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Posted by ブクログ 2023年07月28日
山本文緒「みんないってしまう」、1997.1刊行、1999.6文庫。喪失をテーマにした12の短編集。結末は読み手に委ねられています。切り口がユニークで、結構楽しめました。私のお気に入りは、「愛はお財布の中」と「イバラ咲くおしゃれ道」です。
Posted by ブクログ 2021年10月29日
対象喪失が共通する短編集。
絶対泣かないもそうだったけど、
短編の中でもさらに短いような短さで
1話はサクッと読めるのに
この短さのストーリーに
どうしてこんなにも揺さぶられるんだろう。
年齢を重ねるうちに
持ってたはずのものがなくなっていって
知らずのうちに永遠を願って信じてた自分に
気づいて...続きを読むまた苦しくなる
そんな毎日を生きてる私に
喪失のテーマはすごく刺さった。
最初の裸にネルのシャツから
読んでいてビリビリくる感じ
誰にも言えない心の中が、
本では言葉になっていてびっくりした。
Posted by ブクログ 2013年11月18日
針に糸を通すかのような、繊細さに驚いた。経験をある程度積んだ30代(くらい)の内面が描かれている。
主人公たちは経験を積んでいるから、あれこれ考える。
その描写がまた細かい。
・好きな後輩のことを追いかける女性社員
・財布を忘れて動転する新婚女性
・女子大生とのやりとりを通じて過去の想いと決別し...続きを読むた太った中年パパ
・人間的な感情を必死に抑えていたデキ女
↑印象に残ったエピソード
この人の本また読みたい。
Posted by ブクログ 2022年12月20日
表面張力
「のら人間っているのかな?」との息子の問いかけに、見に行く?と言い、ホームレスをみせる場面には衝撃を受けた。
タイトル通りの、みんないってしまうがすべての作品で表されている。永遠と思えたものでも、永遠というものはないというラストになる。
あっやってしまった、そんな気持ちが、きっとどれか一...続きを読むつくらいは当てはまりそうで。
「これってありえなくない?!」ではなく、他人の私生活を覗き見した気分になる。
主人公のほとんどが、ちょっと貧乏臭く、全体的に、内容が暗い、それも現実的。
好きなヒトのゴミを盗む女性。
小柄な喫茶店の店員少女に密かな恋心を抱く、中年男性。
山ほどの洋服があるのに着ていくものがないと言う女性、などなど。
古い本だけど、今読んでもそれほど違和感がなく、今も昔も変わらないのかも、などと感じた。