【感想・ネタバレ】グッバイ・ヒーローのレビュー

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Posted by ブクログ

面白すぎました。。
第一部が終わって、え??ここからまだなんかあるの?
って思ったら、
まさかのそれが描かれるなんて。。
横関さんの作品はミステリー×感動って感じで、
本当に最高です。

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2022年05月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ


俺は旨いものを届けたい、それだけなんです。

ピザを届ける先は立てこもり現場。そこにいたのは、腰の低いおっさんだった。困っている人がいたら助けなければならない亮太と、おっさんのお話。
.
ルパンの娘の作者さんということで読んでみた。全体を通して常にワクワクしていた。亮太の頭の回転の良さと度胸が凄い。"ヒーロー"が誰なのかが分かると胸熱。
ーーーネタバレーーー
ヒーローにはヒーローがいるという考えが適切かな?裏のヒーローみたいなカッコ良さ。第二部では遥香にペンギンが好きか聞いていたり、今もライブに招待してくれたりと亮太の中にはいつもおっさんがいて、おっさんはおっさんで亮太のために行動していて、お互いが時を超えてなお思い合っている展開が良い。

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2021年11月26日

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ピザ屋とおっさんの不思議な絆に思わず涙。
内容は決して濃くないが、とにかく心がほっこりする。
横関さんの作品はどれも好きですが、読みやすさとあたたかさからこの作品が一番好きです。

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2020年11月25日

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おっさん どこ行ったんだよ。

一部が 終わり 二部が あった時

まだ 続きが あるんだ。

すごく うれしかったです。

ピザ 運び屋 拳銃 キーポイントは いろいろあるが

わたしとしては 「一等賞」。

これですね。

てっきり 横関ワールドなら 東京タワーで 助けた 親子が 2部でも 出てくると思ったのですが。

残念 出てきませんでした。

ところで ヒーローは 誰だったんですかね。

亮太 おっさん それとも。

途中の 1000万円の 使い道 私は わかりました。

皆さんも わかりましたよね。

もうすぐ ルパンの娘も 始まりますし。

ますます 横関ワールドから

目が 離せませんね

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2020年10月13日

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バンド活動をしつつバイトでピザ屋の配達をしている亮太。困った人が居ると助けずには居られない亮太。配達先で立てこもり事件に巻き込まれそこでおっさんに出会う。
おっさんとの関係がとてもよい。テンポよくどんどん読めて面白くとてもよいお話だった。

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2019年08月21日

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これがデビュー2作目と解説で知った。再会よりこっちの路線の方が好き。最後は切ない場面もあるけど、きっと良い方に向かって行く予感がする。主人公の最後の台詞が素敵です。

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2018年04月17日

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ネタバレ

これで横関さんの既刊本はすべて読破!嬉しいようで寂しい・・・
この人の本はやっぱり最後に元気をもらえる。登場人物を応援したくなる気持ちはやっぱり大事だなぁとしみじみ思う。
あと最後に消えたお金の使い道が!そうだ!そうだったんだ!と単純に感動した。伏線がうまくはられたいい話だったよ・・・・最高だった・・・
配達人といいタクシードライバーといい、横関さんの本に登場する職業を見かけると、つい顔が緩んでしまうから困る(笑)

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2015年11月21日

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古くはコナン・ドイルが生んだ
名探偵シャーロック・ホームズとその助手ワトソン、
ハードボイルドの巨匠レイモンド・チャンドラーの傑作『長いお別れ』から
フィリップ・マーロウとテリー・レノックス、
宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』から
ジョバンニとカンパネルラ、
村上春樹初期三部作『風の歌を聞け』『1973年のピンボール』『羊をめぐる冒険』から
僕と鼠、
花村萬月の傑作『ブルース』から
ギタリスト村上とホモのヤクザ徳山、
三浦しをんの 『まほろ駅前多田便利軒』から
多田と行天、
金城一紀の『フライ,ダディ,フライ』 から
スンシンとおっさん、
長野まゆみの『少年アリス』から
アリスと蜜蜂、
漫画だと池上遼一の 『サンクチュアリ』 から
ヤクザの北条と政治家の浅見、
映画だとフランシス・フォード・コッポラの『アウトサイダー』『ランブルフィッシュ』、
リュック・ベッソンの『グラン・ブルー』
などなど(ふ~っ)、
男×男の絆の文学(映画)に滅法弱い自分には
この小説はまさにツボ!
(しかし、このテーマで語りだすと
止まらんくなるな~笑)


