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幕末史から「○○史」を読んできたがこの本で一旦終了。私の祖母が生きた時代を感じたくなんとなく買ってみたのがきっかけですがこの方の本にめぐり逢えて良かった。自分がどういう国で生きているかを感じることができるこれからの未来を考える事の重大さを託された気がします。とにかくこの方がこの世にもういないのが残念です。
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シリーズ前作同様、講義形式でほんと分かりやすい。やはり戦後も国際情勢に大きく左右されてきたのですね。国際情勢と天皇と安保。そして、ひもじさ。この時代で形ができ今に直結してる訳ですから、この時代、ほんのちょっと前のこと、しっかりと勉強すべきだと改めて思いました。
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「半藤一利」が、昭和史を解説した作品『昭和史〈戦後篇〉 1945-1989』を読みました。
『昭和史 1926-1945』に続き「半藤一利」作品です。
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授業形式の語り下ろしで「わかりやすい通史」として絶賛を博した「昭和史」シリーズ完結篇。
焼け跡からの復興、講和条約、高度経済成長、そしてバブル崩壊の予兆を詳細にたどる。
世界的な金融危機で先の見えない混沌のなか、現代日本のルーツを知り、世界の中の日本の役割、そして明日を考えるために。
毎日出版文化賞特別賞受賞。
講演録『昭和天皇・マッカーサー会談秘話』(39ページ)を増補。
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歴史探偵「半藤一利」が、スタッフを相手に寺子屋的に行った昭和史の講義を編集した作品の完結篇です。
■はじめの章 天皇・マッカーサー会談にはじまる戦後
― 敗戦と「一億総懺悔」
■第一章 無策の政府に突きつけられる苛烈な占領政策
― GHQによる軍国主義の解体
■第二章 飢餓で“精神”を喪失した日本人
― 政党、ジャーナリズムの復活
■第三章 憲法改正問題をめぐって右往左往
― 「松本委員会」の模索
■第四章 人間宣言、公職追放そして戦争放棄
― 共産党人気、平和憲法の萌芽
■第五章 「自分は象徴でいい」と第二の聖断
― GHQ憲法草案を受け入れる
■第六章 「東京裁判」の判決が下りるまで
― 冷戦のなか、徹底的に裁かれた現代日本史
■第七章 恐るべきGHQの急旋回で…
― 改革より復興、ドッジ・ラインの功罪
■第八章 朝鮮戦争は“神風”であったか
― 吹き荒れるレッド・パージと「特需」の嵐
■第九章 新しい独立国日本への船出
― 講和条約への模索
■第十章 混迷する世相・さまざまな事件
― 基地問題、核問題への抵抗
■第十一章 いわゆる「五五年体制」ができた日
― 吉田ドクトリンから保守合同へ
■第十二章 「もはや戦後ではない」
― 改憲・再軍備の強硬路線へ
■第十三章 六〇年安保闘争のあとにきたもの
― ミッチーブーム、そして政治闘争の終幕
■第十四章 嵐のごとき高度経済成長
― オリンピックと新幹線
■第十五章 昭和元禄の“ツケ”
― 団塊パワーの噴出と三島事件
■まとめの章 日本はこれからどうなるのか
― 戦後史の教訓
■こぼればなし 昭和天皇・マッカーサー会談秘話
■関連年表
■あとがき
■平凡社ライブラリー版 あとがき
■参考文献
さすが昭和史の語り部ですね… 『昭和史 1926-1945』に続き、学校では、ほとんど習うことのなかった昭和史について、わかりやすく、そして読みやすくまとめてまります、、、
1945年(昭和20年)に降伏文書に調印してアメリカ(連合国)の占領が始まってから1951年(昭和26年)までの、象徴天皇制の採用や軍事力の放棄、財閥解体、農地解放等がGHQ主導で進められた占領の時代、
1952年(昭和27年)に講和条約に調印して独立し、1960年(昭和35年)までの、天皇の戦争責任や天皇制の在り方が議論され、平和と民主主義を巡る政治闘争が活発化し、六〇年安保という一大国内闘争を経た時代、
1961年(昭和36年)から1965年(昭和40年)までの、富を豊かにするという国家目標を実現した経済第一の時代、
1966年(昭和41年)から1972年(昭和47年)までの、東海道新幹線の開通や東京オリンピック開催、大阪万博開催、沖縄返還等、働いた成果が次々と出て、日本経済がぐんぐん成長した時代、
1973年(昭和48年)から1982年(昭和57年)までの、二度のオイルショックやベトナム戦争等を経て、高度成長の経済優先から少し脱却し、安定成長を目指した時代、
1983年(昭和58年)から昭和の終焉1989年(昭和64年)までの、鉄鋼や石油製品から自動車やエレクトロニクスを中心とする産業に切り替え、輸出国家へ転換していく、国際化の時代、そしてバブル崩壊の予兆、
