【感想・ネタバレ】サロメのレビュー

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平野啓一郎によるサロメ。解説でご本人が述べられていたが非常に少女性があるサロメになっている。好きな男を振り向かせようとして一生懸命なサロメ。だけど振り向いてくれず最後は殺してしまう。ヘロデも娘を振り向かせようと領土の半分を与えようとする。耽美的になりすぎず一方でサロメ独特の魅力も残したままうまく訳されていると思う。
平野さんの解説も出色で世紀末の京都の雰囲気が懐かしかった。田中さんのワイルドに関する解説もワイルド、サロメ理解を深めてくれるもので、田中さんのアドバイスがあっての平野訳ということでもあるのだろう。リヒャルト・シュトラウスのサロメとは違うということも解説を通じて知ることができた。
宮本亜門による舞台は見てみたかった。舞台は終わってしまうともう見れないから残念だ。当たり前なのだけれど。

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2021年12月26日

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サロメはあの絵が有名だからよく知っていた。でもまた絵で見るのと本で読むのとは違ってよかった。サロメの妖艶な感じがよく出ていると思う。

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2021年08月27日

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登場人物それぞれのつぶやきが、他の登場人物にまともに受け止められることなく飛び交いながら、事態は冷たい熱に浮かされながら、ラストに向けて一直線に進んでいく。そしてカタルシス。誰もがこの作品について語りたくなるのがよくわかる。平野の訳註や訳者あとがきもよいが、巻末の宮本亜門の文も面白かった。

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2021年08月14日

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戯曲。これがとても面白かった。今はもうこういうの出てこないだろうけど新訳で読みやすくなり雰囲気がつかみやすかった。何を見るかによって印象が違うかもしれないがそれぞれに何かを象徴していて印象的だった。

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2017年12月18日

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まずは新訳。表紙がなかなかホラー。そのうち鴎外にもとりかかりたいです。
言葉が右往左往する様が不穏でしゃーない(ドM顔で)
あとすごくほも

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2012年08月28日

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なぜ『サロメ』を平野啓一郎が?その狙いは?という答えは本人によるあとがきと宮本亜門が寄せた文章でしっかりと明らかに。そういうところから、この「古典新訳」シリーズ自体の意義や面白さについても考えさせられる。

ファムファタール的イメージに支配されない、無垢な乙女であるサロメ像が、奇を衒わない堅実な訳文から確かに浮かび上がっているように思う。その試みから、ワイルド→三島→平野の文学の系譜も見出せる。

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2024年03月13日

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大好きなオスカーワイルド。サロメという作品は聞いたことがあったけど、まさか幸福の王子を書いたオスカーワイルドが書いたとは思わなかった。

旧約聖書の一部分を抜き取ってお話にしたものなのかな。
サロメが残酷な方面に純粋だった。ラスト、我に返ったような手のひら返しがすごい(これはヘロデ王)。
ヘロディアは誰も見ていない、という記述が興味深かった。原典(フランス語)でも読んでみたいな。

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2023年11月01日

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ワイルドオスカー戯曲「サロメ」1893年(明治26年)刊行。平野啓一郎訳。三島由紀夫が自ら初めて購入した本とも。新約聖書を元に。兄である前王を殺し妃を奪い娘のサロメにもいやらしい目線を送る王。この婚姻を批判する洗礼者を牢に閉じ込める。サロメは洗礼者に一目惚れし、嫌いな王の前で7つ舞を披露し褒美に洗礼者ヨカハーンの首を求める。怖すぎです。

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2021年04月02日

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巨万の富を約束されても欲しいのは一貫としてヨナカーンの首。
頑固一徹。
王様に長々と説得されたとしても、欲しいのはあの人の首の一言。
一連のやりとりがとても滑稽でもあり、サロメのどうしようもない感じがまた狂気を感じました。
愛を知らないから?拗らせてしまったから?
純粋過ぎるから?後のとんでもない行動、斬首された人の首にキスだなんて‥想像するだけで気持ちが悪いですが、
愛していたからこそ出来る事でもあるのかもしれませんね。

