【感想・ネタバレ】炎立つ 四 冥き稲妻のレビュー

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Posted by ブクログ 2023年08月20日

久しぶりの「炎立つ」だけれど、4巻のみ。
むか~し、夢中になっていた頃は、経清と安倍一族ばかり読んで、
今で言う「聖地めぐり」までしていた。
その分、後半の4,5巻の記憶が抜けている。
(あらすじはわかっているけれど)
後三年の役の舞台となった、出羽を旅するにあたり、読み返したわけ。
いや~、止まら...続きを読むないわ。
おもしろい。
息をもつかせぬとは、このことだね。
歴史の整理(出来事)には十分、旅の予習ができた。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年01月12日

藤原経清と結有の子・清衡が主人公となり、前九年の役後から後三年の役後までを描いている。
清衡の半生はひたすら忍耐に次ぐ忍耐の日々で、読んでいるこちらも辛く、ときには我慢ならなくなりながら物語を追った。
清衡は「経清と貞任の思い描いた楽土の夢」「民のための国」という念願を成就させるために耐え続け、つい...続きを読むにそれを成し遂げる。
ここまで来るのにどれ程の血が流れたのかを考えると、虚しくも感じる。しかし、遂に父や安倍一族、物部氏の大きな夢が果たされたのだった。
それにしても、高橋克彦さんの想像力に圧倒される。

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Posted by ブクログ 2020年10月18日

清原内部での死闘、後三年の役が始まる。清原清衡、源義家が、死闘を掻い潜り、清衡がついに勝利を収める。
それにしても、凄まじい身内同士の死闘。清原一族には、真の武将はいなかった。
源義家が、藤原経清の妻、結有と対面し、義家が藤原経清らをまことの武士として、いかに尊敬していたか語る場面は、本当に感動。ま...続きを読むさに「士は己を知る者の為に死す」ですね。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2015年09月04日

後三年の役を舞台にした東北武士の物語。ここから奥州藤原氏は始まる。源義経を理解するならここから読み始めろ!!


 東北の歴史はブツブツと知る程度だけれど、脈々と続いていたことがよくわかって、歴史の勉強としても非常に理解が深まる。確かに正史ではないかもしれないけれど、この解釈は非常に納得がいく。とい...続きを読むうか、気持ちいい。


 前巻までの安部貞時や藤原経清らのように熱い感じは少ない。だけれど、生き残るには生死をかけないといけない、弱肉強食の時代を感じられる壮絶さを描いている。迫力ある描写は読みごたえあり。なんていうか…ページをめくるとその先は、血でべっとりしてる!!



 藤原清衡は…、我慢強かったから藤原清衡になれたんだろうと強く感じた。
 武士道とは「潔いこと」だと新渡戸稲造の著書で勘違いが広まってしまった。本当は、「初志貫徹」こそが武士道である。己の定めた崇高な志を実現するために、どんな困難も耐え、壁を乗り越える。
 「志」という不定形の物のために己を捨ててまで執着する。その心意気が「武士道」なのである。
 清衡にはその武士道を感じる。父である経清のようにプライドであっさり志を諦めるような体裁を気にする男じゃあない。
 江戸時代に作られた美学的武士像。そういうんじゃなない、リアリストな当時の武士像がわかる。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年11月16日

後三年の役と奥州藤原氏の成立を描く第4巻。安倍氏と源氏の争いだった前九年の役と比べると、スケールも登場人物もスケールダウンの印象も、高橋克彦氏の筆の冴えはさすが。はずれ無しです。

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Posted by ブクログ 2014年10月07日

3巻の主人公の子供が主人公。母親と2人で敵の館で暮らしているという過酷な生活。
でもこの人が陸奥を纏めるようになるんです。どうやってそこまで登り詰めたのか。
この人もすごく気丈。 

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Posted by ブクログ 2014年03月02日

藤原経清の息子が清原清衡そして藤原清衡となり、奥州藤原氏へ。

清原家の内紛を源義家との縁も活かし、なんとか乗り切る。
そして源義家の影響力も排除することに成功する。

私利私欲のない清衡だからこそ成し遂げたんだろうなあと思いました。

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Posted by ブクログ 2013年03月08日

奥州藤原氏一代目の誕生。義兄も異父弟との戦い。源義家との出会い。そして奥州平定へ。結有と貴梨と澪丸の死には泣けた。

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Posted by ブクログ 2012年10月31日

2012-117
主役が経清の息子、清衝へ。
敵の中で、20年を耐え
とうとう立ち上がる。
本当に忍耐の人。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年08月26日

平安後期の陸奥を舞台にした全五巻の長編。
第一巻~第三巻はいわゆる前九年の役での安倍氏と藤原経清、源氏を巡る話。
第四巻は藤原経清の遺児、清衡が後三年の役を通じて安倍氏の血を再興するまでの話。
第五巻は奥州藤原氏が滅亡する際の源義経との関わりを描く話。
本巻(第四巻)は、第一巻~第三巻のエピローグ的...続きを読むな位置づけか。あとがきで著者が書いているところでは、藤原清衡の人物像をどのように描くかが難しかったとのこと。但し、清衡が実際にどのような人物であったとしても、前九年の役の敗者であったはずの安倍氏と藤原経清の血が勝者の清原氏を最終的に呑み込んでしまう経緯は、あたかも貞任と経清の恨みがそうさせたようで、史実の面白さをあらためて感じさせる。

