【感想・ネタバレ】終業式のレビュー

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Posted by ブクログ

どん、と強い衝撃を、何度も受ける一冊。
痛かったり、恥ずかしかったり、羨ましかったり、色々な種類の衝撃を不意討ちで、喰らいます。

「地の文」が一切なく、登場人物が他の登場人物に宛てた手紙だけで物語は進みます。

主人公が高校2年生であった時を起点にした、約20年間が描かれています。

同級生への淡い恋心、先生の悪口、同級生の噂話、受験、進学…
そんなことで埋め尽くされていた手紙の内容は登場人物達が年齢を重ねると共に変化していきます。

別離、結婚、不倫、奪取、離婚…。
彼らに起きた様々な出来事が、変化する手紙の内容から、推察されます。

手紙というのは、ある程度自分を客観視していたり、
少なくとも自分の気持ちを文章にできる程度に整理できていないと書けないもので、その上でどうしても他者に伝えたい気持ちが詰まったものなので、出来事の受け止め方や、人の心について、核心をついている表現が多く、そういう意味で、色々な種類の衝撃を受けたのだと思います。

作中にはいくつか、投函されない手紙も登場します。これが非常によい持ち味を発揮しています。

伝えたいと思って書いた後に思い直して、自分の中に仕舞う感情。
これが手紙の書き手の本心を表していて、作品全体をぐっとリアルに仕上げています。

結局投函されなかった手紙の中に
「なんていうのかな、わがままを言ってくれなきゃ応対できないんだよ、他人は。わがままを、ありったけのわがままをぶつけることが、それが他人を好きになるということなんだ。好きな人にはわがままを言われなければ意味がないんだ。
こんなことを言ったら相手に悪いとか、こんなことをしたら相手に悪いとか、そういうことを考えることがもう、冷たいことなんだ。」
という文がありました。強く印象に残りました。

とても素敵な一冊に出会えました。おすすめ。

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2022年10月01日

Posted by ブクログ

小説的な地の文が一切無く、全てが手紙やFAXなどで構成されている小説はとても斬新だと思った。その人がどう行動したか、何があったのかは細かく見ることができない分、投函されず、本人だけの想いが綴られた手紙などもあり、神の視点で登場人物それぞれの人生が見れた。登場人物がたどり着いた結末までの軌跡がとても切なく、興味深かった。

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2015年08月24日

Posted by ブクログ

僕が一番好きな小説です。
恋愛小説として大好きです。
今までも沢山恋愛小説を読みましたが、この小説が一番です。
他の恋愛小説と、何が違うのか。ちょっと考えてみました。
一言で言ってしまうと、それは「僕の身の丈にあっている。」と言うことです。
もちろん、傷心の海外旅行での出会いとか、クルーザーで港の夜景を見ながらのデートとか、そういう恋愛小説も好きなのですけれども、そこには「僕」がいません。
そう、「終業式」を読んで、僕が「一番好き」と断言できるのは、「たとえば登場人物の中に僕がいても違和感がない。」僕の身の丈にあった恋愛小説だと言うことです。
物語は、一九六〇年頃生まれた同級生四人の高校時代からスタートします。舞台は、静岡県浜松付近。僕が生まれた年代や土地柄とは全く異なります。それでも、「僕が登場してもおかしくない。」と思えます。何故なのでしょうか。
それが、この小説の他では読めない、恋愛小説であるポイントのような気がします。恋愛に対する四人の試行錯誤。これが、ポイントではないかと思います。
都築は行き当たりバッタリですし、悦子は雰囲気に流されやすい。島木は猪突猛進ですし、優子は考えすぎなのですけれども、みんな失敗しながら、少しずつ大人になってゆきます。


