【感想・ネタバレ】予防接種は「効く」のか?~ワクチン嫌いを考える~のレビュー

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Posted by ブクログ

要するにワクチンとはシートベルトのようなものです。シートベルトをしたからといって交通事故に遭わないとか、交通事故で死なないことを保証するものではありません。シートベルトをちゃんとしていても交通事故で亡くなる不幸な人はいるでしょう。しかし、そのような例でもって「シートベルトなんていらないよ」と断じてはいけないのです。
今の世の中に1番必要な文章はここだろうな。
予防接種の歴史が一気に学べます。
その時代によってリスクの比較や医療態勢・環境、知見は変わるので、常に今を考えていかなければ。
過去を知らないと同じ過ちを繰り返しても気づけないし、何がどう整備されていったかを理解することで今の態勢の理解が進む。
そして、今の目から見た後付けの批判をするつもりはまったくありませんという姿勢もまた見習わなければならない。
当時の環境をいかに慮れるかは必要な視点であり、正誤はまた別の話。

世の常識はひっくり返ることは知っていたけど、野口英世ってほとんど誤りだっただと判明してたのは知らなかったw
12年前の本だったのか、変わらないなぁ
言葉や説の前に事象があることを理解してればそりゃそうな話なんだけど、この点は今もなお平行線が続いていると感じる

発症予防にあまり寄与しないBCGはずっと打っていて、効果が確認されてるワクチンが任意接種や承認されてないのすごいな

自分が何のワクチン打ったかがよくわからないんだよな

インフルエンザウイルスとインフルエンザ菌があるんだ、おもろ
勘違いがそのまま名前になることはあると思うけど、わかったなら改名してほしいところだ

私は多くの注目される事案は「まれな事象」だということに気づいてから生きやすくなりました。
それによって世の中は0.100じゃないとわかったから。

本当にワクチンに問題があるときは、京都島根ジフテリア事件のように続々と症例が目に見えて現れることだろう。

禁忌者という言い方がたぶん突然出てきて?となりました。投薬や接種できない人という意味なんですね。

ワンフォーオールオールフォーワンってラグビーの世界にもあるんだ、三銃士が1番に浮かぶ言葉だったので(次点ヒロアカw
自分のためとみんなのためは繋がっていると思います

トンデモ本の内容が想像よりすごくてビックリした
どんなに書物やら雑誌やらで大々的に喧伝されても、それと同じくらいめちゃくちゃな諸説も溢れていて、それっぽく書かれてるものもあるから、正しく検証された事実を基にした話を、専門家でもない自分が拾っていくのは大変だと感じます。医療従事者、省庁や政治家だって変なこと言う時もあるのに。
そんな中で、帰納法で考えているのが明らかな方が、判断するためのカードをこうやってわかりやすくまとめてくださるのは本当にありがたいことです。

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2022年12月02日

Posted by ブクログ

多くの人に読んでもらいたい一冊。
医療への過信や、報道について……素晴らしい読み解きばかり。


ただ、中立的であろうとしてもなお、官僚批判から脱却できていなかったので本当は、★マイナスひとつ。この本への評価を高めるためだけに★5つに設定した。

批判が怖いというより、批判=国民の不賛同と捉えられるのだから、実際、批判に応えるしかない。

ダブルバインドの状態に対する視点を活用していたのだから、この、行政による批判への対処もダブルバインドの問題であることに気付き、指摘してほしかった。

つまり、行政が、
・批判を受けた場合→批判が怖いだけだ、という批判が起こる
・批判を受けつつ施策を進めた場合→民意無視の「官僚」政治、という批判が起こる
という図があるということだ。

もっと言えば、批判をすることは簡単だが、対案を示すのは難しいということも説いてほしかった。

司法の視点はかなり取り入れられていたので、行政学や政治学をきちんと修めた人と対話すると、より素晴らしい著作、思考になるのではないか。

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2012年07月29日

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感染症の権威としてわかりやすい本を書かれている岩田先生の本で、フォトリーディングしてサクッと読もうと思ったが、語り口が面白いこともあってついついジックリ読み込んでしまった。

この本は確かに『予防接種について』書かれた本であるが、その背景にある考え方、物事には両面性があり、複雑なことは複雑なまま、ありのままを捉える必要がある、といったような『考え方』を示した本でもある。

ワクチンの問題にとどまらず、現在の日本の問題の背景には、物事の一面だけを見て断罪し、徹底的にこき下ろす(政治が良い例)、といった未熟な考え方があると思う。自戒も込めて、複眼的・俯瞰的な思考が出来るようになりたいものだ、と思った。

