【感想・ネタバレ】演じられた白い夜のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 演劇でミステリをやることの困難の一つは、役者の格で犯人が分かってしまうことだ。そう考える小劇場界の鬼才・匠は畑違いの人材ばかり集めた劇の稽古を人里離れた山荘で始めた。名前ばかりだが、彼の妻で名の知れた女優の麻子も彼に命じられて稽古に参加する。しかし劇の中の孤立した島で殺された女役の女優が山荘でも怪死を遂げる。山荘自体も雪に閉ざされて、孤立してしまった。そして劇の内容をなぞるような連続殺人が始まった……。
 二重のクローズドサークル、劇を見立てるかのような実際の殺人、鮮やかな(雪の)密室トリック。ミステリとしても完成度は高いけれど、それより作者の関心はすれ違う愛の悲劇を描くことにある(はず)。
 クローズドサークルものの多くに現れる、定番と言ってもいい神様気取りとは真逆の、傷ついてばかりいる、ひ弱な犯人像が新鮮。

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2020年06月29日

Posted by ブクログ

なんでこんなにも小説の中の男女は入り乱れるんでしょう
現実でもこんなに簡単に殺意と愛情が入り乱れるんでしょうか
リミッターが振り切れればそうなるのかな

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2016年09月19日

Posted by ブクログ

山荘に集まった舞台俳優達によるミステリ
孤島モノの演劇が作中劇となり、その内容と現実がリンクしているようなしていないような?

東野圭吾の「ある閉ざされた雪の山荘で」と似ているけど
リアリティという点ではかなわないよね
現実的に山荘で孤立するとかを計画に入れた殺人計画って、考える奴はアホなんじゃないかと思う
偶然性の殺人ならまだしも…


ただ、犯人の動機や何やらは最後まで読むと納得できなくはない
他の方々はいいとばっちりだけどね

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2015年06月05日

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全体に漂う不思議な空気感が初めての感覚で、やや読み辛さはあるものの、著者のあとがきまで合わせて読むと、その空気感がマッチする。
ミステリ要素を含んだ純文学のような不思議な感じ。

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2012年12月22日

Posted by ブクログ

クローズドサークルかつ見立て殺人もの。
本編の合間に作中劇が組み込まれており、そのシナリオに沿うようにして現実でも事件が起きる。
個人的に事件そのものよりも登場人物達に興味が湧いてしまう。
特に麻子と2人の男の関係性が、本作でどう展開していくのかが気になって仕方なかった。

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2022年09月10日

Posted by ブクログ

 推理小説でも度々用いられる「クローズド・サークル」。外部との接触が断たれた空間に何人かが残され、そこで殺人が進行していくというもの。アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」や綾辻行人の「十角館の殺人」などが有名なところ。
 本作では、舞台を行う人たちが山奥のペンションに集められ、その練習する劇中でもクローズド・サークルが用いられている。つまり、二重のクローズド・サークルが仕掛けられている。そして、その劇に近い形で現実の殺人も進行していくという展開。劇というところが本作のポイントを占めている。役者には誰が犯人で誰が殺されるのかなどが記されておらず、少しずつ分かっていくようになっている。当然、被害者は以降の出番がなくなるわけで、それはつまり演劇者としての終わりを意味している。殺人の恐怖に追い詰められるばかりではなく、そうした演者間の微妙な心の揺れも描かれている。

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2022年04月04日

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演劇でミステリーをやる。演劇の上手い人が殺人役をやってしまうと、話の途中で犯人がわかってしまうので、役者はストーリーをほぼ知らされずに演技する。まさか、こんな感じになるとは思わなかった。

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2021年01月18日

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舞台俳優として成功する事を夢み同時に落伍者となる事を恐れながら演劇に励む人達の中で起こる殺人事件。演劇のシナリオと並行して次々と人が死んでゆく。いくら成功に餓えているとしても人が死んでいるのに舞台稽古を続ける感覚は理解できないが妙な乾いた空気感で物語はすすんでゆく。恐怖や緊張感を抑え気味にしているのはミステリとして魅力が半減していると思う。近藤さん初期の作品、構成の仕方など随所に光る物は感じる。

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2018年08月06日

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雪の山荘で発生する連続殺人事件と演劇の連続殺人事件。作中作を「一種の見立て殺人と思わせておいて、実は…」というお決まりのパターンでうまく収めていますが、被害者役が現実でも殺される理由に関してはやや肩すかし気味。
また、読みどころの一つである登場人物たちの心の機微も、主人公・麻子以外の女性が描き分けられていないのでやや不満が残ります。

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2017年05月13日

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1998年の作品。
新装版として2012年に出版された文庫。
近藤史恵さんは大好きな作家さんのひとり。
この本、さらさら~と読めますが、少し物足りなさも。

「BOOK」データーベースより
小劇場界の著名女優・麻子は、夫で演出家の匠に呼ばれ、雪深い山荘へやってきた。
山荘には匠によって、初対面である八人の俳優らが集められていた。
匠の新作は本格推理劇で、演じる側にも犯人がわからないよう稽古は行われていく。
台本が進行するにつれ、麻子を含む女優たちに疑心が兆し、それは恐るべき事件の形を取って表れた。
作中劇の中に隠された真相は―。

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2016年05月26日

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ネタバレ

普通の密室もの。劇中劇との交差等伏線は色々と張ってあるものの、全てセオリー通りで基本的なトリック。
目新しさはないけど、こないだ実験的なミステリー読んで、道に迷ったような不安感をもったので、こういうど直球の推理小説は安心できるなぁ

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2015年06月06日

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面白かった。
電話が繋がらないってのは、今の時代にはそぐわないね。孤島、山荘物には厳しい時代なのかな。

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2014年11月13日

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冷たい風、氷と雪に閉ざされた中、役者としての成功を死にもぐるいで求める者が集う。舞台脚本をなぞり、並行して起こる殺人ミステリー。役を争う骨肉どろどろで進むのかなぁ?と思っていたのだが、落としは少し切ない愛憎モノ。最後は乾いた空気感にやっとお湿り!女性視点が飛び交う。

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2013年05月10日

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恩田陸っぽい雰囲気。
雪の山荘と、劇中劇。
いい緊張感はあるんだけど、人物の描きわけとか伏線とかはちょっと弱かったかな。

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2013年01月13日

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近藤さんの作品では初期ものになるからなのか、今まで読んできた作品よりは物足りなかった。
登場人物が多いのに、それぞれの特徴が全員わかりずらくて何度も見返したりしました。

しかし、根底にある物静かなものは今の近藤さん作品にも通じるものがあると感じる。

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2012年12月15日

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