【感想・ネタバレ】チョコレートの世界史 近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石のレビュー

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Posted by ブクログ

イギリスにおけるチョコレート産業の成立と展開をロウントリー社のキットカットから見ていく一冊。

中米のカカオ生産の歴史から始まりヨーロッパへの伝来の過程も追いかけているので、この一冊でカカオとチョコレートの世界的展開を概観できる。
歴史や流通・経済・産業・労働者の話が中心になってくるけど、会社の名前も商品の名前も身近なものが多いので、内容も入ってきやすい。

ロウントリー社の資料を使っているから当然とはいえ、労働者問題や販売戦略等々、卓越した企業であったことがよくわかった。

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2021年07月01日

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チョコレートというものが、アステカからマヤにかけて生まれ、ヨーロッパの植民地であったことから、スペイン、ポルトガルに広まり、フランスのルイ14世がスペインのハプスブルク家のマリーテレーズと結婚して、ココアがフランスに広まり、イギリス、オランダがやがて独占して、世界に広まっていったことが面白かったです

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2016年05月28日

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カカオがアステカ文明で珍重された話や、三角貿易に組み込まれていたあたりの話には目新しさはなかったが、
その後の話が面白かった。

十九世紀後半、労働者に必要なカロリーを、アルコールに代えて、砂糖、つまりはココアやチョコレートで摂るようになったこと、
イギリスのチョコレート業者がメソジストを中心に発展したこと、
メソジストが社会貢献に熱心なため、労働者の教育やモチベーションに配慮したチョコレート工場が経営されていたことなどが、興味深かった。

後半、
そのメソジストのチョコレート会社、ロウントリー社で考案されたキットカットについて、長く書かれており、あまり好きな味ではもないのに、食べたくなった。

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2013年04月24日

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カカオから、ココア、そして、チョコレートに至までの流れ、それがまず興味深かったです。

今や身近となったチョコレートでも、近代ぐらいまでは、貴族のもので、それが時代の移り変わりなどとともに、一般の人の口に入るまでになったその過程にも知ることが多かったです。


チョコレートは、栄養食品にもなるので、南極探検で有名なアムンゼン隊も大量にもっていって、役にたったとか。


そして、あの有名なお菓子「キットカット」の話とかも。

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2013年03月15日

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ページの多くを割いているのが、ロウントリー社が行った貧困・労働環境改善への取組み、キットカット関連の取組みについて。データが豊富で、読み応えのある興味深い内容だった。ココア/チョコレートの基本から歴史までじっくり味わえる良書。次回、チョコレートを買いに行くのが楽しみだ!

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2012年11月01日

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武田尚子氏が2010年に刊行した歴史書。

『砂糖の世界史』や『茶の世界史』と同様にチョコレート(カカオ)というモノからみた歴史書である。

チョコレートも砂糖も茶もやはり大航海時代から世界に広まり、各時代や地域によってさまざまな使われ方をしてきた。

物流からの経済史からの視点や労働者からみた歴史などチョコレートに秘められた歴史は奥深く面白いです。

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2023年09月24日

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くっ、読み終わったらキットカットが無性に食べたくなった罠。
あんまりチョコレート菓子は好きじゃないのだけど。
王侯貴族の薬的なドリンクから始まったチョコレートが庶民の労働者の手軽な栄養補給に至るまで。
そして今のチョコレート事情など。
もうちょっと最近のことまで書くなら、気候変動と病気によるカカオの絶滅の危機まで入ったかなぁ。
砂糖と乳製品も値上がってるし、今年も高級チョコレートは小粒化の一途だそうですよ。
というか、イギリスの奴隷制度廃止の発端は人道とかそういう話ではなかったんですね。
まぁそんなもんかなと思ったりしつつ。甘いだけじゃないビターなエピソードも多かったです。

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2023年08月19日

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ホットココアをお供に読みました。キットカットも用意しておけばよかった。

著者と目次からなんとなく察していましたが、世界史と銘打つにはロウントリー社とイギリスに特化しすぎな感。それで一冊書いても面白い本になったのではと思います。
世界史部分を知りたいだけなら、終章の綺麗な要約を先に読めばいいかもです