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2011年10月29日

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 ワクチンをめぐるいろいろを臨床医師が考える。効果と副作用をめぐる戦後日本ワクチン史も。筆者は,予防接種をめぐる単純化された報道を苦々しく思っている様子。
 新聞・テレビは,予防接種の副作用被害をことさら強調したり,逆にワクチン導入の遅れを批判したりする。ワクチンは利益もあればリスクもあるのに,その比較考量をしないで,感情的な議論に終始する。政策もそれに大きく影響される。
 筆者の観察によれば,戦後のワクチン行政は,報道に翻弄されてきた。ひたすら「叩かれないように」という基準で,ワクチン接種を中止したり,再開したりしてきた。その具体例を挙げながら,予防接種の戦後史が語られる。
 戦後,GHQの占領下で,予防接種は強制的に行なわれた。副作用による損害を賠償するような仕組みもなしに,不衛生な日本を徹底的にきれいにしようという発想。ついこないだまで空襲や原爆投下で市民を殺戮していたアメリカが,個々の日本人の意向を尊重するはずもない。
 その後,ジフテリア事件という副作用被害や,ポリオ生ワクチンの緊急輸入などを経て日本の予防接種も変遷を遂げるが,いまだ充分な制度になっているとは言い難い。個人の自由を尊重するとされるアメリカで,予防接種がかなりうまくいっているのは逆説的だが,見習うべき点は多い。
 本書の副題は「ワクチン嫌いを考える」。予防接種を忌避する人々が多いそうだが,筆者の見立てによると,彼らはまず「医者とか薬って嫌」という感情が先にあって,それを補強する為に「人工より自然がいい」とかあとづけで根拠を構築する。好悪が善悪にすりかえられてしまっている。
 好悪の感情は誰しももつものだし,それはそれでしょうがない。ただそれを,往々にしてひねくれた,筋の通らない勝手な理由づけでもって,「自分の嫌いなものは悪いものなんだ」と納得してしまうのはまずい。予防接種嫌いにはそれが多いようだ。
 ホメオパスの著書からの引用があったが,論理破綻もいいところ。でもこういう言説だからこそ,感情的に人に訴えかけるところがあるようで,支持者も多いみたい。しかし,やはり大事なのは疫学的な事実に基づき,リスクとベネフィットを比較考量して制度設計,意思決定をしていくこと。
 そのうえで,ある程度の健康被害は避けられないから,それは適切に補償していく必要がある。感情的になってはいけない。ゼロリスクがないのは原発も一緒。ゼロリスクを目指すと,隠蔽につながる。

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2011年10月28日

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序文だけで良書とわかるのは『iPS細胞』以来。論争を語る本は一方向に偏りがちだが、本書は両論取り扱った上で、『現在時点』でどのような判定が下せるのか、という検証のスタンスが明確になっていて気持ちが良い。予防接種について知りたい人だけでなく、「原発より自動車の方が人を殺してる」とか言っちゃう人にも読んでほしい一冊。

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2018年10月20日

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どうして予防接種が漠然と不安なのかを教えてくれる良書。情報公開のあり方やリスクの取り方についての本としても面白い。幼児的思考停止に陥らないよう是非読むべき本。

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2011年05月11日

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抑制的な、でも情熱の溢れる文章。

エビデンスを明示して、慎重な立場ながら丁寧な論証。

難しいことをわかりやすく。
単に噛み砕くのではなく、丁寧な思考過程を理解させる。

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2011年02月21日

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岩田健太郎先生の書籍。
「予防接種は安全か」の内容が古くなった今、日本人の手による予防接種本では、最高のものではないでしょうか。

ポリオ生ワクチン緊急輸入、副作用、前橋レポートなど、よくぞわかりやすくまとめて下さった、という内容です。

新型インフルエンザの検疫騒ぎについて記載があれば良かったと思います。

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2011年02月12日

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仕事で役に立つと思う。集団を守る公衆衛生か。時代とともに感染症も変遷する、適度に見直す時期と法整備関連が必要。

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2011年01月27日

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著者が講師をされた研修を聴き、その中で紹介されたので読んでみる

ワクチンの歴史、予防接種に関する法制度の歴史、過去のワクチン禍の経緯の評価、ワクチンの有効性についての考え方などがとても分かりやすい

責任者探しに意味がないこと、失敗を認めて検証したうえで改善策を講じることの大切さ、日本の行政の問題点などの考え方が直前に読んだ「失敗の科学」の考え方と共通していて、改めて科学的に考えることをやめることの危険を思う