バンドマンをしながら
ピザ屋の配達の仕事で生計を立てる主人公が
ひょんなことから監禁立てこもり現場に
ピザを届けることになり、
謎多き人質のおっさんと
いつしか絆を深めていくストーリー。

映画『ダイハード』の例と同じく、
巻き込まれ型の物語は
次が予測できないから面白い。

困った人を見れば助けずにはいられない男気ある主人公だからこそ、
見ず知らずのおっさんの境遇にシンパシーを感じて
ピザ屋がそこまでするか?(笑)という危険を次々と冒し、
読む側を同じようにハラハラドキドキさせてくれる。

そして読んでいて心地いいのは
おっさんのキャラがミステリアスなんやけど、
飄々としていて
どうにも憎めない点(笑)

映画『ミッドナイト・ラン』の
デニーロとチャールズ・グローディンの関係に似て
二人のやりとりがどこかユーモラスに映るからかな。

前述したハードボイルド小説の金字塔『長いお別れ』では
ギムレットが
主人公マーロウとダメダメな親友テリー・レノックスを繋いでいたけど、
本作ではピザとチャーハンと
行間の隙間から聞こえてくるロックが
凸凹コンビの絆を繋ぎ
いい小道具になってます。


約束を守るために影で奔走する
『真のヒーロー』の姿に
誰もが目頭を熱くするだろうし、
(コレは読んでのお楽しみ笑)

本を丁寧に丁寧に
読み進めた者だけが最後に味わえる 
胸を打つカタルシス。

クソったれのリアルな現実も
こういう小説があるから
明日をまた信じてみようと思えるんよなぁ~(笑)

音楽好き、または男同士の絆を描いた小説が好きなら
必ずハマりますよ!

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2014年08月27日

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再読!
トンデモな設定なのですが、疾走感があってサラッと読めます。一気読み推奨!
おっさんのキャラが好きです(*^^*)

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2024年03月18日

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初めての横関大さんの作品。
主人公の性格のせいもあってか立てこもり事件ですら瑞々しさを纏いながら物語は進みます。
久しぶりにこういった作品を読みました。解説にも書いてありましたが伊坂さんぽさを私も感じました。
心温まる、エンタメ。
たまにはありだなぁ、と。
とっても綺麗なお話です。

作者さんは人を信じているのだろうな。

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2023年11月20日

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おっさんに翻弄された。
好感の持てる主人公にシュールな文体?で引き込まれる。
最後にはちょっと泣かされた

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2023年04月26日

Posted by ブクログ

「横関大」のミステリ作品『グッバイ・ヒーロー』を読みました。

『ピエロがいる街』に続き「横関大」作品です。

-----story-------------
ピザを届けるのが俺の仕事だ。
それがたとえ、拳銃を持った男が立て籠もっている場所でも。

立て籠もり現場にピザを届けることになったバンドのリーダー「伊庭亮太」。
だがそこにいたのは、腰の低い「おっさん」だった。
託されたメッセージ。
奇しくも今夜は大切なライブの日。
だけど困っている人がいたら助けなければならない。
「おっさん」と「亮太」の長い一日が始まる。
次々くり出される意外な展開が止まらない!
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意外な展開が愉しめるテンポの良い巻き込まれ型のミステリ作品でした… 非現実的な展開と、エンディングにやや物足りなさを感じましたが充分愉しめるレベル、、、

困っている人がいたら助けずにはいられない… 主人公「伊庭亮太」の人の良さが魅力と、地味で目立たないけど意外な活躍をみせる「おっさん」の二人が印象的な作品でした。


バンド活動をしながら、宅配ピザのアルバイトをしている「伊庭亮太」は、困っている人がいると放っておけない性分で、配達先では喧嘩の仲裁から水道の修理まで、色んなことに巻き込まれてしまう… そんなある日、指名の配達の仕事がありピザを届けにいくと、警察と名乗る男たちに拘束され「立てこもり事件がおきているスナックにピザを配達して欲しい」との要請を受ける、、、

「亮太」が指名された理由は、ピザ屋のホームページに顔写真が掲載されており、警察官がピザ屋に扮装することを防ぐためだった… 「亮太」が、そのスナックにピザを届けると、受け取ったのは、ごく普通のサラリーマン風の「おっさん」だった。

