【感想・ネタバレ】2010年宇宙の旅〔新版〕のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

2001年宇宙の旅の続編…と言わなくてもタイトルでわかりますね(^^;)。
あれで終わりかと思いきや、さらにその後日談が前作の登場人物と新登場人物で繰り広げられます。

前作は映画と小説で設定が違うよ、という前提で話が作られていたのに対し、今作は前作の設定は設定だけど映画の設定を踏まえて今回は書くよ、というスタンスなので初めは若干混乱します。
あんまり詳しく書くとアレなのですが、2001年で映画→小説と進めると「あ、設定が違うんだ、小説はこうなんだね」と納得して終わるわけです。
で、その影響下にあって続きのつもりで読み始めると2010年は「映画はこうだったからやっぱり映画の設定で続けるよ」と宣言して始まるわけですがやっぱり小説のつもりで読んでるので「アレ?小説は違うよね?」という疑問があちこちに出てきて序盤は集中できませんでした。二回同じ事を言いましたかね?

まぁ内容的には大事なところは前作の設定でもっと広げた状態になるので面白いのは面白いです。あぁこういうところに持っていくんだ、という感覚というか…でもイメージは『幼年期の終わり』と同じですよねぇ(ぉ

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2011年05月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かったけど、謎が多いまま。

2001年宇宙の旅は、原作と映画が後の方でずれたため、映画の内容に合わせて少し書き換えられている。
土星だったのが木星に。などなど。

9年前に土星(設定が今回木星へ変更)の調査に行った宇宙飛行士たちの中でボーマンだけが、星がいっぱいという言葉の後いなくなった。
回は宇宙船ディスカバリーを探しにいくことと、ボーマンはいったいどうなったかの調査のため旅立つ。

ハルを復活させたけど、覚えてなかった。
今回のハルはちゃんと仕事をしていた。

フロイド博士だけが、ボーマンの意識と接触し、早くここから去った方がいいと忠告される。

なんとか、みんなを説得させたが、帰還初期にとんでもないものをみる。

木星がザガートカ(モノリス操作する意識?)によって消滅?めっちゃ小さくなった後、生まれ変わり大きくなり太陽になった。

地球にとって太陽が2つに。
しかも、夜が短くなった?ようだ。

エピローグで、エウロパ人について書かれていた。
ボーマン意識からのメッセージ(ハルが伝える)には、エウロパだけには降りるなと。

エウロパ人からも、地球人がいるかわかってないようで、何やら光(宇宙船)が移動していると思っている。
何か他のものがいると思っている。

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2021年02月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

もはや説明の要すらない大傑作「2001年宇宙の旅」の9年後を舞台とした続編。設定上は、小説版ではなく映画版の続編となっており、遺棄されたディスカバリー号が漂流しているのは木星衛星群の宙域です(この辺りのいきさつは、クラーク自身による「作者のノート」に詳しいです)。

宇宙飛行士4人が死亡、1人が行方不明となったディスカバリー号事件から9年後、木星衛星群探検のきっかけを作ったヘイウッド・フロイド博士は、ディスカバリー号回収のためにHAL9000の生みの親・チャンドラ博士と共にロシアの宇宙船に乗って木星へと旅立つ。9年前と何ら変わらぬ政治的な駆け引きに翻弄されつつも、ボーマン船長が残した謎のメッセージを頼りに木星周辺での探索を続けるフロイド博士が観た事件の真相、そして更なるモノリスの企みとは?

前作の小説版は、いわゆる「ハードSF」としてきっちりと作り込まれた物語的ダイナミズムが最大限の効果を発揮した傑作だと、鴨は思っています。映画を観る限りだと何が何だかよくわからないんですけどねヽ( ´ー`)ノ小説版では、TMA-1の存在理由もHAL9000が発狂する過程もボーマン船長が変容したものが「何か」もSFとして全てちゃんと説明されており、SFとしての(実にクラークらしい)オチも付いています。
続編である「2010年」も、前作のテイストを引き継ぎ、「ハードSF」として隙のない、きっちりと美しく構成された物語世界が展開されています。まぁ、モノリスによる変容後のボーマン船長(であったもの)が登場したり、コンピュータであるHAL9000の「意識」がディスカバリー号消滅後にも精神体として生き残ったり、多分にオカルティックかつスピリチュアルな描写もそこかしこに見られるのですが、クラークのスゴいところはそれがハードSF世界の一風景として何ら違和感なく存在しうるというところ。ボーマン船長(であったもの)がクルーにとある警告を発して以降の物語の緊迫感は、タダものではないです。最終的に警告を受け入れたクルーが危機一髪で木星圏を脱出する描写に、鴨は痺れましたね。これぞハードSF!

この「ハードSFっぽさ」に加えて、いかにもこの作品がクラークらしいポイント。それは、地球人類の未来に対するニュートラルな視点です。
物語の途中で、どこかで読んだような気がする一章が挿入されます。実はこれ、前作「2001年宇宙の旅」と全く同じテキストによる、モノリスの存在理由を説明する一章なのです。地球人類のちっぽけな自尊心など全く意に介さない、巨大な存在の提示。そして、物語の最後の最後に登場する、モノリスによって選ばれた「地球人類以外の知性」。地球人類の存在意義を徹底して客観的に見つめる、「幼年期の終わり」にも通じるクラークの冷徹な視線を感じます。
そんな壮大なヴィジョンを提示しつつも、その一方でフロイド博士の離婚騒動とか宇宙船クルー内の恋愛模様とか、ものすごく卑近な地球人類ならではの人間模様も描いてみせたりして、あぁもぅこれだからクラークやめられないのよヽ( ´ー`)ノ
面白いです!

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2012年03月10日

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