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2021年02月06日

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カカオ原産地中南米、スペイン侵攻により現地人が減少した為黒人奴隷が過酷な労働を担うことに。初めてココアを作った蘭バンホーテン、スイスでミルクチョコレート作りに成功したネスレ、キットカット大成功の英国などプロテスタント諸国。ココアとチョコレートの甘いだけではないちょっとビターな歴史。チョコレートを食べたことのない貧しい西アフリカの人々が今もカカオ農園を支えているらしい。

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2020年10月20日

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チョコレート・ココアの歴史がよく分かる名著。ただし、後半はチョコ産業を通した社会構造の変化に重きを置き過ぎてて、チョコマニアとしてはもっとチョコに特化して欲しかった。

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2018年06月05日

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19世紀までは、(チョコレートの原料である)カカオはとても希少価値が高く、「薬」として摂取されていた。20世紀になって量産体制が整ってから「スイーツ」としてのチョコレート・カカオが普及したそうです。
書籍の後半の主役は英ロウントリー社のKit Kat。戦時下では、十分な材料が確保できなかったために、青色の包装紙のKit Katで販売されていたというくだりは意外でした。今はちまたにKit Katはありふれており、その頃の食べ物のありがたさは分からないなと思います。

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2018年05月26日

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とてもおもしろかった。
本の中心にあるのはキットカット。キットカットの歴史は、それを生み出した Rowntree 社の歴史であり、それはイギリス福祉の歴史であり、それはクエーカーの歴史であり、三角貿易から自由貿易への歴史であり…という感じで拡がっていく。
拡がっていく、というのは読み終えてから見返した時の視点であって、それは著者が後書きに書いているこの本を書くに至った発端からの発展ではあるけれども、本自体は紀元前からカカオが人間とどう歩んできたか、どうキットカットに至るのか、というような構成になってる。キットカット奥が深い。

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2014年02月20日

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“薬としてのココア”から“スイーツとしてのチョコレート”への変遷。前に読んだコーヒーの歴史と重なる部分も多く面白かった。特に4章以降のイギリスのチョコレート工場の話が興味深い。クエーカー教徒が運営する、労働者を大切にするチョコレート工場。かつてカカオ生産の現場でインディオや黒人奴隷を使い捨てたのとは対照的だ。福利厚生を充実させることで、労働力を再生産する。青いパッケージのキットカットからは、消費者に対する誠実さも感じられる。食品偽装問題が騒がれている昨今の日本でもぜひ見習いたい精神。

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2013年11月02日

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フグやナマコなど、最初にこれを食べた人間は勇気があるとか語られたりする。それらとは別方向で意味不明な食べ物といえば私ならチョコレートを挙げる。複雑怪奇な製造法や産地と製造国の不一致など、お菓子の代表格としてでかい顔をしているが相当に不思議な食べ物である。
本書は本来アメリカ大陸で薬や疑似貨幣として扱われていたカカオがヨーロッパで菓子として市民権を得るまでとイギリスの産業社会の発展と寄り添ったチョコレートの歴史を紹介している。
カカオにとっては砂糖と紅茶がまさに運命を変えた出会いとなったが、奴隷制や植民地政策と密接なそれら作物との関係を思うと業が深い食べ物だと感じる。

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2013年06月06日

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アステカの貴族が飲んでいたカカオ飲料は、いかにして世界中で愛されるチョコレートになったのか?
食物の歴史から世界史を紐解くという作りの本はいくつかあるが、本書はなかなか出来のいい一冊だった。バレンタインの季節に書店にたくさん陳列されていたので、思わず手に取った一冊だったが、文句なしに人に勧められる。

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2013年03月12日

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国立科学博物館の「チョコレート展」が面白かったので読んでみた。中米の神々の食べ物から大西洋三角貿易でヨーロッパへ渡り、宮廷の飲みものから庶民のココア、チョコレートになるまでは、チョコレート展とほぼ同じ内容。イギリスのチョコレートの大衆化、産業化がクエーカー教徒によってなされた部分が詳しく書かれている。特に、キットカットのロウントリー社の歴史は、興味深い。19世紀から従業員の福祉制度を重視し、社会の貧困問題にも関心を持っていたとのはなしには驚いた。「近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石」とのサブタイトルどおりの内容で、チョコレート展で得た知識の整理と新たな情報により満足度が高い。

