【感想・ネタバレ】最近、空を見上げていないのレビュー

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Posted by ブクログ

■サマリー
・とある出版社に勤める男性を主人公としたお話。
・本は4つの短編集で構成されている。
・よくある手法だが4つの短編集は繋がっている。
・内容には山や谷はない。
・東野圭吾さんとかを好きな人には物足りないかも。
・読後はスーッと清らかな気持ちになる不思議な本。

■心に残った部分(解説含む)
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いったい自分は、何がしたいんだろう。
いつもそう思って生きてきた。
大人になれば、やがて自分にもやりたいことが見えてくる。そう思っていた。
でも、いまだに自分には、何も見えてこない。
そんなものだろうか……。(最後の夏休み より)
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みんなそれぞれ辛かったり、悲しかったり、
折れそうだったり、たまに苦労が報われたり、
そうやって三歩進んで二歩下がる人生を送っている。
そういう姿を読む度に、頑張っているのは自分一人ではないと知って、安心する。(解説文 より)
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2024年03月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 本が好きな人にお勧めしたい作品群。
「美しい丘」は胸が詰まりました……北海道の自然の美しさと若さと切なさに溢れていたので。
ラストがまたね……雪華さんの夢ってなんだろ? と思ってたところに。
あの後浩志青年と幸恵さん再会できてたらいいな。
はらだみずき先生の作品は「ありふれた生活を送るどこにでもいる普通の人」を描かれていることが多いと思うのですが、主人公の営業マン作本さんもその一人でした。
個人的にナカムラくんに親しみを覚えたのですが……
熱血じゃない少し頼りない普通の青年なんだけど、漫画家になるという夢を諦めたというひとつの挫折経験があるというので。
「最後の夏休み」だけは本にまつわるというか作本さんの学生時代のお話なのですが。
こういうモラトリアム期を経験したからこそ、就職してめっちゃ働いて大人になっていけるんだろうなあと思う。
本人はそんなこと忘れてしまって、それこそ空を見上げることなんかなくなっても。
マサカズいい奴ですね……しかも同郷なので親しみを覚えました。
確かに就活しないで遊んでる(わけじゃないだろうけど)友人を見てイライラしたことはある。
漠然と将来への不安でいっぱいになってる時だったし。
掃除機を100個売る、ザリガニを100匹捕まえるなんて今後二度とないであろう、だからこそ貴重な経験だった。
それにしても、掃除機のカタログを読み込んで勉強して販売戦略(?)を立てて実際に100個売ってしまったり、創意工夫して手作りのスケートボードを完成させたり、父の遺した家と仕事を継いでビジネスを始めたり、凡庸に見えて意外なことを実現させてしまうはらだ作品の主人公たちが好きです。
やりたいと思ったことはなんでもやってみなきゃね。

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2021年12月10日

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「サッカーボーイズ」ファンのため、他は如何かなっと思いましたが・・・。書籍営業マン作本さんの視点から周囲の登場人物を絡めたありがちなパターンですが、いやいやそれでも読みやすくて秀逸。私的に「美しい丘」は特にgood!!胸の中のどこかをグッと掴まれた感じで感動でした。

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2015年09月21日

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 本にまつわるお仕事小説は、ちょっと前に、大崎梢『平台がおまちかね』とか、碧野圭『書店ガール』シリーズとか、門井慶喜『おさがしの本は』などなど、立て続けに読んで、どれも「まあ面白いんだけどなぁ……」という感想を抱いて以来、少し遠ざかっていました。
 これらの本の頃は(今も継続中なのかもしれないですが)、ライトミステリーブームで、お店屋さんの店員がが日常の謎を解き明かすタイプのお話が圧倒的に多かった。
 で、お仕事小説としては面白いけどミステリーとしてはあと一歩かな、という評価をそのときはよくしていた気がします。

 ……前置きが長くなりました。

 変わったタイトルだなぁ、と思いつつ、本の厚みも程良いし隙間時間にちょいちょい読むつもりで朝、持ち出して……、
 結局、移動の電車の中と、出先でできたまとまった時間のうちに一気に読んでしまいました(笑)
 そのときちょうど心が弱り気味だったせいか、人情話にぐいぐいと引き込まれました。
 本に向き合う姿勢、人と向き合う姿勢、仕事に向き合う姿勢……、ほのぼのと心の温まるストーリーながら、自然と背筋が伸びます。
 シビアな面を削ぎ落とした、少しご都合主義なところもありますが、とても素敵なお仕事小説でした。

 一つ学んだことは、「社会人には成功の体験が必要」。

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2014年09月28日

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ネタバレ

電車での暇潰しにと思ったら意外に面白かった。買う決め手になったのは「本を自分で棚のなかから探す楽しみを放棄して~新聞の切り抜きか何か持ってきて『おい、これくれ』だもん」ってのと書店員といいうのは多くの場合、疲れているものだってとこでした(笑)分かる~書店員だと分かる~!!!!!あと出版社にもちょろりといた事があるので登場人物達の気持ちとか分かるなぁ~と。フランチャイズになってしまったので書店員の面白さは減少したけどこれ売りたいなぁって本が売れると嬉しいです。でも最近の有名書店員さんオススメみたいな風潮は嫌いです。出版社の怠慢だ!宣伝は自社で頭を捻って下さいと。書店員さんに聞いた今一番面白い本フェアとかさ、丸投げっぷりが頭きます(笑)書店員さんそんなに暇じゃないんだよー。アンケートとか面倒くせーんだよー。でも最近は本が好きだから書店員になったけど流通の面白さが分かってきたのでさらに仕事が面白くなった気がします。売れる本の予測を立てどのように売るか作戦を練り手配する。それが生き物のように動き(この場合は売れる)だした時快感だなーと思うのでした。

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2014年01月16日

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「美しい丘」 見逃さないで。私は全身に鳥肌が立ちました。

本と本の作り手の思いを大切にする編集や営業、書店員。

その華々しい活躍なんか描かれていない。大切なのはそこじゃない。

なぜ彼らは本と関わり、出版業界で働き続けるのか…ひとりひとりが本を愛するようになったきっかけ、彼らも気づいていないかもしれないような青春体験が、とても懐かしいタッチで描かれている。訥々と。

もう一度。「美しい丘」は珠玉!

