全国各地の地方都市は、時間的な問題(人口減少と内需縮小)と空間的な問題(まちの適正な規模維持の困難さ)、二つの面でデッドラインを迎えつつある。
これに対応するためには、まちを舞台にして行われる経済活動の流れ(バリューネットワーク)の概念を理解し、さらにその仕組みが時代の変動とともに適正な形に収まるよ
...続きを読むうなスキームの構築が求められる。
そのスキームは結局は、「まちづくり」を持続可能な事業活動としてマネジメントできる仕組み、ということになる。
マネジメントに関わるプレーヤーは、資産を持つ不動産オーナーや、実際に現場で商売を行う商店経営者の他に、取り組みそのものを推進するプロジェクトマネージャー、魅力的な空間を生み出すデザイナー、地域との絆をつなぐコネクション保持者など、様々なポジションの人材が必要とされる。
こうしたメンバーによる中核チームが「まち会社」を設立するところから始まる、と説かれる。
市民活動的な「まちづくり」から一歩踏み出す「必要性」と、その一歩を踏み出すための「覚悟」の双方を自覚させてくれる書籍である。
誰もが実践できることではないだろうが、まちづくりへの「関心」が「行動」につながるための実用的なヒントが得られることは間違いない。