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2022年03月13日

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予防接種について、現役の医師がその功罪を説いた一冊。

明確な結論がないのですっきりはしないが、勉強にはなった。

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2018年12月01日

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ネタバレ

この人にひとりめの子供の腫れに対するビビり感とかを上手く伝えうる人がいたら、きっといいお母さん向け本を書いてもらえるんじゃないかなあ。そういうのがあったらなあ。

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2016年07月01日

Posted by ブクログ

期待通りの良書。大人であっても「好悪」があるのは仕方が無いが、それを「正邪」にすり替えてはいけない。書こうと思えばいくらでもワクチン礼賛の立場で書けるのに、ものすごく理性的に中庸を保っている。
こういう科学者の論は信用できることが多い。

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2014年10月13日

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2010年にこの本が発行されて、4年だけど、定期接種の状況は既にいろいろ変わっていますね。
小児科の先生に「予防接種の本が改版されましたが」と声をかけたら「いまいろいろ変わってるところだから、一段落するまで買わなくてイイヨ」と言われたのをそっと思い出したり。(結局最新情報は時々特集記事になってるしね…)
ワクチン云々を語るなら(語らなくてもいい?でも語ってるひと時々いるよね)大きな副作用も含めたワクチンの歴史、日本での取り組み、世論も含めた「これまでの流れ」をざっくり把握すべき。
「捕ったどー」的に自分の主張に沿う論文だけを高く掲げてもね。
社会情勢や医療技術、個々人の価値観が変化していくなかで、「リスク」そのものや捉え方も多様化しているのだろうけれど、情報過多のなかでどう情報を得て何を信じるかを自分で決めていくために、私たちは「賢く」あらねばとしみじみ思います。
こういう話も義務教育のうち、保健体育とかで教えて欲しいなー。
(いや親も教えないといかんのでしょうけれども)

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2014年09月15日

Posted by ブクログ

○医者で神戸大学教授の岩田氏の著作。
○「ワクチン」とは何か、どのような仕組みなのかを中心に、予防接種の歴史や効果、副作用などを分かりやすく解説した作品。
○ワクチンの種類やその効果・副作用はもちろんのこと、過去のワクチン開発や予防接種の歴史は、とても勉強になった。
○予防接種を受けるか否か、その効果や副作用をどうとらえるかは、あくまでも個人(=自分)でしっかりと考える必要があるということが、最大のポイント。安易に賛成・反対などをするのではなく、よく勉強して知識を仕入れてみたい。
○なお、著者の説明は分かりやすいが、一部、極端な表現などが多いのが、少し気に掛かった。

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2014年06月30日

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ワクチンについて科学的に説明しており良書.
もっと統計的に分析した最新の結果が知りたい&別の方が書いたワクチン本も読みたい.

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2013年05月06日

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とてもわかりやすく、ワクチンの問題点と効果について書かれた本だった。
ワクチン嫌いの人は私の周りにもいて、効かないから、とか、副作用が、あるいは、かかったほうが強い免疫が得られるから、という声が聞かれる。
それにどう答えてよいものか、私も確信がなかったのでこの本を手にとった。

筆者はこの本を通して、ワクチンは長い間を掛けて、確実に病気を減らしてきたこと、効果があることを述べている。
また、効かないと主張した「前橋レポート」に関しても、その熱意は認めながらも説得性に反駁している。

歴史的なワクチンの成功・失敗を挙げながら、長年にわたりワクチンが果たしてきた効果を知ると同時に、現在も残る問題点について知ることができた。
アメリカの「アメリカ的でない」予防接種制度の話は、興味深かった。
日本は「日本的でない」(あるいみ日本的ではあるが)予防接種制度にとどまっている。ACIPのような、公正・透明な組織の元、環境改善されることを望む。

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2013年03月02日

Posted by ブクログ

作為過誤と不作為過誤のジレンマ.
予防接種の効果と副作用のバランス.
ゼロリスク希求症候群はヒステリックな議論になってしまうのである.
「好悪と正邪のすり替え」には注意しないといけない.
リスクとベネフィットをリアルにクールに議論し無くてはならない.