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2013年03月02日

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 中南米原産のカカオ豆から作られるココアとチョコ。西欧は当初いかに受容していったか。どのように変化して世界に広まったか。知るほどにチョコが食べたくなる一冊。
 19世紀以降の話が,イギリスの事例(そのなかでもロウントリー社の例)に偏ってるきらいはあるけど,カカオのたどった歴史がざっくりわかる。16-17世紀にスペインから,砂糖を加え熱くして飲む習慣がヨーロッパ中に広まった。当初は宗教的事情から「カカオは薬か食品か」論争が繰り広げられる。
 カカオ豆の胚乳部分を炒って,すりつぶしたのがカカオマス。それをプレスすると油が分離して,ココアケーキとココアバターが得られる。現在のココアはこのココアケーキからできる。プレスの技術は,1828年にオランダのヴァン・ホーテンが発明。それ以前は長らく油分の多いチョコレート飲料を飲んでいた。
 カカオマスにココアバター・砂糖・ミルクを加えるとチョコレートができる。油分を含むカカオマスにさらに油を加えて,砂糖を溶かし込みやすくしている。ミルクを加える技術は,1876年スイスのネスレらによる。だから固形チョコレートの誕生って,19世紀でだいぶ遅い。
 ヴァン・ホーテンやネスレ以外にも,リンツやキャドバリーやキットカットなど,ココア・チョコレートで有名な固有名詞がいろいろ登場。
 安定で安価な供給が可能になると,ココアもチョコも大衆化し,広告もいろいろ工夫される。ポスターなどの図も豊富に紹介されていて楽しい。有名なキャッチコピー「Have a break, Have a Kit-Kat」は1962年に始まったらしい。50年とは息が長い。
 あと,イギリスのカカオ産業を率いた会社が,いづれもクエーカー教徒の創業者をもつことは興味深い。大衆飲料を酒からココアへ,工場の労働環境を改善,など社会改良を目指す思想が,カカオ産業の成長を後押しした。
 本書では詳しく触れられていなかった,ベルギーなどヨーロッパ大陸のチョコレート産業。イギリスで大量生産チョコレートが確立した後,20世紀に消費の多様化が進んでいくにつれて家内工業的だった非規格品のチョコにも注目が集まる。業界再編も経て,今世界には多様なチョコレートが出回っている。ありがたいことです。

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2012年10月19日

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『チョコレートの世界史』

マヤやアステカで滋養強壮の薬品として嗜好されていた中南米原産のカカオが、いかにして世界中に普及してココアやチョコレートとして利用されるようになったか。そこには奴隷貿易とキリスト教が大きく絡んでいる。

カカオを発見したスペインやポルトガルは、現地インディオが人口減少するに伴って、アフリカから奴隷を連れてくるようになる。さらにカカオは西アフリカに移植され、大規模なプランテーションで生産されるようになる。後発のオランダやイギリスは、プロテスタント的な戒律から奴隷制を批判し、工業生産へと舵を切っていく。

主に薬品として王侯貴族の嗜好品に使われてきたカカオは、オランダやイギリスにおいて庶民が楽しめる甘味としての普及品となっていく。ココアパウダーからチョコレートへ、バンホーテンやキットカットといったブランドもその流れから誕生していった。

田園都市構想や従業員の福利厚生といった労働者の生活水準を上げることにも熱心だったチョコレート工場の経営者たちは、消費者を増やすことが自らの事業に繋がることを発見する。そしてヨーロッパから世界各国へとチョコレートは輸出されるようになり、日本においても好まれるようになっていった。

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2024年02月14日

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チョコレートの歴史。

珈琲と同様な歴史を辿っている。

チョコレートって最初は食事だったのかとか、

キットカットって最初の名前がちがうのかとか、

初めて知ることが多くて、楽しい読み物だった。

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2022年03月05日

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ネタバレ

もうすぐバレンタインデイ
目もくらむようなチョコが宝石のように並ぶ

特に食べたいと思わないチョコレートだが
昭和二十年代の子供の時は憧れだった
板チョコですら

原産地中米では、飲み物、薬、貨幣であったそうな
様々な歴史を経て(植民地の人々や黒人奴隷などの悲劇を含めて)世界中に広まっていった
砂糖と双子のように絡まりながら世界に広がっていった

