浮世離れした大家、常軌を逸した住人、などめちゃくちゃ興味がわいてくるワードが目に飛び込んできて、心をグイッと掴まれてそのままの勢いで読んだ。
なかなか危なっかしい住人ばかりで、私は絶対暮らしたくないアパートだけど、大家のおばちゃんがそれをうまくまとめていて人間味があって...続きを読む面白かった。
今まで読んだ高野氏の本はどんな人も生き生きと描かれていて、普段自分がどれだけ周囲の人々をただの他人で関係もなく感情もないかのように見ているかが浮き彫りになる。
最後の恋の話がとても素敵だった。青春記とあるけれど、こんな甘酸っぱい気分で読み終える本だとは予想していなかった。長い青春を過ごしていた著者が、その終わりを奥様と見つけたのが素敵だ。

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Posted by ブクログ 2014年12月22日

名作『謎の独立国家ソマリランド』の著者、タカノさんが、20代の大半を過ごした早稲田の三畳の下宿での生活を描いた本。正確には最後は四畳半の部屋に移っているのだが。やっていることが破天荒で面白い。

著者が本書の舞台の野々村荘に入居したのは1989年で、家賃は1万2千円。自分もその同じころ東京に出てきた...続きを読むときに、四畳半風呂なしトイレ共同の永福町の下宿に住んだが、家賃は2万4千円だった。後に四畳半に移ると家賃が2万2千円に上がったらしいので、そんなものなのかもしれない。あの頃、部屋の中にネズミも出た。銭湯には営業時間があるので、3日間くらい風呂に入らないときもざらにあったが、割と平気だった。タカノさんちほど個性的ではなかったが、おばちゃんもいて、アーティスト志望の怪しげな女の子が、夜中に歌の練習をして、おばちゃんと何度も喧嘩していた。
でも似ているのはその辺りまで。この本を読むともっと、おばちゃんや下宿の他の人といろいろと交流しておいた方がよかったかなと少し後悔。チョウセンアサガオの実を100粒ほど食べて、15時間意識を失い、一週間ほど文字が読めないほど瞳孔が開いたままになっているなんてことはしたくないけど。

「青春記」というタイトルだが、最後は30歳を過ぎて定職につかない状況を悩み、10代の青年のような恋が原因で住み慣れた下宿を引き払うところで終わる。若いときは、勉学を究めようとするのでもなければ、相当に無茶してもきっといいものなのかもしれないなと思わせる本。

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Posted by ブクログ 2024年03月26日

野々村荘で起こる「リモート」や「スマホ」が当たり前である現代では味わうことのできない人との出会いが織りなすドラマが沢山の物語でした。最後は青春記に相応しい終わり方でニヤついてしまいました。笑

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Posted by ブクログ 2024年03月24日

同僚から面白いと教えてもらい読んだ。
自分が高卒ということもあり、
大学生が本当に羨ましいと思った。
登場人物はみんな面白い。
最高でした。
特にチョウセンアサガオは
めちゃくちゃ笑った。

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Posted by ブクログ 2024年02月21日

3畳一間の下宿、神田川の近く、まさにかぐや姫の神田川の世界そのもの
私より5歳下でまだそんな生活あったとは驚く
風呂なし、共同トイレ、共同自炊は普通だったが
その後彼女ができて転居、結婚したの?
FM番組で青木さやかの紹介で読んでみた

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Posted by ブクログ 2024年02月09日

野々村荘に住む世間とは隔絶されたぶっ飛んだ方々のエピソードは大いに笑えました。
その一方で作者の高野さんが抱いた仲間が真人間へとなって去っていく時の不安や寂しさは自身も同じ様な体験をしてきた為、懐かしいあの頃の何とも言えない感情を思い起こさせてくれました。
青春という名の現実逃避は最高なんですよね。

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Posted by ブクログ 2023年11月09日

正直、旅行記を書く方の小説って期待してなかったが、面白く温かく懐かしく良い本でした。懐かしき学生時代にも思いを馳せられ。

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Posted by ブクログ 2023年11月05日

こういうの大好きなんです、としか言いようがない。自分もこうありたかった、ちょっと間違えればこうなっていた、いや、実際にかなり近くなっていたかも。著者のような行動力がなかっただけ。

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Posted by ブクログ 2023年07月17日

先日、早稲田界隈を散策した。高田馬場から早大キャンバスへ。どういうわけか神楽坂まで行ってしまった。野々村荘はどこにあったのだろう。家賃1万2千円の3畳間。時は90年代。バブルがはじけ不況が始まる。失われた30年に入るとき。…未亡人の気のいいおばちゃん。勝手に他人の部屋の電話に出る司法浪人ケンゾウさん...続きを読む。腐ったものを調理して異臭を放つ”守銭奴”。風呂には行かずにプールで済ませる著者。自由人でその日を楽しむ。面白おかしく描かれた青春期。将来への不安もきっとあっただろう。去っていった人のその後の人生も気になる。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年07月08日

めちゃくちゃに面白い。少し昔の話ではあるが、早稲田生の日々の日常が見れる。それにしてもこれぞ大学生って感じで、堕落した生活は読んでいると逆に元気が出てきた。
やりたいことをやるという精神、行動力は全然自分なんかよりすごくて素直にかっこいいなとも思った。

