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Posted by ブクログ
レーガン - いかにして「アメリカの偶像」となったか (中公新書) 新書 – 2011/11/24
現代史を知る上で熟知すべき人物
2013年5月13日記述
同志社大学法学部教授村の村田晃嗣氏の著作。
朝まで生テレビ等で早口でしゃべる姿が印象的な人物。
10年以上続いた同志社大学学長の八田英二氏に変わり現在の同志社大学学長を務めている。
世も末だ。
ロナルド・レーガン元大統領に関してまとめている本書。
難点をあげるとすると少々映画が多く取り上げられすぎている。
著者の趣味ということもあるのだろうが・・・・
有名な作品ならともかくあまり知らないものを取り上げるのは難しいと思える。
飛行機嫌いであること(そのため鉄道、自動車内での移動中読書に熱中した・・)やブッシュ親子の大統領当選に間接的に大きな影響を与えたこと(ブッシュJrの当選判決を出した裁判官5人の内4人はレーガン氏が選んだ人物達だった・・・)
立場は違えどオバマ大統領にも影響を与えている人物であるレーガンのことは日本でももっと知られて良いと思った。
本書でも触れられていたけれども断片的にしか知られていないのは問題だろう。
選別的な記憶、過去と現在と未来の架け橋となるタイムマシーン・・など
うまくレーガン元大統領を表現している。
いわゆるタカ派のイメージがあるレーガン氏。しかし妥協や包括的な策を多く取った政治家であり共和党内だけではなくアメリカを統合していたのだ。
冷戦を終わらせたのはゴルバチョフとこのレーガン氏がいたからだろう。
もし東西どちらかの大統領が違えばかなり異なる事になったかもしれない。
それを思うと今のアメリカのねじれ議会の現状を見ると妥協のない、決めることの出来ない、
偏狭的な発言、行動が続いており、これでは何も生み出せないのではないかと思えた。
Posted by ブクログ
「日本初のレーガン元大統領の評伝」というのが表向きの顔。
70年~80年代のアメリカ史からレーガンの政界立志伝について具にまとめられています。
政策の評価も作者には珍しく?中立的なのも好感。
一方、裏向きの顔はレーガンから見るアメリカ文化史。
特にレーガンの出演した映画についての説明も細やかなのに驚き。
映画、ラジオ、テレビと活躍の場を徐々に移していったレーガンだからこそ、各メディアの衰勢も興味深いものだった。
家族の大切さを訴えながら、離婚歴がある。小さな政府を目指しながら、増えていった双子の赤字。国防予算を増やしながら、遂に成し遂げた冷戦終結…
矛盾した顔を持ちながら、様々な名声を得ていったレーガン。
それを成し遂げたのはレーガンが有す「抱擁力」と「大きな物語」だったという村田氏の指摘には頷けるものがあった。
矛盾の多い日本社会にも、レーガンのような「大きな物語」を抱ける政治家が必要なのかな?と思ってしまった