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2020年05月06日

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妖しい月光の下、継父ヘロデ王の御前で艶やかに舞ってみせた王女サロメが褒美に求めたものは、囚われの美しき預言者ヨカナーンの首だった――少女の無垢で残酷な激情と悲劇的結末を鮮烈に描いた「世紀末最大の傑作」が、芥川賞作家・平野啓一郎の新訳で甦る! 宮本亜門舞台化原作。(裏表紙)

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2017年12月12日

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まるで完成された素晴らしい絵画のように、陰惨ながらもとても美しい物語でした。最後の、サロメがヨカナーンの首にキスをする場面が好きです。恐ろしく、グロテスクで、不条理極まりない、けれど完全に純粋な恋。美しい、と思います。

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2015年03月13日

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淫靡! その一言に尽きる。聖人に恋した王女サロメの「わたし、あなたの唇にキスしたいわ」は殺し文句。継父の子への執着、同僚の兵士を見つめる兵士と、禁断の愛要素にも満ちております……!

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2012年05月14日

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ネタバレ

先輩に薦められて。視線のドラマ。人は誰しも「悦びに呪われている」というのが引っかかる本でした。


<平野啓一郎解説>
・今回、私に《サロメ》の新訳を依頼したのは、演出家の宮本亜門氏
・「古典を権威にまで堕落させ」、新しい「美」の創造に対して古典を「棍棒として」振り回す保守的な読者への揶揄
・ワイルドのサロメは、もっと少女的で、愛らしい。強いて言えば純真。

・ヨカナーンの言葉は、大別して三種類
①人間ヨカナーンのつぶやき②預言者としての言葉③預言そのもの

・その無邪気なアプローチには、「ヨカナーン!お前の体が愛おしい。」と正直に語ってしまうような、母親譲りの欲望が露わになっている
・サロメには確かに 色気 がある。しかしそれは、自ら知悉し、自在に行使する色気ではなく、無意識に溢れ出てしまうような色気である
・サロメはつまり、「悦び」に「呪われている」のである。ここにこそ、サロメの悲劇性がある。サロメは決して、単に純真であるわけではない。しかし、よく誤解されているような淫婦でもない。純真であるにも拘らず、まったく身に覚えのない淫婦性を母から受け継いでしまっている。生まれながらにして、 バビロン的なるもの を帯びさせられている。
・しかし、果たしてそれは、独りサロメのみの問題であろうか?人間は誰もが、「悦び」に「呪われている」のではあるまいか?バビロン的なるもの を孕んでいるのではあるまいか?
・サロメはつまり、この後、キリスト教徒が苦悩し続けるあの原罪感覚を、キリスト教誕生前夜に、唐突に、 過剰に 担わされた人物として造形されている


・サロメとは違って、彼自身は「近親相姦」という「罪」を自覚し、怯えている
・ヘロデもサロメに魅了されている。そして、並行的にヨカナーンを尊重する
・これに対し、ヘロディアはヨカナーンをまったく恐れない。彼女には「罪」の意識もなく、ヘロデと違い、自らの寄る辺として高貴な血筋がある。迷信を一切信じない。

・「サロメ」は、視線のドラマ
・対象への欲望が、「見る」という行為にすべて直結している。そして、互いに相見るのではなく、一方的に見ることの悲劇性が、隅々にまで浸透している。
・ヘロディアの近習は、若いシリア人を見ている。
若いシリア人は、サロメを見ている。
ヘロデもサロメを見ている。
しかしサロメは、ヨカナーンを見ている。
ヨカナーンは神を見ている。
そうしてこの世界には、一つの大きな穴が空いている。神は人間を見ているのであろうか?
・登場人物中、唯一、誰も見ていないのが、へロディア

・純真なサロメの内側に、彼女をそそのかすバビロン的なるもの を内在させた、というのは、
ワイルドの非常に冴えた、革新的なアイディアだった。これによって、サロメは二重性を帯びた人物となった。まるで、我々そのもののように。

