感情タグBEST3
Posted by ブクログ
この本に収録されている作品のほとんどの主人公が今ならばニートと揶揄されてもしょうがないような駄目人間で愛おしい。それだからこそそんな中にぽつんとある文学的な青春風景を描いた「休憩時間」や脱力系のオチが待っている「うちあわせ」が引き立つ。語彙や言い回しは流石に古くささを感じるけど文体としてはいまでも十分読めるし通じる。
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定本 夜ふけと梅の花 (単行本)のほうを読みました。
表紙は井伏氏が描いた、地図。
どの話も最初から最後まで貫き通される主人公のだめだめさが、
なんだか気持ちいいというか、文体との不思議な調和があって、
「よし、この主人公を反面教師にして頑張ろう」なんて気には塵ほどもならない不思議な心地よさがありました。
「一匹の蜜蜂」で、
肥え太って働かなくなったぐうたら蜜蜂を見て自分に重ね、
蜜蜂と自分を重ねることを周りにちょっと怒られてる場面があって、
でも「山椒魚」しかり、暗喩するということにすごく敏感な人なんやなぁと。
あとがきを読むと、同じ話でも何度か書き直して少しずつ違うみたいなので、他のバージョンも読んでみたいな。
Posted by ブクログ
若い井伏。言わずと知れた山椒魚、初めて読んだ井伏作品でもある。その原型となる幽閉も収録。僕は年老いた井伏の方に親しみが湧く。これは僕が年老いたせいなのか。あと朽助が登場する作品が好き。あの方言の雰囲気がたまらなくよい。