感情タグBEST3
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だいぶ以前に読んだ作品だが、心に残る。三重県の海の先の辺鄙な土地に家を建て、時折都会から逃げるようにやってくる作家。少しづつ庭を整備し、周りの人々と付き合い、老いた母の心配をしながら、ここで暮らすひととき。小さな世界かもしれないが、終の棲家はこんなところが良いなあ、と思わせる作品。
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真っ白の装丁に風景の写真の帯があまりにも素敵で手にした本。
最近、装丁買いばかりのような気もするけど、また、静かな素敵な文章を書く方を知り、うれしい。
最近は、一気にものすごいスピードで本を読んでしまうことが多いのだけれど、この本は本当にゆっくりゆっくり読んだ。
気負うことなく、日々を淡々と過ごす中で、自分の身体と心をチューニングしていく姿にほっとさせられた。私が山に夢中になる理由と重なる気がして。ざわつく心をしずめられる、そんなお話。
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東京暮らしから田舎暮らしへと移っていく主人公が
他人事でない感じがして。。
「農業に使うカレンダー」をわたしも歳を取ったら使ってみたいと思う。
10年後とかにまた読み返したい本。
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人生の中の、ひと時の休養・・・志摩半島での一年の暮らしぶりを四季の六倍のグラデーションで表現する暦、二十四節気に准えながら書かれた小説です。初老の扉の前に立ちながら志摩半島の自然の中で人生の侘び寂びと共に綴られていきます。人生の甘い辛いも噛み分け山谷も知る 主人公の 『私』 が異なりて遠からぬ近隣の住人と半島の森や海、自然に触れながら生きていくことの悲喜交々を語っていきます。近い将来その季節(齢)をむかえる読者(私)の心の中にも深く染み渡りました。
私小説とも随想とも物語とも思われる語り口は読む者の心を癒し志摩の、おおらかな自然の中で共感を得ることができました。
読後感=半島にて・・海の小道、森の小道を随想と共に歩き・・・・
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東京のマンション住まいをしている主人公は、三重県志摩半島で一年近くを過ごす。そして、東京を引き払って引っ越すことを決意するのだった。
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東京から半島へ。都会から田舎への乗りとは全く違う。東京のスピードとは違う自分にふさわしい速度とは、生き急がない速度。でもいざ東京を離れる時の思いは望郷の念と表裏一体。なんか分かる気がする。
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最近島とかジャングルとかあまりなじみのない自然を描いてある小説ばかり選んでしまっている。著者の自伝的な小説なのだろうか。稲葉真弓の作品を初めて読んだしプロフィールもほとんど知らない。ただ「半島」に惹かれた。自分がこのような生活をしたいとは思わないんだけど読んでいる分には心地いい。それにしても人間ここまでのんびりできるものなのだろうか。私もかなり毎日のんびりしてるけどここまでのんびりは出来ないなぁ。
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どこか艶っぽい稲葉さんの文章で表される半島の様子。
「年取ると花鳥風月に惹かれる」とか「自然の元気をもらう」とか
そういう手垢のついた言葉とは無縁な、もっと突き動かされる感じが、
淡々としみじみと、でも押し付けがましくなく伝わってきてよかった。
海松も読んでみたい。
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前作の「海松」もそうだったが、もう少し年齢を重ねてから読んだほうが、その良さが分かるのではないか、と思いながら、淡々と読んでいた。
終盤にさしかかり、主人公の女性(おそらく作者)が、人気のない海岸で、一人海水浴を楽しむあたり、力をいれなくても、浮力だけで人は生きていける、ただじっとしていればどこかに運ばれていくのだというくだりに、最近水泳を始めた私はとても共感できた。
地に足をつけて歩いている間は、なにやら肩に力が入っていたり、思い通りにことが進まないとイライラしたりといったことがあるが、大海原に浮かべば人はとてもちっぽけな存在だ。そして、体の力を抜いてゆったりと浮かんでいるのはとても気持ちよく、確かにこの世に生まれる前、母の胎内でもこんな場所にいたのだろうかと思わされる。
最後に作者が大きな決断をしていることが分かる。ゆったりと体の力を抜くこともあれば、次のステップに向けて自分で舵を取ることも必要。そのバランスがうまく描かれているように思う。
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海松の続編といえる作品。
年を取るとともに価値観が変わり、居を移す。
その場所で自分らしく生きていけるなら素晴らしい。
自分のこれから先がどう変わっていくか、
考えてみると興味深い。
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半島で過ごした女性(50〜60代?)の一年間を描いている。自然にあふれる周りの環境と一体化し、やりたいことだけをやって過ごす毎日。
最終的にこの半島を終の住処とするに至る心情を、自然描写や周囲の人々との関わりを交え綴っている
この女性の過去やら人間関係を深く掘り下げて語られる事はない。
そのうち何かが起きるのか?と思いながら読んでいたけれど、最後まで…特には…で終了。
自分はいつも寝る前に読書するのだが、必ず眠りに落ちてしまい、この本は何日もかかってしまった。文章は嫌いではないのだがやや退屈な感じでした。
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2016.5.28
人も自然の一部なんだと思わせる作品
たんたんとした生活が心地良く、ひとが皆おだやかでゆったり時が過ぎてゆく
生きてゆくための最低限のものがあればいい
贅沢なのかも?
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稲葉真弓さんという女流作家の作品。残念ながらいままでこの作家さんの作品は読んでこなかったが、この作品を読んで少し読んでみたくなった。最近なぜか一般的に枯れた心境に至った人が描いた小説にぶちあたる。意図して選んでいる訳ではないのだが。この本の作者はある半島にかった別荘とも言うべきひなびた家での生活を思い切って始める。するといままでは都会生活を満喫していたと思っていた自分なのだが、あるがままの自然、草いじりなど半島の家での生活にはまり楽しみ尽くしている自分に気付く。そんなお話なのだが、昔の日本人のように暦にしたがって淡々と暮らして行く様や周りにすむ人たちとのコミュニケーションが瑞々しく描かれていて、Alone with the alone 孤独を楽しめる人間になれる人は強いなあとうらやましくなった次第です。乱読しているとたまにこのような本に出会えるのがうれしいです。
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四季の移ろいをたんたんと描写している。都会では味わえない自然との出会い,人との出会い。ゆっくりとした時間を味わうことのできる作品。あまり深読みはできませんでしたが。
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川端康成文学賞を受賞した「海松」(新潮社、2009年)の続編とでも言うべき内容。作品の中で取り上げられていた、孤独な志摩半島での別荘生活が、ほぼ一年に亘る四季折々の自然描写と共に、よりリアルな形で表現されている。老境の入り口に立った一人の女性・「私」が、物書きとしての生活の場でもあり、長く暮らしてきた東京のマンションを離れ、これまでも時折り訪れていた海辺の小さな別荘で暮らすことを決意する。こうして、自然と向き合う孤独な生活がほぼ一年に亘って語られる。相棒は猫一匹だけ。志摩半島の濃い自然に囲まれて、次第に猫も野生を取り戻す。社会とのしがらみを断ったつもりでも、孤独な夜には死者の幻も現われ出て、過去のよしなしごとを思い出す日々だ。