おきまりのパターンを踏まない恋愛は、試行錯誤、遠回りです。でも「恋愛」って、そういうものですよね。自分の好みの異性は、自分で見つけるしかないし「見つかった」と思ったら、相手にも「見つけた」と思ってもらえるように努力しなくてはならないのですけれども、それって、必ずしも雑誌に載っているようなテクニックがうまくいくとは限りません。もし、失敗したとしても、誰もフォロー(例えば、替わりを見つけてくれるとか?)してくれません。結局、自分でどうにかするしかないのです。たとえ、うまくいって、ドラマに出てくるような、トレンディーな恋愛になったとしても、それが幸せへの切符であると思えません。そんな僕は、登場人物の試行錯誤に励まされるのです。僕も「今は遠回りをしながら、でも前進しているのだ。」と思えるのです。
自分の恋愛観を「遠回りが趣味」とは思いませんが、こんな登場人物たちに共感がもてる人とは、きっと仲良くなれる。そんなふうに思える恋愛小説でした。

ーーーーーー

角川書店から新たに刊行されたので、買ってみました。今回読んでも「やっぱり、保坂の気持ちがよく分かる。」なのですが(^_^;) 今回は、都築が終盤に悦子へ送った手紙(角川文庫ではp328~)にも注目しました。悦子が、相変わらず別れた男へ自分の欲求を訴えている(同p308~)のに比べ、都築のこの手紙は、悦子への接し方(つまりは女性への接し方)の変化が伺われます。男三兄弟の真ん中ッ子として育った彼が、遅まきながら、女性への接し方を学んだ様子が伺えます。僕も、男三兄弟の真ん中なので、今後(ていうか、今、ちょうど、ラストの都築と同い年(^_^;)だから、今こそ!)彼の後に続こうと思います。

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2014年09月21日

Posted by ブクログ

初めの方は、高校生の自然な文体なのか、少し読みづらい。しかし、都築が浪人して詩的な文章を書いてしまったりだとか、ああこういう時期もあったよなあ、と思わされる。
後の方がものすごくいい。様々な人がいて、いろんな人生がある。人と深く関わったらそのぶん傷つくけれど、傷つかない人生は味気ない。「Love is not saying sorry」について書かれた都築の手紙がいちばんいい。
最初の方は読みづらくても、ぜひ最後まで読み通してほしい。

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2014年10月23日

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手紙やFAXという特定の誰かに書かれたものを第三者が読むには想像をふくらませる部分が多くあって、「え、これ誰のこと?」とか「ああ、多分こんなことがあったんや」とか考えながら読み進めた
悦子たちの文で、「女はこうあるもの」というその時代の風潮、学生時代で盛り上がる会話など今と変わるもの、変わらないものを感じられるのもおもしろかった
思うことをそのまま文にしたとしても本当の気持ちとはやっぱり違う部分があったり、感じてほしいようには伝わらなかったり
読み終わったとき『終業式』というタイトルに改めてぐっときた

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2024年03月09日

Posted by ブクログ

手紙だけの小説。これは誰が誰に書いた手紙なんだろうと最初は考えて、途中からは多分この人の手紙だと思えるようになりどんどん面白くなった。 学生生活から同じ人物を手紙で読むことができて、大人になってからも変わってない部分と変わっている部分が見えてそれもまた面白かった。

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2023年02月25日

Posted by ブクログ

高校の同級生、悦子、優子、都築を中心に、高校〜社会人までの主に恋愛を中心とした出来事を綴った青春群像劇。手紙やFAXで構成されたそれは、時に一方通行だったり、タイミングが合わなかったりでもどかしく、しかしだからこそ、その不便さがドラマチックに作用する。現代から見た物語の時代は良くも悪くも前時代的で、感覚的に少しのめり込めないところはあったけど、手紙やFAXといったオフラインによるやり取りは、その余白に起こった出来事を想像する楽しみが用意されてていいなぁ。

物語の後半は、結婚や離婚などいろいろな出来事を経験し、歳もとってちょっと悟りの境地に達した登場人物たちの哀しくも温かい言葉で手紙が綴られていて、胸に迫るものがあった。
特に都築が離婚して今は離れて暮らす息子に宛てた手紙は、彼の女性遍歴を思い浮かべながら読むと、一層グッとくるものがあるのだった。

ひとを好きになるということは、取りも直さずエゴではあるが、相手を思いやるふりをして自分が傷つくことを恐れるがゆえに、それを押し殺して真摯に振る舞うことだけに意味はあるのか。ひとを好きになるということは、自制できなくなるくらい取り乱してしまうことだ、みたいなことが書かれていて、なるほどなぁ、と思う。