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Posted by ブクログ 2023年04月11日

こら面白い。
アパート3畳間の青春期。
住人の奇人変人もさることながら、大家のお婆ちゃんがいい。
素晴らしすぎる。

高野サンの本は2冊めだが、一気にファンになってしまった。
他も読まにゃなるまい。
オススメ。

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Posted by ブクログ 2023年02月10日

以前働いていた職場で私のことを娘のように良くしてくれていた部長が突然、「これおもしろいよ」と言って貸してくれた一冊。入社した時は、まさか会社の部長と本の貸し借りをする未来があるなんて想像もしていなかった。実際に読むと本当に面白かったし、「あ〜、部長好きそうだなー」と思った。ボロボロになっていたカバー...続きを読むがどんなに読んでいたかを物語っていた。
その部長は本当に運悪く、コロナが流行り始める前に次の職場も決めず退職することに。私が定期面談で「仕事が楽しいと思えないんです」と悩みを打ち明けた時に「分かる、俺もなんだよね」と共感していた部長は私にとって貴重な味方で、第2の父のようだった。
しばらくは連絡が取れていたものの、このあいだ久しぶりにLINEで部長を探したら、アカウントが消えてしまっていた。元気にしているだろうか。
いつか連絡を取れることがあるならば、共に働いていた時の感謝をしっかり伝えたい。
この本を見てそんなことを思った。

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Posted by ブクログ 2023年01月19日

早稲田にある家賃1万円強のアパートでの11年での生活を振り返った本。
今の自分は、このアパートを出た時の高野さんよりもついに年を重ねているのだと思うと、しみじみ。。

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Posted by ブクログ 2022年11月01日

貧乏青春物語

友人に恵まれており満たされ感がある。
(変人ばかりだけど、それも若さで乗り切ってる

そんな暮らしで20代をまるまる

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Posted by ブクログ 2022年06月07日

何度読んでもこころときめく。漫画みたいなヤバい人達がたんまり出てきて、なのにほっこり。
古き良き、なんかのエキスが出てて、沁み入る。

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Posted by ブクログ 2021年09月01日

いつもの辺境ライターの著者の本とは違ったテイストであるが、充分に楽しめる一冊である。小説好きの人も楽しめる一冊になっいるので是非読んでほしい。

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Posted by ブクログ 2021年01月29日

早稲田大学探検部出身の著者が11年に渡って過ごしたアパート 野々村荘での日常を綴った体験記。

初っぱなから笑わされましたー!
突っ込みどころ満載で何も考えず肩の力を抜いて楽しめるのが良い。
住人が一癖も二癖もあり高野さん本人も個性的ですが、大家さんもなかなかおおらかというか大雑把というか…。
住人...続きを読むと大家さん一家の交流。珍妙な事件の数々。野々村荘ならではのルール…。
毒キノコの効果を体験するとか結構危険な人体実験までされていてビックリ!
若気の至りでしょうか。それにしてもぶっ飛んでます。

最終章、高野さんの遅すぎた初恋ではキュンキュンしちゃいました♪
終始笑いのラストかと思ったら予想外の淡い恋心にほっこり和み良い読後感。
良いリフレッシュになりました。

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Posted by ブクログ 2020年08月13日

風呂なし、共同トイレ、三畳間。奇人変人ばかりが住む木造アパート。よく考えたら絶対住みたくない条件だけど、どうも、これが最高の青春に思えてしまう。
夢見て上京してバイト生活でボロアパートに住み続ける、みたいな話はよくあるけど、この人の面白いところは、とくに夢とかなく、やりたいことだけをやっているのに、...続きを読むそれなりに食えてしまっているところ。
無用な金は稼がない、無用な金は使わない、というポリシーも素晴らしい。

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Posted by ブクログ 2019年11月15日

古き良きバンカラをバブル時代にやっちゃうことの面白さ、世間とのズレのギャップがひたすらおもしろい。
自分は普段この手の時代錯誤な感じはわりとバカにしているが、本書を読むと大学時代に一年くらいやっておいてもよかったなと思う。
特に大学生活5年間の最後の一年は一人で閉じこもって本ばかり読んでいたので、そ...続きを読むのときに本書のような暮らしをしていたらすごく楽しかったと思う。
著者は女に対してすごくウブで、その点はまったく共感できなかった。といいたいところではあるが、別れが惜しくて結局先方の家までついて行ってしまうとか、ああわかるわかる、それ惚れてるやつよね、という感じ。
この手の群像話の魅力の大半は脇役が担っていると思うが、本書も例外なく脇役がよかった。脇役たちは今なら統合失調症だったり発達障害と診断されたりする感じだろうが、ふた昔前だからそういう人を生ぬるく笑って馬鹿にしつつも一人の個性ある人間として扱い一緒に生きることができたのだと思う。

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Posted by ブクログ 2023年12月29日

クレイジージャーニーに出演していた高野秀行氏著。主に二十代を過ごした、「野々村荘」での生活。“チョウセンアサガオ“が面白かった。

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Posted by ブクログ 2023年08月06日

電車で読んでいて思わず笑いそうになった。
どのエピソードも嘘のようだけど、これはエッセイだから多分本当の話。
変な住人たちのシュールな姿が面白い。
自分のルールに則った正義を守る、熱血でお節介なケンゾウさん。金だけでなく、時間もケチる守銭奴。天然だけど強い大家のおばちゃん。
こんな人たち、隣にいたら...続きを読む対応に困りそうだけど(おばちゃんは面白くていいかも)、話題には困らないだろうなぁ。

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Posted by ブクログ 2022年09月11日

おかしくて、ばかばかしい、3畳で繰り広げられる青春。
一番心に響くのは(むしろそこ以外馬鹿話でしかないのだが)「心のベルリンの壁」の話であろうか。

ああいう話をされると、心がキュンキュンしてしまう。

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