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2013年11月26日

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出版社の営業マンのちょっとしたエピソード。小さな出来事だけれども凄くワクワクします。最後はほろりとするオチがあり、スッキリします。大好き度❤️❤️

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2022年11月22日

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4編とも、気分が落ち込んでいる時でも気構えせずに読める優しい物語でした。
美しい丘を読んだ後の、温かくさっぱりとした感覚がお気に入りです。

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2022年09月21日

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出版社の営業マン作本を中心とした連作短編集。
静かに物語が進んでいく感じが心地よかった。
2作目「最近、空を見上げていない」が1番好きだった。

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2022年08月07日

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最近空を見上げていない、読み終わってタイトルの意味がわかります。
一話目は少し恋愛モードでキュンとしました。
空を見上げて、少し方の力が抜けるような気がしました。

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2022年07月31日

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いわゆる一般、日常、普通な感じがよく出てて親しみやすい中に、共感ややる気やじーんとくる感情などが湧き出てきてとても良かった。若者の言葉でよく分からないものとかあるけど、おそらくエモいっていうのは、読後に湧き出たこの感情を言うのかと思った

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2021年05月18日

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単行本『赤いカンナではじまる』収録の「赤いカンナではじまる」、「美しい丘」、「最後の夏休み」を加筆修正し、新たに「最近、空を見上げていない」を書き下ろしたもの。

前回読んだ短編集『はじめて好きになった花』が良かった。
中でも表題作は情感あふれる恋愛小説だった。
本作は恋愛小説ではないが、同じすっきりとした読後感を味わえる短編集だった。

普通の人の、ちょっとだけ特別な瞬間を切り取った物語たち。
これくらいがちょうどいいのかもしれない。
ネガティブかもしれないが、あまり大きな成功だと、その後に下り坂が待っているような気がしてしまう。

いい意味で、ハラハラしない。
安心して読める。

「赤いカンナ」ではじまる書き出しは読んでみたかったな。

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2020年10月07日

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書店員と出版社の営業を中心にした中篇集。
ストリッパーになった幼馴染に会いに行く「美しい丘」が一番好き。ストリッパーになったとしても、本を好きという根本的なところは変わっていないところを明かしてくれたラストが最高。
全体的に秋空のように突き抜けるような爽快感と寂寥感を併せ持った読後感。

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2015年09月28日

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出版社で営業をしている作本さんのお話。書店員さんとの絡みもありとても面白かった。謎解きではなく日々のお仕事が描かれていて良かった。

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2015年03月30日

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本にまつわる、本と関わる人々の物語。けれど本にまつわるミステリのようなものではなく、あくまでそこに出てくる人々の物語。登場人物を魅力的に描くのではなく、登場人物それぞれにまつわるエピソードを描くことで、逆にその人物の内面をくっきりと浮き彫りにしていて、親近感や愛着を湧かせ、そして自分自身に重ね合わせてしまう。とても巧みなように感じました。

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2014年03月17日

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「美しい丘」の美瑛の風景描写が、以前旅行した時の情景を思い出させてくれた

浩志が離れた彼女をずっと想っていた気持ちが、別れの時の彼の瞳の溜まっていた涙の、美瑛川の雪解けの水滴に例えられていて、美しい

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2022年10月27日

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登場人物が重なる四編から構成される連作短編集。
自分にとって大切なものは他人から見たらわからない。登場人物達の大切なものを切り取り、追いかけるストーリー展開。
ストーリーに大きなうねりはないけど、ラストは清々しい。本をきっかけに人と人が繋がるところも良かった。
自分にとって本当に大切なもの、したいことはなんだろうか?できてますか? と問いたくなる。

やりたいことがわからない大学四年の夏を描いた「最後の夏休み」が一番好きでした。

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2021年12月13日

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ほんわか小説だねえ。書店員と出版社営業部員が主人公の話だが、気楽に気持ちよく読める本。「ほんわか、しんみりさせたるでえ」というのが見え見えだけれど、悪くはない。最後のザリガニの話はまあいいかな。

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2021年07月01日

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本に関わる人達の語れる思い出話。
すごく良いって思える話はなかったものの、読み終わった後、満足感があった。

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2014年03月25日

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ネタバレ

元書店員という立場(視点)でこの作品を読んだ。自分が担当をしている部門の棚や平台にはすごく愛情を込めて展開をしているので、担当を変わるとなるとすごくショックである。この作品を読んで少しでも書店の事がわかっていただければと思う。

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2014年03月04日

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書店や出版社に関わる人たちの連作短編集。主役は出版社・営業の作本さんなのかな。そういわれてみれば私も最近、空を見上げていないなと思い、そして本にかかわる小説だったので手にとってみました。
表題作の『最近、空を見上げていない』と『美しい丘』が特に良かった。余談だけど、どの業界も社会で働いて自分で稼いで生きていくのは難しいなと思った。

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2014年01月14日

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出版社営業の主人公と書店との繋がりを描く連作短編集。
華々しい話はないけれど、静かに心に染み入ってくる感じ。
タイトルの「最近、空を見上げていない」は本の話しだったが、書店員個人の話し、友人の話し、営業マンになる前の話しなどどれも素敵な話だった。

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2013年12月25日

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