とても面白かった。

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2023年01月21日

Posted by ブクログ

高校生のキャピキャピした文面から
日々を重ね、ゆっくりと大人になっていく
登場人物たち。

その変化が、手紙、交換ノート、FAXだけで
鮮やかに描かれてゆく。
出さなかった手紙、伝えられなかった言葉が
こんなふうに表現されることに新鮮さと驚き。

まるで、この作品の中に生きていて
私も彼ら彼女らと手紙を交わしていたかのように
思わせられるのも、文面のイキイキと
したリアルさゆえだと思う。

読書中、この世界の中の仲間に加われて
楽しかった。

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2021年05月08日

Posted by ブクログ

高校3年生(第1章「制服」)から20年後の結婚離婚(第4章「指輪」)まで仲良し男女4人組とその周囲でかわされる書簡で構成された物語。本当に伝えたい思いは行間に潜ませ、彼らは大人になっていく――

すべてこれハガキ、手紙、FAX、案内状等々の書簡のみでできている。なのに各々の人となりがよくわかるし、終わりの方には誰かさんの秘めたる思いがあかされたりする。
ちなみに彼らが高校3年生だったのは70年代のようだ。ソックタッチ、パンチdeデート、エマニエル夫人というワードに懐かしさを覚える人はよりいっそう楽しめるだろう。

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2020年11月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2018/03/02

手紙とファックスのやりとりだけで、登場人物たちの20年近くを追う。
20年。
スタートは高校生、表現に時代を感じるものの、なんか自分もこんなノリの手紙のやり取りしてたなあと思い出す。
その後大人に近づいて文体は落ち着き内容も年相応に紆余曲折していく感じ、なんかリアルでした。

都築がしょーもない。
上辺では平静を装っていても、どうしようもなく弱くていい加減で、それを直視しないように文学にハマってみたり(ハマったフリをしてかっこつけたり)、自分の失敗や弱さにしょーもない言い訳をつけて正当化したり、もうほんとしょーもない。
でもこういうしょーもない人はいるし、自分にもそういうところある。

あとミポに鳥肌。
末田先生の手紙に涙。人生の大先輩の文章だった。
優子、よかったね。


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2018年03月02日

Posted by ブクログ

『ツ、イ、ラ、ク』以来の姫野カオルコ作品。2作しか読んでいないのに、あぁ、姫野カオルコらしいなと思ってしまった。青春と言ったら陳腐な言葉かもしれないけれど、誰でも懐かしさを感じてしまう思春期独特の雰囲気とか、リアルな感情とか、周りが見えないまま全力で生きてた感じとか。1975年から1995年までの時代を描いているのに、いつの時代も思春期のこの感じは変わらないんだな。読んでから知ったけど、装丁も、ヨシ。

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2016年12月27日

Posted by ブクログ

ぜんぶが手紙だけ
(中には本人に渡せなかった手紙も!)
で構成されてるのが、
おもしろい思って手に取ったのがきっかけ!

これほど “行間を読む” ことを
強いられた本は初めてだなあ。。(笑)

差出人と受取人の関係を上手く
推測しながら読むのがワクワクした!


最後にこの本のタイトルをつけた
作者の意味がやっとわかるって感じ。


私ももっと字が上手なら
いろんな人に手紙書くのになあ(言い訳)

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2016年12月02日

Posted by ブクログ

自分は青春小説が好きだ。
社会人となった今の自分に嫌気が指している訳ではない。
学生時代のかけがえのない時間を思い出すことが出来るし、浸りたい時があるからだ。

思い出は後になるほど美化されるものとは良く言うが、学生時代が特にそうではないかと感じる。
著者はあとがきで、「あのころ。なんて単純で、なんて、一日一日が新鮮で、なんでもドキドキしてたんだろう。…」
と記しているが、この文章に非常に共感した。
なんで体育祭の優勝があんなに大事だったか。夜まで教室に残っている日がなんて特別な日だったか。
当時の自分も全く気づかなかった。
もっとも、気づけなかったから思い出に浸るのかもしれないが。