これをきっかけに「亮太」は犯罪に巻き込まれ、しかもひとつの事件が終わっても次から次へと事件に巻き込まれていく… そして、立てこもり事件の人質だった「おっさん」の意外な正体が徐々に明らかになり、「亮太」もまた、持ち前の度胸と機転で次々と難局をのりこえていくという、スリル満点、スピード感たっぷりの展開です。

「おっさん」は一見、うだつのあがらず、目立たないサラリーマン風の小太り男なんですが、実は金さえ払ってもらえば何でも運ぶ「運び屋ジロー」という裏の顔をもっており、しかも、運び屋になるまでには辛い人生があったことが判明… 年下の「亮太」に対しても常に敬語で、ほんとに普段は冴えないのですが、ひとたびことが起こればガラリと印象が変わる人物、、、

「亮太」は「困っている人がいたら助けなければいけない。それが俺のルールなんだ」と言う父親譲りの性分で、仕事そっちのけで人助けをして、バンドの運命がかかった大切なライブの時間がせまっていても、「おっさん」を放っておけず奔走してしまうんですよね… そして、「亮太」と「おっさん」の二人は友情に近い絆が感じられる関係にまでなっていきます。

しかし、「おっさん」の正体と罪を知った「亮太」は、「おっさん」に自首を勧め、二人の居場所に警察を呼び寄せますが、間一髪のところで「おっさん」は逃走… 大型スクーターとともに海に転落してしまいます、、、

ここで第一部が終了し、第二部は8年後からスタート… 以前に「おっさん」に頼まれて「亮太」がピザを届けた女の子「遥香」の視点で物語が展開します。

「遥香」はそのときに「亮太」にもらったバンドのCDを聴き、「亮太」のバンド「チキン・ランナウェイ」のファンになっていた… そして「チキン・ランナウェイ」は押しも押されもしないメジャーバンドになっており、ライブ会場を訪れた「遥香」が偶然「おっさん」と出会いますが、その場で起きた事件に二人は巻き込まれていく、、、

「亮太」を守るため、二人の取った行動は… この後の展開は、何となく先が読めてしまい、もうひとひねり欲しかった感じでしたね。

でも、物語のテンポが良く、キャラクターに好感が持てて、事件は起こるけれど殺人はなくて、ちょっと泣ける感じで好感の持てる作品でした。

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2022年11月15日

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いちょう祭りで50円で買った。ナイスエンタメ。テンポもいいしそこそこ泣けるし良い小説だった。ツッコミどころを無視して読み切れる疾走感があったね。ピザ屋でバイトしてた事あるからそこも楽しかったよ。

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2021年11月24日

Posted by ブクログ

困った人がいたら助けることを心情とする亮太と恩を忘れないおっさんの物語。
一部の冒頭で「宅配ピザのバイトにはドアを開けて出てくるのがどんな人間でも物怖じしない度胸が備わっている」とありますが、考えてみるとなかなか危険なお仕事ですね。おっさんに幸あれ!

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2019年04月02日

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知り合いに勧めるくらいには面白かった。
その方も面白かったと。

読みやすいし、ただ、終わらないし。現実味もあるんだか無いんだか。
この作者さんの本は結構どれも好きですね。

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2018年08月20日

Posted by ブクログ

とってもわかりやすい伏線があったのに
すっかり忘れてしまってやられた。

おっさんと亮太の考え方、
極端だけどにくめないし愛でたい。

私がやらないとあなたは困る?
口に出さなくてもいいけど、
やるかやらないかの判断基準にはしたい。

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2018年04月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

立てこもり現場にピザを届けたバンドリーダー。腰の低いおっさんを助けることに。後日談も出てきておもしろかった。

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2017年01月31日

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バンドのリーダーでピザの配達人・伊庭亮太。立て籠り現場にピザを配達して出会ったおっさんの、不思議なメッセージを届けることから始まる長い一日。困っている人がいたら助けずにはいられない青年の運命を描くノンストップストーリー。
チャーハンにぬいぐるみにCDなど、小道具の伏線が巧みに使われていて面白い。デビュー作の「再会」より、数段テンポが良くなって読みやすくなった。解説の方の言葉通り、「再会」のエンターテイナーになってほしい。タイトルの意味深さも嬉しくなる。

