【感想・ネタバレ】炎立つ 伍 光彩楽土のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

ついに最終巻。読み終えた達成感と充足感、そして読み終えてしまった…という寂しい気持ちとで半々。
確かに歴史伝奇小説なんだけれど、俗説を拾い上げて正史の行間を埋めるように昇華しきっていると感じた。
特に藤原泰衡は、こういう人物像もあり得るんじゃないかと思わされる。義経との絆には泣かされたし、泰衡の最期の演出もニクかったなぁ…。
平泉に行ってみたい。

0
2022年01月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

武士の美学…。新渡戸稲造が言ってたニワカBUSHIDOなんかじゃなくて、これぞ武士道。こんな大きな死に方見たことない。




 源義経の高橋克彦流の解釈。かなり『吾妻鏡』とは違う。

 吾妻鏡では、泰衡が秀衡に義経を守るように託されるも、頼朝に恭順すべく義経の首を差し出し、さらに義経に心酔していた弟の忠衡も誅滅したという。それによって頼朝に許しを得ようとするも、頼朝は勅令に背いたは大罪として断固として奥州藤原氏を討ち亡ぼすよう攻め込んだとしている。泰衡は逃げ続けたが最後は郎従の河田次郎に首を獲られたとされている。
 吾妻鏡は鎌倉幕府のつくった史書であり、ご都合主義が採用されていると思われる。だから高橋克彦氏の言うように奥州藤原氏の一連の顛末はああだったかもしれない。

 しかし、それにしても美談に作り上げられている。それでも、面白い。

 蝦夷の政治学が鎌倉幕府に転用されているという考えは非常に面白い。記録には残らないから奥州藤原氏がどのように広大な蝦夷一帯を治めていたかは正確にはわからない。しかし、安倍貞任から150年もの長い間を独自の治め方をして、平和を作り上げたのだから、特筆すべきものがあったに違いない。
 実に興味深い、奥州藤原氏論だった。


 高橋克己の陸奥三部作をここから読み始めたので、他の『火焔』『天を衝く』も楽しみ。

0
2015年09月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

時代が下って、平氏の台頭から奥州藤原氏の滅亡まで。泰衡が義経を逃がし、奥州の平穏を守るため、自ら滅ぶ道を選んだというのは、もちろん定説ではありませんが、これは「アテルイ」からの筆者の基本的な姿勢。まあこれはこれで良いかと。

0
2015年02月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

平安後期の陸奥を舞台にした全五巻の長編。
第一巻~第三巻はいわゆる前九年の役での安倍氏と藤原経清、源氏を巡る話。
第四巻は藤原経清の遺児、清衡が後三年の役を通じて安倍氏の血を再興するまでの話。
第五巻は奥州藤原氏が滅亡する際の源義経との関わりを描く話。
本巻(第五巻)は、史実との辻褄を合わせるためのやや無理な展開が多かったので星を1つ減らしました。何故栄華を誇った奥州藤原氏があっさりと滅んでしまったのか。本作では藤原泰衡に華を持たせていますが、実際のところどうだったのか気になります。

0
2012年08月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ここまでのあまたの闘いが雪や泥や血煙りに覆われていたのだが、急に光彩楽土が開けたような、美しい街の様子が目の前に広がる。その後も一筋縄ではいかない理想郷、しかし散り際の見事なこと。5巻を通してどんどん世界に引き込まれる。

0
2012年01月09日

「歴史・時代」ランキング