感情タグBEST3
Posted by ブクログ
空想の中で名探偵と語る「瑠雫」と、なぜかそれが見える勇真の二人が主人公格で、加えて女子の父親の3人が話を引っ張っていく。
まず設定が謎解きに全く関係ない、というのに安心した。
大体こういう設定だと、空想探偵が快刀乱麻の名推理で難事件を解決!ということになりそうなもんだけどさにあらず。
空想探偵は、空想だけあって瑠雫の能力以上のことはできず、どちらかというとブレインストーミングの相手、という配置なんだろうな。
実際の謎解きは、この3人が集まったり分かれたりしながら進むので安心して読んでいられる。
トリック自体は、物語の中で説明されているとはいえ若干物足りなさを感じざるを得ないし、連続殺人の動機も??という感じなので、正直謎解きパートに入ってからはがっかりしていたんだけど……。
そこから延々50ページにわたる最後の場面は圧巻だった。
現代では、密室はHow?よりWhy?のほうが大事とはいえ、そろそろWhy?も意外性のあるものは出尽くした感がある中で、これはびっくりした。
そして同時に、ここまでの物語をよんでいると納得も出来る。
犯人、動機、死ななければならない理由、それぞれががっちり結びついている。
何をどう語ってもネタバレになるけど、これは傑作だと思う。
もう一つ。
主人公たちの設定とこれまでの行動すら、最後には(物語内の論理ではあるけど)真相が明かされていくというのも衝撃。
最後まで、どっぷり漬かって楽しむことが出来た。
Posted by ブクログ
新シリーズ?
”空想能力”を持つ大学生・瑠雫と、彼女に片思いの勇真の物語。
<あらすじ>
推理小説が大好きな瑠雫は、小説に出てくる探偵を”空想”で呼び出すことができる。
でもその探偵はあくまで瑠雫の空想なので、ホームズだろうがポアロだろうが
瑠雫の思考範囲内なので、推理力は瑠雫と同等
しかも残念ながら瑠雫と勇真にしか見えない― なんか微妙な能力。
そんな2人が、仲の良かった人気女優・日下部陽子の死体を発見する。
現場は小さな通気口があるだけの、扉も窓も鍵がかかった密室
さらに陽子の死因となった刃物は密室内から見つからなかった。
自他殺双方を捜査することになった警察
瑠雫と勇真も独自に捜査
そこに警察官である瑠雫の父も加わる。
数日後
陽子を大批判していた映画監督が殺害される。
現場は陽子の事件と似た状況の密室だった。
徐々に明らかになる真実、、、
陽子の夫の不倫・謎の脅迫状・瑠雫の母が誘拐され殺害された過去・・・
そして瑠雫が何者かに誘拐される。
果たして一連の事件の真相とは?
<感想>
他の作家さんもやってるカーの「密室講義」があり
他の作品で何度もコスられた題目なのでチョット退屈だった。
序盤から犯人と大まかな動機は予想できたけど、それでも面白かった。
”空想能力”が有効的に使用されなかったのが残念だった。
Posted by ブクログ
「密室」にこだわったミステリ。
終盤の目まぐるしい展開はお見事!
クリスティ、カーの作品と、その登場人物がチョコチョコ登場するのは面白い。
ただ、「空想探偵」という設定があまり活かされていない気がする。
Posted by ブクログ
名探偵を空想してリアルに会話するミステリマニアの女子大生と、その空想が知覚できてしまう友人が探偵役というのが面白い。知人の死体の第一発見者となった二人は事件を解明しようとするが…
密室に頸動脈を切断された死体、自殺の動機はなく凶器も見当たらないが、密室であるため自殺か他殺かも不明という状況や、二転三転する展開、終盤に明らかになる真相はいかにも新本格ミステリという感じで面白かった。
しかし空想で探偵を出現させてしまうといっても、あくまでも推理するのは本人なので快刀乱麻を断つというわけにはいかない。せっかく面白い設定なのに謎の解明にはあまり生かされていなかったのが残念。
Posted by ブクログ
今回は「キョウカンカウ」シリーズとは別作品(ゆる~くリンクはしていますけど)。密室の謎解きがメインではありますが、それ以外のおかずもそこそこ充実しているので楽しめました。密室マニアにはお勧めできません。