自分は20代半ば。
この小説では第二章といったところか。
三章以降は自分にとって将来のことになるが、人それぞれ、別の道を歩んでいってもこの手紙のように縁が途切れることなく続けていきたいと思う。

最後に一章で数学の教師の当て方を数列で解明するシーンがあるが、懐かしい。
学んだばかりの数列の知識を使って規則性を発見する…自分もやったなぁ。。
こんな些細な事から当時の記憶が色々蘇る。ありがとう。

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2015年08月16日

Posted by ブクログ

色んな人の手紙の文章のみで進みます。
はじめは読みにくいのかと思いましたが、気づけばサラサラとページをめくってしまいました。
色んな人の感情が詰め込まれて、それが手紙として表れていることが素敵だと思いました。

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2015年02月12日

Posted by ブクログ

ツ、イ、ラ、ク、以来の姫野カオルコ。
真っ当にいい小説だなと思った。書簡体小説好きなので気に入った。

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2014年09月14日

Posted by ブクログ

高校時代を共に過ごした4人の男女。卒業してから20年もの間途切れずに続く彼らの絆を、交わされた手紙、FAX、メモなどだけで綴る物語。


高校時代の同級生4人とその関係者たちが交わした文章のやり取りだけで20数年の軌跡を追う一風変わった形式の小説です。「手紙」だけで展開するわけではないですが、一種の書簡体小説と言えるのでしょうか。

特定の対象しか読まない事を前提とした、秘密のやり取りを盗み見ているようでちょっとドキドキします。
今は誰もが携帯を持つようになり、こまめな手紙のやり取りや授業中に友人にメモをまわしたり、交換日記などもそうそうやったりはしないのかもしれませんが、私とは年代がずれているとはいえ、こういった密やかな交信、文章ならではの口語とは違うすこしふざけた、あるいは格好をつけた独特の空気感は学生の頃を思い出して何だか懐かしかったです。

読者に提示されているのは、誰かが文章におこした部分でしかないので、具体的な出来事などは明確にはわかりません。推察による部分がとても広い小説だとは思いますが、だからこそ色々考えられて心に残るのかな。

個人的には、優子が好きでした。頑張り屋で自立し、芯があるようでいて、どこか自分を押し殺し屈折している所のある女性。幸せになってほしいですね……。

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2023年02月11日

Posted by ブクログ

全文が手紙やFAXで成り立っている書簡形式の作品。初っ端、女子高生同士が授業中にまわす交換ノートの手紙で始まるのだけれど、そこには「ドキがムネムネ」、「なーんちて」など、何やらわざとらしい若者言葉。よくよく読み進めてみると最初の舞台は1975年の設定なのでした。

地の文が一行もないため、手紙文をひとつずつ解読し、時代背景も相関関係も読み解かなければならない。誰が主人公なのかさえ、かなりのページ数を繰らなければ判明しない。読み手の辛抱強さが必要です。

主要な登場人物は主人公の八木悦子、彼女が高校時代に想いを寄せる都築宏、悦子の親友の遠藤優子、都築の親友の島木紳助の男女4人。悦子は芯のない、流されがちで読んでいるこちらがいらいらするような、「普通」の女の子。正直主人公の器ではないです。

親友の遠藤優子は長年一人の人に想いを寄せながらも、打ち明けることができずに大人になり、周囲にはしっかり者として認識されながら、誰にも見せられない自分がいて、自殺未遂まで図ってしまうような屈折した女の子で、優子の方が物語の主人公として存在しがちなキャラクター。けれど、悦子が主人公だからこそ、彼女たちが高校時代にやり取りするノートを見て、自分自身の高校時代と重ねることができるのでしょう。

手紙を読み進めると最終的に1995年までたどり着きます。高校時代同じ学校で同じ環境にいたみんなが大学生・短大生・浪人生になり、社会人になり、主婦になり、バツイチになり……。関係性が変わりながら、それぞれに新しい出会いがありながら、手紙のやり取りが続きます。

どんな感情を持って手紙を書いたのか、書いた裏ではどんな行動をとっていったのか、人間関係の移ろいをそれぞれの手紙で把握するのは、特別なミステリーのようで、読んでいてそわそわするものでした。