と、戦後から昭和の終わりまでの時代の流れが頭に入りましたね… 600ページを超える大作ですが、長くは感じませんでしたね。持ち歩くのは重たかったですけど。
それにしても… 東京裁判のA級戦犯って、途中でGHQの方針が変わってこともあり、後で裁かれる予定だった人は無罪放免となり、その後、日本の政治の中心に復活してたんですねぇ、、、
うーん、その人たちがいなければ、今の日本の繁栄はなかったかもしれませんが複雑な気持ちにならざるを得ませんね。
そして、昭和史なんですが、印象に残ったのは、アメリカ第35代大統領「ジョン・F・ケネディ」の言葉、
「同胞のアメリカ国民諸君、国が何をしてくれるかではなく、
国のために自分が何をできるかを問うてもらいたい。
世界の同胞諸君、アメリカが何をしてくれるかではなく、
人類のため、みんなで何ができるかを問うてもらいたい」
イイ言葉ですね… 家族や職場にも当てはめることができると思いました。
最後に「半藤一利」の忠言を備忘に記載しておきます、、、
1.無私になれるか。マジメさを取り戻せるか。
日本人皆が私を捨てて、もう一度、新しい国をつくるために努力と知恵を絞ることができるか。
その覚悟を固められるか。
2.小さな箱から出る勇気。
自分たちの組織だけを守るとか、組織の論理や慣習に従うとか、
小さなところで威張っているのではなく、そこから出ていく勇気があるか。
3.大局的な展望能力。
ものごとを世界的に、地球規模で展望する力があるか。
そのために大いに勉強することが大事。
4.他人様に頼らないで、知識や情報をもてるか。
5.「君は功を成せ、われは大事をなす」(吉田松陰)という悠然たる風格をもつことができるか。
うーん… 考えさせられました、こういう気概を持って生きていきたいですね。
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2分冊となっている「昭和史」の後編。戦後編という題名がつけられている。扱われているのは、1945年の終戦の年から1989年まで。1989年は、昭和天皇のご崩御の年であり、昭和が終わり、平成が始まった年である。
45年に満たない期間であるが、筆者の半藤一利は、これを6つの期間に分けている。
1)1945年の終戦から1951年の講和条約締結までの連合国の占領時代
2)1952年から1960年の六十年安保までの政治闘争の時代
3)1961年から1965年までの経済第一の時代。この間に新幹線が開通し東京オリンピックが開催されている
4)1966年から1972年までの高度経済成長により日本人が自信回復した時代
5)1973年から1982年までの価値観の見直しの時代。1973年にベトナム戦争が終結。また、この間に二度のオイルショックを日本経済は経験する
6)1983年から1989年までの国際化の時代
区分の仕方についての意見は人によって異なるかもしれないが。この本を読むと、45年の間にも世相が何度も変わっていることが分かる。それでも、敗戦の焼け野原から45年の間に世界第二位のGDPを持つ国になった訳であり、日本と言う国は、経済を第一優先にしながら戦後の国を創ってきたのだということが分かる。
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戦前 戦中編に 引き継ぎ読みました。
教科書のようだけど
とても読みやすい 語り口で
この二冊は 常に置いておきたい本ですね。
今が この時代のこういう出来事が あったから
こうなってるんだ と ストンと 納得できる事もありました。
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歴史に疎い自分でも、楽しく読めることができ、戦後の流れを大局的に掴むことができた。
もちろん、事実や解釈は様々あるのだろうけど、マッカーサーの改革は正しかったと思うし、昭和天皇の功績は忘れてはならないと感じた。
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戦後当時を知らない世代には、当時の一端を知る事ができる。時が過ぎて、一般化され、教科書に文章化された出来事ではなく、当時を経験した人が少し俯瞰しながら振り返っていて、非常に面白いと感じました。
再読しようと思っています。
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とにかく分かりやすい、むしろ分かりやすすぎて視点が固定化しそうなのが怖いが、それでも珠玉の一冊。もっと若いうちに読んでおくべきだった。
飢えをしのぐのに必死なうちに、GHQが国作りを済ませてしまった占領時代。
戦後日本のグランドデザインが良くも悪くも定まった吉田ドクトリンの時代。
揺り戻しの保守合同は60年安保でガス抜きされ、昭和元禄から三島の死へ。
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面白いし分かりやすい。
