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Posted by ブクログ
海外SFものというとどうも腰ひけちゃうんですが、これは面白かった!
入植者として働く人間と管理する異星人。そして人間社会からはみ出て殺人の罪から逃れ鉱脈を探す男ラモンが山でみつけた異種属の巨人。従属の形で、異種属から逃げるもうひとりの人間を追うことになるが…。追う側、追われる側が入れ替わり、複雑になりながらの逃走と追跡の話。
異様な存在である異種属マネックに愛情さえ感じられる不思議な話でした。異種属特有の意味不明な単語にさえ最後は納得しそうになる。
読後感もヨシ!
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編集長特権で2011年本の雑誌ベストワンになる筈だったのが2位に甘んじた1作。椎名さんが好きなのがよく判るし、目黒さんが好きなのもすごくよく判る。異世界冒険SFダメ男てんこ盛り。何と言っても最後のページ、いや最後の一行の鮮やかさと言ったら!
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宇宙を舞台にした「タフな男の冒険小説」。
SFでは珍しい主人公の人物造形、次々に迫る難関難問!
アイデンティティ問題や異種族との交流も描かれているが、SFとしての目新しいアイディアは特に感じられなかった。構想ウン十年の作品だから?
Posted by ブクログ
辺境の植民惑星・サンパウロを舞台にしたマンハントもの冒険SF。
追うもの追われるものの関係性が目まぐるしく入れ替わるハラハラドキドキの展開が見事。特にそれまでの伏線が回収され追迹の対象が明らかになってからが素晴らしく、ダメ男のアイデンティティ追求ものとしても一級品。
後書きの著者3人の合作のいきさつも興味深い。
Posted by ブクログ
SFというよりは冒険ものという気がした。
自分だと思っていた人間が実はコピー。これって怖いよなぁ。足下が揺らぐというか。異星人に逢うことよりも怖いかもしれない。
あと、異星人に意志を読まれたり、逆に読んだり(というよりも無意識で流れてくるのか)もいやな感じだ。
最後に取引を持ちかけるところとか、ニヤリとしてしまった。
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最近にしては珍しく、SF に手を出した。特に思いがあったわけではなく、目黒孝二が大絶賛していたので、ハズレはないだろうと思って手に取っただけ。
3人、30年がかりで書かれたという異色長編で、「トム・ソーヤの河下りをSFで書くとこうなる」というような一冊。「人間」ではない主人公の身にやどる、アイデンティティと矜持が、胸を熱くさせる。登場シーンは少ないが、「数ミリほどあごをあげただけ」で強烈な印象を残したフスティーナ・モントーヤ(ケイコ)が素敵。
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3 名の作家共著の SF アドベンチャー。
めちゃめちゃ面白いやん。
SF としては物足りない部分もあるが、
冒険小説としては、読むのを止められないってやつ。
ハラハラドキドキの展開で一気読み。
続きがありそうなラスト。
はい、続きを読みたい。
でも続編は無いんだなぁ・・・。
Posted by ブクログ
地球から離れた恒星に移り住んで20年目のサンパウロCITY
BIGガールとリトルガールの2つの月が追いかけっこする星 牡蠣人間、銀色エニュ、大きな新動物や地球に追いた子供を思い泣くといわれる泣き女鳥やら沢山の新種族と暮らしている
脂の乗った漢、炭鉱士のラモンはいつも通り酒を浴び、あの夜、思いもよらず異種族エウロパの大使を殺してしまう
当局から逃げようとまだ未踏地の北方へ 今度こそ一山も当てて帰ろうと、また未踏地の地図を作り金を得ようと探検する
その爆破で見えたのが恐ろしい異種族の住む穴だった…
異種族は自分達を知ってしまった逃亡者の先に見つけてしまった人間を捕まえるため、ラモンの人間的思考を元に探せと首にサハエルを付け、異種族マネックと行動を共にさせられる
その人間が置き忘れたシャツにジッポは自分のものだった …、誰なんだ?俺じゃないか!
俺は俺の人差し指から生まれた、俺も怪物だった!
SF。
こうやってあらすじを書いて行くと月や恒星とあれば、この科学ブーム読みたくなってしまう 読んでしまった 有名なSF作家3人の共作ですし。
しかーし、やはり難しいなぁ
SFセカイを見せる為に、物語以外の説明が多く、内容が半分になってしまう でも情景がら何となく読者にシェアされ速読法をしているようだった
スリルを書いているはずなのだが、全然ワクワクしなかった
それよりクローン?とホンモノのラモンとのやりとりが、別人になって自分を気持ち良くさせようと振る舞う自分、別人になった自分の惚れてる女の違い、そしてどちらが死ぬべきか。。。 そのやりとりが軸になっており、哲学的になり興味深かった
生活のために離れられず好きな女、友達の好きだった女を寝取って別人になって好きと掘り返した女。
マネックとサハエルを首に付けて知った異種族の思い、認めたくなくてもそこから生まれた仲間意識。
知ってる世界、自分の記憶力なのに、怪物人間として初めて見た古巣のセカイ。
ドッペルゲンガーだが、確かに自分なのに生存競争をしてしまう若しくは激しく嫌悪してしまうのは、当たり前かもしれない
自分を見て自分を嫌悪し、死にたくなることもあるかもしれない
そう考えると来るクローン社会への警鐘もしているようだ(確かに後書きでカトリックに反対行動が出たと書かれていた)