大学生になって背伸びしちゃう悦子と、浪人中に文学少年面して痛々しい都築が見ものです。思春期特有の面映ゆさが群を抜いています。

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2017年05月08日

Posted by ブクログ

角川文庫の読むべき100冊だか何だか、特集されてて、なんとなく目に留まったから買ってみた。
表紙にもひかれたのかもしれないな。

それで、開けてみてびっくり。
なんかおバカ風の手紙のやりとりが続く。
ぇ、これって今はやりの携帯小説みたいなやつ?
ぇ、なんか失敗した!!って思った。正直。
ちょっと読むの面倒くさくて、ぇぇ、、、って思ったけど電車の中だったしとりあえず読み続けた。

そしたら普通になったし、それなりに面白くなってきたから不思議なもんだね。
読み進めて、ほんっとに、全編手紙だけなんだ!!
ってわかった時は、ちょっとあんぐりしました。
やるなぁ。
まぁ確かに、自伝なんてそんなもんだし、手紙って相手から誰々って◎◎だよね、とか、●●したあのときさ~、とか、そういうのいくらでも自由に入れられるから、確かに何でも構成できるなぁという感じはした。

まぁ、特段何かにはっとしたり感銘を受けたり心が打ち震える感じはないけど、皆同じようなことを考え、悩み、生きてるんだなぁという感じはしました。

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2016年09月07日

Posted by ブクログ

全編に渡って登場人物たちがやり取りした、手紙、メモ、faxなどで構成したユニークな小説。高校から結婚、それぞれの進路をゆくキャラクターの人生が綴られる。

注目してほしいのは、キャラごとの書きわけ。浪人時代に読書に耽っていた者は大人になってもやたら「文章引用」したがるし、高校から女の子っぽい子は七面倒臭〜い感じで成長していっているなどなど。
「あー、いるよなこういう人…」
って同感しながら読めます。
ただ、キャラが煮えきらず、個人的には☆3つ。
新感覚の小説に巡り会いたいときに読む本。

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2016年02月24日

Posted by ブクログ

ストーリー自体は面白かったし、手紙など書かれたもののみで話が進んでいったのでそれによって見えてくる事実とかがあって面白かった。
ただその分、イメージをしにくかったのと、感情移入がしにくかった。
一つ一つの手紙を切り取ればとてもいい言葉はたくさんあったが全体的に長くて結局何が印象に残ったかわからないといった印象。

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2015年09月25日

Posted by ブクログ

登場人物たちの手紙で物語が進んでいく、今まで読んだことのない恋愛小説でした。
悦子は頼りない女の子かなと思いきや、登場人物の中で一番強くて芯のある印象だったのが意外。
結果としてみんなが落ち着くところに落ち着いて幸せになった、と思いたい。

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2015年08月08日

Posted by ブクログ

すべて手紙やFAXなど、文字でかかれた物を通して語る、というのが面白いと思って手にとった。

年代はちょっと古め。

そうそう、授業中に友達に手紙書いてたよね。
確かにあんな感じの文章だったかも。
でもそれを外側から見たときに、(外側の)人に見せるもんじゃないな、と思った。

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2015年07月31日

Posted by ブクログ

メールや
LINEじゃない
手紙ってのが
いい!

書いたけど
出すか
出さないか
迷うとか!

手紙って
大事☆


2015.7.27

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2015年07月27日

Posted by ブクログ

男女4人の高校生のその後の人生が、
恋模様を中心に手紙やFAXのやりとりのみで描かれる。
高校時代の同級生との恋、大学の先輩との恋、社会人になり取引先の人との恋、
年上の女性との愛のレッスン、結婚後の不倫など、いろんな形の恋が詰まっている。
恋に心を囚われるのは、即ち青春なんだなぁ。

姫野カオルコらしからぬ、どこにでも転がっていそうな普遍的な恋愛モノで、
だからこそ共感を呼ぶのだろう。
真面目だったあの都築クンが、変わってしまったのが残念。
どんなにカッコイイこと言っても、もはや性欲のしもべとしか思えない。