鎖国の後、開国してから①国を作るのに40年(慶応〜明治)、②国を滅ぼすのに40年(大正〜昭和)、③再び一生懸命作り直して40年(昭和)、そして今はまた滅ぼす方向へ向かっている(平成)。
①
まとめ:日露戦争、日清戦争で買って強国だと認められた。
背景:戦争をした理由は、帝国ロシアがどんどん南に降りてきて勢力を広げてきたことに日本が脅威を覚え、自尊自衛のために起こしたもの。
小さい島国の日本を守るために海を使わなければならない、そのためには海の向こうの土地を防衛線にしなくてはならない、と言う考えのもとに戦った。
国を作れたワケ:色々なタイミングが良かった。
まず、国づくりのタイミングでは、アフリカの方で戦争が起こった。それにより欧米列強がアジアから自分の国に戻らなくてはいけなくなったので植民地にならずに済んだ。
次に日清、日露戦争で買った後のタイミングでは、ヨーロッパで第一次世界大戦が起きた。それにより他国の関心がアジアから離れていたので強引な要求(対華21箇条の要求)を突きつけても周りから文句を言われなかった。さらに、中国も日本の戦国時代みたいに内戦していたので合意できた。
②への伏線:蒋介石が中華民国を作りはじめて国が1つになってきて日本に対する反感が大きくなってきた。中国との間で仮想敵国と見ていたロシアも新しい国づくりを始めた。(この頃昭和がはじまる)
重要な余談:第一次世界大戦で勝つ直前に加わって戦勝国側になった。第一次世界大戦は7年続いて参戦国は国力資産をなくした。それにより西強調するために国際連盟を作って軍備を制限する同盟を結んだ。(ワシントン海軍軍縮条約)さらにアメリカの巧みな外交作戦によって日英同盟を廃棄した。これが後に不利になる。
戦後日本の国家建設に関して、「ああすべきだった」といろんな人が言うけれど、少なくとも当時のリーダーは確固たる役割を担って進めてきたのだろうと受け取ることにした。翻って我々の世代はこれからどうするのか?そのような問いを突きつけられているような気がした。後世令和史が語られる時に、何にもしなかった時代だとは言われたくないものである。
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昭和史を軽妙に分かりやすく解説してくれます。
人物や出来事についての著者なりの主観的評価が表立って出てくる部分は少なく、偏りを感じさせない説明で成り立つ作品です。そのような作品は往々にして無味乾燥になりがちですが、この作品は、著者が当時肌で感じた空気感をリアルに面白く説明してくれるので、心地のよい温かみ、人間味があります。
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横町の隠居の語り風の戦後昭和史。実際に筆者が生きた時代だからこその躍動感、臨場感が魅力。日本人必読の一冊。
昭和から平成、令和。昭和ももう歴史になってしまっていることに昭和生まれとして複雑な心境。
本書は筆者が戦前を描いた「昭和史」に続く続編。筆記ではなく編集者に語った口述をまとめたものらしい。だから講談中の話が楽しめる。向島出身の筆者のべらんめえ調がテーマにはまる。昭和5年生まれで戦後史をリアルタイムで体験したからこその臨場感が何よりの魅力だろう。
改憲論議など結局日本の将来を考えるには現行体制の総括は必須。その意味で本書は全ての日本人に必読のように思う。戦前よりももっと深く知る価値はある。
思えば老人のクダ話を聞く機会が昔より明らかに減ってしまった気がする。核家族化、福祉施設の充実などの要因があるからだろうが。
体験した人が全て正しいとまだは思わないが、リアルタイムの経験には文章だけではかなわないように思う。
経験の断絶をつなぐ未来の日本を考えるために、本書により継承されるものはとても重要だろう。
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昭和史の概説、戦後編。GHQによる占領政策、憲法改正問題、公職追放、人間宣言、東京裁判、GHQの右旋回、五十五年体制、高度経済成長。自分にとっての同時代史一歩手前までの、講義調の分かりやすい解説。
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前作に比べますと、些か著者の思想が出ている気は致しますが、しかし、まだ控え目だと思います。
とにかく私は、歴史を語る上での善悪論とか、あるいは左右両翼(それも特に極端な派閥)の見解というのは苦手で、なるべく事実を語る(その事実の記述にも、取捨選択というのはもちろんつきまとうでしょうけれども)スタンスというのが好きなんですね。
けれども今度はそうなると、読み物としては、教科書と大差なくなってつまらないということになりかねないので、著者の力量が問われるわけです。
この点、読み物としても面白いので、ぜひともおすすめできるわけです。