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2012年11月27日

Posted by ブクログ

関係者必読。予防接種の作為過誤と不作為過誤の歴史やホメオパシー側の反予防接種の論理などよく整理されている。さすが岩田先生。関係者必読の「戦後行政の構造とディレンマ」「豚インフルエンザ事件と政策決断」二冊についてもしっかりと言及されている。個人的にはこれと並びで弘中弁護士の「安部英医師「薬害エイズ」事件の真実」も薦めたい。

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2012年02月12日

Posted by ブクログ

医療だけが特別なため、絶対安心とか大丈夫っていうものでは無いことがよくわかった。当たり前の話しだが、ワクチンにも確率論は適用されるのだ。どのように捉え、どのように運用するかは我々が正しい知識をもって決めていくものなんだ。
因にもやしもんの件は良かった。日本のマンガのレベルって本当に高くなってきていることを改めて実感。

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2011年05月24日

Posted by ブクログ

予防接種の歴史、背景や数値を含め、どのように考えるか判断の基準を再度勉強した感じがする。
単に、副反応が怖いからや義務だからという観点だけではなく総合的に判断するというのが重要なのだと思った

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2011年04月08日

Posted by ブクログ

客観的に、ワクチンの歴史・国内での扱われ方・米国での取り扱われ方を紹介するという、ワクチンの「好悪」の部分と「正邪」の部分を切り離すことに、エネルギーを費やされた本。後は、読者が判断してよ、と。
本旨ではないが、優れた医師が持つ実際的な心理学的見識の高さ(恐らく、臨床心理学への発展のために身につけておられるのだろう)が、書籍の各論においてこの筆者からも垣間見られ、その点も楽しんで読めた。

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2011年03月25日

Posted by ブクログ

本の帯にある内田樹の推薦文はちょっとずれている。しかし、だからと言って本書の価値が下がるわけでは全くない。私はこの本によって、適切な予防接種リテラシーを得ることが出来たのだから。

医学とりわけワクチンの功罪ある歴史からひもとき、世の迷妄を正してくれている。ネット上で出回っているワクチンに対する誤解は、ほぼこの本で解消できる。★5つにできなかったのは、新書では仕方ないのかもしれないが、新旧のワクチンの副作用(とりわけ死亡例)やその出現「率」が知りたかったからだ。

以下、興味深い記述。
・一般的に「あれか?これか?」という命題の立て方は、一つレベルの低い、幼稚な命題です。「あれも、これも」という考え方だってあるのです。
・耐性菌の問題。抗生物質ばかり使っていると耐性菌が増えて大事な抗生物質が効かなくなってしまう。だから抗生物質がワクチンを完全に代用することはない。
・一番恐ろしい病院は「うちには耐性菌も院内感染もありませんよ」と喧伝する病院です。
・アメリカ黒人へのタスキーギ実験。
・アメリカでは予防接種に関しては、副作用に苦しむ人のための無過失補償制度を運用している。
・最近発見される小児麻痺はすべてワクチンの副作用。
・任意接種の場合の救済制度。
・腸チフスワクチンを例に取った副作用の悪い書き方。
・MMRが自閉症の原因だったという論文はでっちあげ。
・EBMが生まれたのは、1990年代。
・子宮頸ガンワクチンを打つと不妊症になるのはデマ。

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2011年03月23日

Posted by ブクログ

親として、昨今のHibや肺炎球菌、ポリオの生ワクチンなど、
予防接種について気になる話題が多い。
そんな予防接種の位置づけを理解する一冊。

現在の予防接種の大半は、
「打たなくても殆どの人がその病気にはならない」
というものもある。同時に、
「打っても殆どの人は何も(副作用が)起こらない」
また、
「打ってもその病気にかかってしまう」
ことも稀にあるが。
(例:インフルエンザ。実際には軽症化できたり無意味ではない)

しかし、ごく一部の事例をあげて予防接種が悪である。
という論調がおきている。(起きるから導入されない)

一部の予防接種は確かに運用が正しいか疑問。
それは打つリスクと打つことで受ける恩恵のバランスが取れていないからだ。

たとえばポリオの生ワクチン。

昨今ではポリオという病気が殆ど発生しないのに、
予防接種でポリオにかかってしまうケースがごく稀にある。

しかしリスクのない医療行為なんてありえない。
殆ど無視できるゼロに近い数字なだけでゼロではない。
そのリスクをとってもいいケースとのバランスが大事。
予防接種もリスクはゼロではない。

かかってしまえば重症化する病気であれば、
例え発生率が低くてもその恩恵は大きい。

また重症化が稀であって、感染力の強い病気であれば、
それを打つことで集団の予防になるし、
母数を減らすことで、重症化を抑えることが出来る。

10人1人が重症化する病気でも100人感染すれば、
10人に10人が重症化する病気と同じである。

個のためのが群れのためになる。

もちろん副作用によって苦しむことになる
ごく一部のケースを「運が悪かったね」で片付けるわけではなく、
そのことを認識して、ケアすることも責務である。

打って病気になっても、打たなくてその病気が広がっても。
どっちにしろ厚生労働省はマスコミなどに叩かれる。
ならばその事実を明確にして全てを受け入れられる仕組みを作ろう。