・彼らは、聖書の一エピソードを、こんなエロ・グロ・ナンセンスに仕立て上げてしまった、ワイルドの冷笑的な、 世紀末的頽廃美 に呆れ果てた。
ロンドンでは、《サロメ》は稽古中に上演中止となり、パリでの上演も評判は芳しくなかった。

・ワイルドは〈社会主義下の人間の魂〉の中で、「金持ち以上に金のことを考えている階級が社会にひとつだけある、そしてそれは金のない連中である。」と言い、貧困がいかに人間の個性の妨げになっているかを力説している。そして、イエスが貧者に言っているのは、こういうことだと解説する。「おまえにはすばらしい個性がある。それを発展させるのだ。おまえ自身であれ。おまえの完成が外的なものの蓄積や所有にあると思うな。おまえの完成はおまえの内にあるのだ。」
・欲望の対象を金ではなく、性的な「悦び」と読み替えるならば、このヨカナーンの台詞は、こう解釈できる。サロメよ、お前は、母より受け継いだ バビロン的なるもの によって「呪われている」。後にそれは、原罪と呼ばれるものだ。しかし、もしイエスの元で悔い改めるのであれば、お前は救われる。つまり、純真な「おまえ自身」であり得るのだ、
・サロメは、しかし、これに従わない。その意味さえ理解しない。むしろ、ヨカナーンの拒絶と侮辱に刺激されて、却って哀れにも「恋」を募らせてしまう。
・彼女がヨカナーンの首を求めるのは、ただその口唇にキスがしたいから
・ヨカナーンにどうしても会いたいという、彼女の最初のささやかな わがまま の延長上にある
・サロメは、我々の誰しもと同じように「悦び」に「呪われている」。
・今度こそ、彼女自身が罪を認め、償い得たかもしれないというまさにその時に、それを 赦さない のが、イエスではなく、「この世」の象徴たるヘロデである、という結末

<解説>
・男をその妖しげな魅力で滅ぼす〈 運命の女〉としてのサロメ像が誕生したと考えられる。その危険なほどに魅惑的な女性のイメージは、美と頽廃を集約するアイコン

<宮本亜門>
・『金閣寺』の稽古が進むにつれて、溝口という主人公が、サロメと酷似している点が多いことに気づく
・サロメはヨカナーンの首を斬らせ、溝口は金閣を焼く
・演出すること、それは常に改めて脚本に「問い」を投げかけ、探り、新たな発見をすることが役目だと思っている

・月もただの月ではなくて、ときに性的な象徴であり、ときに大人への儀式、生理的な象徴であり、ときに運命の象徴でもあると見えてきます
・この作品の中で漂う末期的な不安感は、世界不安の雛形かもしれません
・実は首を斬ったことが重要なのではなく、『金閣寺』であれば金閣を焼いたというスキャンダラスな結果に目的があるのではなく、なぜこうならざるを得なかったのかという、そこに向かっていく気持ちの出発点とプロセスが面白いのだと思います

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2023年06月04日

Posted by ブクログ

「ヨカナーンの首」「いやいや」「ヨカナーンの首」「いやいやいや」「ヨカナーンの首」「ええーい!」がコントのようで笑ってしまった。ヘロデの話を聞いちゃいないサロメかわいい。サロメのセリフは全部ゾクゾクする。
新訳と言われているこれが初めてのサロメだったので、これ以外を読んだら自分はどう感じるんだろう、という興味がでた。

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2015年08月13日

Posted by ブクログ

新訳なので、読みやすい。

キリスト教について知識があればもっと楽しめたかも。
解説をよんで学ぶことが多かった。

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2012年09月13日

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本編より解説の方が長いけど、解説の内容が理解できなかった。
聖書やワイルド、三島由紀夫の知識があったら多少は楽しめると思う。

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2012年07月05日

Posted by ブクログ

サクッと読めるのがいいねww
「おや?」っと思える伏線が「なるほど!」と解説で納得。
分かりやすいことは古典の美学だな!

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2012年05月19日

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