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①植物への水の供給は、根が水を押し上げて上に運ぼうとする力と葉っぱ(気孔)の蒸散により水を上から引き上げる力。真夏の炎天下、葉がぐったり(水不足)。夕方から夜、命がけの吸水が。②植物は根から吸った水と、空気中から吸収した二酸化炭素を材料に、光を使って葉っぱでデンプンを作っている。自分で自分の食料を。③植物は光合成の副産物として酸素を放出。酸素からオゾンができ、オゾンが紫外線を吸収して陸で生物が暮らせるようになる。④葉っぱは夜の長さをはかっていて、季節の訪れを前もって知ることができる。そして、芽に合図を。
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去年一回読んで,現在再読中。平易な文章でややこしい植物の仕組みについて語られている。目から鱗が落ちる箇所がいくつもあった。特に,発芽・種皮・植物の五感のはなしはとってもおもしろい。動物のように自由に移動できない植物だけれど,限られた場所で生き延びるためにあらん限りの知恵をふりしぼっていることがわかる。そしてまた,目には見えないこうした仕組みを一つ一つ解き明かしていく人間も,やっぱりすごい。
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小学生レベルの理科から高校生物レベルの植物生理学の分野がわかりやすく説明されています。
ただし、進化論や植物の五感の話は少し恣意的であるかな、と感じました。
例えば、植物は変化する環境に適応できるように生殖進化した。(自然選択の説明ができていない)
植物種子を食塩水に浸けると反応するのは味覚があるからだ。(浸透圧では?)
とも感じましたが、どの話も興味深く読めました。
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著者の植物に対する敬愛の念に溢れた本。
読んでいて楽しくなりました。
前半、中学・高校時代の生物の授業を復習をしている気分になる。
理解しやすく、読みやすかったのだけど、途中から言葉が難しくなるのが欠点。
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とにかく「やっぱ植物、すごいなあ。」「ちゃんと生きてるんだなあ。」というのが素直な感想です。他にも「チューリップはバブル経済の元祖」「ナシの20世紀はゴミ捨て場の中から生まれた」とか興味深い話も。でも、「ふしぎ」とはあまり関係ないのだが、個人的にいちばんグッときたのは笹、竹に花が咲く、それも60年、あるいは120年ごとに、ということを初めて知ったことだ。そういえば見たことがない。もちろんいっぱい種類もあるので、一生に一回しか見られないというわけではないそうだが、私は見たことがない。小さな清楚な花だそうだ。グッときますね。
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<目次>
第1章 何を食べているのか
第2章 ストレスと闘う
第3章 からだを守る
第4章 季節を先取りする
第5章 生殖に工夫を凝らす
<内容>
田中さんの植物シリーズ。ちょっと視点を変えて、植物の生きる知恵をまとめたもの。ヒガンバナのつぼみはあまりできない、とか面白かった。
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それなりに植物と暮らしている自分でさえ、植物の性質といえば光合成して二酸化炭素吸って酸素出して根っこから水吸って・・・という雑なステロタイプしか持ち合わせていなかったことに気付く。実に様々な特徴や機能を持っていて、読んでいて飽きない。珍奇な植物の紹介ではなく、よく知られている身近な植物たちの知られざる生態であるところがよいのである。
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この本を読んで わかりやすく説明しようとする姿勢がよく見えて
あらためて 植物のふしぎな生き方を知ることができた。
『葉っぱの機能は
1 夜と昼の時間のながさを感知している。
2 光合成をして ブドウ糖やでんぷんをつくり 栄養補給している
3 蒸散をして 体温調節をする。』
という ことを 物語風にして 説明していた。
植物に 動物と同じように五感があるように工夫して書かれている。
この本を読みながら インスピレーションが湧いた。
この本は 植物がじっとして動かないように見えるが
植物が 地球上に誕生して以来の 歴史的な視点で見ることによって
植物の 環境に 適応してきた姿が 今ここにあることを
実感させられる。
なぜ春に花が咲くのか?
というテーマも重要なテーマであり、
この本が出版された 2003年には
フロリゲンはまだ見つかっていなかったが、
現在では 開花を促進する 遺伝子は見つかって
フロリゲンの姿も 徐々に明らかにされつつある。
科学の進歩は早いが この本は そのたどってきた道をきちんと見るうえでも好著であることは確かである。
ただ 平易に説明しようとして 少ししたたらずのところもある。
根の役割を水分を吸収するだけに限定しているところなど。
また 殺虫成分を含む遺伝子組み換え植物について
取り上げているが その説明があまりなされていなかったり、
CO2が増えることによって 植物はどうなるのかについても
植物は憂えているだろう としているだけである。
植物を見ながら 植物の立場で説明しようとする手法が
うまく編集できていないような気もする。
しかし、読むに値する本であろう。