【感想・ネタバレ】まちづくりデッドライン 生きる場所を守り抜くための教科書のレビュー

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Posted by ブクログ 2021年02月19日

場所を変えて商売をするのではなく、そこの場所で挑戦しなければならない。

そこに必要なのは、そこにしかない物や人や空間。

変わることを選ばなければ、衰退していく。

まずは柔軟な考え、新しいことへ挑戦する一歩を踏み出したい?

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Posted by ブクログ 2013年05月29日

リアルなまちづくりの事例と緊張感ある実践手順の紹介、まちとして死守すべきものは何かを考えるための、最高の教科書です。
それより大事なのは、これに共鳴して動くこと。

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Posted by ブクログ 2013年05月16日

著者の一人の木下氏は高校生から「まちづくり」に携わっており、30歳そこそこでベテランの域にある。従来の「まちづくり」は政府、自治体の助成金を前提にするようなところがあったが、著者の提案は民間、ビジネスとしてみるところにある。「場所」が動かないという制約の中で、成果に結びつける秘訣が多く含まれる。まち...続きを読むづくり中の土地を見学などすると、そのプロセスをより理解できるように思う。

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Posted by ブクログ 2017年04月01日

全国各地の地方都市は、時間的な問題(人口減少と内需縮小)と空間的な問題(まちの適正な規模維持の困難さ)、二つの面でデッドラインを迎えつつある。
これに対応するためには、まちを舞台にして行われる経済活動の流れ(バリューネットワーク)の概念を理解し、さらにその仕組みが時代の変動とともに適正な形に収まるよ...続きを読むうなスキームの構築が求められる。

そのスキームは結局は、「まちづくり」を持続可能な事業活動としてマネジメントできる仕組み、ということになる。
マネジメントに関わるプレーヤーは、資産を持つ不動産オーナーや、実際に現場で商売を行う商店経営者の他に、取り組みそのものを推進するプロジェクトマネージャー、魅力的な空間を生み出すデザイナー、地域との絆をつなぐコネクション保持者など、様々なポジションの人材が必要とされる。
こうしたメンバーによる中核チームが「まち会社」を設立するところから始まる、と説かれる。

市民活動的な「まちづくり」から一歩踏み出す「必要性」と、その一歩を踏み出すための「覚悟」の双方を自覚させてくれる書籍である。
誰もが実践できることではないだろうが、まちづくりへの「関心」が「行動」につながるための実用的なヒントが得られることは間違いない。

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Posted by ブクログ 2016年05月03日

ここ最近自分の中でブームな木下斉氏と、こちらは初めて出会った広瀬郁氏の著書。
嶋田洋平『ぼくらのリノベーションまちづくり』と清水義次『リノベーションまちづくり』、そして木下斉『稼ぐまちが地方を変える』を三部作としていましたが、こちらの本もそのラインナップに加えられます。笑

リノベーション事業中心で...続きを読むあった前の2著に対して、あくまでリノベーションも選択肢の一つにすぎないとし、その他まちを守るための最低限の要素をまとめた教科書のような書籍でした。

商店街でお金が回らないという状況を、経営という切り口で捉えることで、精神論やキレイゴトに偏りのあった従来のまちづくりに警鐘を鳴らしています。

成功事例集にページ数をかなり割いていてそこも本書のメインですが、分量が大きいため冗長になってしまってるところ。


本気でまちを守りたい人のための本。

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Posted by ブクログ 2015年07月29日

地域活性化伝道師である木下斉氏と建築家の広瀬郁氏の共著。
これまでの著書に加え、建築的な要素が入り、違う印象の著書になりましたが、事例も紹介され、読みやすい構成でした。
バリューネットワークの逆転現象を示し、現在のまちは、生きるか死ぬかのデッドライン上にあり、行動が求められており、そのための実戦的ポ...続きを読むイントが示されています。
いろいろな指摘がありましたが、