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こちらも面白かった。昭和の終わりが描かれなかったのは残念だが、『私たちが呼吸をしている今そのものだから』という理由にも納得できる。戦争が終わり、日本がどのように自主的になろうとしたか、の物語。マッカーサーと天皇の対談の描写もあり、知ることが多い本。また読もう。
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半藤一利 昭和史 戦後篇
口語体の戦後回想録。敗戦から 高度経済成長、沖縄返還で 終わる構成。戦後の終わりを サンフランシスコ講和条約でなく 沖縄返還としているのは なるほど と思う。前半は生活者目線で良かったけど、後半は政治史
戦争に負けて 国家が滅びても 自分の力で 国民は生きていけるし、経済大国になったからといって、全ての国民が幸福なわけでないように読める
戦争責任や天皇制護持についての著者の見解は、東京裁判などに見られるGHQ指針(天皇は訴追せず、国民に戦争責任なし、政府と軍部に戦争責任あり)のほか、マスコミにも 戦争責任を求めている
東京裁判の被告人別の罪状と刑の内容が記載された一覧表は わかりやすい。罪状10のうち 7以上の有罪が絞首刑の目安のようだが、有罪数1の上海派遣軍司令官 松井石根 が絞首刑になっている。南京事件の責任というのが著者の見解。広田首相も有罪数3で絞首刑になっているが 理由不明らしい
BC級戦犯が各国の裁判で5702人訴追され948名の死刑が執行されたことを初めて知った。死刑相当の残虐行為を立証できたのが 1千名未満なのか? ジョンダワーは原爆投下理由を、アジアに対する「人道に対する罪」への制裁としているが、1千名の非道な軍人の行為が20万人の原爆被害者に至ったのか?
高度経済成長までの過程がわかりにくいが、米ソ対立のなか ドッジラインにより、インフレ抑制策と輸出促進策を実行し、朝鮮戦争特需により 経済成長の波に乗った感じだろうか?
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敗戦国の日本がどのように立ち上がってきたのか。GHQによる占領政策、安保闘争、東西冷戦など、何となく知って理解しているつもりだった出来事とは、実際どんな事が起きていたのか、半藤一利さんはどう感じているのか、鋭い視点と柔らかな語り口で論じられている。現代日本の成り立ちを知る事、今後直面する憲法改正論議に自分なりの見解を持つ事が大切だと学んだ一冊。
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戦前編に続く一冊。著者もあとがきで書いているが、政治史中心に書かれている。これはこれで大事だし、昭和天皇とマッカーサーの11回に渡る会談の記録は、戦後の日本が、どう歩んできたのかについての貴重な資料なのだろう。でもさらに、欲を言えば、市井の人たちが、どう戦後の日本を作ってきたのか、何を感じ生きてきたのか、時折永井荷風とかの日記が紹介されているのだが、もっとそういう観点から知りたいと思う。まぁ、探せばおそらくそういう本はあるのだと思うけど、やっぱり、半藤さんの語りで読みたいよな。
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ボリューム大ですが、読みやすくてとても面白い。
昭和天皇のことって何も知らなかった、教えられてこなかったなあと思う。戦後、天皇は(ご本人の決意表明もあり)国の象徴と位置付けられたものの、今も皆の心の中では「神聖・不可侵」ということなのだろうか。よくも悪くも。
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ちきりんさんのおすすめでもあり購入。戦後ー−1970年頃までの現代政治史をの講義録。
600ページ近くあるものの、軽快な語り口で述べられているので、読み進めてもさらに続きがよみたくなってしまう。
現在の日本の礎がどのように造られたのか、そこに至るまでに何が考えられ、どういった苦悩があったのか、何を重視してどういった決断をしたのか。これらを知っておくことは、教養としてもこれからのじんせいのプラスになるのではないか、と思う。
昭和天皇やマッカーサーは元より、吉田茂、石橋湛山、池田勇人といった宰相の宰相たる所以を深く知ることができたところにもこの本の価値を見出すことができた。
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結局、日本は第二次世界大戦によって人口を自ら減らすことで再生したわけだけど、今はその時よりは個人の尊厳が生かされる形で人口が減少している。善悪ではなくそういうものなんだろう。
そうか!ハーメルンの笛吹きはドイツの話だったんだ。日本とドイツは似ている。国土の大きさかな?人類は自然環境にまず制約される。それが人為的な環境になり。日本もドイツも組織的に突き進むのが得意。それはトッドさんの語られる権威主義家族だからか...
