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Posted by ブクログ
作者はリングシリーズの鈴木光司さん。
特攻をテーマにしておりこの本の厚さから『永遠の0』を思い出してしまう。
主人公はテレビディレクターの雪島忠信、人妻である倉沢菜都子と不倫中!?
そんな雪島がある時ほんの閃きから神風特攻隊をテーマとしたテレビ番組を作りたいという気持ちに駆られてしまう?
雪島と菜都子の不倫と特攻調査の話と戦時下の日本を舞台としたパートが変わるがわる・・・
次から次へと気になりだしてアッという間の579ページでした!
是非、終戦記念日の前にお読み下さい。
本文中の言葉を借りれば、このレビューが目に入ったのもきっと必然なのです。
Posted by ブクログ
忠信って名前から浅野忠信の顔しか出てこなかった。永遠の0の前にこういう系小説があったとはって感じ。
忠信と菜都子と雄幸の関係とか、和宏と峰岸とかの関係を中心に話が進んでくんだけど、最後にそう繋げてくるかと。ちょっと峰岸のことはムリがあるような気もするけど、いい話だった。
Posted by ブクログ
『特攻に出撃するまでの葛藤と苦悩がよほど大きかったせいか、無人島で生きることが過酷と思わないのだ。むしろ快適でさえある。なにしろここには不合理がなかった。もっと厭うべきは、不合理と集団が結び付いてもたらされる、無形の圧迫である。重く澱んだ集団の空気は、世界を狭く、住みにくいものとする。何が嫌といって、小さな檻の中に閉じ込められるのだけは、まっぴらだった。鉄製の檻ならばまだしも腕力でどうにかなる。だが、目に見えぬ情緒によって形成された檻は、破りたくても簡単に破ることができない。』
『永遠の0』より好きだな。空気に支配されて個を喪失する日本の集団主義の中から、いかにして自由になるか。過去と現在の物語をうまくつないでいて、考えさせられる素晴らしい作品だ。
Posted by ブクログ
特攻というものは、日本人だから理解(賛成ではない)できる日本独特の集団的心理
で、それに追いつめられて逃げられる若者なんて殆どいない。それをやってのけ特攻
から帰還した兵士。
強い意志を持つことも大切だが、これを表に出さず和を尊ぶのもこれまた日本人。た
だただ共感するだけではなく、色々と考えさせてくれる物語でした。
ただ、過去と対比する現代ストーリーの主軸が不倫ってのはちょっといらないなぁ。
Posted by ブクログ
場面の描写が長いので長編になったが面白いので休むことなく読める。
作者の表現力は素晴らしく読みやすい文章だ。話は出来すぎなところがあるが小説だから仕方ない。特にインディアンに結びつけるところが、「えっ、これってあり?」と思うが。
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(オーディオブックにて)
特攻隊にまつわる物語。その物語自体は素晴らしい。おそらくかなりの取材をしたのでしょう。
話したくない人たちもたくさんいたことはこの小説を読んでいてもわかる。
そして驚く邂逅と事実に行き当たる。
そこに不倫となる恋愛が意味もなく絡まっているところがどうかな、と思ったけど。
Posted by ブクログ
僕が好きなのか著者が素晴らしいのかわからないが面白いと思うのです。その面白さに裏付けもある気さえも物語から感じ取れてしまいます。
発売前に著者がラジオで話しているのを聞きました。
娘さんが中学受験の面接で受験動機を聞かれた際に「人類の調和と進歩」と答えたそうです。その娘さんとこの作品のために施設の取材に訪れたと話していた記憶があります。
毎回この方の著作は信じて読むことができています。
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峰岸中尉にモデルはいるのか?という、忠信そのもの的な余韻が強い。忠信と菜都子と雄幸はどれもダメだったけど、中尉には惹かれた。フィクションじゃなく、ちゃんと知らないといけないなと思う。
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「鋼鉄の叫び」鈴木光司
ヒューマンドラマ。彩度の高い光景。
すこしSFが入る日本軍兵士物語かと思っていたら、あにはからんや骨太のヒューマンドラマでした。
登場人物ひとりひとりが、濃いなあ。
なぜ、この物語が描かれなければならなかったのか、についてはかなり気になりながら読んでいました。
鈴木光司がこうしたえげつないほどに男女のエゴを書き出していることも他作に比べて特筆だし、最終的な結末が選択して選んだ愛、という点も、読む人によっては嫌悪感を覚える向きもあろうかと思う。
何が鈴木光司をそれに駆り立てたのか、これを読まれることで何を読者に感じられると思ったのか?
ただし、少なくとも、鮮烈な生への渇望、という、いつものモチーフは一貫されていて、読んだ印象は安定していました。
果たして、このあと社会に対して男たちは何を影響することができたのか?気になる終わりかたです。(3)