【感想・ネタバレ】心の傷を癒すということのレビュー

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Posted by ブクログ

河村直哉氏の解説に安医師の文章を載せている。これがこの本の全てかなと思う。「苦しみを癒やすことよりも、それを理解することよりも前に、苦しみがそこにある、ということに、われわれは気づかなくてはならない。だが、この問いには声がない。それは発する場をみたない。それは隣人としてその人の傍らに佇んだとき、はじめて感じられるものなのだ」

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2023年03月06日

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本文の中か、テレビドラマのセリフかは忘れましたが、安先生が語る「心をケアするとは、一人ぼっちにさせないことだ」という言葉が印象的でした。また、最後にこれからの私たちへの問いかけとして「今後、日本の社会は、この人間の傷つきやすさをどう受け入れていくのだろうか。傷ついた人が心を癒すことができる社会を選ぶのか、それとも傷ついた人を切り捨てていく厳しい社会を選ぶのか‥」と問うています。

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2020年05月28日

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ドラマに感銘を受け、読みました

「心の傷を癒すということ」その意味と意義が、優しくも力強い筆致で語られる名著です。
そこには、間違いなく大災害の中で苦闘した安先生の姿が感じられます。

彼のメッセージを、今を生きる我々がついでいかねばならないと強く思います。

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2020年04月08日

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NHK のドラマを機に本書の存在を知り読んでみました。良い意味で期待を裏切る作品。震災後の心のケアに関する名著間違いなし。

NHK のドラマに感動し原作を読みました。
作者の安克昌氏は2000年12月2日、肝細胞がんのため39歳で逝去。ドラマは筆者の生涯を描いてた。本書は筆者の遺した震災の貴重な記録。

期せずして被災者としてかつ救護者の身となった精神科医。日本ではさほど注目されていなかった惨事ストレスに関する初期研究であろう。被災者でなければ書けなかっただろう。

筆者の短かった生涯を知らずとも名著の部類に入るだろう作品。ドラマの感動とはまた違った感動がここにありました。

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2020年03月15日

ネタバレ 購入済み

分かりやすく丁寧

ドラマを観てこの本を知った。震災当時子供で医学知識の全くない、私にも分かりやすくて非常に丁寧であっという間に読み終えた。安先生がどこまでも被災者の方や患者さんに寄り添い、優しい眼差しを向けておられたのが良く分かる。安先生が若くしてお亡くなりになったことが本当に残念でならない。

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2020年03月01日

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ようやくにして読み始めた。
安先生の言葉のひとつひとつが心に染み渡るぜ。
今回の東北大震災にはどのような形で安先生たちの経験やこの本の中で指摘されていたことが生かされているのか追いかけてみたい衝動。

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2012年01月14日

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被災とは、建物の下敷きになることだけではない。生き残ってからがスタートなのである。
生き埋めになった人を助けられなかった自責の念に駆られ続けること。倒壊した建物を見てはその下でゆっくりと死を迎えている人がいるかもしれないと考えること。大切な人を失った悲しみに耐えながら生きること。プライバシーがなく住環境が整わない避難所で隣人と折り合いをつけながら生活すること。一切の娯楽がないまま一秒一秒時が過ぎるのをじっと待ちながら生きること。地震が起こる前と後の景色を重ねて地震がなかった未来を思いその度に絶望しながら生きていくこと。地震が起きる前に戻りたい、という叶わない願いを抱き続けること。あのときこうしておけばよかったと後悔すること。数ある苦しみを想像して、それがなるべく小さくなるようにすることが、防災そして減災になるのだと思う。

能登半島地震で被災された方々は、今まさに苦しみの最中にいる。その苦しみがどんなものなのか
知るためにこの本を読み返した。
心に傷を抱えた人がいるということを知っておくこと、忘れないことだけは、今の私ができることだと思った。

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2024年01月08日

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誰かが心に傷を負ったならば、
「寄り添う」ということが求められる。
言うは易し行うは難しで、実際に行うことは途方もないことの積み重ねなのだと思う。
コロナ禍で、広く薄く皆少なからず傷ついている。
きっと私も。
それを受け入れて、負の感情を解消していきたい。

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2022年11月13日

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1995年阪神淡路大震災で心療ケアに従事された精神科医安克昌先生の著書。阪神淡路大震災をきっかけに、大災害に対する救援・避難・ボランティア・心身ケアの議論が幾度となくなされ、従事される方々の言葉に尽くせぬ努力もあり災害対策は(至らぬ部分はあれど)当時より大幅に改善された。その「当時」を知る貴重な叙述・分析である。今でこそPTSDなどの一般理解が進んだものの、平成初期は昭和の名残もあり「心の在り方」は疎かにされており、環境激変すなわち大災害ではその歪が顕著に表れるのに対して、成す術なく放置されていたように思う。崩れたものがそのままの形で戻ることはないものの、在り様を嘆き悲しみそして受け入れて新たな受容を育む、そうして「心の傷を癒すということ」について色々考えさせられた一冊である。

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2022年05月20日

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今回の東日本大震災をずいぶん重ね合わせて読むことが出来たと思う。
「心のケア」についても,本当に被災地に必要なことは何か考えさせられる1冊。

この作者による著書がこれしかないのが残念なくらい,
分かりやすく読みやすかった。

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2011年09月06日

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 本書の著者を知ったのは、本書の「序」も書いているが、中井久夫の本を通してだった。
 心のケア、ボランティア、PTSDなど、今では当たり前に使われる言葉となったが、そのきっかけとなったあの阪神淡路大震災。著者は、自ら被災しながらも、現場の最前線で活動に尽力する。そして本書では、震災直後とその後のケア、避難所や仮設住宅をめぐる現実、救護システム構築の難しさやボランティアの役割などについて著者の問題意識に立った率直な思いが綴られる。
 また特に著者の専門とする精神医療については、時間の経過や環境の変化に応じて、障害の状態や子どもたちの状況がいかに変化していくか、そしてそうした人たちに寄り添うことの大切さなどが分かりやすく論じられている。

 著者が家族を残して若くして亡くなってしまったことを知っているだけになおさら、著者のメッセージを大切にしていきたい。

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2023年10月01日

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ネタバレ

読む前は、PTSDなどに対する専門的な臨床の方法が書かれていると思っていた。もちろん少しはそのことが書かれていたが、大半は阪神淡路大震災直後から1年後あたりまでに著者が経験したこと、そしてその中で心の傷を癒すということを改めて考えていく様子であった。
著者の考えをまとめると以下のようになる。震災において、心に傷を負うということは当然のことだ。そして、その傷を癒すためには医者だけでなく、周りの人たちが持続的に粘り強く寄り添っていく必要がある。
つまり、これさえあれば治せてしまうような医療技術は存在せず、また医者がどれだけ努力したとしても限界があり、社会や周りの人たちの協力が大切だということだ。

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2020年06月03日

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