・組合や商工会議所、あるいは行政がまだしっかりと力を持っているまちでは、若い人の活動がネグレクトされやすい。時間資産を持ち、ガッツもセンスもある人が溶け込みにくい状況

いわゆるこれが抵抗戦力となり、まちが変われない状況にあるという指摘は、歴史のあるまちであるほど、動けないようになっています。
これが本当にやる気ある者の意欲を削がないようにすることが重要。

・まちのなかのどのエリアに絞って死守するのかという文字どおりのデッドラインを見極めなければならない。そうやって、限られた範囲に限られた資源を集中し、変化を生み出すしかない

中心市街地の概念は時間とともに変わるかもしれない。また、全体を活性化させようとして中途半端な結果に終わることを危惧している。著者は、まちを変えていくための最初のステップとして、ここを強調しています。苦渋の決断かもしれませんが、確実に成果を出すことから始めなければなりません。
そのためのポイントとして以下を挙げています。
・覚悟を持って絞り込め
・あくまでも民間の主導で決めよ
・メインストリートにこだわるな
・成果にしたがって連鎖・拡大を目指せ

どうしても全体最適を求めてしまいがちですが、まずは小さいところから成功事例をつくり、その成果を拡大していく、ということ。この時代、大型の開発ばかりできるわけではないため、心にとどめておく必要があります。

<この本から得られた気づきとアクション>
・著者の言うバリューネットワークの逆転現象により、今後のまちづくりの方向性が変わってきていることは理解できた。
・ただ、それをどこから対応していくか明確な答えが見つからない
・リノベーションの成功例などを見ると、不動産オーナーの役割が非常に大きいと感じるが、その一歩を踏み出すための何かが必要
・本書にも成功事例が多く紹介されているが、これらの成功例を各地につくり、明らかにしていくことが、意識を変えることにつながるのではないか。
・また、そのような意識のある人を見つけ、支えていくことが今後求められる。これは1人の力ではなく、まち全体で共有すべき課題である。

<目次>
CHAPTER 1
お金とお客は「正直」だ まちの姿にはワケがある
1-1 都市の中心部と郊外 君はどう感じるか?
1-2 まちの「表の顔」から 個性が消えていった…
1-3 ひっそりと守られた まちの裏側の「趣き」
1-4 転換期の幕開けが来た まちの流れは変わる!

CHAPTER 2
まちはなぜ大きくなった? 統計の「数字」から遡る
2-1 新しい時代の価値観は 新しいゴールを求める
2-2 数字の動きから把握する まちの拡大・縮小の原理
2-3-1 製造力の拡大から転換し まちの維持が課題になる
2-3-2 終戦~1950年代
2-3-3 1960~1970年代
2-3-4 1980~1990年代
2-3-5 2000年代~現在
2-4 これからの「つくる」は「 量の供給」とは違う

CHAPTER 3
まちの「仕組み」を まずは頭に入れよう
3-1 プレイヤーのつながりを見渡し まちを理解する
3-2 お金の「整理の方法」から まち全体をイメージする
3-3 経営の視点を持ち込み「 血行」の改善を図る
3-4-1 売る⇔買う
3-4-2 仕入れる/ つくる
3-4-3 貸す~借りる
3-4-4 建てる
3-5 そこに「集まる」ことで 固有の魅力が生まれる

■CHAPTER 4
全てがひっくり返った 発想を逆転させよう
4-1 「いい時代」が過去になり 常識がガラッと変わる
4-2 供給者優位が終わり 全て消費者の主導に
4-3 関係の逆転を前提に まちをつくり変える

[逆転時代のモデル]
4-4 新たな挑戦者のために 安くても儲かる構造に
4-4-1 市・屋台
4-4-2 DIY・セルフビルド
4-5 複数の収入源を確保 相乗効果を持たせる
4-5-1 ネット販売
4-5-2 コンバージョン(用途転用)
4-6 集まる強みを生かして コストの構造を見直す
4-6-1 シェア
4-6-2 コラボレーション
4-7 複数の役割を兼ね 粗利を大きくする
4-7-1 製造小売