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Posted by ブクログ 2012年05月29日

亡き経清の妻・結有は清原氏の妻となり、その子・清衡と共に、安倍氏の再興への想いをひたかくしながら、苦渋の日々を送る。さまざまな謀略の渦に巻き込まれながら、多くの命を失いながら、経清は生き延び、奥州の統一を図る。

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Posted by ブクログ 2020年05月04日

第四巻は、奥州藤原4代の始祖、藤原清衡の生涯を描く。『前九年の役』にて安倍氏敗北後、敵方の清原氏に母と預けられるが、最後は源義家と共に清原氏を破り、奥州の統一に至る。『後三年の役』が舞台になるが、数々の人間ドラマ(母子、異母兄弟等)を絶妙に描いている。
清衡は父経清に通ずる武士としての一本気な心に加...続きを読むえ、現実を直視する政治力を備える。清衡の戦いの舞台での戦略眼は読んでいても爽快。

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Posted by ブクログ 2010年04月21日

新規購入ではなく、積読状態のもの。
2009/2/15〜2/22
前九年の役で安倍一族が滅んだ後、清原氏が陸奥を治めることになった。経清の妻結有は敵であった武貞の後妻として清丸とともに生きながらえていた。清丸にとっては異父弟となる家衡も産まれる。清衡となった清丸は、父経清、伯父貞任らの夢を実現すべく...続きを読む忍従の日々を送る。清原氏の跡目相続に端を発する私闘が始まらんとするとき、因縁深き源義家が陸奥守として着任する。後三年の役の火蓋が切って落とされる。果たして清衡は夢を実現できるのか?
歴史の教科書に載っていた後三年の役がこういう裏があったとは(もちろん細かいところはフィクションであろうが)まったく知らなかった。結有、貴梨、澪丸の自害シーンは涙がこぼれそうになった。なんで10年以上も積んでおいたのかなぁ。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

今までの3巻の歴史があるので、出てくる人物にいちいち感情移入して泣きまくり、さらには読む手が止まらなかった。
しかし…清衡の決断と運命は哀しい。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

小さな火花も、機会を過たずに風を送ればそれは再びの炎と化す。たとえ燃えるべきその時を待つ間に、多くを失っても。失って、そしてまた、得る。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

出版社/著者からの内容紹介
仇の子となり奥州藤原氏の栄華を開いた忍ぶ男の戦い。

安倍が滅び、出羽の清原一族が治めることとなった奥六郡に藤原経清の妻結有は忘れ形見の清丸とともに留まっていた。清原の嫡子武貞の妻としてである。亡き兄と夫の志を胸に秘め敵方の一族として忍従の戦いを続ける母子の前に源義家が陸...続きを読む奥守として現われる。清原一族の確執が「後3年の役」の嵐を呼び起こす。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

東北の地に生きる人々、そして武士の壮絶な歴史ロマン。
時代背景は『火怨』→『炎立つ』→『天を衝く』と続く。
格好良い生き方の男達に惚れますよ!涙しますよ!引き込まれますよ!

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Posted by ブクログ 2022年09月10日

R4.8.27~9.10

(感想)
前九年の役が終わり、清原氏が奥州に地位を築いた後、清原清衡が奥州の覇者になるまでを丁寧に描いた1冊。
この章の最後に、清衡が藤原を名乗り、藤原三代の物語が始まる…ということは残りの1冊で、三代の勃興が描かれるわけですね。かなりスピード感があります。

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Posted by ブクログ 2014年10月18日

貞任と経清が前九年の戦に負け、その後の陸奥を頼義に味方した清原一族が牛耳る事になった。経清の妻の結有は、復讐を胸に清原の妻となり、清原との間に子供を持つ。最終的にはこの子(旧清原)と清丸(+頼家)が戦う後三年の戦が締結し、陸奥における黄金期のはじまりとなる。
内紛が主題になっているのでちょっとドロド...続きを読むロした感じが否めないが、面白かった。当時の人がどこまで情勢を先読みしていたかは分からないが、家来や敵の心情を読みながら策を考えていたのかと思うと、現代人とあまり変わらないのではないかと思う。使う道具や、仕事が変わっただけで人間自体はあまり進化していないのかもしれない。

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Posted by ブクログ 2012年01月17日

ここまで来て、本当の主役はこの東北という地なのかなあ、と。ここまで来たらあとは一気に読みたい感じで困る。

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Posted by ブクログ 2010年04月04日

 朝廷の支配が及ばぬ、平安末期の東北地方。ここに一大勢力を築いた、奥州藤原氏。東北出身のミステリー作家である著者が描いた一大ロマン。

 その父祖、亘理権野大夫藤原経清は蝦夷(えみし)の豪族、安倍氏の娘を娶り、源義家の奥州征伐で安倍方に寝返る。時は流れ、その子孫である藤原四代は東北に覇を唱え、豊富な...続きを読む鉱物資源をバックに隆盛を極める。しかし、栄華は長くは続かなかった。