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2012年05月25日

Posted by ブクログ

予防接種やワクチン嫌いに対してちゃんと向きあった現時点での調査結果を記している一冊。

ということはタイトル通りなのですが、著者の考えがものすごく共感を覚えた一冊。

ワクチンにしろなんにしろ、「◯◯に書いてあった」とか、「××さんがこういった」とかでそれ以上考えることをしない、いわゆる思考停止状態を断固拒否して、現実に向き合っている姿が素晴らしい。

結局、ワクチン嫌いを治すことを目的としていなくて、どうしてワクチン嫌いとなったのかを考えることに集中している。そこが素晴らしい。

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2011年02月27日

Posted by ブクログ

予防接種について研究結果、統計などの事実を提示し、考え方を伝える本。

日本やアメリカで行われてきた予防接種の多々の事例を紹介しながら、予防接種に対する考え方を伝える。

予防接種を受けることで、受けた自身だけではなく、その人がいる集団の疾病も予防することが出来る、という話などがある。


予防接種についての詳細は読めばわかるが、本書ではそれ以上に伝えたいことがあるように感じた。
それは、事実に基づいて考え、状況が変われば意見も変わってしかるべき、ということ。


日本の戦後間もない頃には衛生状況も悪く、多少の副作用に目をつぶっても集団での強制的な予防接種が必要だった。

現代では衛生的で栄養も十分にあることが当たり前なので、あまり深刻な流行り病にかかることは少ない。
そのため、ごく少数の副作用が注目され、それによって予防接種を行ったことが悪とされる。

本書にあることで大事なことは抜けてもいるが、時代の移り変わりとは大体こんな感じだった。

このように時代背景によって考え方は変わるのだから、それに応じて柔軟に考えなくてはいけない、ということを伝えたいように感じた。


多くのことに対してこれは言えるだろう。
著者は日本社会に対して考え方の予防接種を行いたかったように思う。

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2011年01月30日

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 ワクチンに対する対応を通じて、また日本の特殊性について考えさせられた。厚労省の日和見体質は、そのまま日本人全般のKY体質につながるのであろう。常識というものに囚われることなく、自分の考えを持って、しっかり生きていきたいものだと、あらためて思った。
 ワクチン接種は自分のためではなく、集団のためのもの。集団が感染しなければ、自分も感染しない。調査結果もある。ただし、現状のように、自費で接種して副作用のリスクを背負ってまで、集団を防衛すべきなのかは疑問。集団を守るためなら、社会として無料で集団接種を実施すべきではなかろうか?

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2018年11月12日

Posted by ブクログ

正直、少し難しく一回で理解できなかった。でもそれだけ大切なことを漏らさずしっかり書かれているということか?また、読み直してみよう。

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2014年01月08日

Posted by ブクログ

読みやすかった。もっと医学書っぽくて難しいのかなと思ってたけど、すごく分かりやすく書かれてある。
ワクチン・予防接種といえば、私が小学生の頃は学校で集団接種してて、注射嫌いの私は嫌で嫌でしょうがなかった。。事前説明同意書みたいなプリントに「接種しない」に丸つけてーって親に頼んでたようなw
当時は当たり前だと思っていたけど、その後集団接種がなくなったとか、日本のワクチン医療は先進国に比べ圧倒的に遅れているなど、知らなかった。
自分に子どもができたりしたら、判断を迫られるんだろうな。今のところの考えとしては、ワクチン接種による副作用よりも、効果を期待する。かな。

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2012年11月10日

Posted by ブクログ

ポリオ予防のニュースが気になって、子供に予防接種をどう受けさせようか考えるためにいくつかの関連書の一冊として購入。

現代医療と予防接種の歴史、予防接種政策が大成功したケース、大きな事故や失敗事例とその原因・考察などをベースに、メリット・デメリットを説く本です。雑誌やネットで予防接種は受けさせない方がいいという記事を目にして接種に不信感を持ってしまった人向けですが、実際に現行のそれぞれの接種にリスクがどれだけあるかなどは言及が少ないと感じました。予防接種自体の不安感を軽減できる材料は沢山盛り込まれています。

インフルエンザについては、前橋レポート以降の研究を紹介して、集団予防効果について述べています。チメロサールと自閉症については、ネットで乳児期全体での暴露量についての文章を見かけていたので、もう少し深い調査があればなぁと思いました。

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2011年02月28日

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