■CHAPTER 5
日本の各地で胎動が それぞれの「守り方」
5-1 まち間の競争を常に意識し 一体になって守りを固める
5-2-1 枚方宿くらわんか五六市、鍵屋別館(大阪・枚方市)
5-2-2 北の屋台(北海道・帯広市)
5-2-3 北浜alley、N.Y. GALLERY(香川・高松市)
5-2-4 co-lab(東京・渋谷ほか)
5-2-5 メルカート三番街/ポポラート三番街(福岡・北九州市)
キープレイヤーに聞く 嶋田洋平さん/企画・設計者
5-2-6 米子市中心市街地活性化(鳥取・米子市)
キープレイヤーに聞く 杉谷第士郎さん/タウンマネージャー

■CHAPTER 6
すぐに実行に移そう 変革を導くステップ
6-1 無理をせずに利益を生む それが力を取り戻す源泉
6-2 まちを事業体に見立て それぞれの役割を再考
6-3 資産活用や費用削減 基本に忠実に進める

[エリアを守り、まちを変革する7つのステップ]
6-4-1 ステップ1:まずは守り抜く エリアを決めろ
6-4-2 ステップ2:まちに残る資源を 手元にかき集めろ
6-4-3 ステップ3:まち会社をつくって すぐに行動開始せよ
6-4-4 ステップ4:機敏に動けるように 独自の作戦を立てろ
6-4-5 ステップ5:スピードを緩めずに 成果の連鎖を起こせ
6-4-6 ステップ6:成功には安住せずに 新たな策を繰り出せ
6-4-7 ステップ7:手を離せるくらいに 変革を軌道に乗せろ
6-5 まちの変革に向かい 現場が直面する課題

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Posted by ブクログ 2014年03月30日

地方都市は点から攻めて線へ、やがて面へというゲリラ的開発が真っ当。面開発なんて東京、大阪くらいしかできない。
誤植多すぎなのでマイナス1点。

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Posted by ブクログ 2014年01月17日

まちの振興のためにはどのように行うべきか、原因と結果をしっかり見るなどの方法論が述べられている。当たり前のことができていないのがまちづくりの分野で、気をつけなくてはいけないと思う。いくつかの事例が入っている。
地方都市は裏路地が熱い。一等地は地主のプライドで簡単に安価で貸し出さないから裏に面白いのが...続きを読む集まる。
足を運びたくなる空間体験、空間価値がたいせつ。
市や屋台は新規出店を試す場となる。
不動産オーナー、商店経営者、消費者と金融機関、建設関係者を含めたバリューネットワーク。

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Posted by ブクログ 2013年08月25日

バリューネットワーク(バリューチェーン)の基軸で従来と現在の商店街の変化を示し、ボトルネックとなる部分を照らし出す。そこからまちづくりのポイントを示して成功事例と照らし合わせる。
非常に明快で勉強になる本でした。

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Posted by ブクログ 2013年08月16日

地方都市でのまちづくりの取り組みとか成功事例とかが載っていて、それらを分析したまちづくりのスキームとかも載っています。

 まちの仕組みを「バリューネットワーク」で捉えて、価値の流れを意識しましょうと、そしてモノが売れにくくなるので、川下の消費者から出発した事業スキームを組みましょうと。そうなると、...続きを読む規模の経済が働きにくいので、小資本でのヒットエンドラン作戦になるんですね。
 なるほどなるほど、なんですが、地方都市の「まち」の衰退原因は需要不足ではないので、その解決策として消費者から出発する考え方というのは、一般論すぎて、それがまちの回復につながるかは少し疑問です。それ以外にロードサイド店舗とか人口移動とかの問題の方が影響が大きいと感じます。
 ですが、嗜好が多様化したからこそ、まちでの消費が再び可能性を帯びてきたとも考えられます。商品の機能だけでなく、その商品を買う行為、買う場所の雰囲気とかも影響するようになると思うので、いい感じの商店の集積ができれば場所の価値が高まて人が集まる気がします。サービス業は地産地消ですからね。
 さらに、都市開発的に見るとリノベーションは新築の代替手段となってるけれど、(防災とか考えると断然新築という風潮がある)リノベーション施設のほうが魅力があるという感覚はそう少なくないと思います。個人的には混ざりっ気のある雰囲気が好きです。地方都市のまちおこしが、全世界から人を集めるベースになればいいなと思います。