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Posted by ブクログ 2009年11月01日

全五巻通読後のレビューです。
ご存知、高橋克彦氏の陸奥三部作の一つです。
前九年の役から奥州藤原氏の滅亡までを描く。
アテルイ(こちらは『火怨』の主人公)たちが叛乱を起こしてからずっと中央政府の方針に納得がいかない陸奥の民はついに再び叛乱を企てる。その中心は安倍頼時(のち頼良)。ついに中央政府...続きを読むから陸奥守として源氏(源頼義)が派遣され、全面戦争に発展。安倍氏は陸奥の民の代表として、物部(吉次は物部の子孫とされる)の支援を受け、陸奥の大地で源氏を迎え撃つ。
そんな中、源氏側の一人としてやってきた藤原経清(奥州藤原氏の祖とされる)は、頼時の娘を妻にしていたし、義弟の平永衡(同じく頼時の娘を娶る)が謀反の嫌疑で殺され、明日はわが身、と危惧し(安倍氏側への共感や頼義への不信感もあった)安倍氏側に寝返る。そこから経清の獅子奮迅の働きもあって、戦いは一進一退の攻防を繰り広げるが、隣国清原氏を味方につけた源氏の征討軍が逆襲を開始。ついに安倍氏は滅亡、経清も鋸びきの刑で壮絶な死を遂げた。
その滅亡した安倍氏に代わって陸奥を収めたのは清原氏。そこに経清の遺児でのちの初代奥州藤原氏となる清衡が養子となって(この詳細は本でぜひ)、ひそかに父と安倍氏の志の実現を図ろうと企てながら暮らしていた。
そのあと紆余曲折あって(ここは本書でぜひ!)、ついに清衡は父・経清と安倍氏の無念を晴らし、奥州に楽土を作り上げたのであった。
そして、約100年勢力を保ち続け、秀衡の時代になると、完全に中央から離れたような楽土となっていた。
そこに、新たな敵が現れる。源頼朝である。秀衡は断固とした態度で頼朝の弟・義経をかくまい続け(しかし、それは隠し「陸奥にはいない」としていた)、その間は頼朝も攻める口実を作れず、にらみ合いが続いた。しかし、その秀衡が亡くなると、その息子・泰衡は頼朝の強硬な態度に屈してしまう。義経と奥州藤原氏はほぼ時を同じくして滅び、頼朝に覇権を譲ることとなった。

以上が小説のあらましですが、安倍氏の陸奥の地への、陸奥の民への思いの強さとその戦いぶりに胸を打たれます。また藤原氏の楽土への思い、それを打ち砕く頼朝のある種の執念のようなものの激突が見ものです。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

安倍が滅び、出羽の清原一族が治めることとなった奥六郡に藤原経清の妻結有は忘れ形見の清丸とともに留まっていた。清原の嫡子武貞の妻としてである。亡き兄と夫の志を胸に秘め敵方の一族として忍従の戦いを続ける母子の前に源義家が陸奥守として現われる。清原一族の確執が「後三年の役」の嵐を呼び起す。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

今、見事な白髪が落ちた。てなこたともかく、冥き稲妻とは。異母異父兄弟の暗闘をそのまま言い表した見事なタイトルだ。

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Posted by ブクログ 2017年06月24日

ここに来て急ピッチで物語が進行する。
この本を読むまで存在さえ知らなかった清原家。奥州の陰にこんな一族の存在があったとは。
結有や清衡の行動原理については賛否が難しいところ。大義のためにここまで己を殺して耐え忍ぶことについて、自分としては共感できない。
作品を通して感じるのですが、脇役として位置付け...続きを読むられた人々が繰り広げる某略の醜いこと。。。私利私欲の権化となった権力者のみっともなさはいつの時代も同じですね。

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Posted by ブクログ 2013年02月27日

第4巻は後三年の役前夜からその終結まで。清原氏にかわって藤原氏が奥州の覇権を握る。期間が短いとはいえ前九年の役に3冊かけたことを考えると、だいぶ早足になったという印象。
初期のころからすこしだけ言及されてきた奥州での楽土建設という理想だんだんと強く押し出されつつある。これが奥州藤原氏の栄華につながる...続きを読むのだろうが、問題はそれをどう描出するか。単に近畿の朝廷の力の及ばない半独立国家というだけでは楽土とは言えない。一方で、歴史的には半独立国家であることにはかわりないわけで、あとは中尊寺建立の背景といったところに依らざるをえないのではないかと思う。そうではなくて、朝廷を中心とした体制に対するオルタナティブとしての国家制度を提示できるのか。最後の第5巻はここが焦点になるし、作品全体としての成否もこれのかかっている。

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