産業革命・三角貿易・労働福祉
様々な問題を抱えながら歴史は進んでいった

イギリスの「キットカット」の歴史は興味深い
(実は私は食べたことがないのです)

今度チョコを食べるときしっかりとかみしめたいと思う
いや、とろけてしまうよね

≪ 恋人へ 神秘の薬 プレゼント ≫

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2022年01月10日

Posted by ブクログ

 カカオ発祥から現在に至るまでの流れを記した一冊である。

 紀元前からカカオの役割や使い方等から始まる。そして貿易と関わりながら「チョコレート」が発達してゆく。

 カカオやココア、チョコレートの変遷を通じて世界史についても学ぶことができた。時代や環境に応じて食べ物も形を変えていく、そう思えた一冊である

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2020年05月09日

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カカオ豆、ココア、チョコレートにまつわる歴史。カカオ豆が通貨の代わりだったり、ココア、チョコレートが宗教と密接だったり、薬として用いられたり、製造過程が変化していき、人々への浸透の仕方も変化していった変遷が興味深かった。カカオ豆は、長い年月を経て、さりげなく人々の生活のそばにあった。

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2020年04月10日

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●カカオ豆からどうやってチョコレートが作られるか、ヨーロッパで普及していくまでの歴史等、チョコレートの知られざる歴史について書かれた本。

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2019年02月11日

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ネタバレ

 「○○の世界史」シリーズ。一つの物にフォーカスして見ることで、単なる事項羅列、年号暗記だった歴史が物語になる。チョコレートに関しては、砂糖と同様に大航海時代から大きな変化が生じる。面白いのはカトリック圏とプロテスタント圏とでチョコレート(ココア)の生産体制、消費スタイルが異なる方向に進んでいったこと。これは「プロ倫」ともつながって興味深い。特にイギリスのクエーカー教徒がチョコレート会社を発展させたことは、歴史の流れの一部でもあるし、それ自体が歴史を作っている側面もある。

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2016年06月11日

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コンパクトによくまとまっている。ただ、多少はイギリスの歴史が分かっていないとつらいかも。
カカオ、ココア、チョコレートを縦軸に、植民地経済、世界システムが形成され、工業国家、福祉国家に変遷していく様子がよく分かった。

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2015年12月07日

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表題通り、中南米のカカオ豆が、大航海時代にヨーロッパに渡りココアになり、産業革命によってチョコレートとして展開していく流れが良く分かりますね。
筆者の専門分野かと思われますが、途中からイギリスの産業革命の工場の話に流れてしまい、何の本だか、って印象もして、近代チョコレートの話が少し物足りない感じもありました。
まあ、時間があれば、読んでみて損はないかな。

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2015年10月15日

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タイトルのおもしろさに惹かれて手に取ってみた。チョコレート好きなのも理由の一つかも。現在のチョコレートになるまでの過程を、様々な歴史的背景と交えて知ることができた。チョコレートがこんなにも歴史と深く結び付いているとは思いもよらなかった。

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2015年01月11日

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なぜか意外と知っていたチョコレートの歴史。とは言えもちろん、初めて知ることもちらほら。
お茶とコーヒーとチョコレートってほぼ同時期にヨーロッパに入って来たんだけど、他の2つよりはいまいち席巻しなかったんだよね。そのあたりの関係も整理できて、ちょいとすっきり。

最近『〇〇の世界史』を何冊か読んで、歴史の面白さを再認識。ある出来事が、ある事象に思いがけぬ因果をもたらしていた、と喝破することが歴史の醍醐味だと個人的には思う。

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2016年05月10日

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後半は20世紀前半の福祉中心の話とキットカットの話になる。高級チョコより、労働生産物としてイギリスのチョコ史を見れて面白い。ただ、チョコの世界史というかイギリス史なのは留意点、

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2014年09月17日

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ネタバレ

褐色のダイヤ、カカオ。薬品か食品かでカトリック内で論争も。貨幣価値としては、同時代の砂糖やコーヒーとはどう違うのか。とりあえず第2章まで。

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2013年01月24日

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