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カカオは原産地の中米では飲み物であると同時に薬品であり、貨幣にもなった。ヨーロッパに到来したときも、この珍貴な実の食用について激論が交わされたが、一九世紀にはココアパウダーや固形チョコレートが発明・改良され、爆発的に普及する。イギリスの小さな食料品店だったロウントリー家もまた、近代的なチョコレート工場を作り、キットカットを開発、世界に販路を拡大するが…。ヨーロッパ近代を支えたお菓子の通史。
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Posted by ブクログ
イギリスにおけるチョコレート産業の成立と展開をロウントリー社のキットカットから見ていく一冊。 中米のカカオ生産の歴史から始まりヨーロッパへの伝来の過程も追いかけているので、この一冊でカカオとチョコレートの世界的展開を概観できる。 歴史や流通・経済・産業・労働者の話が中心になってくるけど、会社の名前...続きを読むも商品の名前も身近なものが多いので、内容も入ってきやすい。 ロウントリー社の資料を使っているから当然とはいえ、労働者問題や販売戦略等々、卓越した企業であったことがよくわかった。
チョコレートというものが、アステカからマヤにかけて生まれ、ヨーロッパの植民地であったことから、スペイン、ポルトガルに広まり、フランスのルイ14世がスペインのハプスブルク家のマリーテレーズと結婚して、ココアがフランスに広まり、イギリス、オランダがやがて独占して、世界に広まっていったことが面白かったです...続きを読む。
カカオがアステカ文明で珍重された話や、三角貿易に組み込まれていたあたりの話には目新しさはなかったが、 その後の話が面白かった。 十九世紀後半、労働者に必要なカロリーを、アルコールに代えて、砂糖、つまりはココアやチョコレートで摂るようになったこと、 イギリスのチョコレート業者がメソジストを中心に発展...続きを読むしたこと、 メソジストが社会貢献に熱心なため、労働者の教育やモチベーションに配慮したチョコレート工場が経営されていたことなどが、興味深かった。 後半、 そのメソジストのチョコレート会社、ロウントリー社で考案されたキットカットについて、長く書かれており、あまり好きな味ではもないのに、食べたくなった。
カカオから、ココア、そして、チョコレートに至までの流れ、それがまず興味深かったです。 今や身近となったチョコレートでも、近代ぐらいまでは、貴族のもので、それが時代の移り変わりなどとともに、一般の人の口に入るまでになったその過程にも知ることが多かったです。 チョコレートは、栄養食品にもなるので、...続きを読む南極探検で有名なアムンゼン隊も大量にもっていって、役にたったとか。 そして、あの有名なお菓子「キットカット」の話とかも。
ページの多くを割いているのが、ロウントリー社が行った貧困・労働環境改善への取組み、キットカット関連の取組みについて。データが豊富で、読み応えのある興味深い内容だった。ココア/チョコレートの基本から歴史までじっくり味わえる良書。次回、チョコレートを買いに行くのが楽しみだ!
武田尚子氏が2010年に刊行した歴史書。 『砂糖の世界史』や『茶の世界史』と同様にチョコレート(カカオ)というモノからみた歴史書である。 チョコレートも砂糖も茶もやはり大航海時代から世界に広まり、各時代や地域によってさまざまな使われ方をしてきた。 物流からの経済史からの視点や労働者からみた歴史...続きを読むなどチョコレートに秘められた歴史は奥深く面白いです。
くっ、読み終わったらキットカットが無性に食べたくなった罠。 あんまりチョコレート菓子は好きじゃないのだけど。 王侯貴族の薬的なドリンクから始まったチョコレートが庶民の労働者の手軽な栄養補給に至るまで。 そして今のチョコレート事情など。 もうちょっと最近のことまで書くなら、気候変動と病気によるカカオの...続きを読む絶滅の危機まで入ったかなぁ。 砂糖と乳製品も値上がってるし、今年も高級チョコレートは小粒化の一途だそうですよ。 というか、イギリスの奴隷制度廃止の発端は人道とかそういう話ではなかったんですね。 まぁそんなもんかなと思ったりしつつ。甘いだけじゃないビターなエピソードも多かったです。
ホットココアをお供に読みました。キットカットも用意しておけばよかった。 著者と目次からなんとなく察していましたが、世界史と銘打つにはロウントリー社とイギリスに特化しすぎな感。それで一冊書いても面白い本になったのではと思います。 世界史部分を知りたいだけなら、終章の綺麗な要約を先に読めばいいかもです...続きを読む。
カカオ原産地中南米、スペイン侵攻により現地人が減少した為黒人奴隷が過酷な労働を担うことに。初めてココアを作った蘭バンホーテン、スイスでミルクチョコレート作りに成功したネスレ、キットカット大成功の英国などプロテスタント諸国。ココアとチョコレートの甘いだけではないちょっとビターな歴史。チョコレートを食...続きを読むべたことのない貧しい西アフリカの人々が今もカカオ農園を支えているらしい。
チョコレート・ココアの歴史がよく分かる名著。ただし、後半はチョコ産業を通した社会構造の変化に重きを置き過ぎてて、チョコマニアとしてはもっとチョコに特化して欲しかった。
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チョコレートの世界史 近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石
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武田尚子
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