【感想・ネタバレ】親鸞をよむのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

[ 内容 ]
今、あらためて親鸞をよむ。
頭で「読む」のではなく、からだで「よむ」。
それは、描かれたその面がまえから、残された筆跡、歩いた道筋から、そして主著『教行信証』や“和讃”の言葉から親鸞の息づかいを感じとり、その苦悩にふれる営みである。
加えて妻・恵信尼の自筆文書を新たな視角で読み解き、親鸞九十年の生涯の到達点に迫る。

[ 目次 ]
序章 ひとりで立つ親鸞
第1章 歩く親鸞、書く親鸞-ブッダとともに
第2章 町のなか、村のなかの親鸞-道元とともに
第3章 海にむかう親鸞-日蓮とともに
第4章 弟子の目に映った親鸞-唯円と清沢満之
第5章 カミについて考える親鸞-神祗不拝
第6章 親鸞をよむ-日本思想史のもっとも戦慄すべき瞬間
第7章 恵信尼にきく-日本思想史の背後に隠されていた「あま・ゑしん」の素顔

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
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[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2011年04月27日

Posted by ブクログ

親鸞を「頭」で読むのではなく、親鸞その人に対面することをめざした本ということですが、親鸞について著者が比較的自由に思索を展開させたエッセイのような叙述になっています。

『教行信証』の中で、親鸞が「神祇不拝」を主張しつつ、現世利益の源泉としての神祇を肯定的にとらえるような叙述をおこなっているところに注目しているのは、宗教民俗学を専門とする著者らしいという気がします。この問題についての著者の結論は、「あれかこれか」というイデオロギー的な呪縛から解放された親鸞のコスモロジー的思考を積極的に認めるべきだというものです。

また、親鸞とその妻である恵心尼の関係についても、興味深い考察が展開されています。著者は、恵心尼の「尼」は出家者を意味する「尼」というよりも、むしろ夫を喪った未亡人を意味する「尼」である可能性が高いという考え方を示し、親鸞の思想を受容した人物としてではなく、親鸞とともに「非僧非俗」の立場をさぐりつつ生きる女性として理解しようとしています。そして、「恵心尼文書」の中に見られる『無量寿経』の書写断片を手がかりに、みずからのうちにある「執心自力」の根強さにおののく親鸞が、『無量寿経』を静に音読している恵心尼の姿を見て、心を打たれたのではないかという推測が示されています。

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2017年12月03日

Posted by ブクログ

■「歎異抄」は刺激的だが、弟子唯円の筆によるものでもあり、やはり親鸞自身が著した「教行信証」もひも解くべきである。
■「教行信証」のテーマは、「父殺しは救済されるか」というものであり、親鸞の結論は「善き教師」と「反省」があれば救済されうるとするもの。すなわち条件がある。
■これは「悪人正機説」とやや矛盾するように聞こえるが、そうではない。
・・と、いうようなことが書かれてある(ようだ)。

著者 山折の本は初めて手に取ったが、ずるずるとしたエッセイのようで、思いつきのように論旨が飛んだり、くだくだしい繰り返し!が出てきたりして、何ともいえない味わい。本書は第6章「親鸞を読む〜日本思想史の最も戦慄すべき瞬間」が山のようである。

■親鸞>鏡御影 道元>月見の御影・・両名の肖像は良く似ている。
■親鸞は90歳の長寿を誇る、頑健でしなやかな身体を持っていた。
■道元入滅=西洞院高辻西、親鸞入滅=西洞院松原東

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2018年10月14日

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