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Posted by ブクログ 2013年05月09日

2013年04月 05/19
最近話題?な本。考え方はその通りで、実践してるケースも魅力的でした。自分にどんなことができるのかを考えながら読むと読み終えるまでに時間がかかります。doしなきゃなぁ。

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Posted by ブクログ 2013年05月05日

確かにこの視点で書かれた本はお目にかかったことがなかった。何か仲間とプロジェクトづくりをやっている感じに思えた。
行政目線で読んでみると、まちにとって有効なお金の使われ方は?を考えさせられる。事業に対しての助成もいいが、筆者のいう通り、まちづくりプロジェクト(=まちプロ)を実践的に創出していく場に対...続きを読むして、行政の積極的支援があっていいと思う。民間ではもっていない情報やネットワーキングを必ずもっている。まちプロの担い手の育成支援など、多様な支援メニューを持っていた方がいい。

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Posted by ブクログ 2020年04月09日

『まち』の衰退に対して問題意識を持ち、今後も生活の場所として持続させるために何らかの行動が必要だと感じている全ての人に向けた一冊。
『まち』を新しい時代に対応できるカタチにつくり変えるための“教科書”。高度成長の時代と同じ発想のままでは、「まち」という大切な場所が廃墟になってしまう。これからは、昔の...続きを読む発想とは真逆の方法と行動が求められる。

ポンチ絵も多くて、読みやすく、成功事例もたくさん載せてあって読み応えたっぷりでした。

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Posted by ブクログ 2017年10月05日

「まちづくりに携わっている人々はふたつに分かれる。ひとつは戦後50年近く続いた経済成長と成熟を体感してきた世代と、もうひとつは、バブル崩壊後の20年あまりの縮小と低迷の時代しか体感していない世代である。ふたつの間には大きな意識のギャップがあって、活性化のイメージもバラバラなので、意見がまったくかみ合...続きを読むわない。」(p36)という木下氏の意見は、ハッとし、なるほどと納得した。

私はもちろん前者の世代であるが、いまの若い世代の感覚は決定的に違うらしい。

われわれが考える繁栄とは、どうしても高度経済成長期のそれに引っ張られる。
典型的なのがバブルの時代で、あらゆることが軽躁的でバラ色だった。
インド映画のカラフルで楽しいダンスシーンみたいな時代。
みんな若くてバカでちょっとセクシーでもあった時代。
(もう一度繰り返したいかというと、それはまた別)

ただし、これは、一時的な現象であって、少子高齢化の進展とともに、状況は反転する。

これから考えるべき街づくりは、
「縮小を続ける国内需要に対応し、まちをそれに合わせてどうつくり変えて維持していくのかという点に目を向けなければならい」(p47)
という本書の指摘はまったくその通りだろう。

高齢化した商店主たちがそれに気づいているかというと、それはなかなか難しい。
過去の輝かしい成功体験があるし、うまくいかないとうすうす気がついていても、歳をとっては頭を切り替えが困難だ。
かれらの出番はもうないので、次の世代に期待するしかない。

だが、問題なのは、その動きを支援すべき国や自治体までもが、まだ状況の反転に自覚的ではない点で、過去の栄光を夢見みて、逆に足を引っ張っているのではないかという点だ。

第2章の戦後から現在までのまちをめぐる経済の成長と衰退を説明した章は、非常に説得的でタメになった。
言われてみればそのとおりだが、言われるまでは気づかなかったことを多々教えてくれる。

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