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2015年04月27日

Posted by ブクログ

手紙、葉書、FAX、メモ。何気なく、考えに考えて、感情のままに、書いたことばから伝わるのは、隠しきれない本音。

最初は面食らった。20年の間に交換された(実は送らずに破ったものなども含めて)手紙、葉書、FAX、メモだけで構成された物語とは、裏の内容紹介を読んでわかっていたけれど、実際に読み始めてみると、色々とわからないことだらけで、だからどんどん引き込まれた。

決して書けない気持ちもあっただろうし、書いているうちに筆が走って変な方向に引っ張られた気持ちもあっただろう。でも、文字に残った記録だけが記憶されるのならば、これが「そのときの気持ち」になってしまう。遠藤優子は、本当は文字になっていない気持ちがいっぱいあるのだろう。八木悦子は書いているうちに気持ちが引きずられて自分に酔ってしまうタイプではないだろうか。都築宏は夢や理想に捕らわれて現実から遠ざかる感じがあり、島木紳助は即物的かもしれないが現実世界で生き抜くことには強そうだ。

自分の文章もいつか読んでみたら、そのときの気持ちをリアルに表しているようで、全然ずれていて、でも不思議とそれが本当だったように感じるのだろう。

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2015年04月08日

Posted by ブクログ

読み始めてみて、初めは「あー、帯に騙されたかな。」と思ってました。
というか、単に読み辛かったです。
中高生の色々な話し方が混じった文章だったので。

だけど、読み進めていく内に引き込まれていきました。
というのも、手紙って基本的には1対1でやりとりするもので。
他の人に見られるものではない、と思ってます。
ましてや、書いて投函しなかったものなんて誰にも見られない本音の部分です。
で、純粋に本音の綴られた人様の心内を盗み見てる気がして、悪いなって気持ちと同時にドキドキしました。

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2014年08月31日

Posted by ブクログ

手紙、時々FAXの往復書簡形式。時代をわかりやすくするために当時の流行り言葉やニュースなどがちょこちょこ挟まれている。それが???となったりもしたけどまあストーリー上は問題ない。

行間に光や色が見えたり感情が見えたりして面白かった。ノスタルジック!
遠藤が幸せになってよかった。
遠藤と都築のなんともいえない関係性が好きです。

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2014年08月21日

Posted by ブクログ

あとがきでは、八木悦子が主人公とあるが、私は遠藤さんと都築くんの話だと思って読んでいた。
いやらしい女性をかかせたら、やはり姫野カオルコさんにかなう人はいないですね。ミポリンのキャラは秀逸だと思います。ホイホイ引っかかる男性も頷けます。
ただ、私が共学出身じゃなくて同世代じゃないからでしょうね、所々「そういうものなんですかね?解らない」箇所があり躓きました。よって星は三つです。

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2014年08月14日

Posted by ブクログ

高校時代を共に過ごした4人の男女の物語.設定は昭和50年代が舞台だろうか.僕よりも一回り前の世代の主人公たち.それでも今みたいに携帯やインターネットが無いということではあまり変わらないだろう.全編が手紙の形で物語が進むので慣れるまでちょっと苦労したが,なんともノスタルジックな雰囲気が良かった.そして今も昔も若者は変わらないなぁと少し安心しました.初読みの作家さんでしたが満足.

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2014年08月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトル「終業式」に惹かれて
初めて読んだ姫野カオルコさんの作品。

高校時代からそれぞれ登場人物が大人に
なっていく過程が手紙形式で描かれています。
手紙形式でどこまで話が進むのか…
疑問に思いつつ読み進めると、不思議。
通常の小説のように登場人物の心理や背景が
描かれてなくても話は進んでいく!

最初は高校生。
誰もが授業中に受け渡ししたような
日常を綴った手紙のやり取りから、
大学生、社会人となるにつれて
それぞれのタイミングごとに綴られる手紙。
もしくは出すことはなかった手紙。

もちろん100%出来事を説明はしていないので
足りない部分は読者の想像力でカバー。
でもそれでも話としては成り立つのですね。

中盤以降は落としどころはどこなんだ~?と
想像しながら読んでいたが、
まさかの元サヤとは(笑)

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2014年08月09日

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