日本の繁栄を築いたエリート官僚は、上昇する明確な道筋がある時はいい。しかし、打開策の見つからない退却局面になると保身に走って腐敗してしまう。戦時中の軍部の参謀と呼ばれた官僚もそうだったんだろう。
今は日露戦争後と同じ、滅びの途中であと15年から20年で底を打つのか?ともかく、若い人々には体力と頭脳の練磨を促すしかないか...
自然および人為的な環境による淘汰。資本主義経済が行き詰まり自然に回帰する貧乏だけど心豊かな社会が生まれるといいな。
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8月は私にとって、戦争とその前後について考える強化月間。
自分が体験してあれこれ思っていた昭和(戦争よりずっと後だけど)も、今まで雰囲気として感じていただけなんだな。これ読んでようやく、あれはこういう経緯からこうなってああなって、そういうことだったんだ、と納得する。
しかしいくら腑に落ちても、歴史は必ず1個人の見解だけでなく複数の目で見なければならないと思うので、ほかの人の見解も読んでみようと思う。ぼちほちね。
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ポツダム宣言を受諾してから、今日の日本国に通底する法整備がなされ文化が形成されていった激動の時代。
戦時中以上にダイナミックな変化が訪れる。
昭和後期生まれの私が教科書でしか触れていない近しい過去を、まさに当事者として経験した生々しい筆致で描かれているためつい没頭して読んでしまう。
実は、戦後の意思決定や事件による爪痕は現在も連綿とその影を落としているのではないか。
そんなことに気づかせてくれる。
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今問題になっている集団的自衛権、沖縄基地問題、憲法改正、北方領土問題などが、なぜ起こったのかわかります。
日本人なら誰もが知っておくべき内容だと思います。
1.この本を一言で表すと?
・戦後日本史の基本を押さえる本
2.よかった点を3〜5つ
・戦後、日本はどういう国を作るかで、4つの選択肢があったこと
→いろんな選択肢の中から、結果的によい選択をしたと思います
・日本人は歴史から学んでいない
・今問題になっている集団的自衛権、沖縄基地問題、憲法改正、北方領土問題などは、戦後の課題の積み残し
・戦後初のストリップなど、庶民レベルの内容も含まれている
・マッカーサーを神のように尊敬していたのに、日本人12歳の話を聞いて、一気に冷める
→発言の一部だけを切り取って報道する現在のマスコミの問題と同じように感じました。
2.参考にならなかった所(つっこみ所)
・基本的に東京からの視点で書かれていると思いますが、地方、特に大阪の視点ではどうたったのか、広島や長崎はどうたったのか、その辺りの記載がなく残念。
4.みんなで議論したいこと
・戦後日本はどういう国をつくるかで、4つの選択肢があったが、正しかったと思いますか?
・今後の日本はどのような国を目指すべきと思いますか?
5.全体の感想・その他
・左右に偏らず、比較的中立の立場から歴史を語っているのが好感もてました。
・残された問題をひとつづつ解決してくために、多くの人に戦後日本史を学んで欲しいと感じました。
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マッカーサーとの繰り返しの会談による昭和天皇の平和日本への貢献。実は短かったが、その後今日に至るまでの平和思想の圧倒的な国民の受容。やはり復活させるべきでなかった岸信介ら。
話ことばで分かりやすく記述される。戦前編と併せて評判通りの名著だと思う。
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戦前、戦中編も面白かったが、戦後編もそれに劣らず貴重な書だ。日本人として必読の書と思う。自国の歴史をふまえておけないのは、やはりいかんと思う。通史として手頃な書がなかなかなかったが、半藤さんの戦前、戦後編はほんと非常に良い書だと思う。
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「文春的正史」というか、日本人としてとりあえずこう弁えておけば通りが良い、という意味での戦後史であるなぁ、と。特に天皇マッカーサー会談での神話的エピソードなど、半藤さん自身この本の通りに受け止めて考えていたかどうかはわからない。しかし戦後史講義という形で人前で語るなら、このような形が馴染みやすいと考えたのだろう。
本書の中でも苦しげに語られる沖縄の占領継続に天皇が関与した件をとっても、例えば最晩年の天皇の沖縄への想いとして語られるエピソードだけで帳消しになるようなものではないし、それら本書の行間からこぼれ落ちるものこそ、本来語り継がれるべき歴史の重みではないか。