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2015年04月09日

Posted by ブクログ

設定が面白い小説だと思う。

引きこもり犯にピザ配達。
頼まれたら断れない主人公。
謎の引きこもり犯。人質。

2部構成になっていて、2部目はま1部のアフターストーリーといったおまけ要素が強く、ここまでストーリー性を持たせる必要があったのかは疑問。

面白いとは思ったものの、再読はしないだろうと思ってます。

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2014年10月15日

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ネタバレ

『再会』よりも、エンタメ性が強くなり、ストーリーも人物造形もこなれた感じで読みやすかった。

ジャンルとしては、ミステリかと思うが、謎解きよりも人と人との交流を描いている印象。
伏線の張り方なんかは、わかりやすすぎるぐらいなので、謎解き重視のミステリファンには向いていないかも。

お節介というか人の良い主人公がピザの宅配バイトをしているという設定が巧いなと思ったし、宅配ピザ屋ってこんな感じなんだ~とわかって、面白かった。

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2014年09月04日

Posted by ブクログ

ちょっと無理ある設定かな?と思うけど、1度物語に入れたら、個性豊かな登場人物たちに引き込まれていきます。テンポよく進んでいくのでサクサク読めました。

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2014年03月02日

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宅配ピザ屋の店員良太。バンドマンもある彼が
ひょんなことから誘拐事件に巻き込まれ、
犯人の1人と関わり合うことになる。
2部構成の本作。
第一部では犯人一味?のおっさんとの出会いから始まり、第2部は1部の8年後の話が語られる。
重たすぎない内容の読みやすい作品でした。

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2024年03月21日

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悪事と知りながら運び屋を続ける「おっさん」。 登場直後からキーマンだとは思っていたけど、目立たないさえない風貌の「おっさん」が僕の中では真のヒーローだった。(^_^)v

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2023年04月29日

Posted by ブクログ

漫画ライクなドタバタエンターテイメントストーリ
楽しめました。

ピザのデリバリに情熱と誇りを持つバンドのリーダの主人公亮太。
困っている人は助けなければならない。
を信条にしていますが、ある時、立て籠もり犯のもとにピザを届けることに。
刑事たちが困っているのなら、助けないわけにはいかない..
その依頼を引き受けるところから、亮太はピザを届けます。
そこから、事件に巻き込まれていきます
そして、途中で知り合う「おっさん」は味方か敵か?
さらに、後半(第二部)
ここまた、前半の伏線も回収されてすっきり!

展開がさらっとなってて、深みがなく、ご都合主義なところはエンターテイメントとして割り切りましょう。
このスピード感を楽しむのが良いでしょう。

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2022年12月18日

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困っている人を放っておく事は決してしない信条により自身の不利益も顧みずに他人を助けるピザ宅配の主人公の危うさと爽快さ。そんな彼に助けられたら裏切る事なんて出来ないぜ、をテンポ良く楽しませてくれました。

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2020年03月02日

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 ピザ配達人という仕事に誇りを持ちながら、仲間とバンド活動にいそしむ伊庭亮太。配達先に警察がいたかと思ったら、なんと犯人が立てこもる先にピザを届けてくれと依頼される。困っている人がいると助けずにはいられない性格の亮太は、なぜ自分が名指しされたのかわからないまま、ピザを配達することになる。

 途中で知り合うおっさんが敵なのか味方なのか、それに最後まで振り回される感じで読み進めることになるが、まぁ…リアリティはあまりないなぁ。第二部で第一部の数年後が読めるので、そこで「あぁ、よかった」という読後感は味わえるけど。青春ものが好きな人にはおすすめかも。

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2020年02月20日

Posted by ブクログ

立て篭もり現場にピザを届けることになったバンドのリーダー、伊庭亮太。だがそこにいたのは、腰の低いおっさんだった。託されたメッセージ。奇しくも今夜は大切なライブの日。だけど困っている人がいたら助けなければならない。おっさんと亮太の長い一日が始まる。次々くり出される意外な展開が止まらない!

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2018年06月17日

Posted by ブクログ

物語のスピード感、躍動感は抜群で、スラっと読めてしまうエンタメ作品だと思うが、ところどころ、何で?って思わされる状況も。

ヒーローの一人である亮太が、「困っている人を見過ごせない」という思いだけで、どんどん巻き込まれてしまうのも、どう?

そういう状況も、エンタメなんだから、まっ、いいっか。

間と組んでいるアマチュアバンドでリーダーをつとめる伊庭亮太。

昼は宅配ピザ店「ピザ・アルバトロス」で配達のバイトをしている。

ある日、亮太を配達人に指定したピザの注文が入った。
届けた先には刑事がいっぱい。

向かいのビルで人質をとった立てこもり事件が発生しているというのだが、そこへピザを配達してほしいと刑事に頼まれる。

そこからが、ジェットコースターなみに事件にどんどん巻き込まれていくのであります。

立てこもり現場でピザを受け取ったのが人質になっている男性。

この男性との妙な縁で、さらにトラブルの渦に…。

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2018年03月26日

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 ピザ配達のバイトをしながら、バンドでのデビューを夢見る伊庭亮太。そんな彼のモットーは、困っている人は助けなければいけない、ということ。

 いつも通りアルバイトをしていた亮太は、自分に配達の指名が入ったことを聞かされる。そして亮太が配達場所に向かうと、そこは立てこもり事件が起こっている現場で……。

 こうくるか! と感心したところと、粗さや雑さが見えるところがいろいろある作品でした。

 まずうーんとなったところから。

 主人公のお節介っぷりにまず違和感を感じました。配達先で夫婦喧嘩が起こっていたら、勝手に家に上がり込んで仲裁し、
女子大生が困っていたら、バイト中にもかかわらず、水道管の修理をし、
というのが冒頭のエピソードで入るのですが、その時点で主人公に正直ついていけませんでした(苦笑)

 こいついいやつだなあ、と思う前に、こいつやばいやつじゃないか、と思ってしまったというか……。そして、立てこもり事件の人質の目的の分からない頼みを簡単に引き受けてしまうのも、また違和感。

そこにちゃんとした動機付けがあったら、まだ良かったのですが、ただ父親が人に親切だったから、というのはあまりに理由としては、弱すぎると思います。

 警察の描き方もちょっと現実味を感じにくかったです。亮太への捜査協力の仕方とか、いくら状況が切羽詰まっているといっても、あまりに非現実的というか……。

 その他にも第一部から第二部に移るにあたり、ある人物の登場の仕方があまりにさらっと描きすぎで、え?? となりました。前後を書いたとしても、確かに本筋には関係ないかとは思いますが、最低限の説明はほしかったなあ。

 全体的に読みやすさや、テンポの良さを重視するあまり、説明や描写を省き、無理矢理な展開もあえて押し通している印象を受けました。細かいところも気になる自分としては、そこがいまいち乗り切れませんでした。

 とまあ、こんな感じで、前半部を読んでいるときは、「これはやってしまったか……」と思ったりもしたのですが、徐々に話の展開にはまってきている自分がいたのも事実です。

 その一番の理由は、目まぐるしく変わる展開だと思います。

 ミステリを読んでいると自分は、どうしても「次はこう来るか」と先読みしてしまいます。で、小説によっては散々引っ張った挙句、そうした自分の先読みを超えてこない作品もあり、そうなると「このネタで引っ張るなら、もう一つ展開させろよ」などと思ってしまいます。

 それでこの『グッバイ、ヒーロー』なのですが、正直、この小説も先読みできるところはあるのですが、すごいのはその展開にこだわらないこと。なので、こっちが先読みしても、その展開をすぐ捨て、別の展開へ突き進むのです。さっきも書いたように、話のテンポの良さも相まって、どんどん読んでしまうのです。

 特に二部構成となっている第一部の終盤は、小説によってはかなりのクライマックスの場面なのに、そこすらもさらっと展開してしまいます。先読みできるのに、展開が読めない、こんな小説はあまり記憶にありません。

 そして、第一部から数年がたってからの第二部への変調がまた見事! 主人公の行動や設定がここにきて意外な形でつながり、おお! と思いました。ただ残念なのが、こっちも細かいところが雑なところ。展開が無理矢理だったり、登場人物たちの行動が理解しにくかったり。

 いろいろ、もったいなくも感じたのですが、ある意味楽しい小説でもありました。

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2017年12月04日

Posted by ブクログ

面白くて読みやすい。しかも、読んだ後が爽やかであったかくなる。ピザの配達員の亮太とおっさんとのやり取りが面白いし、ぐッと来る。第2部で遥香も加わりおっさんとのやり取りに深みが出る。

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2017年10月05日

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